投資をこれから始めようとしたときに、株式投資とFXのどちらにするかで悩む方が多いと思います。株式投資とFXの違いやそれぞれのリスクを解説し、初心者の方にオススメな投資はどちらなのか考えていきます。
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株とFX初心者が始めるにはどっちがいいの?
では、リスクとは何でしょうか。
リスクとは値動きの幅のことで、簡単に言えばリスクが大きいほど大きく儲けることができる一方で、大きく損をしてしまう可能性もあるということです。これとは反対に、リスクが低いというのは、大きな利益は期待しくいいですが、大きな損をだす可能性も引くということです。
そして、投資を始めるにあたって大事なのは「損をしない」ようすることです。投資を始める期待が大きいと儲けることばかりに意識が行きがちですが、損することも考えてみましょう。次項で具体的な事例をご紹介します。
初心者あるある「気が付いたら負けてた・・」
FXで大損をしたというエピソードはたくさんあり、調べればすぐに見つかります。ここでは一例をご紹介します。
ふりかけご飯で何とかしのぐ毎日
【女性】ほんと、ポンドがここまで下がるとは、私も考えが甘かった。【記者】どれくらい消えたんですか?
【女性】トータルで……2500万円。
一同 えーっ!?
【女性】元本割れはかろうじて免れましたけどね。特に去年の10月7日は、一晩で600万円が消えたんです。前日急落したポンドに、また上がると思って買いを入れたんです。何となく嫌な予感がしたんですが、朝、起きたら画面がゼロになってた。もう、頭の中が真っ白ですよ。主人には内緒の分だったので……。
【記者】なんか男っぽくてカッコいい。
【女性】アメリカで金融安定化法が成立したときですね。欧州に金融危機が飛び火し、円以外の主要通貨が叩き売られた。
私は目標額1億円まで増やしたら、年利4~5%の金利生活に入る計画で、東欧やインド関連の(年利)20%くらいのにバンバン突っ込んだんです。そのうち双方の実家に「やらない?」と声をかけました。主人の実家は2000万円を市場並みの金利のタイプに、主人の弟は1000万円を外貨建ての元本保証型に、ウチの実家も円建ての元本保証型で年利3%、毎年60万円小遣いが出るタイプに2000万円入れました。【記者】じゃ、親族を巻き込んで……。
【女性】はい。去年の2月か3月からおかしくなりだして。運用成績は毎月10日にウェブ上で見られるんですが、ウチも双方の実家も2000万円が半減。義弟は数百万円の大損。今は、塩漬けしたまま見て見ぬフリしてます。
ケリーバッグを2000万円超で買った計算になった(苦笑)。今、手元にある800万円は、保険からの貸し付けと友人からの借金です。いつ何が起こるかわからない。正直、毎日が不安ですよ。今も勝負はしてますが、一度に1万円程度。そりゃビビりますよお。
大きく使ったのはセブ島旅行と、夫が10万円の腕時計を買ったくらい。月20万円のマンションのローンが残って、生活もままならない。ブランド物のバッグを質屋に出し、信用できる人から50万円ほど借りて生活しています。毎日をふりかけご飯でしのいで、ドッグフードも安いのに替えた昨年末、今度は私が派遣切りにあったんですよ。一同 ……。
【女性】主人は負けず嫌いで、私に隠れてケータイで3万円、5万円でまだやってた。パソコンで見ればすぐバレるのに、男って可愛いというか。「解約するからね!」ってケンカしました。もう一度やれといわれてもイヤ。恐怖ですよ。
【記者】貴重な体験談、有り難うございました。
出典元:投信・FX妻匿名座談会https://president.jp/articles/-/2884
よく聞くレバレッジって何?
FXでは、レバレッジをかけて取引できます。
レバレッジは「てこ」という意味ですが、簡単に言えば少ない資金でその数倍の取引ができる制度です。てこの原理が少ない力で大きなものを動かすように、少ない資金で大きな取引ができるようになります。最大25倍のレバレッジをかけることができます。つまり、1万円あれば25万円分の取引ができます。為替が1円動けば、25円分の値動きに相当します。レバレッジをかけない場合は100円の利益でも、25倍のレバレッジをかけていると2500円の利益となるのです。
ここだけ聞くと素晴らしいように聞こえますが、もちろんデメリットもあります。ですが、意外とこのレバレッジのことを知らないまま取引されている方も多いようです。
超重要!!FXには「強制ロスカット」がある
レバレッジをかけた取引のメリットは少ない資金で大きな利益を追求できることです。その一方で注意すべきは「強制ロスカット」がある点です。
レバレッジをかけた取引では利益が出る場面では大きなリターンが期待できますが、損する場面では強制ロスカットされる場合もあります。
では、強制ロスカットとはなんでしょうか?
レバレッジは先ほども言ったように、手持ちの資金よりも大きな金額で取引できるのですが、これは投資家が保証金を証券会社に預け、証券会社がそれを担保に取引資金を投資家に貸しています。
ですから、5万円しかないとしても、100万円の取引ができます。5万円が6万円になれば、1万円の利益ですが、100万円であれば20万円の利益です。少額の資金で大きなリターンを期待できます。
しかし、お金を貸している側の証券会社からすると、5万円しか預かっていません。
ですから、もし5万円以上の損がでると、お金を貸している証券会社にとっては損になってしまいます。実際には100万円はないためです。証券会社が損しないように5万円以上の損が出る場合には「強制ロスカット」、つまり強制的に決済され損失が確定させられます。
その点、株式にはレバレッジがないため、10万円の株を買うためには10万円が必要です。その代わり、株価が半分になろうが1円になろうが強制的に損切りされることはありません。ずっと持ち続け、株価が戻るまで待つこともできます。
株とFXの違いを詳しく見てみよう!
では、ここからは株とFXの違いについてみていきましょう。
株 | FX | |
投資対象 | 個別企業 | 各国通貨 |
投資対象の数 | 3500社以上(東証) | 30通貨程度 |
値動き | 1%~30%程度 | 0.5%から2%程度 |
金利 | 0%~5%程度(配当) | 0%~20%程度 |
取引時間 | 平日9~11時半・12から15時 | 平日24時間 |
投資対象がたくさんある株って面倒?
株価の変動要因は信用力や業績、その他ニュースなど様々で、それらを勘案したうえでする選定する必要があります。
一方で、FXはそもそも投資対象が少ないため、そういった意味ではFXの方が選びやすいです。
また、株は基本的に上がる銘柄を選ぶ必要がありますが、FXでは上がるものだけでなく下がる方にも投資できるため、選ぶ必要はあまりないかもしれません。
値動きが大きいのはどっち?
為替自体の値動きと、株の値動きを単純比較すれば、株の方が値動きの幅は大きいですが、FXにはレバレッジをかけることができるため、実際の値動きの数場の変動が起こります。
もちろん同じ金額で投資する場合レバレッジがある方が、ない方に比べて利益額が圧倒的に大きくなります。
10万円で買った株が10万1000円になったとします、変動率は1%で、利益は1000円です(税金・手数料は考慮しない)。しかし、これに25倍のレバレッジをかけていたとします。そうした場合、当然利益も25倍ですから、2万5000円の利益となります。ただし、レバレッジが効かせている場合、強制ロスカットがある事を忘れてはなりません。
FXは金利、株は配当金
FXと株式はともに保有しているとお金を得ることができます。FXは通貨ですから金利を受け取ることができ、株式は配当を受け取れます。
例えば、トルコ政府は、自国通貨であるリラの政策金利を24%に引き上げました。この数字は政策金利であり実際の金融機関等が提供する市中金利とはイコールではありませんが、非常に金利が高いです。FXではこういった高金利通貨の金利を得ることができます。
また、株式の配当金は1.8%程度です(日経平均株価の平均配当利回り)また、FXにはない株のメリットとしては、株主優待があります。これは各企業が株主還元の一環として、保有株数や保有期間に応じて自社製品等をプレゼントする制度です。
鉄道会社であれば乗車券や、食品メーカーであれば自社製品の詰め合わせなどが優待として人気があります。
取引時間が長くやっているのはFX
株式は平日の昼間しかやっていないのに対して、FXでは平日の24時間取引が可能です。昼間は働いている方は、なかなか仕事中に株価のチェックができない方もいると思います。ですが、FXは24時間できるため、時間的な制約はあまり受けなくて済みます。
ただ、スイングトレードと呼ばれる数日間での値上がりをとるような取引方法の場合、日中の値動きを見る必要がないため、実際にはそんなに気にならないかもしれません。
まとめ
ここまで株式投資とFXの違いについてみてきました。
繰り返しになりますが、初心者であれば、FXよりも株式投資をおすすめします。その理由は、FXよりも株式投資の方が圧倒的にリスクが少ないからです。
FXには少額でも大きな取引ができるレバレッジがありますので、少ない資金でも大きな利益を追求できます。
しかし、その一方で強制ロスカットという仕組みによって、手持ちの資金をすぐになくしてしまうリスクもあります。まさにハイリスクハイリターンであり、初心者向きとは言えません。
株式投資は、手持ちの資金内で運用するため、その企業が倒産しない限りは資金が0になることはありません。
また、保有していると配当金や株主優待を受け取ることができる銘柄もあります。
これから投資を始めようとするのであれば、まずは比較的リスクの低い株式から始めてみるのはどうでしょうか。
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