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はじめに
投資の手段のひとつとして挙げられる「株」。パチンコや競馬などのギャンブルとは違い、頭を使いそうなイメージがありますよね(もちろん、パチンコや競馬も頭を使わないと勝てないのですが)。
そこで今回の記事では、「株で勝つ」とはどういう仕組みなのか、負けないためにはどうするべきかなどを初心者の皆様に入門編的な立ち位置でご紹介します。
株で勝つためには
みなさんは、「株って何ですか?」と聞かれたときに、きちんと答えることができますか?
ぼんやりとは思い浮かぶけれど、実際に説明するのは難しい…という方のために、本章では株式投資の仕組みと、勝つための仕組みについてご説明します。
株とは
世の中には数多くの企業がありますが、すべての企業について言えるのは、起業および運営のために資金が必要であるということです。その資金集めの手立てのひとつが、株式の発行です。「この会社になら投資してもよい」と考えてくれる人(株主)を募り、株券を発行して株主に購入してもらうことで、株式会社は資金を得ることができます。
株主の出資により得ることができた利益は配当金として株主に還元されるほか、企業の製品やサービスを有利に利用できる株主優待を受けられることも株主の特権となります。この仕組みの特徴は、株価が一定ではないことと、株主同士で任意に株の売買ができることです。
現在フリマアプリが流行していますが、人気のブランド品は相場より値段が高くても売れていきますよね。株についても同じことが言え、企業の人気が上昇するとその企業の株を買いたい人が増え、需要が高まるため株の価値(株価)も上昇します。つまり、自分が購入したときより株価が高いときに株を売却することで、その差額を利益として手に入れることができるのです。冒頭で述べたパチンコやギャンブルは、人々が賭けた金額から運営元が運営料を引いた金額を勝者に分配します。
たとえば競馬なら、ひとつのレースに賭けられたすべての金額から運営者であるJRAが25%を取り、残りの75%を予想的中者に分配するというわけです。このため、ギャンブルについては多くの金額を賭ければ賭けるほど運営者の取り分が増えることになりますし、賭け金より少ない金額を取りあう仕組みなので、全体で見ると必ずマイナスになります。一方、株やFXといった、売値と買値の差額で儲けを生み出す仕組みの場合、「誰かが利益を得た場合、同じ金額だけ誰かが損失を出している」ということになります。このため、投資する金額の大小よりも、株価の変動の大小が重要になります。
それでは、株で儲ける方法について、入門したばかりの初心者の皆様にもう少し詳しくご紹介しましょう。
株で儲ける仕組みとは
「株で儲けた」「株で大損してしまった」とはよく聞きますが、それぞれ、どんな理由からこのような現象が起きているのでしょうか。
儲かる・損する仕組みを知らないことには投資はできません。簡単に言ってしまえば、株もある意味お金をやり取りする商売のひとつと考えれば、「安く買って、高く売れたとき」に儲けが発生し、反対に、「高く買ったのに、安くでしか売れなかったとき」に損失が発生します。
株において重要なのは「基本的には売らないと儲けが出ない」ということです。皆さんも、デパートでずっとほしかった洋服を買った次の週に、同じ洋服が半額セールになっていたら、損した気持ちになりますよね。しかし、この場合、洋服自体は手元にあるので、洋服の価値、すなわち着る楽しみは失われないわけです。
株の場合は、持っている株の価値自体が変動するので、いずれ売る必要があります。株価が購入時点より下がってしまっても、売らないことには現金は入ってきませんし、そのまま保有し続けていればもっと株価が下がってしまうかもしれません。このタイミングの見極めが、株での儲けに直結すると言っても過言ではありません。それでは、株価はどのような仕組みで上下するのでしょうか?
株価は需要と供給のバランスによって決められています。その企業に価値や将来性を感じ、株を保有したいと考える人が多ければその企業の株価は上昇しますし、反対に不祥事や業績不振などで将来性がないと判断され、多くの人が株を手放したいと考えた場合に株価は下落します。企業の将来性や人気を判断し、安いときに株を買い、株価が上昇したタイミングで売却することが、株で儲ける基本です。株を買うことで得られる配当金や株主優待は、入門したばかりの初心者の方であればオマケ程度と捉えておいたほうがいいでしょう。
株で勝つためには
実際に株で勝つためには、どのように行動すればいいのでしょうか?何度かご紹介しているように、株で儲ける基本は「安く買って、高く売る」です。この原則はつねに頭の中に置いておく必要があります。株に入門したばかりの初心者の方がここで気にすべきなのは「安く買う」方です。
底値で買うのはプロの投資家でも難しいことですが、なるべく株価が安いうちに購入しておくことで、将来価格が下落したときも、損失額を低く抑えることができます。「株価が安い」というのはただ単に株価の金額が低いことだけを意味するのではなく、「実際の企業の価値に見合っていない株価」のことも指します。実際の企業価値と比較して割安な株を探すことができれば、将来その企業の株価が適正に評価された際に株価が適正値まで上昇し、結果的に利益を得ることができるというわけですね。反対に、100円前後など株単価が安い企業も、何かしらをきっかけに大化けし、株価が何倍にもなることがあるので、狙う価値がありそうです。
あまりにも低い株価のものを狙ってしまうと、そのまま倒産なんてこともありうるので、この場合もしっかりとした見極めが重要です。また、JASDAQや東証マザーズのような新興企業を集めた取引所で株を選ぶのも勝つためのひとつの手段です。株価は将来を見越して上下するため、新しい会社は「伸びしろ」が期待され、株価が上昇する可能性があります。安い時に株を購入することができれば、株価が上昇すれば多かれ少なかれ利益を手にすることができ、仮に株価が下落しても損失を最小限に抑えることができるというわけですね。入門したばかりの初心者はまず、「安い時に買う」ことを意識してみるとよいかもしれません。
株では負けないことも重要
ここまで株で儲けるための方法を入門編ということで初心者の皆様にご説明してきましたが、忘れてはいけないのは「損失を出さない」こと。長い目で見たときに、損失が少ないということは、自分の資産の底上げに大いに役立つことになります。何より、負けると追加で株の購入もできなくなってしまいますし、モチベーションも下がってしまいますよね。本章では、株で負けないためのコツをご紹介します。
株はあくまで商売?
勝者に配当金が与えられるギャンブルとは異なり、株式運用は株価の差によって利益を生み出す「商売」のひとつと考えてみましょう。
どんな商売も、「原価」というものは存在しますよね。商品自体の原価がたとえタダだったとしても、それを売るための場所や労働力の確保にはコストがかかります。そうしてある程度のコストをかけて商品が売れ、その売り上げとコストの差額が利益となるわけです。株式運用に関してもまったく同じことが言えます。「安く買って、高く売る」が原則ですから、まずは「買う」ことが必要になります。自分の資金が減るのを恐れて必要以上に買い渋ると、得られるはずだった利益が得られなくなってしまう場合もあります。これも一種の損失ですよね。株式運用で儲けようとしている以上、資金が減ることは避けられません。その資金の減り幅を最小限に抑え、最大限の利益を生み出すことが初心者であれ上級者であれ株で上手に儲ける秘訣だというのは覚えておきましょう。
損失を最小限に抑える
株で負けないためには、損失を最小限に抑えることが重要です。もし購入した株の価値が下がり、その株を売却しても損失になってしまう(=含み損)の場合でも、購入時点での価格が低ければ低いほど、損失額も少なくて済みます。株初心者の場合、損切りのタイミングが分からずいつまでもずるずる下落銘柄を保有し続け、最終的に大きな損失となってしまうパターンが多いようです。そうならないためにはどのように行動すればよいのでしょうか?
もしあなたが期待している企業があるとして、実際その企業の株価が上昇傾向にあるとします。その上昇途中で買うことができれば問題ないのですが、株価の上下の頂点で購入してしまうと、その後の利益はあまり見込めず、さらに言えば、どんどん下落していく可能性を秘めているということになります。このように株価の高値掴みをしてしまうことをジャンピング・キャッチといいます。とはいえ、下がり気味の株価がどこから上昇気配に転じるかを見極めて購入するのも難しいですよね。
そこで狙い目になるのが、株価の暴落です。たとえば、元値が3000円の株が4200円まで上がり、そこから2200円に暴落したとします。このときに買うことができれば、元値の3000円までは戻ることが期待できますし、これ以上安くなればまた買いが入る可能性も考えられます。上がって、下がったタイミングを狙えば、大損することはないと言えそうです。
株で負けないための動き方
さて、ここまで株で負けないコツをご紹介してきましたが、全く負けないで株を続けるのはプロにもできない芸当です。株式運用という商売をするうえで、ある程度のリスクは覚悟しなければいけません。リスク・損失を最小限に抑えるために、まずは現物取引から始めたほうが良いでしょう。現物取引とはその名のとおり自分の持っている資産だけで株式を運用する取引方法です。株式運用には信用取引というものもあり、こちらは自分の信用、すなわち資産を担保に実際に持っている資産より多い金額を投資することができます。
信用取引を行った場合、利益が倍になる可能性もありますが、損失が倍になる可能性もあります。そのため初心者にはハードルの高い取引方法なので、絶対に見切り発車で始めず、しっかりと知識をつけてから始めるようにしましょう。そして、保有している株が下がったからといってすぐに売らないこと。その後もしその銘柄が持ち直した場合、指をくわえて見つめることになってしまいます。
また、下落するたびに売却していれば損失が増えるばかりで、なかなか勝ちに結び付けることができません。また、ひとつの業界や銘柄だけに集中して投資するのではなく、さまざまな業界・銘柄に投資することでリスクの分散を行いましょう。そうすることで、どれかが下落しても、その他の銘柄でカバーすることができます。実は、負けを繰り返す人には特徴があります。それは、株価を短期的にしか判断できず、少しの値動きで焦って動いてしまうことです。自分の中でルールを作り、多少想定外の動きがあっても自分のスタイルを崩さず投資できる人が、結果的に損失を少なく抑え、利益を得ることができます。株で負けない一番のポイントは「精神を冷静に保ち、リスクや損失に動じない心を持つ」ことかもしれません。
自分でルールを作る
先ほど、「自分の中でルールを作る」と書きましたが、何もないところから自分なりのルールを作るのは大変です。ここでは、株式運用にあたって役立つルール作りについてご説明します。自分の中でしっかりした判断基準を設けることができれば、短期的な株価の動きに惑わされず、利益を手にすることができるはずです。
損切のラインを決める
損切りはロスカットとも呼ばれ、自分の保有する銘柄の株価が下落しているときに、株を売却することです。当たり前ですが、株価の動きは上昇、横ばい、下落のいずれかになります。価格の下がっている銘柄をこれ以上保有し続けたときに持ち直すのか、さらに下がるのかを考え、これ以上値下がりしたら損失が大きすぎると判断した時点で売却するのが損切りです。誰だって損失は避けたいため、株価が上がることを信じて保有し続けてしまい、結果的に後戻りできないところまで株価が下落、大損してしまうというのが初心者の陥りやすい失敗だと言われています。これを避けるためには、自分の中で損切りのラインを決めることが重要です。運用資金の1~2%を損切りラインに設定し、含み損がその金額に達した時点で損切りを実行します。運用資金が50万円なら、その1%である5000円の損失が出た時点で損切りするということですね。
また、保有する銘柄が10%下がったら損切りする、という視点でルールを決めることもできます。大切なのはこのとき決めたルールを絶対に曲げないこと。自分ルールを破ってしまう人は、強制的に損切りされるようにロスカット注文を入れておくのもひとつの手段です。ここの軸がぶれてしまうと、自分の投資スタイルが確立できなくなってしまいます。反対に、このルールの中で安定して投資が行えるようになれば、株初心者は卒業と考えていいでしょう。
しかし、世の中には損切りを行わずに株式投資で勝つ方法も存在するのです。その方法は後ほど解説させていただきます。
目標株価を決める
株価が下落したときのルールを決めることができたら、次は株価が上昇したときのルールも作っておきましょう。右肩上がりのチャートを見ていると、もっと上がるのではないか?と期待して待つこともあると思います。なるべくたくさん利益を得るためには、チャートが頂点に達するまで待ちたいですよね。しかし、株初心者がチャートの頂点を見極めるのは至難の業です。そこで、株価が上昇したときも、どこで利益確定するか決めておきましょう。
こちらは、購入した株価から5%、10%上昇したら利益確定する、というようにルール設定することをおすすめします。一回の利益が小さくても、その利益を資金に新しい銘柄や保有銘柄の買い増しを行うことで、未来の利益につながります。
銘柄選びにもルールを
さて、株を売買するときのルールづくりについては簡単にご紹介しました。株の売買を行う前に、投資する銘柄を決めなければいけません。世の中には本当にたくさんの企業があり、株を買えるのは一部の上場企業のみとはいえ、それでも膨大な選択肢があります。株価の変動にかかわるのは企業の将来性なので、大企業で安定している銘柄を買えば勝てるという話でもありません。そんな中で、どのように銘柄を選べばよいのでしょうか?銘柄選びにもルールを決めることで、投資がしやすくなると考えられます(エントリー・ルール)。1日単位でトレードを行うデイトレードか、2日~1単位でトレードを行うスイングトレードなど、投資スタイルによってもエントリー・ルールは異なります。
初心者はまず、株の値動き幅を気にした方がよいでしょう。1日のうちに20~30%動きがある銘柄と、5~10%動きがある銘柄だと、後者の方が低リスクであることが分かり、投資しやすくなります。また、投資額についても、運用資産の何%にするか決めておくことが重要です。
最初から資金を全額投資してしまったら、損失が出たときに挽回することができなくなってしまいます。これらのルールは定期的に見直しをして、よりよいルール作りを目指しましょう。大切なのは「見直し」であり、その時の状況に応じて勝手にルールを変えることではありません。半年に1度や2~3か月に1度など、これも自分の中でルールを決めて確認してみるのがよいかもしれません。ルールがあることで資産を自分の管理できる範囲で運用することができ、予想外の値動きがあってもある一定以上の損失は出さずにすみます。もうすでに株式運用をしているという方も、いちど自分のルールについて確認してみてはいかがでしょうか?
そんな初心者の方にも上級者の方にも是非お勧めしたいのがこの「波乗り投資法」です。
波乗り投資法は基本的に損切を行わず、一日5分で取引を完結させる投資法です。波乗り投資法については下記記事に詳細が載っておりますので、是非一読くださいませ。
まとめ
今回の記事では、株で儲ける仕組みから勝つためのコツ、負けないための方法、ルール作りの大切さについてご紹介しました。繰り返しになりますが、株の基本は損失を最小限に抑え、最大限の利益を得ることです。そして、株式運用にあたっては、日々の勉強が必要不可欠になってきます。運用に関する用語についてはもちろん、経済の流れや保有している銘柄の業績についても勉強すると、新たな知見が得られるかもしれません。
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