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はじめに
株でお金を稼ぐ理由は人によって様々です。
もちろん、生活費の足しにしたいと考える人もいるでしょう。
病気やケガにより突然働けなくなってしまうなど、万が一に備えることも大切です。
また、少子高齢化が進み、老後の生活を保障してくれる財源の確保も危ぶまれる現状では年金はあてになりません。
老後の生活費を捻出するための資産運用について、早期から検討しておく必要があるでしょう。
株を保有することで得られる配当金のみで生活することが出来れば、万が一突然働けなくなってしまっても、年金が大幅に削減されてしまっても安心です。
本記事では、実際に配当金生活を実現している方の体験談や年収別に実際に必要な金額など、株の配当金のみで生活することが本当に可能なのかどうかを詳しく解説していきます。
そもそも配当金とは何?
株式投資で利益を出すためには、短期的に利益を出すキャピタル・ゲインと長期的に利益を出すインカム・ゲインがあります。
キャピタル・ゲインとは、安いときに株を買って高いときに株を売り、その差益で利益を上げる、いわゆる売買益のことです。
対して、インカム・ゲインは長期的に株を保有し、株主優待や配当金で利益を上げることを言います。
配当金を出していることを確認したら、配当金の金額はいくらなのかを確認しましょう。
配当金はいくらもらえるの?
配当金の金額は企業によって異なります。
企業の配当金額は企業のHPや証券会社のHPなどで確認することができます。
金額がわかったら、その配当金が株価から見てお得はどうかをチェックしていきましょう。
難しく考える必要はありません。
たとえば、A社とB社の配当金がどちらも1株10円だとします。
しかし、A社の株価は1000円、B社の株価が500円だとするとどちらにお得を感じますか?
もちろん、投資額が少ないB社ですね。
これが配当利回りです。
実際に計算式に当てはめて確認してみましょう。
A社の配当利回り:10円(1株あたり年間配当金額)÷1000円(1株購入価格)×100=1%
B社の配当利回り:10円(1株あたり年間配当金額)÷500円(1株購入価格)×100=2%
また、企業が稼いだ利益のうちどれくらいを配当に回しているかを表わす指標もあります。
企業のHPにはこの配当性向が明記されていることが多いです。
配当性向が高いほど、企業が稼いだ利益を多く株主に還元しているということになります。
ただし、配当性向の高低のみで企業の良し悪しは決められません。
その企業が、既に事業成長を遂げた成熟企業なのか、現在成長中の新興企業なのかによって、配当の方針は全く違ってくるからです。
配当金はいつもらえるの?
配当金は、日本では年に1~2回、本決算と中間決算の時期にもらえるケースが一般的です。
配当金をもらうには、決算日の3営業日前に株を持っている必要があります。
こちらのページで詳しく解説しているので参考にしてください。
年収別実際に必要な投資額
資産運用による不労所得のみで生活できるようになれば、早期退職も夢ではありません。
そんな生活を叶えるためには、実際にどれぐらいの元手が必要となるのでしょう。
今回は配当利回り3%の高配当銘柄に投資すると仮定して、配当金額の年収に応じて必要な投資額をそれぞれ見ていきましょう。
①年収288万円を見込む場合
日本における夫婦が必要とする月々の平均生活費が24万円のため、最低ラインとして年収288万円を稼ぎたいと仮定します。
元出から税金を控除すると配当利回りは2.4%まで下がるため、年収288万円を稼ぐには投資金額1.2億円が必須となります。
②年収360万円を見込む場合
①の条件より金銭的にゆとりのある生活を送ろうと思えば、毎月30万円は欲しいところです。
控除後の配当利回りが2.4%に下がることは同様ですのでそこから投資金額を割り出すと、
年収360万円を稼ぎたければ1.5億円の投資金が必須となります。
③年収480万円を見込む場合
さらにゆとりのある生活を望むとして、月々40万円の収入を得るにはさらなる投資金を用意しなければなりません。
控除後の配当利回りが2.4%の場合ですと、年収480万円を稼ごうと思えば2億円の元手が必須となります。
どんな株が配当金生活に向いている?
①過去10年程度において連続的に増配している銘柄を探す
②PER20倍以上の割高な銘柄には手を出さない
※PER(株価収益率)とは、その株価が割安かどうかを判断するための指標です。
③新興企業の銘柄であれば、配当利回り3%以上のものを購入する
④年々業績を伸ばしているか確認する
⑤PBRが低い割安株を狙う
※PBR(株価純資産倍率)とは、その株価が割安かどうかを判断するための指標です。
⑥自己資本比率が高く、財務状況が良い
※自己資本比率とは、企業が持つ総資産において自社負担の資本金の割合を示すもので、企業としての安定性を測るための指標となります。計算式としては以下のようになります。
自己資本比率=(自己資本÷総資本)×100
数値的には50〜80%のラインにある企業が、財務体制の整った優良企業であるという判断を一般的に下されます。
①分散投資する
一社だけに集中投資してしまうと、その企業が減配や無配を決めた時に自身の手元に戻る利益がなくなることも視野に入れておく必要があります。
株の配当金で生活を立てることを考えた場合、複数社に対して投資することで、上記のリスクへと対応することが不可欠です。
分散投資の方法については、投資する業界自体を分散することで、業界全体で業績が低迷した際に痛手を被りにくくなります。
②業績の推移を確認する
過去5年間程度の業績だけに限らず、同じく過去5年間のROAやROE、自己資本比率などをきちんと確認する必要があります。
・ROA
日本語では「総資本利益率」とも呼び変えられ、企業自体の総資産を活用してどれだけの利益を上げているかを測る指標となります。
計算式としては以下のようになります。
ROA=当期純利益÷総資産×100
・ROE
日本語では「自己資本利益率」とも呼び変えられ、株主資本によってどれだけの利益を上げているかを測る指標となります。
計算式としては以下のようになります。
ROE=当期純利益÷総資産×100
ROAとROEともに計算式自体が酷似していますが、当てはめるものが総資産か株主資本かで若干異なります。
ただし、一点だけ注意点があり、それはROAには株主資本とともに企業としての負債額も含まれているということです。
現時点で株式上場している企業であっても、負債を抱えながら経営している企業ももちろんあるため、負債を抱えていることが一概に悪いわけではありません。
それでもROAを利用して企業の価値を測る際には、負債を抱えすぎていないかどうか常に確認する必要があります。具体的に言えば、ROAが高い割にROEの数値が極端に低い企業への投資は見送る方が無難でしょう。
配当生活を手に入れた方の経験談
Aさんの場合
配当金生活というとこの方が有名です。
現在の配当収入は年間1000万円ということです。
投資資金100万円から開始して、配当金生活を目指しサラリーマンを続けながら投資を続けてきました。
最初は鳴かず飛ばずだったそうですが、投資スタイルを確立してから順調に資産が増えたそうです。
その投資スタイルとは、銘柄を売買益(キャピタルゲイン)狙いと配当益(インカムゲイン)狙いに分け、資金を回していくスタイルだそうです。
売買益狙いでは、これぞという成長株に信用取引を使って集中投資し、その利益を高配当株に投入し、得られた配当金収入を再び成長株に投資する。
こうしてグルグル資金を回し、雪だるま式に資産を増やしていくやり方で、安定的に配当収入が得られるようになったそうです。
現在では総資産4.5億円!!
年間配当収入は1000万円ということです。
億り人(www9945)さん
引用:https://froggy.smbcnikko.co.jp/11726/
Bさんの場合
51歳でセミリタイアし現在は株式投資のみで経済的自立を実現されています。
現在の投資スタイルは、9割が米国株で、残りが日本株など。
米国株は主に個別銘柄と高配当株ETF(日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)等の動きに連動する運用成果をめざした上場投資信託のこと)で日本株の大部分は投信経由ということです。
23歳の就職と同時に株式投資を始め売買益でも大きな利益を得ています。
住宅ローンも数年で完済し、見事としか言いようがありません。
そして、51歳で早期退社し退職金などを投資に回して現在の生活を実現されています。
配当金収入は400万円ということです。
Lさん
引用:https://leveraged1.com/(【L】米国株投資実践日記~サラリーマンをやめてセミリタイア。人生満喫中。~)
Cさんの場合
とにかく参考になる情報が山積みのブログです。
2009年から資産2.3億円で配当金生活をスタートし、2つの目標『減らさない運用』『税引後年率3.5%』を達成するために、出来るだけ投資商品を分散するようにしているそうです。
その保有銘柄は国内株式だけでも100を優に超えるほど。
それでも、この方の国内株式への投資割合は全体の19%程度に留まっており、それ以外の種類の資産への投資が8割を超えているそうです。
莫大な元手が用意できない一般の方からは手の届かない話のようにも感じますが、「国内高配当株式トップ5」など、初心者の方でもこのブログは大いに参考になります。
ぜひご覧ください。
たっちゃんさん
引用:https://dividends225.com/(たっちゃんの配当金生活・株主優待生活・マネー情報)
Dさんの場合
株式を中心に投資して今年で投資生活13年目を迎えています。
短期トレードからスタートし、徐々に中・長期投資に変化してきたそうです。
世界最高の投資家に共通するマインドセット(知的習慣)を探し求め、実践していらっしゃいます。
2006年資金50万で初めて株を買った翌日にライブドアショックが起こりました。
市場は急激な下落へと転じ、初心者だったこともありパニックを起こし持ち株をすべて売却したそうです。
損失の額は数万円程度だったそうですが、損失を出したことよりショックだったのは、売った後に株価が上昇していく様子を訳も分からず見ていることしかできないときだったそうです。
この経験から、 「とにかく利益を得られる方法を知りたい…」
と株の短期売買について学びトレードを始めたそうです。
現在は配当金収入は年間550万の配当金生活を実現されています。
MASAKIさん
引用:https://japanhighgrowthinstitute.com(日本高度成長研究所)
配当金狙いの株式投資の始め方
配当金狙いでも売買益狙いでも株式投資の始め方は同じです。
まずは、証券会社に口座を開設しましょう。
以下のサイトでおすすめの証券会社について詳しく解説しているので参考にしてください。
また、各証券会社の口座開設方法を詳しく解説したサイトもぜひご覧ください。
まとめ
配当金のみで生活を立てるためには、しっかりした投資戦略と、やはり莫大な元手があった方が有利です。
ただ、実際に配当金生活を送っている方の経験談からもわかるように、その限りでは決してありません。
売買益で資産を増やす場合にも共通して言えることですが、銘柄を決める際に企業分析を正確に行えるか、各業界の特徴や強みを把握しているかがカギを握ります。
たとえば、景気のあおりを受けにくい医療系や食品系企業を投資先に選べば手堅いでしょうし、景気を反映しやすい資源関連系や金融系であれば下落のリスクもある反面、好景気における増配を見込みやすいかもしれません。
配当金によって生活を立てることを思い描くなら、業界全体の特色も踏まえつつ投資先をじっくり検討することをおすすめします。
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