株初心者は資金がどの位あれば始められるだろうかと疑問を持つだろう。
最低「100万円」を持っていなければできない?いや、実は10万円あれば株はできるのだ。もしそんな低資金から始められるなら試してみたいと思わないだろうか。そんな低資金から始めようと思っている株初心者のあなたにはぜひ読んでほしい。
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資金はいくら必要?
基本的に、株を買う場合は、上場企業の銘柄しか買うことができない。それぞれの企業のことを株の世界では、「銘柄」と読んでいる。まずは、どの銘柄を買うのかを決める必要がある。
銘柄によって最低限必要な金額が決まってくる。最低100万円以上じゃなければ買えない銘柄もあれば、1万円ぐらいから買える銘柄も存在する。
このぐらい銘柄によって大きな幅があるということをまずは覚えておいてほしい。
結局、株初心者は資金がいくら必要なのか?という疑問だが、
10万円の資金
があれば取引が出来るのだ。
なぜ10万円の低資金で株取引が出来るのか、これからお伝えしていこう。
資金は10万円用意しよう
まず最初に10万円の資金があれば株は出来るのだが、10万円でできる株取引の話をしていく。
実は、ただ株を買うというだけであれば、取引手数料は考えずに、
”2万円あれば買える”
しかし、これは、ただ買えるだけの金額だ。
多くの人は、月に5万円でも株から利益を得たいと思っていると思う。
その場合は、2万円の資金では、とてもじゃないが、5万円の利益は難しい。なぜなら、
100円の株価を100株買って、1万円支払ったとしよう。
100円が30円上がって130円になっても3000円の儲けだ。
株は、利益を出し続けるのは難しいので、当然マイナスの時もある。
そうなると、差し引きしても5万円までは程遠い。こんなこと素人の大学生でもわかるだろう。
では、それなりに、
利益を出して月のお小遣いを出せるであろう最低ラインの少額投資資金はいくらなのだろうか?
これに答えはないが、私の最低ラインとしては、最低
10万円の資金
はどうしても必要だ。ただ、10万でも買える銘柄がかなり限られるので、制限は多い。
あくまでも低資金取引が出来るラインである。
一般のイメージでは、100万円以上資金がないと株なんてできないとか、
株はお金持ちがやる事だとか、借金を抱えるから危ないというような事を思っているだろう。
私も株なんてお金持ちの遊びだろうな、
初心者が気軽に手を出して借金をしたら取り返しがつかないから危険だというくらいにしか最初は思ってなかった。
でも、実際にはそんなことはなかった。
例えば、1株1000円という銘柄があったとしよう。よくある間違いが、1000円出せば1株買えるのだと思っている人がいる。しかし、実際は、1000円で株を買うことはできない。
(例外もあるのでそれは後述する)
株には単元というものがあるからだ。
少額で取引が出来る株の選び方
株というのはその銘柄ごとに「単元株数」というのが決まっている。
これは、最低限買わなくてはいけない株数のことである。
ほとんどの銘柄「100」に設定されているので、もし1000円の株であれば、最低10万円がなければ買うことができない。
「単元株数」を「売買単位」などという場合もある。
この言葉は株をこれから購入したいのであれば、しっかり覚えておこう。
各証券会社の銘柄のページに行けば、これが必ず書かれているので、
最低いくら証券口座に資金が必要なのかという情報がすぐにわかる。
まれに、最低売買単位が、「売買単位10」「売買単位1」などの銘柄もある。
なかには、「売買単位1000」などの銘柄もある。ともかく銘柄によって全く違うので必ずチェックしよう。
資金で上手に運用する方法
おすすめの証券会社はネット証券
株式投資を始めるためには、まず証券会社に証券口座を開設しなければならない。
証券会社には、野村證券や大和証券など全国各地に支店・営業所を持っている「総合証券」と、
支店・営業所を持たず、インターネット取引に特化した「ネット証券」の2種類があるが、
新たに口座を開設するのであれば、ネット証券で口座開設することを強くおすすめする。
・証券会社選びのポイントは「手数料の安さ」
証券会社選びで重視すべきポイントは、「手数料の安さ」だ。
初心者・経験者にかかわらず、株を売買すれば必ず売買手数料がかかる。
一回の売買にかかる手数料は微々たるものだが、デイトレーダーのように一日に何回も取引する投資家は、
取引回数が増えれば増えるほど手数料も増えるため、決してバカにならない。
総合証券で口座を開設すれば、各支店の営業マンや株式アドバイザーに投資について
アドバイスを受けることができるが、その分株の売買にかかる手数料も割高で、
下手をすればネット証券と比べて10倍以上違う。
手数料を安く抑えることは、投資パフォーマンスにも大きく影響することを忘れてはならない。
・ネット証券の手数料比較
手数料は証券会社によって違うが、ネット証券は顧客獲得のため激しい手数料競争を繰り広げており、各社とも低価格の手数料体系を打ち出している。
主なネット証券の手数料体系は以下の通りだ。
証券会社 | 10万円 | 50万円 | 100万円 |
---|---|---|---|
SBI証券 | 139円 | 272円 | 487円 |
楽天証券 | 139円 | 272円 | 487円 |
カブドットコム証券 | 90円 | 250円 | 990円 |
マネックス証券 | 100円 | 450円 | 1000円 |
松井証券 | - | 500円 | 1000円 |
岡三オンライン証券 | 99円 | 350円 | 600円 |
ライブスター証券 | 80円 | 180円 | 340円 |
GMOクリック証券 | 88円 | 241円 | 436円 |
※2016年度サイト情報。
手数料の安さは証券会社選びの重要なポイントだが、
それ以外にも「取引ツールの使いやすさ」「取扱商品の種類」
「サポート体制の充実度」などについても比較することが大切だ。
これらの項目を総合的に判断し、これから口座開設する初心者には
「SBI証券」と「楽天証券」をおすすめしたい。
SBI証券
SBI証券は、オリコンが発表する「2016年日本顧客満足度ランキング」総合部門で10回目となる1位を獲得するなど、
個人投資家から最も多くの支持を集めているネット証券だ。
口座開設数は350万口座を突破し、個人投資家の売買代金シェアは41.1%に達している。(いずれも2016年9月時点)
業界最低水準の手数料体系に加え、
SBI証券が多くの個人投資家から支持される理由のひとつが「取引ツールの使いやすさ」だ。
SBI証券で口座開設すれば、リアルタイム・トレーディングツール
「HYPER SBI」
を無料で利用できる。
HYPER SBIは、ダブルクリックやドラッグ&ドロップといった
マウス操作だけで簡単に発注・訂正・取り消しが可能だ。
もうひとつの強みが、
ネット証券で唯一「PTS取引」ができることだ。
PTS取引とは、証券会社が独自に運営する取引所で取引できるシステムのことで、
「私設取引所取引」とも呼ばれる。
証券取引所が取引できる時間は平日の9:00から15:00までだが、
SBI証券に口座を持っていれば証券取引所の取引時間外でも取引できる。
(デイタイムセッションは8:20から16:00、ナイトタイムセッションは19:00から23:59まで取引可能)
PTSであれば、日中仕事をしているサラリーマンも仕事が終わった後に取引に参加でき、
また証券取引所が閉まった15:00以降に決算発表などの材料が出たときに、PTSで売買できる。
サラリーマンにとって、PTSは強い味方となるだろう。
楽天証券
楽天証券も、個人投資家から高い評価を受けているネット証券だ。
特に評判なのが、楽天証券が誇るトレーディングツール
「マーケットスピード」で、「マーケットスピードを使いたいから」という理由で楽天証券に口座開設する個人投資家は多い。
マーケットスピードは、マウス操作で簡単に
発注・訂正・取り消しができるのはもちろん、情報画面を独自にアレンジできる。
ニュース情報やチャート機能も充実し、まるでプロのトレーダーになったかのような雰囲気が味わえる。
「2016年日本顧客満足度ランキング」総合部門では、SBI証券、カブドットコム証券に次いで第3位となっているが、「分析ツール」「取引のしやすさ」部門では第1位にランキングされており、いかにマーケットスピードが高い評価を受けているかがわかる。
マーケットスピードは基本有料だが、口座開設から3か月は無料で、以降は3か月に一度約定があれば無料で利用できる。マーケットスピードを利用したいという理由だけでも楽天証券に口座を開設する価値は十分ある。
少額向きの投資スタイルとは
株式投資のスタイルには、大きく分けて「短期投資」「中期投資」「長期投資」の3種類があるが、
少額の資金運用を考えている投資家には「中期投資」もしくは「長期投資」のスタイルが適している。
「中期投資」と「長期投資」のスタイルが適している理由について、3つの投資スタイルそれぞれのメリット・デメリットとあわせて紹介しよう。
・短期投資
短期投資の代表としてよく知られているのが「デイトレード」で、
一日に何回も売買を繰り返し、小さな利益をコツコツ積み上げていく手法だ。
また、デイトレードよりもっと時間軸を短くして、
数秒から数分間に売買を繰り返す「スキャルピング」という手法もある。
どちらもポジションを持っている(株を保有している)時間が短く、
複数の銘柄を次から次へと売買して資金効率良く利益を上げるチャンスがあり、
一日で取引を完結するため市場が閉まった後の悪材料やニューヨーク市場の暴落などの影響を受けないのがメリットだ。
一方で、何度も小さな利益を取るために、
市場が開いている時間は常にモニターに張り付いて株価の値動きを監視しなければならず、
時間的に余裕がある人しかできないデメリットがある。
また売買回数が多くなると、その分手数料もかかるため、
少額で投資しているサラリーマンが利益を上げるのは至難の業だ。
この投資手法の詳細を解説していこうと思う。
デイトレード
デイトレードは、1日のなかで全ての売買を完了させる取引スタイルである。このような取引スタイルから、1日の中で何回か注文したり決済したりの取引を繰り返し、売却差額で利益を出す手法である。デイトレードでは比較的株価の動きが激しい銘柄に注目し、短時間で相場が上昇しそうな銘柄を保有していく。
保有しているときに上昇し、その日の最高値のところで売れば、理想のデイトレードができたといえるだろう。このようにいけば理想だが、相場というものは上昇するだけでなく下落することもあり、売買のタイミングをつかむには経験を積み重ねる必要がある。
メリット
短期間で相場が上昇すれば、大きな利益を得ることができるメリットがある。またデイトレードは1日で売買を完了するスタイルなので、利益がでているかどうかわかりやすい利点がある。つまり利益と損失の管理がしやすいのが、デイトレードである。
また次の日に株を持つ越すことがないので、取引時間外の影響を受けることがない。例えば取引時間外に天災などが起こったとして、翌営業日に株が急落したとしても、デイトレードでは株を保有していないのでそのような心配をする必要はない。
デイトレードはその日のうちに手じまいするので、取引ルールを考える必要もなくなる。それにともなって、損失も限定的にできる。
デメリット
株価の値動きが激しい銘柄を保有するスタイルのため、株価が下落してしまうと短期間で大きな損失になる恐れがある。
また取引時間外に株価が上昇したとしても、デイトレードでは持ち越さないので、その利益を得ることができない。
取引回数が増えるため、売買手数料など費用もそれなりにかかるほか、チャートを随時確認する時間の確保も必要になる。
そのため普段会社勤めしている人は、デイトレードには不向きである。
株は売買差額で利益を得るほかに、配当金や株主優待で利益を得る方法があるが、デイトレードはその日で手じまいするので、配当金や株主優待で利益を得ることができない。
スキャルピング
デイトレードよりもさらに短い時間で利益を出す投資スタイルになる。1回あたりの売買を数秒から数分で完了させるのが、スキャルピングトレードである。
スキャルピングトレードするにあたっては、
株価を保有する前に損切りするところと利益確定するところを決めておくのが大切になる。株価が上昇トレンドの銘柄でスキャルピングトレードすれば、その日に何回も利益を出すことができる。
テクニカル分析では、1分足や5分足を使って取引をしていくケースが多い。一瞬の判断で利益損失が変わってくるのが、スキャルピングトレードである。その一瞬の値動きをつかむためのトレード環境を充実させることも、スキャルピングトレードで勝っていく条件になるだろう。
メリット
スキャルピングトレードは、デイトレードよりも短時間で売買するため、短時間でコツコツ利益を積み重ねることができる。また保有している時間が短いので、大きなリスクを避けることができる。
デメリット
トレード環境の充実や時間を確保するのが、個人投資家には難しい。もしトレード環境の充実をしたくても、かなりの費用を覚悟しなければならない。
またプロのディーラーや人工知能を使ってスキャルピングトレードしている人がいるため、それらと人たちと勝負しなければならない。それと数秒から数分で売買を完了させるため、反射神経や精神力や経験値が必要になってくる。そのため
投資初心者には、スキャルピングトレードは難しいと言われている。
デイトレードと同じで、配当金や株主優待で利益を得るスタイルではない。スキャルピングトレードは、そのほかの投資スタイルで経験を積んでから始めたほうがいいだろう。
中期投資
デイトレードに比べるともう少し時間軸が長く、数日から数週間ポジションを保有して値幅を取るスタイルで、
「スイングトレード」とも呼ばれている。
スイングトレード
株価が上下するのをスイングと呼ぶが、その上下動をつかみそこから売却差額を狙うのがスイングトレードの基本である。
スイングトレードではトレンドをつかむのが大事になり、株価の動きを見ながらエントリーや決済のタイミングを判断していく。
このタイミングをつかむには、投資経験が必要になってくるだろう。信用取引では売りで保有して買い決済するが、このようなトレードスタイルで利益を出している人もいる。
株では買いで保有している銘柄を、1週間から2週間くらいの期間で決済していく。トレンドをつかむためにテクニカル分析を使うことが多く、移動平均線はその代表的なものになる。
メリット
保有している銘柄を1週間から2週間くらいで決済するため、1日の中で相場に張りついている時間は、スキャルピングトレードやデイトレードと比べて少ない。そのため会社勤めの人も、取引しやすいトレードスタイルになる。また保有している銘柄の株価が急上昇して、想定外の利益を得ることができる可能性もある。利益は売却差額が基本であるが、配当金や株主優待で利益を得られることもある。
またテクニカル分析などで研究していけば、利益を出すことができるようになる。つまり経験を積んでいくことで、勝てる確率も上がる可能性は十分にある手法である。
デメリット
保有している株式の持ち越しリスクがある。株式市場は開いている時間でのみ決済をすることができる。日本の市場は9時に始まって15時で閉じるので、15時から翌営業日の9時までは営業時間外になる。その営業時間外に保有している株式に何らかのトラブルがあると、
その株価は下落することがある。そのような状態になった時は、保有している株を決済したいのだが、翌営業日の9時までは決済確定ができない。また土日祝日は市場は休業になるため、休業明けになるまで保有している株を決済確定ができない。保有している株価が、市場が開いたときに急落しているケースはあるので、
スイングトレードではそのようなことに注意を払わなければならないだろう。
長期投資
ほとんどの人が銀行や郵便局など金融機関で預貯金をしていると思うが、長期投資はそのようなイメージを持ってもらうといいかもしれない。
基本的に長期投資は、
株を買ってから数年保有して、その後売却することを指す。
このような投資スタイルのため、売却差額と配当金と株主優待の利益を狙えるチャンスがある。長期投資では、長年右肩上がりで成長している企業の株価に注目するほか、決算前の配当金や株主優待に注目して投資する方法もある。
メリット
長期投資するメリットは、何といっても配当金と株主優待の利益が、スイングトレードやデイトレードよりも格段に大きいことにある。配当金は通常の企業では、年2回もらうことができるところが多い。例えば10000株保有しているとして、1株当たり3円の配当があれば、3万円の配当金をゲットできる。ちなみに株式市場全体における、企業の利回りの平均は2パーセントくらいといわれているので、そのことも参考にして銘柄を探す方法もある。
もうひとつのメリットである株主優待は、企業が株主に対してモノやサービスを送るシステムである。企業の自社製品が送られ、クオカードやお米のようなものがもらえると考えればいい。株主優待は決算前に実施するので、株主優待があるところとないところはあるが、それらを見計らって銘柄を保有したり売却したりする方法もある。
長期投資は長年同じ銘柄を保有しているため、チャートの確認をする手間が省ける。銀行の預貯金のように、ほったらかしにしておいてもよいのが長期投資ではできる。
デメリット
保有している期間が長いため、保有している銘柄が将来どのようになるのか予測するのが難しい。
例えば3年保有するとして、1年目は株価が上昇して、2年目も株価は上昇したとする。しかし3年目に株価が急落して、売却するときの株価が購入した時の株価と変わらない、というようなことがよくある。このような例から長期投資は短期投資と比べると、利益を上積みするチャンスは少なくなってしまうだろう。逆に1年目に株価が下落してしまうと含み損になってしまうが、その損失に耐えることのできる資金も必要になってくる。現在右肩上がりで成長している企業の銘柄を保有していても、
数年後はどうなるかはわからないので注意したいところである。
どの投資スタイルにもそれぞれメリット・デメリットがあるが、
少額の資産運用を考えている投資家は「中期投資」か「長期投資」を選ぶべきだ。
10万円を20万円にする為には
株式投資を始めるためには、まとまった資金が必要というイメージがあるが、実はそんなことはない。
10万円あれば、優良銘柄や投資家に人気の銘柄も買うことができる。
では、どのような方法で10万円を20万円に増やすことができるだろうか?
短期間で20万円に増やすために、「値動きの大きい中・小型株を買う」という方法もあるが、
常に値動を監視していなければ大きな損失を出す可能性もあり、
仕事を持っているサラリーマンにはこの方法は難しい。
あっという間に大切な資金を失くさないためにも、「配当利回りの高い銘柄」への投資で長期的にコツコツ増やしていくことをおすすめする。
例えば、あおぞら銀行(8304)の配当利回りは4.46%、みずほフィナンシャルグループ(8411)の配当利回りは3.71%で、こうした銘柄に投資して配当金収入でじっくり増やしていけば、ストレスもなく楽しみながら投資できるだろう。
ただし、配当利回りが高い銘柄であれば何でも良いわけではない。銘柄によっては、業績が悪化し株価が下落したため配当利回りが高くなっている場合もある。投資する前に、業績悪化により株価が急落していないか確認してほしい。
数千円から始めたい場合は
10万とか怖くてできない。という人は数千円からでも株を売買する方法がある。それが、ミニ株や1株から購入できる買い方である。これは、証券会社によって、売買手数料もサービスも違う。くわしくはこちらの記事(株を低資金でも売買する方法)に詳しく書いているので、こちらを参照してほしい。
このサービスを使えば、少額投資向けで、1株から株を買うことができるので数千円単位の売買も可能である。しかし、制約も多いので、注意してほしい。普通の株の売買とは全く違う。
借金を背負うことってある?
あなたが株式投資を始めることについて、まわりの人から「損するからやめた方がいい」と言われたことはないだろうか?
日本では「お金儲けは悪」「株式投資=ギャンブル」というイメージが根強く、
「ギャンブルだから、損するに決まっている」と考える人が多いことが影響している。
では、株式投資で借金を背負ってしまうことはあるのだろうか?
株式投資には、自分の資金と株式で取引する「現物取引」と、
証券会社から資金と株式を借りて、自分の手持ちの資金以上の金額で取引できる「信用取引」がある。
現物取引であれば、最悪の場合手持ち資金がゼロになる可能性はあるが、借金することはない。
一方、信用取引は自分の手持ち以上の資金で取引することにより、
大きな利益を上げる可能性があるが、最悪の場合ゼロとなる可能性もある。
投資資金以上の負債を追うの?
銀行にお金を預けた場合、預けた銀行が破綻しない限り元本割れすることはないが、
株式投資は「元本割れ」することがある。
元本割れとは、株価の下落などにより投資した元本より少ない金額しか資金が戻らないことをいう。
また、銀行預金の利息があらかじめ決まっているのに対し、株式の配当金は決まっておらず、
業績が悪ければ減配や無配となる可能性がある。
ただし、現物取引であれば元本割れする可能性はあるが、最悪の場合でも投資資金以上に借金することはない。
・追証
信用取引は、自分の手持ち以上の資金で取引できるが、
株価の暴落により追証が発生した場合、証拠金を追加しなくては取引が出来ない。
追証とは、信用取引をする場合、証券会社に「委託保証金」を差し入れなければならない。
委託保証金には、信用取引している金額に対し
最低維持しなければならない保証金の割合が決まっており(最低委託保証金率)、
売買した株の株価が下落して委託保証金率を割り込んだ場合、
追加で委託保証金を差し入れなければならない。
この時に追加で差し入れる委託保証金のことを「追加保証金(追証)」という。
期日までに追証を差し入れることができなかった場合、証券会社によって強制決済され損失を確定されてしまう。
・株式投資の醍醐味「複利効果」
株式投資は、銀行にお金を預けるより大きく増える可能性があるが、
元本割れや投資資金以上の損失を出す可能性もある。
だからといって、損失を恐れて株式投資をしないというのは、株式投資の醍醐味である
「複利効果」を享受できず、大きな機会損失となる。
複利とは、運用で得た利息を元本に加え、それを新たな元本として再び投資することをいい、利息を再び投資に回して、資産が雪だるま式に増やすことができる。
例えば、元本100万円を10%の利息で回すと仮定し、単利で運用した場合と複利で運用した場合、そして投資をしない人では以下のような違いが出る。
1年後 | 2年後 | 3年後 | 4年後 | 5年後 | |
---|---|---|---|---|---|
単利運用 | 110万円 | 120万円 | 130万円 | 140万円 | 150万円 |
複利運用 | 110万円 | 121万円 | 133万円 | 146万円 | 161万円 |
投資しない人 | 100万円 | 100万円 | 100万円 | 100万円 | 100万円 |
単利運用と複利運用では、1年目に金額の違いはないものの、年数が経過するごとに金額に差が生じ、5年目には単利運用が150万円で、複利運用は161万円と11万円の開きがある。
また複利は、運用期間が長期になるほど効力を発揮する。
10年後 | 15年後 | 20年後 | 25年後 | 30年後 | |
---|---|---|---|---|---|
単利運用 | 200万 | 250万 | 300万 | 350万 | 400万 |
複利運用 | 259万 | 418万 | 673万 | 1084万 | 1745万 |
投資しない人 | 100万 | 100万 | 100万 | 100万 | 100万 |
20年目には、単利運用と複利運用の差額が373万円となり、30年目には1,345万円にまで広がっている。
当然ながら、投資をしない人は何年たっても元本100万円のままで、複利運用と比べると1,645万円もの差になる。
これはあくまでシミュレーションだが、
株式投資をする人としない人では、将来手元に残る資産額に天と地ほど差が出ることは一目瞭然だ。
信用取引は危険?
株取引の中で、信用取引という取引がある。
信用取引は資金の3倍まで取引をすることが出来るという性質がある。
3倍までの取引が出来るということは、借金を抱えるのではないかということをよく耳にするのではないだろうか。
だから信用取引なんて怖くてできない。という人もいるだろう。
実際に信用取引は元本割れのリスクを払うために、追加証拠金という制度があるのだ。
このサービスを使えば、少額投資向けで、1株から株を買うことができるので数千円単位の売買も可能である。しかし、制約も多いので、注意してほしい。普通の株の売買とは全く違う。
10万円でもできる株銘柄を選ぼう
すでに述べた通り、少額からでも株式投資を始めることはできる。
少額で買える銘柄の中にも、好業績銘柄や高利回り銘柄がゴロゴロある。
ここでは、10万円で買える銘柄を優良4銘柄と
3万円、5万円でも買えるおすすめ銘柄を紹介しよう。
10万円で買える銘柄を優良4銘柄はこれだ。
関西圏・関東圏を中心に、総合的なアミューズメント店舗を展開している。主力サービスはボウリングだが、それ以外にもアミューズメント(ゲーム)、カラオケ、スポッチャ(スポーツ・チャレンジ)も展開している。
札幌アンビシャス市場に上場するRIZAPグループは、通販事業からスタートし、積極的なM&Aで事業領域を拡大してきた。主力のRIZAP事業以外にも、「RIZAP GOLF」や「RIZAP ENGLISH」などの新規事業も好調で、11月14日に発表された決算も大幅に上振れて着地するなど、業績も絶好調だ。
居酒屋、イタリアンバル、スイーツ、牛丼など幅広い業態の飲食店舗を展開している。今では当たり前になっている個室居酒屋や低価格居酒屋をいち早く開発し、国内12ブランド・全国約120店舗(2016年1月時点)を展開している。株主優待が充実していることも人気の秘密だ。
東京・大阪・北海道の3都市にデータセンターを構え、企業や個人が利用するインターネットサーバを貸し出す「ホスティング」を主力事業としている。フィンテック関連銘柄として2015年12月中旬から2016年1月中旬にかけて大相場となった銘柄だ。
3万円でできる優良銘柄はこれだ。
3万円で買える優良銘柄として、コジマ(7513)を紹介する。
郊外型の家電量販店を展開し、家電業界の競争激化による業績悪化で、2012年にビックカメラの傘下に入ったが、不採算店舗の閉鎖により収益が大幅に改善し、株価はV字回復となっている。PER16.22倍、PBR0.62倍とバリュエーションが割安なのも魅力だ。
5万円でできる優良銘柄はこれだ。
5万円で買える優良銘柄として、セブン銀行(8410)を紹介する。
セブン銀行は、一般的な銀行とは異なりATMサービスを主な業務とする銀行で、提携金融機関から支払われる「ATM受入手数料」が主な収益源となっている。
2016年9月末時点のセブン銀行のATMは23,029台で、現在も積極的な出店計画を進めているセブンイレブンをはじめ、セブン&アイホールディングスグループの各店舗や駅・空港、その他の商業施設などへのATM設置を進めており、国内にもまだまだATMを設置する余地は残されている。
まとめ
10万円で株式投資を始める場合、最低購入価格93,400円のさくらインターネット(3778)に投資するのも良いが、リスクを分散させるために、できれば1銘柄に集中投資することは避けたい。
そこで、コジマ(7513)とセブン銀行(8410)に分散投資することをおすすめする。投資資金は2銘柄で63,200円となり(手数料を除く)、どちらかの銘柄の株価が下落しても、もう一方の銘柄が値上がりしていれば下落分をカバーできる。
または時間を分散させ、セブン銀行(8410)を2回に分けて買う、あるいはコジマ(7513)を3回に分けて買うという方法も、買う時期を分散させて高値掴みのリスクを軽減するのに有効だ。
少額投資であっても、リスクを抑えた投資を心掛けてほしい。
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