株初心者は、30万の資金があれば毎月数万円の儲けが出せると考えているのではないでしょか?
いったい30万円の資金を準備していくらの儲けになるのか株初心者に向けて簡単に解説していきましょう。
■■■ 目次 ■■■
初心者が稼ぐことのできる資金量の目安は?
株式投資は投資資金が多ければ多いほど有利なのはもちろんですが、初心者がいきなり大金を投資して勝ち続けられるほど株式投資は甘くはありません。
初心者が大金を投じてただやみくもにトレードを繰り返しても、あっという間に資産を失ってしまいます。
しかし逆に、投資資金があまりに少額過ぎると、購入できる銘柄が限定されてしまい、たった一度の損失で資金が底をついてしまう可能性もあります。
スタートの目安としては30万円ぐらいの投資資金を用意し、慣れてきたら徐々に資金を増やしていくのが良でしょう。
どんな取引を行うの?
株の取引方法には、自分の資金と株式で取引する「現物取引」と、証券会社から資金と株式を借りて、自分の手持ちの資金以上の金額で取引できる「信用取引」がありますが、少ない投資金額で効率的に利益を上げるために、「信用取引」を利用することをおすすめします。
また投資の対象となる取引には、現物・信用だけでなく日経平均先物、そして株式投資以外にも為替証拠金取引(FX)などがありますが、少額の資金で効率よく利益を上げるためにはどの商品に投資すればよいのでしょうか?
そこでまずは、小額投資をするうえで有用なNISAについて解説していきましょう。
NISAとは
株式投資、投資信託、これら以外の金融商品において投資を行った結果、売却時に利益が発生したり配当を受け取ったりしたとします。
この場合、通常であればその利益や配当に対して20%の税金がかかります。
ただし、これは通常の証券口座などを使用した場合の話です。
ここで登場するのがNISAです。
NISAとは先述の20%の税金が免除される制度のことです。
NISA口座を作成し、その中で行った取引に関しては年に一定額までこの税金免除制度、すなわちNISA制度が適用されるのである。
少額投資でNISAを用いるメリット
少額で投資を行う場合、先述の利益にかかる20%の税金というものがかなりの重しになります。
株は買った単元数に応じて利益や配当金額が変わるので、少額投資の場合、当然購入できる単元数が始めから限られてしまいます。
ということは得られる利益も当然少なくなります。
100万円から20万円税金で持っていかれるのも痛いが、1万円から2千円持っていかれる方が実害は大きいのです。
NISAを用いる際の注意点
★★NISAの特徴(注意点)★★
注1)NISA口座での取引は、年間120万円が上限
注2)NISA口座内での利益、損失と他の口座(一般、信用)とを損益通算できない
注3)NISA口座での損失の繰越控除もできない
注4)NISA口座は原則1人に1口座
注5)NISA口座は信用口座ではないので、レバレッジを効かせた取引や空売りなどの手法は使えない。現物買いのみ
というところがNISAの特徴(注意点)となります。
信用取引30万円の資金で毎月2万稼ぐ方法!
まずは、各商品の必要証拠金、レバレッジ、最低取引単価の一覧をまとめておきましょう。
商品 | 証拠金 | レバレッジ | 最低取引単価 |
---|---|---|---|
現物取引 | なし | なし | 1~1000株 |
信用取引 | 30万円 | 約3倍 | 1~1000株 |
日経225先物 | 780,000円 ※1 | 約20倍 | 1000倍 |
日経225ミニ先物 | 78,000円 ※1 | 約20倍 | 100倍 |
為替証拠金取引 | 取引金額の4%相当 | 約25倍 ※2 | 1000~10000通貨 |
※1:SBI証券・楽天証券・カブドットコム証券など大手ネット証券の証拠金
※2:法人口座であれば100倍、また海外では500倍のレバレッジが使える業者もある
一か月のうち取引が可能な日を20日営業日とすると、月2万円の利益目標を達成するためには1日1,000円稼げばいい計算になります。(手数料は考慮していません。)
こう考えると、月2万円の利益目標なんて楽勝だと思う方がいるかもしれませんが、毎日コンスタントに勝ち続けることは難しく、実際はそう簡単にはいきません。
毎月2万稼ぐ投資戦略としては、時価総額の小さい中・小型株を順張りで狙うのがよいでしょう。
※順張り(じゅんばり)とは、市場のトレンドと同じ方向に「買い」の取引を行う投資手法のことです。
中・小型株は値動きが大きく、一日で10~20%動くこともザラで、少額投資家でも利益を狙うチャンスが多いですが、時価総額の大きい大型株や値嵩株の場合、資金の大半を拘束されてしまうため、他の銘柄で利益を狙うチャンスを逃してしまうことにもなりかねません。
また、大きく下落した銘柄のリバウンドを逆張りで狙う手法は、株価の底を予想しなければならず初心者には難しいです。
※逆張り(ぎゃくばり)とは、相場がどんどん下落する中で、あえて買いを入れる取引です。
逆張りを狙うより、出来高が急増するなど上昇の初動が見られる銘柄を順張りし、トレンドに乗って取引した方がはるかに稼ぎやすいでしょう。
信用取引のメリットは、投資効率の高さです。
例えば、1,000円の株を1,000株購入する場合、現物取引では現金100万円が必要ですが、信用取引なら委託保証金30万円で取引できます。
この株が1,100円に値上がりした場合、投下資金ベースで考えると現物取引では10%、信用取引なら33%以上の利益率になるのです。
30万円の投資資金でスタートし、毎月2万円の利益を上げると仮定した場合、現物取引と信用取引では以下のように差が出てきます。
30万円で月2万円ずつ稼ぐと仮定した場合のシミュレーション(利率は6.67%で算出)
現物の場合 | 信用の場合 | 差額 | |
---|---|---|---|
1か月後 | 320,001円 | 320,001円 | 0円 |
2カ月後 | 320,002円 | 341,335円 | 1,333円 |
3カ月後 | 320,003円 | 364,092円 | 4,089円 |
4カ月後 | 320,004円 | 388,366円 | 8,362円 |
5カ月後 | 320,005円 | 414,259円 | 14,254円 |
6か月後 | 320,006円 | 441,877円 | 21,871円 |
7か月後 | 320,007円 | 471,337円 | 31,330円 |
8か月後 | 320,008円 | 502,761円 | 42,753円 |
9か月後 | 320,009円 | 536,280円 | 56,271円 |
10か月後 | 320,010円 | 572,034円 | 72,024円 |
株取引を始めるときの注意点とは?
株取引で重要なのはリスク管理です。
せっかくお金を貯めて株取引を始めても、損失が続いて投資資金を失くしてしまったら資金を増やすチャンスすらなくなってしまいます。
トレードの勝った負けたで一喜一憂するのではなく、ロスカットの許容金額を固定するなどリスク管理を徹底し、資金を失くさない努力をしなければなりません。
初心者が株取引を始める前にすべき事とは…
「株取引を始めたい」と思っても、誰でもすぐに株が買えるわけではなく、取引を開始するまでにやっておかなければならないことがあります。
初心者が株取引を始めるまでのフローを以下の通りまとめました。
証券会社を選ぶ
野村證券や大和証券などの総合証券で口座を開設する場合は、支店や営業所まで行って申し込みしなければならない場合も多いが、ネット証券であればオンラインで口座開設の手続きが完了します。
銘柄を選ぶ
口座開設が完了したら、次は銘柄選びです。
時価総額の大きい大型株や値嵩株は避け、効率的に資金が使える中・小型株を選びましょう。
取引を開始する
銘柄が決まれば、いよいよ取引開始です。
株の買い方には、価格と株数を指定して注文する「指値」と、株価を指定せず株数のみ指定して注文する「成行」があります。
状況によって「指値」と「成行」をうまく使い分けたいところです。
また、指値注文と組み合わせて、「寄指(よりさし)」「引指(ひけさし)」「不成(ふなり)」などの執行条件をつけて注文することもできます。
取引手数料にこだわる
取引回数が増えれば増えるほど、それに比例して取引手数料も増えるため、手数料の安さにはこだわりたいところです。
主要ネット証券の売買手数料は以下の通りです。
~10万円 | ~20万円 | ~50万円 | ~100万円 | |
---|---|---|---|---|
GMOクリック証券 | 105円 230円 | 105円 230円 | 260円 430円 | 470円 860円 |
SBI証券 | 150円 103円 | 199円 206円 | 293円 463円 | 525円 822円 |
カブドットコム証券 | 194円 ー | 291円 ー | 583円 ー | 1069円 ー |
マネックス証券 | 108円 2700円 | 194円 2700円 | 486円 2700円 | 1080円 2700円 |
ライブスター証券 | 86円 432円 | 104円 432円 | 194円 432円 | 367円 648円 |
内藤証券 | 180円 195円 | 411円 442円 | 411円 442円 | 740円 813円 |
岡三オンライン証券 | 106円 106円 | 216円 216円 | 378円 540円 | 648円 864円 |
松井証券 | ー 0円 | ー 324円 | ー 540円 (30万円まで324円) | ー 1080 |
楽天証券 | 150円 463円 | 199円 463円 | 368円 463円 | 657円 926円 |
野村ネット&コール | 515円 2571円 | 515円 2571円 | 515円 2571円 | 1029円 2571円 |
SMBC日興証券 | 125円 | 180円 | 400円 | 800円 |
こうした項目を総合的に判断すると、初心者はSBI証券・楽天証券・GMOクリック証券で口座を開設するのがよいでしょう。
証券口座を開設しよう
ネット証券で口座開設する手順はいたって簡単です。
総合証券で口座を開設する場合は、支店・営業所まで行って申し込みしなければならない場合も多いが、ネット証券であればオンラインで口座開設の申し込みができます。
こちらの記事(ネット証券会社の選び方ランキング)に詳しく書いているので、こちらを参照してください。
口座を開設するネット証券のホームページから口座開設申し込みの手続きを行うと、数日後に証券会社から口座開設に必要な書類が届き、必要事項を記入後、運転免許証などの本人確認書類のコピーを同封し証券会社に返送すれば、ログインID・パスワードなど取引に必要な情報が証券会社から送られてきます。
なお、SBI証券や楽天証券などの大手ネット証券では、口座開設の手続きがすべてオンラインで完了する会社もあります。
口座開設が完了したら、その口座に株を購入するための投資資金を入金します。
ネット証券の中には、インターネットバンキングに口座を持っていればパソコンやスマートフォンから振込ができ、即時に入金処理が完了する「リアルタイム入金サービス」に対応しているところも多いです。
こちらの記事(株初心者におすすめ 証券口座開設のまとめ)に詳しく書いているので、こちらを参照してください。
あっという間に入金が完了し、すぐに取引が開始できる大変優れたサービスであり、ぜひ証券口座と合わせてインターネットバンキングの口座も開設しておきましょう。
そして最後に、今後株式投資を行っていくにあたり、初心者が陥りがちな失敗を紹介しましょう。
初心者の陥る失敗
NISAの120万円の非課税枠は使いきりです。
例えば、50万円分なにかの銘柄を購入したとします。
この時非課税枠の残りは70万円です。
その後、その銘柄が値上がり(または値下がり)し売却したとします。
売却したのだから70万円になっていた非課税枠が120万円に戻るのではないかと思う人もいるでしょう。
しかし、先に書いた通り非課税枠は使いきりです。
その年の間に使える非課税枠は70万円のまま、回復することはないのです。
この事をしっかりと理解しておかないと、購入して少し値が上がったから売却するということを繰り返し、あっという間に120万円の非課税枠を使い切ってしまいます。
また、このNISA非課税枠は1年間に120万円まで使える枠があるという考え方だ。
1年目に30万円分の非課税枠が余ったとしても、それが次の年度に繰り越され150万円になることはないので注意が必要です。
加えて最低でも1年は保有する気持ちで、長期で運用するのに適した銘柄や金融商品を選ぶことが賢明です。
次いで気をつけなければならないのが期間です。
NISA口座の非課税枠は無期限に有効ではありません。
非課税で運用ができるのは、運用を始めた年から5年間です。
例えば2015年の内に買ったものに関しては、2019年12月末までが非課税で運用できるリミットになるのです。
主に3つの方法があります。
・NISAで買った株を売却する
・NISAではない口座に移す
・翌年からの非課税枠に移す
この中で上の2つは問題ないでしょう。
NISAの非課税枠は毎年120万円を上限として新たに追加されます。
追加されると言っても、5年が過ぎたものは非課税でなくなるので、新たにどんどんと非課税枠が追加されるわけではありません。
心太方式(ロケット鉛筆)のような仕組みだと思えば理解できるかもしれません。
ただし、あくまでも非課税枠は120万円が上限です。
銘柄が幸いにも値上がりし、170万円になっていた場合、移し替えることができるのは120万円まで。
残りの50万円分は一般口座(特定口座)に移すか、売却する必要があるのです。
また、5年の期限が来たにも関わらずなんの手続きも行わなければ、問答無用でNISA口座以外に移されてしまうので注意が必要です。
ちなみに、この移し替えを「ロールオーバー」と呼びます。
調べずに適当な株を買う
これは何もNISAを利用するかしないかに限った話ではありません。
株を買うと言う行為は、お金をやり取りするのと全くの同義です。
投機ではなく、あくまで投資であると言い張ったところで、未来に何が待ち受けているかは誰にも分かりません。
つまり、常に誰にも予想のできない結果が現れる可能性がある時点で、株を始めとする金融商品は元本が保証されていない限りは「博打」なのです。
株は上がるか下がるかの二者択一です。
イカサマがない限りは勝つも負けるも確率は50%、まさに丁半博打です。
調べずに適当に株を買うということは、この50%を自ら下げる行為であり、まさに愚行と言えるのです。
勝てない人ほど必要以上に入念に銘柄を調べ、様々な指標と照らし合わせ、なんだかんだ結局間違った決断を下すことも多いのです。
さらにはこの場合、自分がこれだけ力をかけて、時間を割いた銘柄なのだからいつかは自分が思い描いた方向に株価が進み、利益をもたらすはずだ!
という誤った認識が生まれてしまう、心理学で言うところのサンクコスト(コンコルド効果)と呼ばれるものなのです。
こうなると、いつまでもロスカットが行えず結局塩漬け株をつくるハメになってしまいます。
調べる中で、どの指標を自分の羅針盤として使うのかを経験から導き出し、愚直に勝てる行動だけを繰り返すことが必要なのです。
国内情勢に目を向けない
当然の話ですが、株は企業の業績に大きく左右されます。
さらには、ITなどを始めとした新技術のベンチャー企業などでない場合は、大手の企業の動向に連れ立って下請けなどの企業の株価が動くのは基本中の基本です。
また、大手企業は政界と密接に関係しています。
有利な法案が通りそう、通るのであればその関連企業の株価は見る見る上昇します。
逆もまた然りで、不利な法案や規制が掛かるとなれば見る見る下がっていきます。
それだけではありません。
国内情勢とは、気候や年中行事なども含まれます。
例えば、その年の夏の猛暑が予想されたとします。
するとアイスクリーム会社の銘柄がじわりと上げてきます。
国内情勢とは「自分の銘柄に関係する、国内で起こる全ての事象」のことだと思っておけば間違いありません。
海外情勢に目を向けない
国内情勢もそうですが、それよりも大事なのは海外情勢です。
このように日本国内に特に問題がなかったとしても、海外市場や海外情勢の余波でとてつもないダメージを受けることは往々にしてあるのです。
注意すべきは以下が代表です。
・アメリカの景気(雇用統計など)
・中国の景気
・EUの景気
・中東諸国の紛争やテロ
・北朝鮮情勢
戦争などが起これば市場は混乱し、株価はジェットコースターになります。
どちらが大事とは言えませんが、今株価に影響を与えやすいのは国内情勢よりも海外情勢なのです。
勉強を怠る
株だけに限らず、勝負事は勝ち方を覚えてしまえばそれを繰り返すだけです。
勝てる間は機械となって感情を消し、勝てる行動を行い続けるだけで良いのです。
が、いつどのように状況が一変するか分かりません。
今は勝てているからと、先述の国内情勢や海外情勢に目を向けることを怠り、油断していると一瞬で足元をすくわれてしまいます。
いくらオートトレードが主流になっている現状であっても、そのプログラムのアルゴリズムを作っているのは人間です。
勝負事、こと相手が人間であるならば勉強すべきはその心理、思考なのです。
証券会社に勤め始めて、最初に覚えることは「感情を捨てる」ことだそうです。
自身のことも含め、心理・思考を勉強し続けることで、感情を捨てることができ、それが出来るようになって初めて、冷静かつクレバーな運用が可能になるのです。
必ず余裕資金で行う
何よりも一番大事なのは「余裕資金」で行うことです。
株のトレーダーなどそれを職業にしている人も、当然生活費をかけて運用などしていません。
なくなっても一切問題ないお金。
それ以外を使ってのトレードや運用はただの自殺行為でしかないのです。
それほどに難しいメンタルのコントロールを必要な金、生活費などで行えば結果は火を見るよりも明らかです。
生活費を失い、今月の支払いがピンチになった程度で済めばまだ良いですが、負けを取り返そうと借金までしてしまう人も少なくありません。
買いは家まで売りは命まで
という格言があります。
これは信用取引のことを指していますが、信用取引でなくとも下手をすれば命まで取られる可能性があるのです。
きちんと資金管理をすればなんの問題もありませんが、資金管理というのも出来ない人には一生できないことなのです。
また、デモトレードなどはしない方が良いでしょう。
所詮本当に自分のお金をかけているわけではないので、意外と冷静な判断が下せて、利益を上げることが出来るかもしれません。
しかし、先述の通り自身の金がかかっているとなれば話はそう簡単ではなくなってしまうのです。
デモトレードで上手く出来たから大丈夫。
などという安易な考えは、身の破滅を呼び込むことになるので注意が必要です。
まとめ
少額で取引する場合、たった一度の大きな損失が命取りとなってしまうこともあり、通常の株式投資よりも一段と厳しい資金管理が求められます。
株式投資で利益を上げることも大切ですが、それ以上に大切なのは大きな損失を出して株式相場から退場とならないように、厳格なルールに基づいて資金を管理することです。
キチンと資金管理ができれば、「信用取引は怖い」などと必要以上に恐れることはありません。
ぜひこの機会に信用取引を開始し、少額資金で効率的にガンガン儲けてほしいです。
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