これから株をやっていくにあたって、資金については理解できたと思います。
では、実際にどこの証券会社を選ぶのかが問題ですが、まずは、「ミニ株」で取引されることを推奨しますので、おすすめの証券会社はこの「ミニ株」の制度がある証券会社がいいでしょう。
ここでは、おさらいも含めて、取引を始めるまでに準備するものを、証券口座から、パソコン、スマホ、ネット環境まで、具体的に解説していきます。
ステップ1:証券会社を選ぶ
ステップ2:パソコンを準備する
ステップ3:スマホアプリを準備する
ステップ4:画面操作・注文方法を理解する
証券口座選びは手数料の安いネット証券で
初心者はミニ株から始めてみよう
まずは、証券会社の口座を作りましょう。証券会社は、手数料の安いネット証券がおすすめです。ネット証券の中でも「ミニ株」という制度が使えるところがいいと思います。
では、ネット証券とミニ株が一体どんなものなのか見ていきましょう。
総合証券とネット証券の違い
最近普及してきたネット証券ですが、対義語は総合証券(あるいは対面証券)と呼ばれる証券会社です。
ネット証券は、実店舗を持たないオンラインの証券会社です。反対に、繁華街などにある○○証券の看板を掲げている証券会社は、総合証券です。
総合証券は、旧来の形態の証券会社で、顧客に対して担当の営業マンがつき、投資のアドバイスをくれます。ネット証券には基本そのような営業マンがぞんざいしないため、投資判断は全て個人にゆだねられます。そのため、ネット証券は総合証券に比べて人件費が圧倒的にかからないため、手数料が非常に安くなっているのが特徴です。
昼間に仕事をしている方ですと、営業担当がいたとしても、なかなか日中に連絡を取ることは難しいのではないでしょうか。そのため、手数料が安く、インターネット環境があればいつでもアクセスできるネット証券が非常に便利です。
ネット証券の中でも、初心者の中でも「ミニ株」の制度が使えるところが、おすすめです。
ミニ株とはどんな制度なのでしょうか。
株式には「単元」というものがあり、株式を買うための最低金額があります。日本で取引される株式は、2018年10月1日以降全て100株単位となりました。新聞やインターネットで株価は調べることができますが、表示されているのは1株当たり株価です。
つまり、インターネットで「○○会社 株価」などで検索して調べて表示されるのか、一株の価格なので、取引に必要な金額は、100倍すれば求めることができます。
株式投資というとまとまった資金が必要というイメージがあるかもしれませんが、今の時代そんなこともありません。
むしろ、初心者の場合は、資金があったとしても手数料の安いネット証券で、ミニ株を活用し、株の取引になれることが必要かもしれません。
必要な書類、事前に準備するものは?
ここからは、実際に証券口座を作るために必要な準備についてみていきましょう。
特に特別な書類が必要なわけではありません。
必要なものは、身分証明書とマイナンバーのみです。
身分証明書は写真入りのものが必要なため、運転免許証やマイナンバーカード、あるいはパスポートが使えます。
特定口座、源泉徴収って何?
必要な書類を準備したら、口座開設に進みます。
口座開設の中で、一番ややこしく感じるのが税制にかかわるところです。ですが、意外とそうでもありません。ここでは、税制にかかわる特定口座源泉徴収について見ていきましょう。
◎特定口座
まず、税制についておさらいしていきしょう。
株を売って利益が出た場合、その利益に対して20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)が課せられます。
例えば、10万円で買った株を15万円で売却した場合、利益は5万円です。
かかる税金は5万円×20.315=10157円です。
つまり、手取りとしては5万円―10157円=39843円となります。
こういった税金の計算は、本来自分で行うものです。自分で利益金額を計算し、自分で納めるべき金額を算出し、自分で納めに行くものです。
「正直めんどくさい」と思う方は、特定口座を選択することをお勧めします。
特定口座を選択することで、取引している証券会社や銀行が、あなたの1年間の取引記録から利益金額を計算し、(あるいは損失金額を計算し)その内容を「年間取引報告書」という1枚の紙にまとめてくれます。
◎源泉徴収
特定口座を選択することで、計算の負担はなくなりますが、「税金を納めに行く」必要があることには変わりありません。
そこで、「源泉徴収あり」を選択することで、毎回の取引ごとに確定した利益から収めるべき税額を差し引いて振り込まれるようになります。
NISA
続いてNISA制度についてご紹介します。
先ほど、株式の利益は20.315%の税金がかかるといいました。
日本国内でかかる税金の中では低い方ですが、それでも利益の2割が取られるよりは取られない方がいいと思うのが人情です。
そう思う方はNISA制度を利用することで、一定の税金を納める必要がなくなります。
NISAは毎年120万円までの投資資金から得られる利益が非課税になる制度です。
つまり、120万までの投資には税金がかからなくなる制度です。
2014年から始まった制度で、株式や投資信託の配当や売買益が非課税対象となります。
20歳以上の方であればだれでも利用することができ、最大5年間非課税期間が設けられています。
5年間毎年120万円の枠があるため、最大で600万円分が非課税の対象となりますので、かなりお得な制度といえます。
デメリットとしては、NISA口座は一人1つしか持てません。また、現在保有している株式等をNISA口座に移管することもできません。つまり、5年前に100万円で買った株が500万円になっているからと言って、NISAの非課税枠を使うことはできません。あくまで、これからの投資が対象となっています。
どんなパソコンを準備したらいいの?
ではここからは、必要になるパソコンについてご紹介していきます。
ネット証券であれば、スマホやタブレットがあればいつでもどこでも取引ができます。しかし、投資初心者の方は、パソコンがあった方がいいと思われます。
スマホで取引する場合、アプリを利用することになりますが、画面の大きさ、容量の問題から、全ての情報は表示しきれません。また、操作性もあまりいいとは言えません(もちろん証券会社によります)
スマホやタブレットは持ち運びが便利だが操作の基本になれてから、ないしは併用することがいいです。
例えば、職場でパソコンを開くことは周りの目がありますが、スマホなら大丈夫という場合もあるでしょう。昼間のチェックはスマホで行い、帰ってからパソコンでゆっくりと確認するといった使い方がおすすめです。
では、どんなパソコンを準備すればいいのでしょうか。
株をやるにはノートパソコン?デスクトップパソコン?
パソコンはノートタイプとデスクトップパソコンとありますが、これはどちらでもいいです。持ち歩くことを想定すれば、ノートタイプがおすすめです。家の中でしかやらないのであれば、デスクトップでもいいと思います。
また、株式取引でパソコンというと、いくつもの画面を並べてトレードしている様子を思い浮かべる方もいるかもしれませんが、画面は1つあれば十分です。
種類と金額を一覧にしましたので、ご活用ください。(あくまでも相場ですので、個別の商品について述べたものではありません。)
デスクトップ | 20万円~40万円 | ハイスペックな機種はデザイン制作やゲーム用でトレードには必要なし | |
◎ |
デスクトップ | 10万円~20万円 | デスクトップで選ぶならこのあたり、画面が大きいものを選べる点が〇 |
◎ |
デスクノート | 5万円~10万円 | 金額的にもスペック的にも、画面サイズも大きめで初心者にお勧め。5万円のものよりは、8万~10万の方が動きがさくさくしてるのでお勧め |
モバイルノート | 15万円~20万円 | 持ち運びを目的として、A4サイズの小型化されたノートパソコン。ビジネスマンが外で仕事する用 | |
高性能ノート | 20万円~30万円 | ハイスペックな機種はデザイン制作やゲーム用でトレードには必要なし | |
タブレットノート | 3万円~15万円 | 最近でてきたタッチパネル式の軽いノートパソコン。OSがWindowsではないケースが多いので△。あと小さい |
Windows?Mac?どちらでもいいの?
パソコンには、大きく分けて、WindowsのものとMacがあります。Windowsはマイクロソフトが提供していて、Macはアップルが作成しています。世界的なシェアはWindowsが約9割で、残りの1割がMacという構図です。
一般ユーザーからすると操作性が違うくらいで、どちらでもいい印象です。
しかし、汎用性でいうとWindowsに軍配が上がります。というのは、世界シェアが9割のためWindowsには対応していても、Macには対応していないソフトがよくあります。
ですから、いわゆるアップル信者でない限りは、Windowsを購入するよいいでしょう。
どんなスペックのパソコンを選んだらいいの?
では、どのようなパソコンを買うのがいいのでしょうか。
主に、エントリー機と言われるような初心者向けのもので十分です。インターネットができれば困ることはありません。
パソコンの価格も青天井ですので、良いものを求め始めたらきりがありません。
値段で言えば、8万円くらいのものがいいのではないでしょうか。
なかには3万円台のパソコンも売ってはいますが、サクサクと快適な操作ができない恐れがありますので、このくらいを見ておくといいと思います。
8万円出せば、十分快適に作業ができます。
インターネット回線は?
パソコンを買っただけでは、インターネットは使えません。インターネットが使える環境を整えるためには、回線を引く必要があります。
現在のインターネット普及率は8割超のため、もうすでに自宅でネットが使える方が大半かもしれませんが、ここからはネット環境についてご紹介します。
インターネット回線は以下のようなものがあります。
① ブロードバンド回線
② Wifi
③ スマートフォンのデザリング機能
おすすめは①のブロードバンド回線です。よく広告で「○○光!」などとCMをしているものは全てこれに該当します。
速度が速く、安定していて、すぐにつながるのが特徴です。
また、株の取引きメインであればそれほど通信速度にこだわる必要はありません。
②のWifiは外でよくパソコンを使う人には便利です。持ち運びができるのが特徴です。デメリットとしては、接続までに時間がかかるのと電池の消耗を気にする必要があります。
③のデザリングはスマートフォンの通信費に含まれていることが多いため、プラスのコストがかからずにできるのが特徴ですが、あまり安定しておらず、接続までに時間がかかります。
そのため、これから回線を考えるのであれば、ブロードバンドが推奨されます。
スマホ
スマホやタブレットはいつでもどこでも取引ができるので非常に便利です。
その反面、誤操作・誤発注も多いのもスマホです。ですので、初めのうちは基本はパソコンで慎重になるのが良さそうです。
パソコンで基本的な操作を覚えたうえで、慣れてきたらスマホでも売買してみてはいかがでしょうか。
アプリの使い方を見てみる(例:SBI証券 株 アプリ)
SBI証券のアプリは、取引対象ごとに別アプリに分かれています。
「SBI証券株アプリ」は株式の取引に特化しています。余計な機能がないため、初心者でも直感的に使うことができるのが特徴です。
注文の仕方は次の章で触れますので、ここではどのような画面なのかを簡単にご紹介します。
☆マーケットのタブでは、リアルタイムにニュースが更新されていきます。世界中の株価を見ることもできます。
☆口座管理のタブでは、現在保有している株の状況が見ることができます。
☆銘柄検索のタブでは、個別銘柄の情報を調べることができ、ここから注文を出すことができます。
実際に画面操作や、注文方法に慣れてみよう!
取引にいく前に最低限必要な用語をチェック
・単元
「ミニ株」の説明の際にも出ましたが、株式には「単元」というものがあり、株式を買うための最低金額があります。日本で取引される株式は、2018年10月1日以降全て100株単位となりました。新聞やインターネットで株価は調べることができますが、表示されているのは1株当たり株価です。
・成行注文
株式の注文方法には二通りあります。一つが「成行注文」です。この方法は、刻一刻と価格が変化する株を今の価格で買う方法です。
一番オーソドックスな注文方法で、いくらでもいいから今の値段で買う方法です。
・指値注文
二つ目の方法は「指値注文」です。成行注文が「今の価格」で取引するのに対して、指値注文では「値段を指定して」取引する注文方法です。「○○円」で買う/売るという注文方法です。
この注文方法を使うことで、自分の望む価格で買ったり売ったりすることができます。しかし、その金額にならないと買うことも売ることもできません。
・約定
約定は、取引が成立したことを表します。株の売買は売り手と買い手がいて成立しますので、この両者がマッチングして取引が成立することを約定と言います。
パソコンでの注文方法をみてみよう
ではここからは実際の画面を使って、取引の操作方法を見ていきます。今回は、ネット証券最大手のSBI証券を使います。
SBI証券で口座開設が完了すると、ユーザーネームとパスワードが渡されます。
取引するためには、画面右の「お客様サイトログイン」というところのご自分のユーザーネームとパスワードを入力し、その後、画面右上の「取引」をクリックします。
すると、次のような画面に代わります。上から順に、必要な情報を入力していきます。
まずは、買うのか売るのかを選びます。買う場合は「現物買」、売る場合は「現物売」を選びます。
そして、売買したい株の「銘柄コード」を入力します。日本の市場ではすべての企業に4桁の銘柄コード割り当てられています。
次に「価格」の欄ですが、注文方法を選びます。指値ならばいくらで買う/売るのか金額を入力します。成行の場合は選択するだけで次に行きましょう。「逆指値」はまた別の機会に解説します。
注文方法を選択したら、「期間」を選びます。
「指値」の場合は、いつまで注文を出しておくかを決めることができます。その日だけであれば「当日中」を、一週間くらい出しておくのであれば、一週間後の日付を入れます。
どのくらい出しておけるかは、証券会社によって異なります。SBI証券では15営業日まで指定できます。
また、ここで特定口座を選ぶことで、税金の計算負担を軽減できます。(口座開設時に登録しておく必要があります。)
最後に、口座開設時に設定した取引パワードを入力し、注文確認画面へ進み、発注すれば完了です。
銘柄の詳細を調べたいときは、検索画面に企業名や銘柄コードを入力します。今回は「任天堂」検索してみましょう。
すると、以下のように株価やチャート、財務状態など様々な情報を見ることができます。
スマホでの注文方法をみてみよう
では、次に、スマホでの注文方法を見てみましょう。
アプリを起動し、右下にある「銘柄検索」を選択し、画面上部に表示される検索バーに売買したい企業名や銘柄コードを入力します。
ここでも「任天堂」を検索してみます。
次の画像のような画面が表示されますので、右上あたりにある「取引」をタップします。
すると、次のような画面が表示されます。
まずは、買うのか売るのかを選択します。パソコン版と同じように買う場合は「現物買」、売る場合は「現物売」を選びます。すると画面がまた変わります。
パソコン版と同じ要領で情報を入れていきます。(変更する必要のない箇所は囲っていません。)
まずは、特定口座か一般口座を選びます。税金にかかわる部分です。特に理由がなければ特定口座を選択して問題ないでしょう。
次は、株数です。何株買うのかをここに入れます。日本の株式は全て100株単位(2018年10月以降)のため、ここには100の倍数が入ります。
株数を決めたら、価格についてです。「成行注文」か「指値注文」を選び、指値であれば、金額とその下の期間を決めます。
そして、スクロールダウンしていき、最後に「取引パスワード」をを入力した確認を押して、発注してください。
まとめ
さて、ここまで、株を始めるにあたって必要なこと/モノをご紹介してきました。
株式を始めるにあたっては、大それた準備は必要ありませんが、必要最低限そろえるべきものはあります。また、最低限知っておくべきこともあります。
これを読んで、準備万端にしてから株式取引に臨んでいただきたいと思います。
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