お菓子業界で有名なロッテは上場していない?その歴史や理由とは

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はじめに

 

こんにちは!株ビギナードットネット運営の小野寺です!

 

日本のさまざまな業界における大企業はイコール上場しているという固定観念があるかもしれませんが、日本国民から広く周知されている大企業の中にも実は非上場企業のままである企業が何社か存在しています。
お菓子業界では知らない人のいないロッテも非上場企業の一社であることを、実際に知っている方はかなり少ないのではないでしょうか。
上場企業という響きがあればこそ企業としての信頼性が高いイメージがありますが、この上場するという行為にもデメリットが存在するためにあえて非上場を貫く企業もあるほどです。

そこで今回の記事ではお菓子メーカーの大御所とも言えるロッテが上場しない理由と、これまでの企業としての歴史について解説します。
ロッテほどの大企業がなぜ上場という資金調達の道を選択しなかったのか、その知られざる実態について探っていきましょう。

 

非上場なのに大企業?上場しない理由とは?

 

1章:ロッテの歴史

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この章ではロッテが辿った現在に至るまでの歴史について解説していきます。
2018年現在でロッテは創業70周年を迎えた訳ですが、どのような歴史を辿った末に大企業として名を馳せるまでになったのでしょうか。

 

 

1ー1 ロッテの歴史とは

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現在は東京都新宿区に本社を置くロッテですが、以前は新宿区百人町にありました。
その始まりは1948年6月にまでさかのぼります。

 

株式会社ロッテとして創業した当初、ロッテの主力商品はチューインガムでした。
そのラインナップにチョコレートが加わったのが1964年2月のことで、その際にロッテは今なおロングセラー商品である「ガーナミルクチョコレート」を発売しました。
アメリカ式とも言われる軽い口溶けのチョコレートが人気を博する時代に、あえてスイス発祥とされるミルクチョコレートを販売することで、その濃厚な口溶けと香りから瞬く間に人気を集めました。

その後1971年の1月には野球の球団としてロッテオリオンズ(現在の千葉ロッテマリーンズ)が、12月にはアイスクリーム工場が誕生しています。
その一年後には「株式会社ロッテリア」を設立し、ロッテは外食産業にも着手していきます。

 

その後もロッテはさまざまな挑戦を続けながら大企業として仲間入りを果たす訳ですが、その挑戦の詳細については以降で紹介するためここでは割愛します。
それから2007年には持株会社移行により、「株式会社ロッテホールディングス」に商号変更した同社の子会社として事業を引き継ぐ形で「株式会社ロッテ」が新たに設立されました。
ロッテは日本国内以外にも、創業者の故国である韓国、タイやインドネシアなどにも進出を果たしています。
世界的な展開も視野に入れて経営されているロッテですが、なぜそれほどまでに日本国民の間で浸透したのでしょうか。

 

 

1ー2 「お口の恋人」で一躍有名に

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そのきっかけとして一役買ったのが、1959年5月から放送された「ロッテ 歌のアルバム」という番組でした。
この番組もまた例に漏れず番組司会者のオープニングの台詞から番組開始となる訳ですが、当時の司会者である玉置 宏さんが「一週間のご無沙汰でした。玉置宏でございます。お口の恋人、ロッテ提供」というフレーズを毎週のように口にしたことに端を発します。
このオープニングの台詞によりロッテの社名が一躍有名になった訳ですが、このオープニングの台詞は当時の流行語としても浸透しました。

この「お口の恋人」というフレーズはロッテの企業理念としても公式ホームページに掲げられていますが、実はロッテの社名とも密接に関係している言葉なのです。

 

 

1ー3 ロッテの社名とは

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ロッテの社名はそもそもドイツの文豪であるゲーテによる著書「若きウェルテルの悩み」に登場するヒロイン、シャルロッテに由来していると言われています。
一般公募の中から現在のロッテという社名が誕生しましたが、ロッテはこの社名にシャルロッテが持つ「永遠の恋人」というイメージを掛け合わせて自社の企業理念としています。

ゲーテの一著書に登場したシャルロッテですが、シャルロッテは時代を経てなお世界中の人々に記憶されています。
ロッテもまた名前の由来であるシャルロッテのように、世代を問わず末永く愛される会社でありたいという想いを重ねて、「一人でも多くの人々に愛される会社、愛される製品づくりを目指して。」と自社ホームページにコーポレートメッセージとして記載しています。

 

 

1ー4 ロッテのさまざまな挑戦とは

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ロッテはこれまでにさまざまな挑戦を繰り返しながら、日本の大企業として成長してきた経緯があります。その挑戦の一部を以下に抜粋しました。

 

・ガーナミルクチョコレートの発売で、チョコレート業界に新たな風を吹き込む

・マザービスケットの発売で、翌年にはモンドセレクション金賞受賞

・雪見だいふくの発売で、アイスクリームの既成概念を打ち壊す

・チョコパイの発売で、半生ケーキというジャンルの先駆者に

・ゼロの発売で、世界初のシュガーレスチョコレートを誕生させる

・クーリッシュの発売で、アイスクリームを飲んで味わうスタイルを実現 など

 

その他にもここには紹介しきれないほど数多くの挑戦による快挙を成し遂げながら、ロッテは日本国内で世代を問わず愛されるお菓子メーカーとしての実績を重ねていきました。

お菓子業界の大企業として確固たる地位を築いたロッテですが、それではなぜさらなる飛躍的発展のために上場を果たそうとしないのでしょうか。
その理由については次章にて詳しく言及します。

 

 

 

2章:ロッテが上場を避けるデメリット

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この章ではロッテが上場しない理由について解説していきます。
自社資本だけでも着実に成長しているロッテではありますが、株式上場を果たして株主資本を得られればさらなる成長も期待できそうなものですが、上場を果たした後に待ち受けるであろうデメリットについてはあまり知られていないものです。
以下ではその具体的なデメリットについて紹介しておきます。

 

 

2ー1 株主の意向を汲む必要がある

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日本国内ではロッテ以外にも上場を果たさないまま経営している大企業もある訳ですが、上場後の最大のデメリットとして挙げられるのが株主の意向を汲む必要があるということです。
上場を果たした場合では年に一回の株主総会を開き、そこで今後の経営戦略を株主に対して説明する場面があります。
ただ株主と経営陣との描くイメージに相違があることはよくある話で、株主では短期的戦略による利益を優先し、経営陣では長期的戦略による発展を優先する傾向にあります。

実際に経営状況を見ながら企業を発展させていくのは経営陣である一方で、株主資本を提供している株主らの意向を無視する訳にもいきません。
株主の意向を汲むとなると長期的戦略を立てにくくなる側面があり、場合によっては新事業の開拓に同意を得られないこともないとは言い切れません。
株主としての総意が得られなければ、企業として戦略を変更せざるを得ない場面にも恐らく直面しやすくなります。

 

株主らと意見が完全に合致することはほぼないので、経営陣は両者の意見を突き合わせた上で折衷案を模索するか、もしくは説得力のある演説をして株主らの反対意見を鎮静させる必要があります。
企業の考え方にもよりますが第三者意見により不要な戦略の変更や妥協を強いられるくらいならば、自社資本のみで一貫して経営していく方が効率が良いとも言える訳です。

 

 

2ー2 財務状況の開示が義務付けられる

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また非上場企業では財務状況の開示の義務が発生しないため、たとえ赤字に傾きつつある状況であろうとその情報を一般公開する必要が一切ありません。
上場企業では赤字の財務状況を開示することにより、株主資本が減額されることも視野に入れて経営しなければなりません。
黒字経営を心がければそれだけ挑戦的な戦略が立てにくくなることを踏まえれば、財務状況を非公開にしながら経営することで思い通りに経営しやすくなることはメリットと言えるでしょう。

 

 

2ー3 買収されるリスクがある

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株式上場を果たすためには文字通り狭き門をくぐらなければならない訳ですが、いったん株式分割をしてしまえば株式を買収されるリスクが常につきまといます。
特に大企業として知られているロッテであれば買収されるリスクを常に想定しながら経営しなければならないので、その余分な事態を想定する面倒を省きたいがために非上場という立場を貫く場合があるようです。

上場する上では設立年数や時価総額、純資産などさまざまな条件を考慮されながら厳しい審査に通過する必要があります。
上場すれば自社資本以外の資金を手に入れて戦略性が高まる一方で、株主らの総意次第では思うままに資金を利用できないという側面があります。
それらの面倒を鑑みれば、上場せずに経営するというのも一つの方法ではあるかもしれません。

 

 

 

3章:ロッテが上場を果たす可能性

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これまでロッテが上場しないまま経営してきたことを念頭に置けば、今後ロッテが株式上場を果たす可能性は限りなく低いと言ってもいいでしょう。
確かにロッテが上場を果たせば株価の着実な上昇とそれに伴う利益も見込めるかもしれませんが、株主が存在することによる戦略の狭まりを回避し続けてここまで発展した以上は、これ以降にわざわざ株式上場を果たすメリットがデメリットに勝ると考えることは非常に難しいとも考えられます。
上場を果たしてくれることを期待したい部分はありますが、現状では同じお菓子業界の競合企業に投資することを考慮した方が無難ではあります。

ですが実際に上場を果たした場合、どのようなことが起こりうるでしょうか。

ここからは完全に予想になりますが、少しだけロッテが上場した場合の展望を書いてみたいと思います。

3-1:ロッテが上場した場合【IPO編】

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ロッテのような規模の会社が上場する場合、IPOへの期待は嫌が応にも高まるものと思われます。

IPOの解説は下記記事にて詳細を説明しておりますので、一度ご確認くださいませ。

 

IPOを徹底解説! 初心者がIPOで利益を出す方法

その際の当選倍率は想像できないほど高いものになる可能性もありますが、逆に当選して購入する権利が得られたのであれば、その際の収益は非常に大きいものになるものと思われます。

ですので、ロッテに限らずIPO情報は常に仕入れ続けるように意識をすることが重要です。

 

3-2:ロッテが上場した場合【株主優待】

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ロッテのような企業株の特徴として、株主優待が充実しているという特徴が多くみられます。

実際にロッテが上場した場合、競合との差別化を図るためにも株主優待は充実させてくるのは間違いないと思われます。

では実際にどのような株主優待を取ってくるでしょうか。

 

ロッテといえば勿論お菓子が有名ですから、最小の株主優待はお菓子の詰め合わせ等が設定される可能性も高いでしょう。

また、お菓子の他にもロッテグループには

「バーガーキング」

「ロッテリア」

「コージーコーナー」

等々の関連会社も多いため、新規上場となればこの辺りの関連企業で使える商品券等が株主優待として設定される可能性も高いと思われます。

 

これらのことからも、ロッテが上場した際の株主優待は充実したものになるものと思われます。

 

まとめ

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トップダウン方式による迅速な経営以外にも自由度の高い戦略が練れる非上場企業として、ロッテは今後とも世界を視野に入れて発展していくことが予想されます。
ただ個人的な感想ではありますが、ロッテの独創的な発想による挑戦によりお菓子業界の新たなジャンルが開拓されていくことを、一消費者としてただ願うばかりです。

 

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この記事の著者・監修

株ビギナードットネット編集部

生徒数5000名を超える、株式投資のスクール『株アカデミー』にて講師として普段は株トレードのやり方を教えています。その講師陣が編集部としてこの「株ビギナードットネット」運営しており、特に株の初心者・入門者に向けて、株の基礎知識や用語などをわかりやすく解説しています。
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コメント

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  • コメント (1)

    • まーくん
    • 2018年 5月 04日

    ロッテは東証一部上場を目指しているそうですよ。

    https://r.nikkei.com/article/DGKKZO29116340W8A400C1TJ1000


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