はじめまして株アカデミーの小野寺です。
デイトレードを始められているかたも、これから新たに取り組みをはじめようと考えている方でも「スキャルピング」という言葉をなんとなくお聞きされたことがあるでしょう!
一体そもそもスキャルピングとはなんなのか?といった基本的概要から今回お伝えさせていただきます。
■■■ 目次 ■■■
スキャルピング手法のコツってなんだ
この章ではまずスキャルピングとは何かということから、実際に取引するときのコツについて解説します。
スキャルピング手法のコツを掴め①:スキャルピングとは?
スキャルピングとは、すごく短い期間で薄い利益を何回も重ねていく手法です。
語源はネイティブ・アメリカンが行っていた「頭の皮を薄くはぐ」という習慣からきているそうです。
部族闘争に買った時に敵の頭皮を薄く剥ぎ取って戦利品としていたらしく、
薄く利益を積み重ねていく手法がこのスキャルピングと似ていることから、そう呼ばれるようになりました。
デイトレードも1日で取引を完結させますが、スキャルピングは保有期間がもっと短いです。
短いもので数秒から長くても数分で手放してしまいます。
スキャルピング手法のコツを掴め②:スキャルピングに使うチャートの時間軸
一般的には、1分足と5分足を使います。
中には15分足や、人によっては1時間足でされている方もいるのですが
全体としては1分足・5分足が多いです。
だからと言って、15分足が悪いというわけではなありません。
適しているかどうかというのも、人の性格やトレードの癖が関係してきます。
ですが、これからスキャルピングでやっていこうと考えている方はまず1分足を使ってみるのがいいでしょう。
大勢の方が使っているということは、それだけ適した手法である可能性が高いからです。
そこから合わないなと思えば、別の手法にチャレンジするという選択肢の他に、時間足を変えてチャレンジしてみるというのも考えてみましょう。
そもそも1分足を使うメリットですが、、チャンスが多いということです。これは同時にデメリットでもあり、チャンスを精査する目が求められます。
また1分足はチャンスが多い一方で、取れる値幅が限定的になってしまうので、大きく一気に利益を取りたい方には向きません。
まさにスキャルピングという名前がついているように、コツコツ利益を取りに行ける方に向いています。
スキャルピング手法のコツを掴め③:スキャルピングに向いている時間と向いていない時間
スキャルピングには向いている時間と向いていない時間があります。
まず向いている時間は、
・9時~11時
・16時~18時
・22時~24時 の3回です(日本時間)。
海外ではサマータイムがあるため、その期間は
・15時~17時(現地時間)
・21時~23時 等1時間前倒しになります。(現地時間で)
なぜこの時間がスキャルピングに向いているかというと、
相場の値動きが大きいからです。
非常に短い期間で取引をしていくので、ある程度の値動きが求められます。
先ほどお伝えした各時間帯は、
東京指標が発表されたり、ロンドン市場・ニューヨーク市場がオープンしたりする時間帯です。
この時間帯は値動きが比較的活発になります。
ただし、あまりにも動きが激しすぎるときは、予想と逆に動いた時に大きく損を出してしまいます。
初心者の方にありがちな「コツコツドカン」が起きてしまいます。
大損しないためにも、はじめのうちは比較的値動きが小さく、
相場の動きを予測しやすい東京市場やヨーロッパ市場で経験を積むのがおすすめです。
逆にスキャルピングに向いていない時間は値動きがほとんどない時間帯です。
日本時間で言えば日中は1日の中でも特に安定していることが多いです。この時間帯はあえて取引をしなくてもいいでしょう。
また米雇用統計などの大きな指標が発表されるときはいつも以上に大きな値動きとなるので、慣れてしっかりと利益を出せるようになっていなければ手を出さない方が無難です。
スキャルピング手法のコツを掴め④:スキャルピングのメリット
スキャルピングには大きく3つのメリットあります。
その中でも一番のメリットは短期勝負で取引時間を限定的にできるということです。
ずっとチャートに張り付いて値動きを追い続けることは肉体的にも精神的にも労力が大きいです。
スキャルピングは1円の値動きでもあれば利益を確定していくので、短期で取引の決着がつきます。
長く保有することも目的に株式投資をしていたとしても、どうしても常に株価は気になってしまいます。
下がれば想定しない損を出してしまうかもしれないからです。
短期で勝負できるというのはこうした長期にわたって株価を気にすることがなくなります。その場限りで忘れて、次に進めることがメリットです。
2つ目は大きなリスクを避けられる、ということです。
国内の株取引は市場が開いている午前9時から午後3時までです。それ以外の時間は取引を行うことができないので、たとえば、夜間にテロが起きた。地震が発生して本社が大惨事になった。という想定外の事態が発生したとしても、取引時間外であればどうしようもありません。
ただ株価が下がっていくのを黙ってみておくしかありません。一晩で大きく変動するリスクを避けられるというのもメリットでしょう。
そして最後の3つ目のメリットです。それは、「勝つことができれば」投資効率が非常に高いということが挙げられます。
1回の利回りが小さかったとしても投資の資金は複利で増やしていくことができます。
すると、少額の資金で始めたとしても中長期の株式投資では得られなかった利益を獲得できます。
話題になっているような短期間で稼いだとされるトレーダーの方たちの中にも、このスキャルピングによって資産を築いた方がいるくらいです。
スキャルピング手法のコツを掴め⑤スキャルピングのデメリット
メリットがあれば当然デメリットもあります。ここでは3つ紹介します。
1つ目は、スキャルピングができる環境を整えるまでに時間と初期費用がかかるということです。
ただ1分足を見て、適当にエントリーしていれば勝てるなんてことはありません。通常の株式取引よりも入念な準備が必要だと思ってください。
まず、取引する銘柄を見つけたあとで、その銘柄の価格の推移を見れるチャートを使いこなせるようになることが絶対条件です。
使うチャートは1分足や5分足のものですからリアルタイムに情報を更新できるものでなければいけません。
そしてチャートは1分足だけ見れたらいいわけではありません。
スキャルピングであったとしても短期・中期・長期の最低3画面は準備したいです。ドラマや映画で見るような6画面というのも、スキャルピングの世界では全く珍しいものでありません。
これだけの環境を整えるのにまず十万円近い初期投資が必要になります。10万円を初期投資に使うのであれば、初心者の方はまずその10万円を使って取引に慣れたほうがいいでしょう。
2つ目のデメリットは、証券会社のプロのディーラーがライバルになるということです。
今は情報で溢れています。
そして株価はその秒単位で配信されるニュースに敏感に反応しますし、トレードを本業にしているプロのディーラーの方たちは前提として、ロイターやブルームバーグのような有料配信サービスを受信して、即座に取引の開始を検討するスピード感があります。
スキャルピング実践にあたっては、こうしたプロの方たちと同じような取引スピードについてかなければ勝てません。
ニュースを隅々まで読んでいる余裕はないので、情報の取捨選択の仕方になれ、株価が動き出した瞬間に反応できるだけのスキルが必要です。
そしてライバルは日本だけではありません。私たちが海外株式を取引できるように、海外の方たちも日本株を取引できます。そして株取引というのは取引時間を短くすればするほど、ディーラーのレベルが上がります。
それはメリットでも紹介しように、短期間で高い投資対効果を上げられるからです。だからこそ、世界中の優秀な証券会社のディーラーもスキャルピング手法で取引を行っています。特に彼らは実績を残せなければ会社をクビになります。
環境も万全、スキルもトップクラス、そうした方たちと対等に渡り合っていかなければならいというのは大変です。
最後に3つ目のデメリットですが、それは人工知能(AI)の出現です。
人工知能はコンピュータですから計算は得意です。
そしてディープラーニングによってこれまでの株式市場に関する膨大な情報を解析することによって、そのときそのときの最適な取引を、人工知能が行うことも現実的に有り得る話です。
特に最近のAIの発達は目を見張るものがあります。
スキャルピングのような短期で取引を行うものは人間のスキルよりもAIの方が早く、確実に利益が出せるようになるかもしれません。
以上3つがスキャルピングのデメリットです。
スキャルピング手法のコツ徹底解析!
スキャルピングの手法とメリット・デメリットについてここまでお伝えしてきましたが、ここからはスキャルピングのコツについてお伝えします。
スキャルピング手法のコツ徹底解析①:相場環境が何よりも大切
相場環境というのは今の相場が上昇中なのか、天井圏になるのか、
下落中なのかという、1分単位ではなくもっと長い期間での長い視点でみた相場環境です。
1分足・5分足ばかりみていると、その瞬間しか目に入らないかもしれません。
1分足では上昇だと思っても、相場環境は下落中ということは頻繁にあります。そうしたときにエントリーしてしまっては、たとえ短期で取引するとはいえ、損を出す可能性が高くなります。
そしてタイミングを見誤れば下落トレンドに乗ってそのまま大きな損失を出してしまう可能性もあります。
これが仮に上昇トレンドの中で1分足を見てエントリーすれば、売るタイミングを逃したとしても次にまた利確するチャンスが訪れる可能性は高いです。
利確するのか、伸ばすのか、損切りするのか、我慢するのか、1分足では見えなかったものが、相場環境を見ることによって選択の幅を広げることができます。
だからこそ、スキャルピングでは1分足を主に使いますが、中期・長期のチャートを見られる画面を用意して取引する必要があります。
スキャルピング手法のコツ徹底解析②:スキャルピングの売買タイミング
スキャルピングで取引を行う前に最初に決めることは、どのタイミングで損切りを行うのか、そしてどのタイミングで利確を行うのかということです。
株価は常に変動していますから、
「スキャルピング手法のもとで、ある銘柄の株を買って株価が下落してしまった。このとき長期で保有すれば損が小さくなるかもしれない、利益になるかもしれない。」と考えてしまいますが、
そうなるとずるずる損が大きくなることがほとんどです。
同様に思ったよりも株価が上昇して売らずに待っていると株価が急落してしまった。ということもありえます。
だからこそ、売買タイミングを考える前に、
損切り・利確のタイミングを決めておくことが大切です。それが決まっていれば、大きく負けることはないでしょう。
そしてスキャルピングの売買タイミングですが、それは相場が動いているときです。
相場が動かないレンジのときには、次が上昇トレンドなのか下降トレンドなのか読むのは難しいです。あまりに博打要素が大きいので、トレンドが出ている時にエントリーするようにしましょう。
そして実際の売買タイミングの見極めはチャート分析のボリンジャーバンドを参考にするといいでしょう。ボリンジャーバンドとは移動平均線を進化させたもので、株価の上昇トレンドや下降トレンドの始まりを判断しやすい指標です。
ボリンジャーバンドではローソク足とは別に
・移動平均線と
・±1σ(シグマ)、±2σ、±3σの線が並びます。
そして統計学的に±2σの範囲内に約95%の確率で株価が推移していくと予想されます。
ですから、このラインを見ることによって、
例えば+2σを超えていた場合は株が買われすぎと判断できますし、
-2σのラインよりも株価が下に行っていたら、売られすぎと判断できます。
そして株価は適正な±2σの範囲内に戻ってくることが予想できるので、それに合わせて売買するれば、高い確率で勝てるようになるでしょう。
スキャルピング手法のコツ徹底解析③:初心者には向かないと言われる理由
これはスキャルピングのデメリットで紹介したものにも重なりますが、
ライバルが証券会社のプロのディーラーとなるからです。
短期間で高い利益を挙げられるスキャルピングは一見魅力的に見えます。
ですがその結果、取引環境も万全、情報も万全、スキルも経験も上のプロたちが取引している世界です。
こうした方たちと戦えるくらいのモニターや通信速度、その他ツールを揃えるのに取引資金以外に初期投資が必要です。
そして、情報に即座に反応して取引できるだけの反射神経と、たとえ負けたとしても心を折らずに取引し続ける精神力や資金力も必要です。
長年の勉強と経験を積んできて、
取引時間はもちろんそれ以外の時間も株取引の情報収集に時間と労力を注いできた方たちと戦える自信が必要です。
プロの方たちこれから戦っていくという覚悟を持って取り組めば、短期間で利益を出すこともできるでしょう。
ですがそれは個人投資家のメリットを得られるものではありません。
証券会社の方たちは期間内の定められた利益をあげることが使命です。
一方で個人投資家は長期戦です。極論で言ってしまえば、取引環境が悪ければ個人投資家の方は1年間取引を見送ってもいいのです。
確実に勝てる、と思ったときだけエントリーして何も問題ありません。
環境が悪い中で、一瞬のチャンスを狙って利益を取りに行く必要なんてどこにもありません。
特に初心者の方であれば、じっくりと腰を据えて中長期の株式取引を行った方が利益を出せる可能性が高いからです。
そのためスキャルピングは初心者ではなく、上級者向けの手法だと言われています。
スキャルピング手法のコツ徹底解析④:スキャルピング手法紹介!
実際にスキャルピング手法を紹介します。
今回紹介する手法は、基本的には逆張りでいきます
。値上がり率のランキングで出来高が大きく、
上昇トレンドの銘柄を選び直近5分以内に1.0%以上下落したタイミングで買うようにします。
値上がりランキングにでているので値動きが大きいのが特徴です。特に出来高は重要です。
出来高が増えると大口のトレーダーも参戦するようになり、さらに出来高が増えていきます。
そして株価の上昇を期待して多くのトレーダーが買う可能性が高いので、株価も上がり利益を出せる可能性が高まります。
この手法では、勝率は高いですが損切りのタイミングを間違えたときの損失が大きいです。
値動きの大きな株は、株価が1%以上下がることもよくあります。ですので、想定と違った動きをしたら迷わず損切りすることが大切です。
スキャルピングについてまとめ
この記事ではスキャルピング手法について、
そのメリット・デメリットも合わせて紹介しました。スキャルピングは短期間で大きな利益を出せますが、その分競争相手もプロのディーラーで勝ち続けるには難しさがあります。
特に初心者の方には、最初からスキャルピングに取り組むことはおすすめしませんが、
もしやるのなら相当の覚悟を持って取り組むようにしましょう。
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