株式分割について皆さんご存知でしょうか?
株式分割は、その名の通り、発行されている株式を分割することをいいます。
株式分割は、投資家、企業双方によってメリットのある制度です。
株式分割を行うことによってもたらされるメリットや注意点についての説明していきましょう。
また、株式分割をされた銘柄は一般的に値上がりすると言われています。
本当に値上がりしているのでしょうか?
実際の株式分割を行った銘柄の株価を検証してみましょう。
■■■ 目次 ■■■
そもそも株分割って何?
そもそも株式分割とは何でしょうか?
株式分割とは、その名の通り、発行されている株式を分割することをいいます。
元々の株価(資産価値)が1株5,000円だったとします。
1:2の比率で株式分割を行った場合、資産価値は2倍の10,000円になるのではなく、2株で5,000円のままになります。
つまり資本金は変えないことになるのです。
株式分割されるメリット
投資家は株が買いやすくなる
株式分割を行うメリットの1つ目は、投資家が株を買いやすくなることです。
株式分割を行うことによって株価が下がるので投資家は株を買いやすくなります。
株数が増えるので既存株主は株を売りやすくなる
株式分割を行うメリットの2つ目は、株数が増えるので既存株主は株を売りやすくなります。
株数が増えるということは、それだけ流動性が高まるということです。
流動性が高まれば株は売りやすくなります。
配当金が増える可能性がある
株式分割を行うメリットの3つ目は、既存株主は配当金が増える可能性があることです。
株式分割を行うことによって既存株主の株数はもちろん増えます。
もし、1株当たりの配当金が変わらなければ株数が増えた分だけ受け取れる配当金が増える可能性があるのです。
条件が変わらなければ優待が拡充される
株式分割を行うメリットの4つ目は、条件が変わらなければ、優待が拡充される可能性があります。
株主優待の多くは、持ち株数によって決まります。
もし優待の条件が変わらなければ、持ち株数が増える分優待を多く受けられる可能性があるのです。
株分割される銘柄が上がりやすいワケ
株式分割を行っても理論的には、株価に影響はありません。
しかし実際は、株式分割を行うと前章で説明したメリットにより株価に大きな影響を与えることがあります。
1株500万円の株式を例にしてみましょう。
保有したいと思う株であっても、1株500万円だとなかなか手が出しづらいのではないでしょうか?
しかし10分割して1株50万円になれば購入しようと思う方は増えると思います。
これは既存株主にとっても同じです。
1株500万円だとなかなか株を手放しにくいという心理が働きます。
利益が出ている方はもっと上がるのではないかと思いますし、含み損がある方にとっては、もう少し株価が回復するのではないかと思うからです。
また、配当金や株主優待が据え置かれた場合は、今までのそれらを維持し、さらには枚数が増えた分の配当金や株主優待を受けることもできます。
つまり、たとえ資産上のメリットはなくても、分割により受ける恩恵は大きいのです。
株分割される銘柄のチェック方法と分割の流れ
証券会社の情報をチェックしよう!
株式分割についての情報を仕入れるのは証券会社や株式の情報サイトの利用がおすすめです。
基本的に、どの証券会社も情報に偏りは無いため、どこか一つチェックしておけば十分だと思います。
松井証券
松井証券の株式分割に関する情報のページです。
非常に分かりやすくまとまっているので非常に使いやすいと思います。
SBI証券
SBI証券の株式分割に関する情報のページです。
楽天証券
楽天証券の株式分割に関する情報のページです。
株マップ
株マップの株式分割に関する情報のページです。
株分割が発表されてから、実施されるまでの流れは?
株式分割は実際に発表されてからどのような流れで実施されるのでしょうか?
まずは、株式分割を行う旨はニュースで発表されます。
株式分割の詳細情報を確認するのは、先ほど紹介した証券会社や株式の情報サイトが良いでしょう。
権利日に注意
株式分割で注意が必要なのは、権利日です。
月末時点で株を持っている人には無償で株を倍にしますよという期限日を、「権利日」といいます。
権利日を過ぎると株式をもらうことは出来ません。
この株式分割の権利が欲しい場合は、権利日の3営業日前までに株式を購入しましょう。
権利日が過ぎると株価は、理論上、分割後の価格に下落することになります。
これを権利落ちといいます。
銘柄徹底検証!本当に株価は上がるのか?
2018年9月~12月に株式分割された銘柄は56社ありました。
56社全ての銘柄を分析した結果わかったことは以下のとおりです。
ニュース発表直後は株価が上がりやすい
株式分割を行うという発表は大体、相場が終わってからになります。
つまり翌営業日に大きな動きがあるのです。
一番多いパターンが「窓」と呼ばれる、大きく離れて翌日スタートするパターンになります。
例えばファンケルが良い例になります。
ファンケルは、10月30日に株式分割を行うことを発表しました。
チャート見て頂くとそれ以降大きく上昇していることが分かります。
このように、株式分割すると発表した直後に株価が上昇することは多いです。
確率にすると73%の会社の株価が上昇しました。
また、株式分割があっても株価に変動がない銘柄や値下がりする銘柄もありました。
ポールトゥウィン・ピットクルーホールディングスは11月20日に株式分割を発表しましたがあまり変化はありませんでした。
次に、下落する銘柄を見てみましょう。
ソースネクストは、10月26日株式分割を発表しています。
株価は大きく下がっているのが分かります。
分割が実施された後の相場は上がるのか?
一般的に言われているのは、分割すると流動性が上がるため相場が上昇しやすいということです。
しかし、実際には、多くの銘柄で分割が行われた後の株価は上昇していませんでした。
クリヤマホールディングスは2019年1月1日株式分割を行いました。
その後順調に株価は上がりました。
インフォメーションクリエーティブは2018年9月30日に株式分割を行いました。
その後株価は大きく下落しているのが分かります。
まとめ
今回は、株式分割について説明をしました。
株式分割は、株式投資を行うにあたって非常に重要な情報であるといえます。
ただし、株式分割銘柄が必ずしも値上がりするとは限りませんし、株価が上がるタイミングは株式分割後ではない場合も多いということがわかりました。
今回の記事を参考に株式分割に関する知識を身に付けて頂ければ幸いです。
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