今や銀行に資産を預けても全く増えません。
それどころか、「口座維持費」なるものが徴収されてしまう恐れすらあります。
そんな中、株式投資によって資産運用をお考えの方は多いと思います。
スマホやパソコンからも手軽に株式投資が出来る時代。
株を始める前に知っておくべき5つの心得と株の始め方をまとめました。
■■■ 目次 ■■■
株を始める前に知っておくべき5つの心得
【心得1】株の仕組みをきちんと理解しておこう
そもそも、株式投資で儲けたり損をしたりする仕組みをきちんと理解できていますか?
これだけ株式投資が身近になり、逆にいまさら聞けないことかもしれません。
株で儲けを出す仕組みと、株で損をする仕組みを、まずは、きちんと理解しておきましょう。
キャピタルゲイン
キャピタルゲインとは、株式の売買の差額で利益を得ることです。
具体的には、株価が安いときに買って、株価が高いときに売る。
その売買の差額が利益となるという仕組みです。
インカムゲイン
対して、株を保有することによって得られる配当金や株主優待のことをインカムゲインといいます。
配当金や株主優待は安定的に受け取ることが出来るため、長期で株式投資を考える投資家にとって、メリットの多い利益となります。
【心得2】株は余裕資金で
株式取引は生活費や必要経費以外の、いわゆる余裕資金で行いましょう。
生活費を使い込んだり、投資のための借金などは絶対にしてはいけません。
また、近年、スマホやパソコンで気軽に株取引が出来るようになったことで、ツールの誤操作で失敗することも急増しています。
うっかりミスのワンクリックで、全てを失ってしまうこともあり得ます。
株式投資を行う際は、普段にも増して、精神が安定した状態で行う必要があるのです。
また、口座に入金した資産を全て運用せず、3分の1の金額で運用したり、1業種1企業への株式投資にしぼらず、他業種他企業の分散投資もおすすめです。
【心得3】株のリスクを知り自己責任で
株式投資は、保険や定期預金、また一部の投資信託と違い、元本保証は一切ありません。
株取引に関する全ての責任はご自分にあるということを忘れないでください。
また、株の銘柄などの情報収集もすべてご自分で行うのが基本です。
(営業マンを有する証券会社の場合は、営業マンが情報を持ってくる場合がありますが手数料が高いため注意が必要です。)
今の日本では株のセミナーといったものは全国で開かれており、また、自宅に居ながら学べる通信講座も存在します。
初心者向けの窓口相談や、セミナー、通信講座などの活用もおすすめですが、手軽に情報収集ができるインターネットを大いに活用することになると思います。
ネットには株についての様々な情報が飛び交っています。
大変有意義な情報もありますが、まったく根拠のない情報も中にはあります。
自分の利益のためニセの情報を流すなど、犯罪まがいな行為をしている悪質な連中も実在します。
経済新聞や証券会社のサイトなど、信頼できる媒体から情報を仕入れるよう心掛けて下さい。
また、すごく優秀な専門家やコラムニストでも予想を外すことは大いにあります。
当たり前のことですが、株式投資に「確実」はありません。
そして、さらにあり得ないのが「一攫千金」です。
【心得4】証券会社が利益を出すカラクリも知っておこう
当たり前ですが、私たちが株取引を行うことで証券会社に利益が入ります。
それは手数料です。
制度によっては手数料が無料な場合もありますが、ほとんどの場合、一取引ごとにあらかじめ決まった売買手数料が引かれます。
まだ知識のあさい株初心者が、証券会社の営業マンの言いなりで色々な銘柄を買った結果、売買手数料がドンドン膨らみトータルで大きな損失となってしまった、という失敗事例もよく聞く話です。
取引の際は、必ず手数料を見越して利益を確保できるよう心掛けましょう。
また、株の取引方法には、自分の資金と株式で取引する「現物取引」と、証券会社から資金と株式を借りて、自分の手持ちの投資資金以上の金額で取引できる「信用取引」があります。
「信用取引」は、上手くいけば資金効率も上がりより早く大きく資産を増やす事も可能ですが、ここでも証券会社が絶対に損をしないようなシステムとなっています。
まず、信用取引は、先ほどの売買手数料が割安な場合もありますが、それ以外にさまざまな手数料がかかります。
さらに、株を一定期間保有し続けた場合や、一定の損失額を超えた場合に起こるのが「強制ロスカット」です。
「強制ロスカット」は、投資判断が間違っていた時に投資家の損失を広げないための救済措置でもありますが、同時に、証券会社が痛手を被らないためのカラクリでもあるのです。
【心得5】株にかかる税金も忘れない
株には税金も掛かってきます。
値上がり益「キャピタル・ゲイン」、配当「インカム・ゲイン」、どちらの利益にも20.315%の税金が課税されます。
この場合の利益とは、譲渡価格(売却収入)から株式の取得費用(購入代金)と手数料などの費用を差し引いた金額で、あくまでも「売却して実現した利益」に対して課税されますので、含み益(評価益)には課税されません。
また、給与を1カ所から受けている年収2000万円以下の会社員で年末調整を行っている場合は、給与以外の所得が20万円以下だと確定申告が不要となります。
つまり、株の利益(を含む副収入)が年20万円以下だと、所得税(15.315%)は免除されます。
ただし、住民税(5%)の申告は必要です。
株初心者にとって、この税金は非常に面倒ですが、この面倒な税金が一定額まで非課税にする制度もあります。
「NISA」です。
NISAとは「毎年120万円」までの非課税投資枠が設定され、その120万円までの投資額から生じた投資信託や株式投資の値上がりによる利益や配当金などがすべて非課税対象になる制度です。
株の始め方
いよいよ、株の始め方について実際の手順を解説していきます。
証券会社を選ぶ
まずは、証券会社を選びます。
ここでポイントになるのが、証券会社は1社に絞る必要はありません。
口座を開設することで、それぞれの証券会社から情報が配信されます。
また、窓口を有する証券会社に比べて、ネット証券の取引手数料は格安で口座開設もインターネット上で出来るためおすすめです。
口座を開設する
前項でも述べたように、口座を開設する証券会社は1社に絞る必要はありません。
おすすめのネット証券の口座開設方法を具体的に説明していますので、参考にしてください。
口座に入金する
入金する口座は、実際に取引を行う証券会社の口座にのみ入金すればOKです。
以下のサイトではSBI証券の入金方法を解説していますが、どの証券会社でも同じようなお手続きとなりますので参考にしてください。
入金する金額は、はじめは少額で結構です。
株式投資を始めるためには、まとまった資金が必要というイメージがありますが、実はそんなことはありません。
10万円あれば、優良銘柄や投資家に人気の銘柄も買うことができます。
どの株を買うか決める
購入する株の銘柄を選ぶことは初心者にとって一番の難関です。
口座を開設することで証券会社から得られる情報や、株式市場に上場する銘柄のすべてを1冊に網羅している「会社四季報」を参考にファンダメンタル分析して銘柄を選ぶことが一般的です。
また、Yahoo!ファイナンスではざっくりとした株の情報を入手することができます。
しかし、初心者が判断を下すのは容易ではありません。
そこで、まず手始めに投資する先の一つとして「大型株」と言うものがあります。
大型株はその名称通り、企業規模の大きな、いわゆる大企業の株式のことを指します。
大型株の特性上初心者が手掛けやすくなおかつ動きが安定的、配当を継続して出している企業が多く、その存在を把握しておくだけでも大きなベネフィットがあります。
ただ、単純に大型株への投資を行えば安定した利益を出し続けることができるのかというと、もちろんそんなことはありませんので注意してください。
実際に株を買ってみる
直接株取引ができる時間帯は、平日の「朝9時から11時30分まで」(前場)と、「12時30分から15時まで」(後場)となっています。
また、株の買い方は指値注文、逆指値注文、成行注文の3種類で、それぞれの特徴は以下の通りです。
注文方法 | 特徴 | メリット | デメリット |
指値注文 | 自分が購入(売却)したい価格で注文を入れる方法 | 希望した価格で株式を購入(売却)出来る | 希望価格にならないと購入(売却)出来ない |
逆指値注文 | 自分で決めた価格まで株価が下がったら(上がったら)株式を売却(購入)する方法 | 予想に反して損失を出しても一定の金額で抑えることが出来る | 希望価格にならないと売却(購入)出来ない |
成行注文 | 価格を指定せず現在の価格で購入(売却)する方法 | 注文してすぐに購入(売却)出来る | 予想外の株価で購入(売却)してしまうこともある |
相場がある程度読める方が「この価格で買いたい」と強く希望する場合や、忙しくて株価のチェックが頻繁にできない場合に指値注文が有効です。
現物取引で注文する方法も以下のサイトをご覧ください。
1万円からはじめる少額投資
少額から始められる投資は探せば多く見つかります。
その中でも今回は3つをリストアップしてご紹介したいと思います。
投信積立
預貯金に「積立貯金(預金)」があるように、投資にも積立方式が存在します。
そのなかでも代表的なのがこの「投信積立」です。
これは、自分が選んだ投資信託を毎月一定額で買い付けるといったものになっています。
株式累積投資
株式累積投資とは、選んだ銘柄を毎月積立投資という形で株式を購入していく投資方法です。
例えば、最低単元が100株で1株1,000円の株式を購入する場合、通常ですと100,000円が最低投資金額になります。
しかし、この株式累積投資であれば毎月10,000円から、積立という形で購入をする事ができます。
ミニ株
一般的な株式売買は単元株100株での売買となりますが、ミニ株なら1株から購入することができます。
前述した二つは、登録し、金額を決めたら半分自動で投資がなされていくのに対し、ミニ株での投資は、自分でタイミングから購入する銘柄まで詳しく決定することができ、普通の株式投資の少額版といった感じです。
また、ミニ株であっても、特定の会社の株式を持っている株主には「配当金」や「株主優待サービス」といった、ボーナスを受け取ることも出来ます。
ミニ株なら、とても柔軟な買い方や投資スタイルを実現でき、なおかつ金額が少ない分損失が出た場合も通常の株式投資より抑えることが出来ます。
IPO株
少しステップアップした株式投資をお考えの方に進めたいのがこのIPO株というもの。
IPO株とは日本語に訳すと「新規上場株」と訳されます。
これは「新たに東証一部上場をする会社の株」のことをさします。
IPO株はその特性上、非常に勝率の高い株です。
株式会社が一部上場する際、基本的にその会社は新たに株式を発行します。
そしてその株式は、上場直後に多くの株主に買ってもらいたいという思惑からある程度金額設定を低めにしていることが大半です。
その新規上場する会社の株式を上場前に予約購入する。
これがIPO株です。
IPO株は購入に際し各証券会社の行う抽選に当選する必要がありますが、購入さえできれば非常に高い確率で利益が見込めるため非常に人気で、株式投資初心者にお勧めできるものになっています。
IPO株を買う場合、単元数の購入が必須になるため、ある程度まとまった金額は必要になりますが、少額投資からのステップアップとしては非常に有効な一歩と考えられます。
まとめ
投資の失敗を回避するために必要なのは、やはり知識と情報です。
この二つが欠けてしまうと、少額の投資の場合でも、手痛い失敗に繋がってしまいます。
投資という運用を用いる以上、どれだけリスクを念頭に置いて行動しても、どこかで損失を被る可能性もあります。
そういった危険性を孕んだものであるということを忘れてしまうと、取り返しのつかない失敗に繋がりかねません。
致命的な失敗を避けるためにも、投資を始める前も、投資を始めた後も、様々なことを学ぶ姿勢が大事であり、結果的に自分を助けるということを忘れないようにすることが何よりも大事です。
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