【株用語】インフォメーションレシオ(計算式)とは

 

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インフォメーションレシオとは

 

インフォメーションレシオとは、投資信託の中の運用方法の1つであるアクティブ運用を行う場合に1つの参考として使う指標のことです。

IRと略称が使われることの方が多いかもしれません。

 

アクティブ運用は他の運用方法よりもリスクを取る機会が多くなります。

高い利益目標を達成するためには、このリスクを取るという行為は必要なことですが、リスクリターンのバランスが取れていなければ意味がありません。

 

とったリスクとリターンのバランスが取れているかをベンチマーク(基準となる指標)と比較して、数値として表したもの。

それがインフォメーションレシオ(IR)です。

情報レシオや情報比と呼ばれたりもしますが、あまり使われない気もします。

 

このインフォメーションレシオの数値が高ければ高いほど、その投資信託はローリスク、ハイリターン。つまり効率の良い

運用がなされていて、ベンチマークよりも良い成績である。と言うことができます。

 

ベンチマークよりも良い運用成績ということは、パッシブ型投資信託を選ぶよりも儲けることが出来たということになります。

 

アクティブとは

投資信託のなかで、運用担当者(ファンドマネージャー)が株式・債権・その他有価証券の銘柄やその割合を決定し、運用を行うことです。

運用担当者にその全権を預けて、その人の裁量によって積極的に高い利益を狙っていく手法ということです。

基本的にはベンチマークを設定し、それ以上の運用成績を目指していく形になります。

 

 

パッシブとは

アクティブが動的運用とされるのに対し、パッシブは静的運用とされます。

このパッシブもベンチマークを設定しますが、アクティブと違い、そのベンチマークに連動した投資成果を目指します。

どちらが良い悪いというわけではなく、リスクを冒しても高い利益を求めるのか、可能な限りリスクを抑える代わりに低い利益でも良しとするのかは

投資をする人によってそれぞれです。

 

 

ベンチマークとは

運用成績を評価するときの物差し、基準点となるものです。

日本株で運用を行う場合は、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)などがベンチマークとして利用されることが多いです。

基本的に、同一のベンチマークであれば主な投資対象が同じである、同じ種類のファンドと考ることもできます。

また運用の手法によってはこのベンチマークを使用しないファンドもあります。

4

 

インフォメーションレシオの評価基準

 

このインフォメーションレシオは次の様な公式で算出されます。

 

ポートフォリオのリターンとベンチマークのリターンとの差(アクティブリターン)の平均値をアクティブリターンの標準偏差(トラッキングエラー)

で割って算出されます。

 

(ファンドのリターン - ベンチマークのリターン) / (ファンドのベンチマークに対する相対的なリスク)

 

ということです。

 

アクティブリターンとは

その運用におけるリターンとベンチマークのリターンの差のことです。

ベンチマークのリターンが+3%、その運用におけるリターンが+5%であった場合は、アクティブリターンは+2%ということになります。

この場合はリスクを冒した甲斐があったと言えます。

ベンチマークのリターンが+5%、その運用におけるリターンが+3%であった場合は、アクティブリターンはー2%ということになります。

この場合はリスクを冒した意味がないということになります。

 

トラッキングエラーとは

ポートフォリオのリターン(その商品のリターン)とベンチマークのリターンとの乖離の大きさを示す指標で、アクティブリスクとも呼ばれます。

ポートフォリオのリターンとベンチマークのリターンとの差(アクティブリターン)の標準偏差をとった値となります。

数値が大きいほど、ポートフォリオの動きがベンチマークのから乖離していたことを表しています。

 

標準偏差とは

そのデータがもっている散布度(バラつき)の指標です。

統計学に用いられるものです。

 

多分、ここを読んでも「?」となっていると思います。

大丈夫です、ここで頭に?が並んでしまった人でもインフォメーションレシオを問題なく指標として使うことができます。

 

なぜなら証券会社の投資信託の詳細に、この答えが数値として書いてあるからです。

私たちが指標として見るべき点は1つだけ。

 

インフォメーションレシオの数値が0.5以上であるか否か

 

これだけです。

 

さらに付け加えるなら、数値が大きければ大きいほど運用成績が良いと言えます。

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シャープレシオとは

 

リスク当たりの超過リターンを測るもので、

この数値が高いほどリスクを取ったことによって得られた超過リターンが高いこと(効率よく収益が得られたこと)を意味します。

 

リスクリターンのバランス、効率を表す指標であるという点でインフォメーションレシオとシャープレシオは似ているものであると言えます。

また、このシャープレシオはリスク調整後のリターンがどれほどのものかを測る指標でもあります。

 

リスク調整後リターンとは次の様な計算によって算出された数値のことを言います。

 

1、シャープレシオ(シャープ測度)={(リターン)-(リスクのない資産のリターン)} / (リターンの標準偏差)

2、アルファ=(リターン)-(同程度のリスクを持つパッシブ運用のファンドのリターン)

3、情報比=(アルファ)/(トラッキング・エラーの標準偏差)

 

これもインフォメーションレシオの数値を出す時と同様、計算式はなんとなくの理解で良いと思います。

インフォメーションレシオ同様、いずれの数値においても高いほど運用成績が良いと言うことができます。

 

インフォメーションレシオとシャープレシオの一番の違いは基準です。

 

インフォメーションレシオがベンチマークとの比較であるのに対し、シャープレシオはその投資信託の運用成績だけを見ます。

こちらも数値が大きいほど良いと言えます。

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インフォメーションレシオとシャープレシオの使い分け

 

今まで書いてきた通り、どちらもその投資信託のリスクリターンのバランスを表した指標です。

ですので、使い分けと言うよりも併用して使うという方が効率的です。

 

シャープレシオだけでは収益効率の高さは分からないので、この数値が高いものを選んで、インフォメーションレシオと照らし合わせて見ることで

その投資信託の実質的な運用が見えてくることもあります。

当然のことながら人間には寿命があります。

ですので、短い期間で効率よく収益を上げることができるに越したことはありません。

そのため、収益効率を考えることも投資においては大事な要素の1つとなります。

 

シャープレシオでは高い数値の出るものでも、インフォメーションレシオでは低くなってしまうことも往々にしてあるので、両方の数値をしっかりと

把握しておきましょう。

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インフォメーションレシオは参考になるのか

 

インデックスファンドであれ、アクティブファンドであれ、運用成績を評価する必要があります。

投資信託、ETFなど自分自身で運用を行わないのであればファンド、ひいてはファンドマネージャーの過去の成績はやはり重要に思えます。

しかし、その参考としてインフォメーションレシオを柱とすることが果たして是なのかと言うと、少々疑問も残ります。

その理由としてはいくつかあります。

 

例えば資金の出入り、配当再投資などでコストがかかります。

さらに運用方法。

どの銘柄をどの程度のウェイトで組み込んでいくかなどでもズレが出てきます。

 

これらについても、これ以外に関しても色々とあるのですが、

正直その話は細かく複雑になりやすく、かつそれをどういう風に捉えるかは人それぞれで変わってしまいます。

 

つまりは、「明確にして絶対的な指標ではない」と言えます。

 

参考になるかならないかに言及するならば、参考にはしても良いがそれだけがその商品を購入する絶対的なものにはなりえない。

という表現が一番しっくり来ると思います。

スライド10

まとめ

 

インフォメーションレシオにしてもシャープレシオにしても、投資信託を行う場合は知っておくべき代表的な指標ではあります。

これらの様な過去のデータに基づいた評価の仕方を定量評価といいます。

定量評価は過去のデータに基づいたものであり、起った事実を主観的ではなく、どちらかと言えば客観的に評価しています。

そのため、レーティング(格付け)と呼ばれる投資信託の評価会社が発表するものは、その大半がこの定量評価を使用しています。

 

しかし、先述の通りインフォメーションレシオも絶対的な指標ではなく、あくまでも参考程度のものです。

 

シャープレシオに関しては知識として、そういうものもあるんだな。と言う程度の理解で十分かと思います。

 

これはこの2つだけに言えることではなく、全ての指標に言えることですが、「指標はあくまでも指標」であり、かつ「あくまでも過去の実績」

でしかないということです。

 

株はどう頑張っても勝率100%にすることは出来ません。

であるならば、損をしたとしても自分が納得できる銘柄に投資する。

と言うことが最も重要です。

 

納得するため、その銘柄を熟考する。

そのためにインフォメーションレシオとシャープレシオを知り、リスクリターンを常に考えていくことで、より良い投資の形にが見えてくるかもしれません。

この記事の著者・監修

株ビギナードットネット編集部

生徒数5000名を超える、株式投資のスクール『株アカデミー』にて講師として普段は株トレードのやり方を教えています。その講師陣が編集部としてこの「株ビギナードットネット」運営しており、特に株の初心者・入門者に向けて、株の基礎知識や用語などをわかりやすく解説しています。
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