ROE(Return On Eauity)は自己資本利益率のことをいう。株式市場の重要指標のなかでもいまもっとも重要とされている指標のひとつである。
この指標は、会社が株主から託された自己資本(株式資本)を使って、どれだけ効率よく利益をだしたかを示す数字だ。
計算式は、
純利益÷自己資本
で算出する。
ROEを上げるには、分子である利益を増やすか、分母である自己資本を減らせば良いわけだ。ROEの数値は「%」で表され、数字は大きいほどよい。
例えば、純利益8億円で自己資本が100億円の企業であれば、
8億÷100億=8%(ROE)
という式が成り立つ。ROEは8%である。
では、純利益を10億円にしたらどうなるか?
10億÷100億=10%(ROE)
となる。
これは、比較的シンプルな計算になる。
では、次に、自己資本について見てみよう。
上記の例で10億円の純利益が出て、仮にその10億円をそのまま会社に貯めこんだとする。
そうすると、翌年の自己資本が110億円になる。
同じ年にまた純利益10億円になったとしよう。すると次のような計算になる。
10億円÷110億円=9%(ROE)
見ての通り、ROEの数値が下がってしまった。
では、逆に配当や自社株買いなど株主還元を実施して、20億円自己資金を減らしてみよう。
10億円÷90億円=11%(ROE)
こんどは、ROEが上がった。
このように、しっかりと利益還元を行うことでROEは高くなる。
このように自己資本を削って効率性を高めることを「財務レバレッジ」を効かせるという。
計算式は、
総資産÷自己資本
でなりたつ。
まとめると、ROEを高めるためには大きく2つのことをする必要がある。
一つは、単純に利益を増やすこと。そしてもう一つは、株主還元を積極的に行うこと。
この2つは株式市場の本質的な要素になるわけだ。だからROEの指数はとても重要な指標となる。
日本企業のROEの平均は8%〜9%前後だ。欧米は、15%〜20%はあるので、少々見劣りする。この指数の平均が欧米並みになると、日経平均株価も2万円をゆうに超えてくるだろう。
2014年から算出をはじめたJPX日経インデックス400は、ROEを基準の1つとして構成銘柄を選んでいる。
しかし、ROEだけ見て判断するというのも、違ってくるので注意したい。PER、PBR、その他の指標と合わせて、判断材料の一つとして見てほしい。
この記事へのコメントはありません。