REIT(リート)とは、Real Estate Investment Trust(不動産投資信託)の略称で、投資家から資金を集めて不動産を運用して得た賃料収入等を元に投資家に分配する金融商品をいう。
米国で1960年代に誕生し、1990年代に急速に拡大した背景がある。日本においては、2000年11月「投資信託及び投資法人に関する法律」の改正で、2001年9月に市場が創設された。
仕組みがアメリカのREITと異なる点もあるため、J-REIT(ジェイ・リート)と言われている。
REITのポイントは、投資家から資金を集めて不動産を運用しそれによって得る賃料収入等を原資として投資家に分配する仕組みとなっていて、配当可能利益の90%超を分配することにより、法人税が掛からない。
さらに、REITは賃貸事業に特化しているという点がある。
REITで手軽に不動産投資
自力で貸家やアパートを運営しようと思うと、1億円単位の投資資金が必要になるだろうし、管理や修繕などのメンテナンスも大変である。それにトラブルが起きたり借り手が見つからない場合など不動産投資はそんなに気軽に始められるものではないだろう。
しかし、REITの場合は、数万円単位の手軽な資金で大家さんになれるという仕組みだ。REITはJをつけて、「J-REIT」など呼ばれたり、上場REITと呼ばれたりする。
REITはビルやマンションを立てる不動産開発事業はできない。投資家から集めたお金で複数の賃貸用不動産を購入して保有する仕組みだ。
その賃貸収入や不動産の売却益収入で得た利益を投資家に配当するという形となっている。
REITのメリット
現物の不動産は1件あたりの売買金額が大きく売りたい時になかなか簡単には売れない。しかし、REITは小口での売買を可能にし、流動性と換金性を大きく改善している。
上場によって取引価格は常に公表されているので、情報開示の部分でも安心できる。不動産投資を株式と同じような感覚で取引できるようにしたのがREITといえるだろう。
REITの運用利回り
2014年の運用利回りは3~4%と高いリターンとなっている。高利回りには理由があり、税制上の秘密がある。決算期に配当可能利益の90%超を分配するなどの要件を満たすことで法人税がほとんどかからないう特典があるのだ。
REITの多くはもうけの9割~全額を分配金にまわしている。こちらもNISAを活用する上ではもってこいの商品と言えるだろう。
REITに関連する用語
REITの場合、株価とは言わず、「投資口価格」という。株主を「投資主」、配当を「分配金」と呼ぶ。それに、株式会社ではないので、「投資法人」というように呼ばれている。
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