特定口座のメリット・デメリットは? 一般口座との違いや開設について

株式投資をしようと思っている人は、まずは証券口座を開かないといけない。
特定口座や一般口座ということは聞いたことがあるだろうが、特定口座を開くと何のメリットがあって、何のデメリットがあるのだろうか?そんな株初心者の疑問を解決していく。

特定口座デメリット

特定口座と確定申告

株式投資を始めるにあたって、証券口座を開設しないとスタート地点にすら立てない。
まずはどの証券会社に口座を開設するかを、みんなは色々と調べてみるはずだ。

SBI証券、GMOクリック証券、松井証券etc・・・

そして色々と調べた結果「よし、この証券会社にしよう!!」と決めたまではいいものの、
口座開設の必要事項に記入をしていると、下図のような項目をみて手が止まるだろう。

特定口座

特定口座を開設する・しない」とは一体どういう意味なのか?

特定口座(源泉徴収あり)は初心者の方・確定申告を不要にしたいの方におすすめ?
ということは初心者じゃない上級者は他の口座にしているのであろうか。
開設した方が得なのか・それとも損なのかどっちなのだろう。

本記事では、そんな証券口座についての疑問を説明していくことにする。

口座の種類

証券会社に開設する口座には以下の3種類が存在しこの中から選択をしなければならない。
①特定口座(源泉徴収あり)
②特定口座(源泉徴収なし)
③一般口座

下図はSBI証券で口座開設する際、どの口座にするかを選択する項目である。

特定口座②

この図を例にすると、口座の種類は以下となる。

口座の種類画像での項目
①特定口座(源泉徴収あり)開設する(源泉徴収あり) ⇒ 確定申告が原則不要
初心者の方、確定申告を不要にしたい方におすすめ
②特定口座(源泉徴収なし)開設する(源泉徴収なし) ⇒ 確定申告が必要
③一般口座開設しない ⇒ ご自身で損益を計算し、確定申告が必要

特定口座と一般口座の決定的な違いとは?

特定口座と一般口座の大きな違いは、確定申告にかかる手間の大きさである。
一般口座に比べ、特定口座の方が圧倒的に確定申告を楽に済ます事が出来る。

そして特定口座の中でも「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」ではまた違いが出てくる。
それは税金の支払いを証券会社に任せるか任せないかだ。

特定口座(源泉徴収あり)の方は、証券会社が代わりに納税をしてくれるため確定申告の必要がない。
それに対して特定口座(源泉徴収なし)の方は、納税をしてくれないため確定申告の必要がある。

今述べたのは非常に大ざっぱな説明なので、具体的にこれら3種類の口座についての特徴やメリット・デメリット見て行こう。

特定口座(源泉徴収あり)のメリット・デメリットとは?

特定口座には「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2種類が存在する。
どちらの口座を開設するかによって、メリット・デメリットが全く異なってくるのでしっかりと見て行こう。

メリット

特定口座(源泉徴収あり)を開設する場合のメリットは主に以下である。

メリット備考
①確定申告の必要なし原則として申告の必要なし。

ただし、必要がないだけでしてはならないというわけではない。
②特定口座年間取引報告書の交付証券会社から交付される。

確定申告の必要なし

特定口座(源泉徴収あり)の最大の特徴と言ってもいいのが「確定申告の必要なし」だ。

株初心者にとって非常に頭を悩ませるイベントなのが「確定申告」であるが、
・どれだけ利益出たら確定申告が必要?
・確定申告の期限はいつからいつなのだろうか?
・申告期限が過ぎたらどうなる?
・確定申告をするにあたって何を準備しなければならない?

などなど挙げたらキリがないほど疑問点が沸いてくる。
しかしこの口座で取引をする場合、証券会社が代わりに納税を行ってくれるので確定申告をしなくてもいいのだ。よってこれらの事で頭を悩ませなくて済むのがこの口座である。

ちなみに、他の口座では年間を通して利益が20万円を超えると確定申告の必要がある。

また、「確定申告の必要なし」となることで、次のようなメリットも生まれてくる

扶養から外れない

配偶者(例えば妻)や扶養親族(例えば子供)がいる家族の場合、夫は配偶者控除や扶養控除を受けることが出来るので払う税金が減ることになる。
ただ、妻や子供の収入が一定以上(合計所得金額が38万円以上)ある場合は、扶養から外れるため控除が受けることが出来なくなってしまう。

しかし特定口座(源泉徴収あり)の場合、確定申告をしなければ利益を得たとしても合計所得金額の計算に含まれないため扶養から外れることがない。
これも「確定申告の必要なし」であるからこそのメリットである。

保険料等が上がらずに済む

先ほども説明したが、特定口座(源泉徴収あり)の場合は利益を得たとしても確定申告をしなければ合計所得金額の計算に含まれない。
よって会社員として働いていたとしても、確定申告をしなければ合計所得金額が増えないため、利益を得たとしても保険料等が上がることもない。
これも「確定申告の必要なし」であるからこそのメリットである。

特定口座年間取引報告書の交付

この口座では確定申告をしなくてもいいと何度も説明してきたが、してはいけないわけではない。場合によってはした方がいい場合もある。

その時に必要となってくるのが「年間取引報告書」だ。
「年間取引報告書」とは1年間(受渡日ベースで1月1日~12月31日)の譲渡所得等を計算した書類である。

この口座の場合は、「特定口座年間取引報告書」が証券会社から交付され自分で作成しなくて済むので、確定申告に必要な書類を作成するにあたっての手間が削減される。

国税庁のホームページから確定申告に必要な書類を作成することが出来るのだが、
下図のような入力画面に、交付された「年間取引報告書」に記載されている内容を入力していくことになる。

特定口座③

デメリット

特定口座(源泉徴収あり)を開設する場合のデメリットは主に以下である。

デメリット備考
①投資効率が落ちる利益が出る度に税金(20.315%)が引かれる
②年間利益が20万円以下でも課税特定口座(源泉徴収なし)、一般口座の場合は20万円以下の場合非課税

投資効率が落ちる

この口座では、利益が出る度にその利益に対して20.315%の税金が引かれるため
他の口座に比べると投資効率が落ちる。具体的に下図を見てみるとわかりやすいだろう。

特定口座④

この図は
「口座資金100万円から株取引をスタート、毎回取引するたびに口座残高の10%分利益が出たとして、合計10回取引した場合」
を例として、結果を表した図である。

結果を見てみると、
特定口座(源泉徴収あり)の方は利益が出る度に税金が引かれる為、実際に口座に加算されるお金は「利益-税金」の分だけである。
結果、取引10回終了時点での口座残高は「約215万円」となった。

特定口座(源泉徴収なし)の方は利益が出ても税金は引かれないため、利益がそのまま口座に加算される。
結果、取引10回終了時点での口座残高は「約259万円」となった

見てわかるように取引10回終了時点で、「源泉徴収あり」は「源泉徴収なし」に比べて口座残高が約44万円少ない結果となった。

このように毎回出た利益に対して税金が引かれる分、次の取引で使うことが出来る資金が他の口座に比べて少なくなるため、投資効率が落ちるというデメリットがある。

※補足)
源泉徴収なしの場合、年間利益が20万円を超えると確定申告をする必要がある為、
今回の例は約32万円の納税が必要となる。

年間利益が20万円以下でも課税

他の口座(特定口座(源泉徴収なし)、一般口座)の場合、もし年間を通しての利益が20万円以下だとしたら確定申告の必要はなく、税金が引かれない為そのまま利益を得る事になる。

しかしこの口座の場合は利益が出る度に税金が引かれる為、もし年間を通しての利益が20万円以下だとしても課税されるデメリットがある。

特定口座(源泉徴収なし)のメリット・デメリットとは?

同じ特定口座であったとしても、この口座は先ほど説明した「源泉徴収あり」に比べて大分メリット・デメリットが変わってくる。
先ほどとはメリット・デメリットが逆の場合も多いので、勘違いしないようにしっかりと見て行こう。

メリット

特定口座(源泉徴収なし)を開設する場合のメリットは主に以下である。

メリット備考
①年間利益が20万円以下なら非課税「1年間の給与所得が2,000万円以下で給与所得以外の所得が20万円以下」
の場合、確定申告の必要はない。
②特定口座年間取引報告書の交付特定口座(源泉徴収あり)も同様
③投資効率で有利特定口座(源泉徴収あり)ように取引毎に税金を徴収されるわけではなく、確定申告時に納税を行う。

年間利益が20万円以下なら非課税

年間を通しての利益が20万円以下に抑えられる場合、確定申告の必要はなく税金が引かれない為そのまま利益を得る事になる。

「源泉徴収あり」の項目ではデメリットとして挙げていた内容が、この口座ではメリットとなってくる。

特定口座年間取引報告書の交付

この口座の場合も証券会社から「年間取引報告書」が交付される。
なので、確定申告が必要になった場合の手間が大幅に削減することが出来る。

こちらは「源泉徴収あり」と同様にメリットとなっている。

投資効率で有利

この口座では確定申告をすることで納税を行うので、毎回取引で利益が出たとしてもその都度税金が引かれることはなく、その分資産運用に回せる。

「源泉徴収あり」の項目ではデメリットとして挙げていた内容が、この口座ではメリットとなってくる。

デメリット

特定口座(源泉徴収なし)で開設する場合のデメリットは主に以下である。

デメリット備考
①年間利益が20万円超で確定申告が必要一般口座も同様。

特定口座(源泉徴収あり)では必要なし。

年間利益が20万円超で確定申告が必要

年間を通しての利益が20万円を超える場合、確定申告をする必要がある。

確定申告をする為に、
・年間取引報告書を用意したり
・申告書等の書類を作成したり
・税務署に行ったり(e-Taxで提出するとしてもツール等の準備が必要)

などなど、あらゆる準備が必要となってくる。

そして以下の項目もまた、確定申告の必要があることによってデメリットとなってくる。

扶養から外れる可能性あり

特定口座(源泉徴収あり)の場合はいくら利益が出ても確定申告の必要がないため、確定申告さえしなければ扶養から外れないというメリットがあった。

しかしこの口座では20万円超の利益を出すと確定申告をする必要がある為、利益が合計所得金額の計算に含まれ、扶養から外れる可能性というデメリットがある。

一般口座を開く理由とは

筆者である私は昔一般口座を開設したことがある。
「一般口座」という名称によって「これが普通の口座なのだ」と思ってしまい、「特定口座」という名称は何か特別な感じがしたからだ。

そして確定申告の時期が近づき、色々調べていくうちに気付くことになる
特定口座にしておけばよかった・・・と・・・

はっきり言って一般口座を開く理由は全くといってないと言ってもいいだろう。

昔は一般口座しかなかったのでこの口座が当たり前となっていたが、
・現在は手間が省ける「特定口座」が存在している。
・平成28年1月1日以降、金額に関係なく支払調書が提出されるようになった。
 (昔は売却額が30万を超えない場合、一般口座では提出されなかった)

なので、一般口座は昔の名残で残っている程度の認識でいいだろう。

メリット・デメリット

一般口座を開設する場合のメリットは主に以下である。
見てわかる通り、特定口座(源泉徴収なし)と特にかわらない。

メリット備考
①年間利益が20万円以下なら非課税特定口座(源泉徴収なし)も同様
②投資効率で有利特定口座(源泉徴収なし)も同様

一般口座を開設する開設する場合のデメリットは主に以下である。

デメリット備考
①年間利益が20万円超で確定申告の必要あり特定口座(源泉徴収なし)も同様
②年間取引報告書が交付されない自分自身で証券会社ごとに譲渡益を計算しなければならない

年間取引報告書が交付されない

特定口座の場合は証券会社から交付されたが、一般口座の場合は交付されない。

よって、確定申告をする際、自分自身で証券会社毎に「株の数量・譲渡による収入金額・取得費・譲渡のための委託手数料等」を計算しないといけないため、特定口座と比べると圧倒的な手間・時間がかかる。

取引数が少なければまだ計算もしやすいが、多くなればなるほど大変になりわざわざエクセル等で管理する羽目にもなるし、そもそもどういう風に計算するかも頭を悩ませるポイントだ。

初心者であればあるほど、どういう風に計算するかがわかりにくく想像以上の時間をとられることになるだろう。

下図が、証券会社毎に計算したものを入力する画面の例である。

特定口座⑤

自分に適切な口座を選ぼう

ここまで、3種類の口座についていろいろと説明してきた。
一般口座は除外するとして、特定口座の「源泉徴収あり」「源泉徴収なし」どちらが
自分に合っているのだろうか。

選ぶポイントとしては「手間の少なさを重視するか、投資効率を重視するか」であろう。

①確定申告という手間を無くす代わりに、投資効率面で不利があっても構わない。
 ⇒源泉徴収あり
②投資効率面で有利である代わりに、確定申告の手間やあっても構わない。
 ⇒源泉徴収なし

少し古い参考データだが、2011年JSDA(日本証券業協会)の調査結果によると
口座開設している人の84.2%が「特定口座」を開設しており、さらに特定口座開設者のうち83.4%が「源泉徴収あり」を選択している。

やはり確定申告が不要となるというのが大きな理由のようだ。

まとめ

ここまで読んだ人なら、口座を開設する際きっと「特定口座」で開設をすることだろう。
後は自分に合った「源泉徴収あり」か「源泉徴収なし」を選択するだけだ。

ただ、データにもあるように初心者ならなおさら「源泉徴収あり」にするのが無難だ。
確定申告という非常に手間がかかるイベントを気にしなくてもいいし、
相当の上級者でもなければ投資効率面においても「源泉徴収なし」とそれほど変わることはないと思われる。

それぞれの口座のメリット・デメリットをもう一度よく見て、どの口座を開設するかを判断するといいだろう。

 


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