株をはじめると、よく「順張り」や「逆張り」という言葉を耳にすると思う。一言でいうと、順張りは上昇トレンドの時に利用する投資方法で、逆張りは下落トレンドの時に利用する投資方法だ。それぞれにメリット・デメリットがあるので、そちらについてより詳しく解説していきたいと思う。
順張りとは
市場のトレンドには大きく3種類存在する。
- 上昇相場
- 下落相場
- ボックス相場(もみあい相場)
この3種類だ。
順張りは、その中の上昇相場の時に活躍する投資方法で、特に株初心者は順張りで投資するのが一番基本だしおすすめな投資方法になる。
上昇トレンドかどうかをトレンドが始まる前に見ぬくためにはチャート分析(テクニカル分析)の知識が必要だが、この記事ではその部分には触れない。
ここでは、株価が右肩上がりで上昇している銘柄にそのまま乗っかって利益を取る投資法が「順張り」というふうに覚えておいてほしい。
上昇相場がなぜ起こるのか?
上昇相場が起こる心理状態は、「オークション」の心理状態に似ている。例えばあなたがももクロのファンだとして、ももクロのコンサートチケットがどうしてもほしいとする。定価は5000円だが、もうすでに一般では買うことができない。しかし、それを「1万円で欲しい人はいないか?」と言われた時に、1万円出してもほしいと思えば、1万円払うだろう。
このオークションの心理状態のように、その株を欲しいというひとがたくさん集まってくると、どんどん値段があがっていき、株価が上昇していく。
リスク・オンとは?
ここで一つ疑問が出るかもしれない。「株価が急上昇するということは、その株が持つ本来の価値よりも割高になるのではないか?」という疑問だ。
「割高の株を買うことは、リスクが高いので買ってはいけないのではないか?」
そういう人もいるだろう。
特に株をはじめたてのころは、雑誌などを読んで勉強すると思うので、「割安株を買おう」とか、「配当が良い株を買おう」とかしきりに言われている。「割高株はダメ」という思考になりやすいと思う。
しかし、考えてみてほしい。そもそも人気が出てるということは、すでに割高に向かっていってるということなのだ。なので、「想定より割高だからこの株は上昇トレンドだけど買わない」というシンプルな判断を下してしまうと、そこから上昇するであろう利益を完全に放棄することになる。
なので、「少しぐらい割高でもこの株はもっと上昇するから買ったほうがいい」という強気の人が増えてくるのだ。このような「ハイリスク・ハイリターン」を求める流れを、「リスク・オン」と呼ぶ。この逆が「リスク・オフ」である。
順張りは利益が出るまでが早い
順張り投資はプロが主に好んで使う投資法だが、その理由は、利益が出るまでが早いということだ。順張りは、今上がっている株を買うことになるので、逆張りのように、リバンドを待つ必要が無い。
順張りはトレンド判断をミスすると、高値づかみをする危険性はあるが、トレンドを見分けられると、上昇トレンドが終わるまで保有し、そのままの流れに乗っていけるので、メリットが多い。
逆張りとは
一方、下落相場で利益を出しやすい投資方法が逆張り投資だ。逆張り投資は、下落している人気のない株を買って、利益を出す方法で、この投資法は値下がりしている銘柄ほど魅力的となる。
つまり、割安感が出てきた株を購入してリバンドした時に、その利ざやを稼ぐ投資法なのである。この投資法は、下がった株をただ買うというシンプルなものではないので、その見極めが成功のポイントになる。
株が1000円だったのが700円になったから割安だ。ということにはならないので、その株の価値を見抜く視点が必要になる。
もともと、500円の価値しかないものが、1000円から700円になっても、割高なのは変わらない。750円の価値のものが、1000円から700円になると、はじめて割安という判断になる。
このような、企業の価値を客観的に見る指標として、「PER」、「PBR」という指標がよく利用される。
逆張り投資の注意点
逆張り投資は、市場が弱気のときに利用する投資法なので、その判断をミスすると大きな損失を被る可能性がある。順張りのところで説明した「リスク・オン」の逆で「リスク・オフ」の状態なので、誰もリスクを取ろうとして大きく買おうとしないのだ。
だから、ここで注意すべきポイントは2つだ。
- しっかりとリバウンドするであろう株を見抜く
- 適正価格からの乖離
ひとつ目の、しっかりとリバウンドするであろう株を見ぬくということだが、このリバウンドできる株の特徴は、ある程度の規模があるということだ。例えば、「トヨタ」がなにか大きな不祥事を起こしたとしよう。だからといってトヨタがいつまでもその不祥事を引きずって、倒産しそうになるだろうか?
まずありえないことである。これほどの規模の企業になにか問題が起きたとしても、その資産的な価値の大きさから、いずれ、元どおりのトヨタに戻ると考えるのが普通だろう。
このように、ある程度の規模の会社であれば、悪材料が出て、株価が下がっても、いずれかがってくるだろうという見通しを立てることができるのである。
ふたつめの、適正価格からの乖離という部分だが、投資家たちは「この株はこのぐらいが適正価格だろう」というのをある程度持ったうえで取引している。
つまり、この投資家たちの「適正価格」から大きく離れた場合、元にもどるように買いが集まりやすくなる。なので、大きく乖離した株を安値で買って、元に戻ったら売るというような投資法として、逆張りは個人投資家に人気がある。
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