株を始めたばかりの方や、まだやったことがない方の多くが、株は怖い、株は不安、難しいというイメージをお持ちではないでしょうか。そういった不安の原因の一つが「よくわからない」という知識の不足からきていると思われます。
ひとは、わからないことに対して不安感や恐怖感を覚えてしまいます。確かに、株式関係の用語の中には聞きなれないものあり、むずかしく聞こえるかもしれません。ですが、基本用語は実はそんなにむずかしくないものもあります。むしろ、知ることでより株を深く理解できるようになります。
基本なくしては、大きな成果はないと思います。まずは、基本的なものを抑えていきましょう。
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株取引をするときに出てくる株用語
銘柄
証券会社を通じて取引できる有価証券の名称を指します。平たく言えば、株式市場ので企業名のことです。また、全ての銘柄には銘柄コードという4桁の数字が割り振られています。車で言うナンバープレートのようなものです。
Yahoo!ファイナンスより引用
現物取引
いわゆる普通の株式の売買を指します。自分の資金を用いて株の売買をします。売買できる銘柄は、上場している銘柄すべてです。
信用取引
信用取引では現物取引と異なり、現金を借りて株を買ったり、株を借りてその株を売ったりすることができます。ですから、自己資金以上の金額で株を買ったり、持っていない株を売ったりすることが可能となります。
インカムゲイン
保有しているだけで、得ることができる収入をインカムゲインと言います。株式では配当がそれに該当します。不動産では家賃収入に相当します。配当は、株式を保有している株主に対する利益の還元です。企業が稼いだ利益の一部を株主に渡しているのです。株主は保有している株数に応じて、配当を得ることができます。ソフトバンクの創業者で、同社の大株主でもある孫正義社長は、自分が持っているソフトバンクの株からの配当で年間100億円くらいを得ているといわれています。
キャピタルゲイン
キャピタルゲインは、売買をすることで得ることができる利益を指します。株で儲けるというとおおよそキャピタルゲインをイメージすることが多いのではないでしょうか。つまり、安く買って高く売ったときの利ザヤをキャピタルゲインと言います。
NISA
NISAとは、2014年から始まった「少額投資非課税制度」の愛称です。毎年、株式や投資信託に対する120万円までの投資から得られる利益が非課税になる制度です。株式等の値上がり益や、配当・分配金に対して税金が課せられません。通常は、利益に対して20.315%(所得税:15%・住民税:5%・復興特別所得税:所得税額の2.1%)がかかりますが、それが最長5年間かかりません。
短期投資
短期投資は、一般的には1日から1か月の間に行う売買を指しますが、これという定義があるわけではありません。1日で売買を完了させるデイトレードや、数日で利益を狙うスイングトレードなどがあります。短期投資のメリットは短期間で利益が出ることです。また、長く保有することで発生する値下がりリスクも回避できます。翌日に上がるか下がるかは誰にもわからないため、その日中に売って株を持たないという選択も道理的な、投資戦略といえます。デメリットとしては、売買のタイミングが非常に重要となるため、取引時間中は常に株価の動きを見ている必要があります。また、短期投資は損失が出る可能性も高いため、神経を使う投資方法とも言えます。
中期投資
中期投資は、数か月程度の期間での投資を指すことが一般的です。短期投資は日中仕事をしている方には、時間の都合で不向きですが、中期投資は数か月の上昇トレンドを狙うため、時間の制約を受けにくいです。毎年、どんな相場であれ数か月間くらいは株価が上がる局面があることが多いです。中期投資ではそういったタイミングを狙って投資をします。中期投資のメリットは1日単位の株価の変動をあまり気にする必要がなく、サラリーマン向けといえます。デメリットとしては、売却のタイミングを逃すと株価が元に戻る可能性もあり、売り時のタイミングはしっかりと考える必要があります。
長期投資
一般的には1年以上保有することを長期投資と呼びますが、これもまた特に定義があるわけではありません。長期投資では日々の値動きではなく、長期的な株価の上昇を狙います。また、売買回数が少ないため、手数料面でのコストが安く抑えることが可能となります。
損切り(ロスカット)
株式投資は時に損をすることもあります。ですが、株は儲けるために買うのですから損失はなるべく避けたいところです。損切りは損失を最低限にとどめるために、まだ損の少ない時点で、株を処分するという意味です。いつかまた上がってくるだろうという楽観的希望を持つのではなく、見限るということです。けがをしたときに応急措置を適切にすれば大きなけがにはならないというイメージです。放っておくと細菌に感染するかもしれません。
株を注文するときに出てくる株用語
成行
成行とは注文方法のひとつで、刻一刻と値段の動く株をその時の価格で買うという方法です。
「Aを1000株成行の買い」や「Bを500株成行の売り」といった表現をします。
成行のメリットとしては、その場ですぐ買ったり売ったりすることができる一方で、想定外に高い値段や安い値段で売買が成立することもあります。
また、取引所が開く9時(午後は12時半)前に注文を出した場合、取引開始時点で出ている成り行き注文が全て成立しますので、前日よりも(あるいは午前よりも)かなり安かったり高かったりすることもあります。
指値
指値も成行同様に注文方法のひとつで、文字通り「値段を指定」して売買する注文方法です。
「Aを1000円で100株買う」「Bを500円で2000株売る」という感じです。
1000円での買い注文の場合は、必ず1000円というわけではなく、1000円以下で買うことができます。また、500円の売りの場合は、500円以上で売るという意味になります。ですから、指値で買う場合は、想定以上に高く買ったり、安く売ったりする羽目になるということはありません。指値注文のメリットは、自分の思い通りの値段で売買できる一方で、デメリットはその値段にならないと売買が成立しないため、売買のタイミングを逃す恐れもあります。
逆指値
逆指値は、指定した価格より安くなると売却し、指定した金額よりも高くなると買うという注文方法です。「A株を1000円で100株逆指値で買い」の場合は、1000円以上になると買うという注文になります。また、「Bを500円で2000株の売り」の場合は、500円以下になると売るという注文です。
今の為替レートよりも悪くなった時「これ以上の損失が出ないようにストップさせる」といった時に使用します。
約定
約定とは取引が成立することを指します。
チャートを見る時に出てくる株用語
チャート
チャートは一定期間の株価の動きをグラフ化してみやすく可視化したものです。また、株価だけでなく、相場のトレンドや、買われすぎや売られすぎといった過熱感など様々な指標を活用することができます。
ローソク足
ローソク足は株価を表すチャートの中でも最もメジャーなものです。後述の初音終値高値安値を1つの値段であらわすことができます。一日の値動きが一目でわかり、相場の強弱なども示します。
板
板とは、現在出されている注文を1つの表にまとめたものです。随時更新され、何円で何株売り注文あるいは買い注文が入っているかがわかります。ですから、買いたい人が多いのか売りたい人が多いのかもわかります。買い注文の方が多い場合、つまり買いたい人の方が多い場合、目先の株価が上がりやすいといえます。同様に、売り注文が多い場合は目先の株価は下がりやすいといえるでしょう。
マネックス証券のマーケットボードプロより引用
高値安値
高値は、「たかね」と読み、一定期間の中で最も高い価格を指します。通常、1日を指すことが多いため、その日の取引時間内で最も高い価格を指します。安値は、「やすね」と読み、その反対で最も安い価格を指します。
1日以外にも「年初来高値」や「上場来安値」という表現もあります。年初来高値は、その年の1年間で最も高い価格を指します。上場来安値は、上場してから今までで最も安い価格を指します。
始値終値
初値は「はつね」と読みます。初値はその日に付いた最初の値段を指します。日本の場合は午前9時に証券取引所が開くため、9時00分の価格を初値と言います。まれに、注文が殺到したり、売り買いのバランスが均衡しなかったりする場合は9時には値が付かない場合がありますが、その場合は、その日に付いた初めの価格を初値と言います。
終値は「おわりね」と読み。証券取引所が閉まるときの価格を言います。日本の場合は午後3時ですので、午後3時の価格を終値と言うと覚えておくといいでしょう。
会社情報を調べる時に出てくる用語
四季報
会社四季報は、東洋経済出版社が出版している株式投資のバイブルとして位置づけられている書籍です。年に4回発行されるため「四季報」と呼ばれ、上場企業の情報がみっちりと詰まっています。特徴としては、大小関係なくすべての上場企業の財務情報や業績などが担当記者のコメント付きで載っていることです。四季報を見れば、どんな企業であるかはおおむねわかります。
ETF
ETF(Exchanged Traded Bonds)は投資信託の一種で、特定の指数に連動する運用成果を目指すものです。例えば、日経平均株価やNYダウに連動するようなものがあります。また、ETFは一般的な投資信託とは異なり、取引所が開いている間は刻一刻と価格は変動します。投資信託は1日一価です。
PBR
PBRは「株価純資産倍率」の略で、「企業の純資産」と「株価」株価の関係を表し、株価の割安度合いを測る指標の一つです。
PBR=株価 / BPS
で求めることができます。BPSとは1株当たりの純資産を意味します。
PBRの基準は「1倍」で、1倍の場合、その企業が解散した場合、保有している資産を売却し負債を返済した場合、収支がトントンの状態を指します。
したがって、1未満の場合、保有している資産を売却し、負債を返済しても株主に建言される現金がある状態で、割安になっている状態です。PBRが0.7倍の場合、1000円入っている貯金箱(企業)が700円で売っているといえます。ですから、理論上は1倍を下回ることはないため、1倍未満は割安と言えるのです。ですが、PBRが1倍未満の株は、「たとえ1000円入っていたとしても、700円も払いたくない」という評価を受けているともいえるため、万年低PBRの銘柄も多数あります。
PER
PERは「株価収益率」の略で、株価の割安度合いを測る最も一般的な指標です。
PER=株価 / 予想EPS
で求められます。EPSは一株当たりの利益を指します。つまり、PERがあらわすのは、その企業が1年で稼ぐ利益の何倍の株価がついているかです。大きいほど利益に対して、買われている=割高であることを意味しています。例えば日経平均株価の場合、13倍から16倍の間で推移すすることが多く、12倍台になると割安といえます。しかし、PERは業種ごとに差があるため、個別企業を比較する際は同業種の企業で比較する必要があります。
まとめ
ここまで、株式を見る上で大切は基本用語についてご紹介してきました。文字だけで見てみると難しく見えるかもしれません。ぜひ、ご自身で興味のある銘柄について調べてみてください。四季報を調べると指標はだいたい載っています。
また、実際に取引をしてみると覚えられるようになります。ある程度覚えることができたら、少額でも実際に取引してみてください。そうすると、より深く理解できるようになります。
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