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はじめに
近い将来には日本の消費税が10%に上がるとも言われている現代だからこそ、インフレ対策としての資産運用への関心が高まっています。
メガバンクと言えども金利がごくわずかな状況では、貯金しているだけでお金が増えることはまずありません。
数ある資産運用の種類の一つとして知られる株式投資は、最近になって投資金額が小額からでも始められるようになり株式投資に取り組む方が増えています。
ただ株の具体的な取引方法や投資に必要な金額を知らない方では、「株式投資はギャンブルのようなものではないか」と不安に思い手を出せないこともよく聞く話です。
そこで今回の記事では初心者が株の取引で損しないために必要となる基本的な知識や、その心構えについて解説します。
株の取引についての知識を身につければ株式投資とはギャンブルのように運任せではなく、根拠を持って理論的に取り組めるものだと認識できるはずです。
お金を儲けて資産を増やす足がかりとするためにも、まずは株の取引に関する知識を勉強していきましょう。
1章:株初心者が知っておきたい知識とは
この章では最初に株初心者が知っておきたい知識について解説していきます。
株式投資の知識全てを一度に吸収することは難しいため、この記事では最低限の部分だけに触れておきます。
1ー1 株の取引で得られる利益
株式投資と聞くと小難しいテクニックや法則を駆使してお金を稼ぐイメージを持つかもしれませんが、原則として安く買った株をいかに高い金額で売るかの一点のみが問われます。
また株の取引方法によっても狙える利益の内容が異なり、あなたの生活スタイルや資金額に合わせて狙いやすい利益のタイプがそれぞれ存在します。
具体的に株の取引で得られる利益を大まかに分けると、以下の2種類に分類できます。
・キャピタルゲイン
株の購入時と売却時との差分で得られる利益のことを指します。
「値上がり益」と呼ばれることもあるキャピタルゲインですが、この利益を主に狙う場合にはデイトレードやスイングトレードといった短期的な取引が有効です。
・インカムゲイン
それに対してインカムゲインでは中・長期投資で狙いやすい利益となります。
主に「配当金」のことを指していますが、中長期投資では配当金以外にも「株主優待」を同時に狙うことができます。
短期的な株価の変動をそれほど重要視しないため、本業を別に持つ兼業投資家に向いています。
これらのいずれかの利益を基本的には狙うことになるのですが、今この記事を読んでいる方であれば中長期投資におけるインカムゲインの方が狙いやすい側面があります。
その詳しい理由については以下で解説します。
1ー2 株の取引における投資期間
前述したように、株の取引では主に狙う利益の種類によって投資期間がそれぞれ異なります。
前項でも言及しましたが具体的な投資期間の分類としては、以下の三種類が挙げられます。
・デイトレード
一日以内に完結する取引のことを指しており、短い取引ではわずか数分間で完結する場合もあります。
短い時間で銘柄や株数を変えながら取引を何度も繰り返す方法のため、デイトレードは証券取引所の立会時間である日中においてパソコンの画面をかかさず確認できることが前提の取引となります。
そのため日中に働いている兼業投資家には不向きとも言えます。
・スイングトレード
デイトレードほど短くはないにせよ、長くても一週間以内に完結する取引のことをスイングトレードと呼びます。
この場合でも株価チャートの値動きをある程度確認できる時間が必須となるため、デイトレード同様に初心者には厳しい投資方法ではあります。
・中長期投資
スイングトレードよりもさらに長く、数週間〜数年単位で取引を完結する投資方法が中長期投資となります。
投資期間が上記二つよりも長いこともあり、株価の短期的な値動きをそれほど重要視する必要がありません。
またインカムゲインを主に狙う投資方法なので、銘柄の選び方によっては配当金以外にも株主優待として物品やサービスをお得に貰えることが特徴的です。
株初心者のほとんどが兼業投資家として始めることになるので、株式投資の経験値を積む上でも手始めに中長期投資から取り組んでみるといいでしょう。
そうして資金額がそれなりに増額できたなら、その時点で別の投資方法にもチャレンジしてみるとさらなる増益が期待できます。
1ー3 株の取引の手順
株式投資をまだ始めていない方の中には、株式投資をするために必要な手順が分からず躊躇していることもあるかもしれません。
以下で株の取引を始めるための手順について、簡単にですが確認しておきましょう。
・口座開設する
株の取引を始めるためには、証券取引所から株を買いつけるための専用口座が必要となります。
ただし個人で証券取引所から株を購入することはできないので、目当ての証券取引所と仲介してくれる証券会社において事前に口座開設しておかなければなりません。
口座開設する際の手数料は基本的に無料なのですが、各証券会社によって売買手数料の安さや得意とする銘柄の種類などが異なります。
・口座に投資資金を入金する
取引する証券会社を決めて口座を開設したら次に、その口座に投資資金を入金しておく必要があります。
株式投資では株を購入するための資金だけでなく、証券会社で設定されている売買手数料も考慮しながら取引しなければなりません。
・購入希望の株の買い注文を入れる
口座に投資資金を入金した状態で目当ての銘柄を絞れたら、ここでようやく購入希望の銘柄について買い注文を入れることになります。
予約した注文が約定して初めて株を購入することができます。
・売却したい株の売り注文を入れる
またそれとは逆にその銘柄を売却したい場合には、売り注文を別途入れて約定される必要があります。
特に初心者ほど売却時の金額に執着しがちですが、機械的に株の取引を行うことでリスクを最小限に抑えることに役立ちます。
株の売買における注文方法にもいくつか種類があるのですが、具体的な種類についてはここでは割愛します。
興味のある方は一度調べてみるといいでしょう。
2章:株の取引で損しないための節税対策とは
株の取引に必要な知識を確認したところで、この章では損失を最小限に抑えるための節税対策について解説していきます。
証券会社が用意している口座の中でも源泉徴収ありの特定口座やNISA口座を利用する方は、原則として確定申告する必要がありません。
しかし損失が出た場合にはあえて確定申告しておくことで節税の効果が現れます。以下でその内容を確認しておきましょう。
2ー1 確定申告する
株式投資では20.315%の税金がかかるため、確定申告をして納税額を決定する必要があります。
ただし利益だけではなく損失が出ることが株式投資の常であるため、節税対策を兼ねて以下の申告方法を知っておくと便利です。
・損益通算
利益額に応じて納税額が決定することが原則ですが、同年内に損失が出た場合であれば利益額と損失額を相殺することができます。
損益通算をすると損失額の差額である利益額にのみ税率がかかるため、納税額を多少なりと減らすことに役立ちます。
・損失繰越
利益額で損失額を相殺しきれない場合であれば、損失繰越を利用することでその損失を向こう三年間は繰り越すことができます。
簡単に言えばその年に出た損失額を向こう三年間の利益額で相殺していくことができます。
もちろん相殺してなお余った利益額については税率がかかりますが、こちらも節税対策としては有効な手段です。
2ー2NISAを利用する
あるいは120万円以内の小額投資を予定している場合であれば、その金額以内であれば非課税となるNISAが便利です。
ただ銘柄の購入時点より五年以内しか非課税対象とならなかったり損失繰越できないなどのデメリットが存在します。
税金に関する基本的な優遇がある一方で制約も多いため、気になる方はその条件を考慮した上でNISAの利用を検討してみるといいかもしれません。
3章:株の取引を行う上での心構えとは
ここまでは株の取引がそれほど難しくないことを述べてきましたが、実際に株初心者が熟練の投資家たちに食い物にされて投資資金を全額なくしてしまうこともよくある話です。
この記事の締めくくりとして最後に、初心者が株の取引を行う上で意識すべき心構えについて確認しておきましょう。
3ー1 感情移入しない
特に株の売却時に言えることですが、株初心者ほど自分が希望する株価での約定にこだわり株の売却タイミングを逸する傾向にあります。
自分なりに情報収集して選んだ銘柄であればこそ感情移入したくなる気持ちは分かりますが、株の取引で利益を上げたいならばあくまでも機械的に株の取引をこなすことが前提です。
3ー2 常に予想を立てながら取引する
株初心者ほど流行の銘柄に飛びついたり勘を頼りにして売買を行いがちですが、株式投資は根拠を持って動くことが重要となります。
そのため株価チャートの値動きや市場の動意、企業の業績などを総合的に考慮しながら常に予想を立てつつ取引しなければ意味がありません。
ギャンブル感覚で取引する初心者ほど投資資金を溶かしやすいため、損失が出る可能性まで視野に入れて株の売買に臨みましょう。
3ー3 企業の情報は逐一チェックする
企業の現在までの業績はもちろんですが、株式投資で安定的に利益を出すためには今後の展開も予想しなければなりません。
そのためには企業の事業内容やその業界に関するニュースもある程度チェックしておく必要があります。
3ー4 分散投資を心がける
不慣れな株初心者のうちから投資資金を一挙に動かしてしまうと、一瞬で資金を失うことにもなりかねません。
経験値を積む意味でもまずは分散投資を心がけ、中長期投資で利益を狙う場合でも投資する期間を空けたり金額を小額に抑えながらリスクを最小限に留めるといいでしょう。
3ー5 含み損はすぐにロスカットする?
初心者の時ほど含み損を確定することは躊躇してしまうものですが、その含み損がいつ解消されるかは誰にも分かりません。
徐々に損失額が膨らんでいくことも少なくないため、含み損が少ないうちにロスカットすることが重要となります。
ですがこの株ビギナードットネットに関しては、ロスカットしない取引方法を推奨しています。
こちら下記の記事に内容をまとめておりますので、ぜひ一読くださいませ。
まとめ
株の取引を始めてすぐは利益を思うように出せないことの方が多いですが、最近では最低単元株価より少額で売買できるミニ株やワン株などの金融商品もあります。
証券会社によっては一万円以内で大手企業の銘柄に投資することもできるため、株式投資の敷居は一昔前より格段に低くなったと言えるでしょう。
この記事を読んでいるあなたも、まずは少額から株の取引を始めてみてはいかがでしょうか。
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