2015年の12月22日に、TPPによって日本のGDPが約14兆円になるだろうという予測がたてられた。これは前回の予測の約4倍にあたる。主にTPPに関連するテーマからTPP関連銘柄本命を見ていきたいと思う。
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TPP関連銘柄をテーマで見る
TPPに主に関連するテーマは、農業関連銘柄、海運関連銘柄、食品関連銘柄、商社関連銘柄だ。
TPP(環太平洋パートナーシップ協定)は、オーストラリア,ブルネイ,カナダ,チリ,日本,マレーシア,メキシコ,ニュージーランド,ペルー,シンガポール,米国及びベトナムの合計12か国の間で、5年程度をめどに段階的に関税が撤廃される流れになる。
関税が撤廃されれば、各種さまざまなテーマに少なからず影響は出るが、その中でも特に上記4種類の関連銘柄は、特に注目しておきたい。
では、それぞれのテーマで関連銘柄を見ていきたいと思う。
農業関連銘柄
IDEC<6652>
設備や機械などの制御用操作スイッチなどのFA機器メーカーである。ビニールハウスの農作物の収穫量を1割程度増やす技術を開発している。将来的には、肥料の投入量をおさえたり、栄養価を高められる可能性もあるということで、この装置が注目されている。この装置は、「ファインバブル発生装置」で大気中の酵素を水に混ぜる装置である。
株価は1000円前後で推移。単元株数は100である。金額的には買いやすい銘柄だろう。
サカタのタネ<1377>
種苗関連銘柄として大本命のサカタのタネ。2015年、抑制栽培向けに台風でも倒れにくいトウモロコシ、「ゴールドラッシュ90」の本格販売をスタートした。他にも、エダマメの「おつな姫」、「いきなまる」が好評だった。
世界でもトップシェアを誇るブロッコリーは6割以上で、その販路も拡大中である。1987年に同銘柄の過去最高である、株価8200円の経験がある銘柄だ。
ここ一年の株価の推移だ。右肩上がりで上昇している。9月ごろでは1800円ほどだったのが、3ヶ月で1000円も株価が上昇している。業績もよく、TPPで関税の撤廃がすすめば、さらに期待できる銘柄と言えよう。
海運関連銘柄
日本郵船<9101>
北米航路は堅調だが、テロの影響で欧州が鈍化。中国も合わせて鈍化傾向にあり、採算が悪化している。通期業績を下方修正している。それによって、株価も下落気味である。しかし、逆に言えば、安値度の高い銘柄言える。そういった部分で本命視しておきたい。
食品関連銘柄
ニチレイ<2871>
TPPでは関税引き下げの影響によって輸入品が増加し、保管や物流のニーズが高まることになる。ニチレイは、冷蔵品の保管・流通加工サービスを提供している低温物流事業での売上高は約1800億円と加工食品部門に次ぐ規模となっている。
1年前に比べると右肩上がりで株価上昇中である。TPPのニュースは2016年も続くだろうから、TPP食品関連銘柄として、抑えておくと良いだろう。
商社関連銘柄
伊藤忠商事<8001>
2015年上期の純利益は40%増の2127億円で、中国複合企業の取り込みが影響して利益は商社でトップとなっている。貿易関連で強く影響を受ける商社はチェックしておきたい銘柄だ。
まとめ
各テーマで、1つか2つに絞って紹介した。テーマごとにまだまだ関連銘柄はあるが、あまり増えてもどれを選んだらいいかわからなくなるので、あえて少なめに紹介している。
どれも、安価に買える銘柄のみであるから、銘柄選びの参考にしてほしい。
最後に一言。TPP関連で注意したいのは、乳製品やバターを取り扱っている銘柄だ。牛乳やヨーグルト、バター調整品等の関税がこれまでは生乳換算で1万8977トンまでは12%~35%だったのが、今後は6年目までに50%~90%削減、または撤廃されることが決まった。
こうなると、海外の輸入品と価格面で勝負しなくてはならなくなる。つまり、ライバルが日本の商品だけではなく、海外の商品も増えるということだ。そうなると、業績が悪化する可能性は、十分にありえる。
TPPで業績を伸ばす銘柄と、下げる銘柄の見極めはしっかりとしておきたいところである。
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