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初心者におすすめ 証券会社
株式投資を始めるためには、まず証券会社に口座を開設しなければならない。
日本証券業協会によると、2017年1月4日時点で日本証券業協会に加盟している証券会社は
261社あり(うち外国法人11社)、初心者が自分に合った証券会社を見つけるのは難しいが、
新たに口座を開設する初心者はネット証券で口座開設することを強くおすすめする。
まず、証券会社選びで重視すべきポイントは、「手数料の安さ」だ。
株を売買すれば、必ず取引手数料というコストが発生する。
株の売買で利益を得ても、手数料の金額によって実際に手にする利益が違ってくるため、手数料は安く抑えたい。
次に重要なのが、「トレードツールの使いやすさ」だ。
トレードツールが使いにくいと、注文を出すたびイライラしてストレスがたまり、注文の価格訂正・取消などの操作が複雑だと、タイミングが遅れて儲けのチャンスを逃してしまう。
初心者は、「手数料の安さ」「トレードツールの使いやすさ」にこだわって証券会社を選んでほしい。
初心者は、「手数料の安さ」「トレードツールの使いやすさ」にこだわって証券会社を選んでほしい。
初心者向きの証券会社の特徴
初心者に向いている証券会社は以下の通りだ。
初心者向けの証券会社
・手数料が安い
・トレードツールが使いやすい
・取扱商品が多い
・サポート体制が充実している
・情報コンテンツが充実している
・口座開設費用・口座維持費用が無料
手数料やトレードツールの他にも、「取扱商品が多い」「サポート体制が充実している」などのポイントも大切だ。
せっかく口座を開設したのに、自分が取引したい商品を扱っていなければ口座を開設した意味がないし、システムトラブルなどの問題が発生した時に、迅速にサポートしてくれなければ思わぬ損失を被る可能性もある。
これらのポイントを総合的に判断して、証券会社を選んでほしい。
初心者におすすめ ネット証券一覧
初心者・経験者にかかわらず、株を売買すれば必ず売買手数料がかかる。
一回の売買にかかる手数料は微々たるものだが、デイトレーダーのように一日に何回も取引する投資家は、取引回数が増えれば増えるほど手数料も増えるため、決してバカにならない。
ネット証券は、顧客獲得のため激しい手数料競争を繰り広げており、低価格の手数料体系となっているが、各社とも約定代金によって手数料が違う。
下記にまとめた主なネット証券の手数料一覧を参考に、自分のトレードスタイルに合った最適な証券会社を見つけてほしい。
証券会社 | 10万円 | 50万円 | 100万円 |
---|---|---|---|
SBI証券 | 139円 | 272円 | 487円 |
楽天証券 | 139円 | 272円 | 487円 |
カブドットコム証券 | 90円 | 250円 | 990円 |
マネックス証券 | 100円 | 450円 | 1000円 |
松井証券 | - | 500円 | 1000円 |
岡三オンライン証券 | 99円 | 350円 | 600円 |
ライブスター証券 | 80円 | 180円 | 340円 |
GMOクリック証券 | 88円 | 241円 | 436円 |
ネット証券と総合証券の違い
証券会社は大きく分けて「総合証券」と「インターネット証券」の2つがある。
総合証券とは、金融商品取引法で認められている「自己売買業務」「有価証券の委託売買業務」「引受業務」「募集・売り出し業務」の4業務を行う証券会社のことで、野村證券や大和証券などの大手証券会社は総合証券に属する。
総合証券で口座を開設すれば、各支店や営業所の営業マンや株式アドバイザーに投資についてアドバイスを受けることができるが、その分株の売買にかかる手数料も割高で、下手をすればネット証券と比べて10倍以上違う場合もある。
主な総合証券の手数料は以下の通りだ。
証券会社 | 10万 | 50万 | 100万 | |
---|---|---|---|---|
野村證券 | ネット | 150円 | 515円 | 1029円 |
電話 | 2808円 | 4212円 | 11967円 | |
大和証券 | 1000円 | 1725円 | 3450円 | |
SMBC日興証券 | 125円 | 400円 | 800円 | |
東海東京証券 | 1500円 | 1500円 | 3450円 |
インターネット証券は、支店・営業所を持たずにインターネット取引に特化した証券会社で、SBI証券や楽天証券がインターネット証券の大手として有名だ。
インターネット証券は、総合証券のように営業マンやアドバイザーにアドバイスを受けることはできないが、株式取引から決済まですべてオンラインで完結し、人件費や固定費がかからないことから手数料が安く抑えられている。
ネット証券と総合証券の特徴をまとめてみた。
項目 | ネット証券 | 総合証券 |
---|---|---|
手数料 | ◎ | × |
口座開設 | ◎ | × |
トレードツール | ◎ | △ |
アドバイス | 〇 | ◎ |
◎・・・大変良い
〇・・・良い
△・・・あまり良くない
×・・・悪い
手数料はネット証券が圧倒的に安いが、その他の項目でも総合証券よりネット証券の方が優れている。
総合証券は、セールスや投資アドバイザーに投資に関するアドバイスを受けられるメリットがあるが、ネット証券でもアナリストレポートを無料で閲覧できるサービスを導入している会社は多く、投資に関する情報の充実度は総合証券と比べても引けを取らない。
トレードツールって実際どんなもの?
トレードツールは、証券会社ごとに用意されており、口座開設した証券会社のトレードツールを使うことができます。今回の例では、口座開設者が比較的多いいSBI証券の「Hyeper SBI」というツールを使って初心者でもイメージが湧きやすいように説明していきます。
銘柄を調べるには?
まずは、HYPER SBI ツールをパソコンにインストールして立ち上げると、こんな画面が立ち上がる。
銘柄を探す方法は簡単!「個別銘柄」の画面から、
-
検索ボタンを押す
検索したい、企業名を入れる(企業コードでも可)
出てきた候補から選択する
注文を出すには?
銘柄を選択すると以下のような画面になり、その企業の様々の情報が表示されています。
操作は簡単
-
1.買いたい株数を入れます
2.「成行(なりゆき)」を押します
3.「買確認」ボタンを押します
基本操作はこれだけです。
では、もう少し注文する用語について解説してみまよう。
「成行(なりゆき)」とは?株価が常に変動する中で、まさに成行(なりゆき)に任せて注文を出すことです。つまり、今動いている価格で注文する事を成行といいます。
それに対し、「指値(さしね)」注文というものがあります。「指値」は、値段を指定して注文を出します。つまり、指定した値段にならなければ、注文が成立しないという事です。
例えば、今現在の価格が、4500円だったとして、自分はもう少し安い、4200円になったら買ってみたい。ただ、毎日、毎時間株価をチェックしているわけにはいかない。そんな時に、「指値」注文が活きてきます。4200円で指値注文を入れておけば、株価が4200以下になるまで、買われる事はありませんので、わざわざ株価をチェックする手間が省けるわけですし、自分の買いたい価格で買う事ができるのです。
もちろん、株価が4200円まで下がらなかった場合は、買う事はできませんし、注文自体にも期限がありますので、期限を過ぎても価格が下がらなければ、注文自体が取り消しされることになります。
ちなみに、注文が決まった時の事を「約定(やくじょう)」と言います。
企業の情報を調べるには?
企業のニュースをみるなら、画面右側の「ニュース」のタブを押すだけ。
このニュースで便利なのは、例えば上の画面では、「トヨタ自動車」の銘柄が表示されているが、このニュースには「トヨタ自動車」に関係するニュースしか出てこない。つまり自分でニュースを調べなくても、必要なニュースをあらかじめまとめて表示してくれている。
次にチャート表示をみてみよう。
画面上部にある「チャート」を押せば、簡単に表示できる。
チャート表示の見方は、プロの投資家でも難しいくらい様々な見方があるが、初心者でも今株価が下げ傾向なのか、上げ傾向なのか、今年に入ってどんな動きをしているのか、大きな流れを把握するといった意味でもチェックできる。
そして最後に「マーケット情報」だ。
こちらも、画面上部に「マーケット情報」というボタンがある。このボタンを押すと市場全体の情報が出てくる。例えば、「日経平均株価」がどうなっているか?とか、「為替」がどうなっているか?など、投資マーケット全体にかかわる情報が出てくる。
例えば、トヨタ自動車のような輸出にもかかわる企業では、「為替」の影響で株価が連動しやす為、「為替」をチェックすることで、買い時、売り時などに活かすこともできる。
また、画面右側には、今注文が殺到している銘柄や、逆に急落している銘柄などがリアルタイムに表示されるため、銘柄探しなどにも活用できる。
スマホでも手軽に取引できる!
SBI証券の「HYPER SBI」は、スマホ版も登場していて、iPhone およびAndroidどちらも利用でき、外出先で手軽に注文、手軽にニュースを確認したりと非常に便利だ。
特に、サラリーマンの方には必須のツールでもあり、よく朝の通勤電車で取引をしている人も見かけるくらいだ。
次に、その他操作画面をみてもらいたい。
ここまで一通り、トレードツール「HyperSBI」についてみてもらったが、取引のイメージはできたと思う。初心者の方はやはり直感的に操作できるトレードツールを選択すると良いと思うので、証券会社を選ぶ際は実際に画面などを見てみてほしい。
トレードツールでは、1.ニュースを調べる、2.チャートを調べる、3.注文をする、の大きく3つのアクションがあるので、それぞれが直感的に操作できそうか?という観点でみてもらうと失敗が少ないと思う。
また、口座開設した後で、実際にトレードツールをさわってみれば、自分に合うかも分かってくる。実際に入金して、注文を出す前に良くないな・・・と感じるのであれば、他の証券口座を開設してもいいものなので、是非慎重に選んでほしい。逆に、取引を初めてしまうと、なかなか証券会社は変えられないのでしっかり選んでほしい。
失敗談から学ぶ「間違いだらけの証券会社選び」
株式投資の経験が豊富な個人投資家でも、初心者の頃に証券会社選びで失敗してしまった人は多い。
この章では、初心者の頃に証券会社選びで失敗してしまったAさんとBさんのケースから、
初心者が間違いやすい失敗を紹介する。
・Aさん(60代男性)のケース
長年勤めていた会社を定年退職したAさんは、日中の空いた時間で株式投資を始めようと、数あるネット証券の中から一番手数料の安い会社を選んで口座を開設した。
「手数料が安いから、ガンガン取引できるぞ」と張り切っていたものの、いざ注文を出すと約定するまでに時間がかかり、画面上で砂時計がクルクル回った状態のままトレードツールが固まってしまう状況が頻発、また注文を取り消そうとしても操作方法がわかりにくく、サポートセンターに電話してもずっと話し中でつながらず、モタモタしているうちに想定と大きくかけ離れた価格で約定してしまった。
のちにサポートセンターのオペレーターに確認したところ、Aさんはかなり古いパソコンを使っていたため、最新のトレードツールを利用するにはスペックが足りなかったことがわかった。
・Bさん(30代女性)のケース
Bさんは、OLとして働きながら貯めたお金を株式投資で運用することを考えていた。ミニ株などの少額取引に興味があったBさんは、ネットで調べた結果、手数料が安く個人投資家の評判も良かった証券会社に口座を開設した。
しかしよく調べてみると、手数料が安かったのはデイトレーダー向けの「一日定額プラン」で、取引ごとにかかる手数料は他の証券会社より高く、なおかつその証券会社ではミニ株を扱っていないことが分かった。
結局Bさんは、新たにミニ株を扱っている証券会社に口座を開設し、最初に口座を開設した証券会社で取引することはほとんどなかった。
Aさん、Bさんとも「手数料の安さ」で証券会社を選んで失敗してしまった。
証券会社選びで「手数料の安さ」は重要なポイントだが、それだけで決めてはいけない。取引で利用するトレードツールの使いやすさや、トラブルがあった時のサポート体制も重要だ。
また、取扱商品は証券会社ごとに異なるため、口座を開設する前にあなたが希望している商品を取り扱っているかチェックしておこう。
口座開設の流れ
この章では、これまで証券会社で口座を開設したことがなく、一度も取引をしたことがない初心者に、口座開設から株を取引するまでの流れをわかりやすく説明する。
証券会社で口座を開設する
株式投資を始めるためには、まず証券会社で証券口座を開設しなければならない。
総合証券で口座を開設する場合は、支店・営業所まで行って申し込みしなければならない場合も多いが、ネット証券であればオンラインで口座開設の申し込みができる。
口座を開設するネット証券のホームページから口座開設申し込みの手続きを行うと、数日後に証券会社から口座開設に必要な書類が届き、必要事項を記入後、運転免許証などの本人確認書類のコピーを同封し証券会社に返送すれば、ログインID・パスワードなど取引に必要な情報が証券会社から送られてくる。
なお、SBI証券や楽天証券などの大手ネット証券では、口座開設の手続きがすべてオンラインで完了する会社もある。郵送で申し込む場合は、口座開設まで大体1週間~2週間程度かかるが、オンラインで申し込む場合は最短で4日程度で口座開設が完了する。
口座に投資資金を入金をする
口座開設が完了したら、その口座に株を購入するための投資資金を入金する。入金方法は金融機関の振込と全く同じで、銀行や郵便局から自分の口座に振込めばよい。
ネット証券の中には、インターネットバンキングに口座を持っていればパソコンやスマートフォンから振込ができ、即時に入金処理が完了する「リアルタイム入金サービス」に対応しているところも多い。
あっという間に入金が完了し、すぐに取引が開始できる大変優れたサービスであり、ぜひ証券口座と合わせてインターネットバンキングの口座も開設しておきたい。
まとめ
株式投資の初心者でも、「株で儲けたい」「損失を出したくない」と経済やファンダメンタルの勉強をしている人は多いが、口座を開設する際に証券会社の情報を詳しく調べている人は少ない
「証券会社なんて似たり寄ったりで、どこで口座を開設してもそんなに大差はないだろう」と軽く考えがちだが、証券会社の選び方は株式投資のパフォーマンスに大きく影響することを忘れてはならない。
証券会社にはそれぞれ長所・短所があり、なかなか1社に絞ることは難しいかもしれないが、その場合は「手数料の安い証券会社と分析ツールが充実している証券会社」や「トレードルールが使いやすい証券会社とIPOに強い証券会社」など、複数の証券会社で口座を開設してみるのも良いだろう。
ほとんどのネット証券は無料で口座開設できる。投資スタイルや用途に合わせて、あなたにピッタリの証券会社を見つけてほしい。
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