【株用語】IRとは

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はじめに

株について学ぼうと考えている方はIRという言葉を頻繁に目にしているのではないでしょうか。ここでは株式用語であるIRが何を意味する言葉であるのか、またどのように影響をもたらすものであるのか解説してきます。

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【株式用語】IR(Investor Relations)とは?

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IRとは何か

IRとはInvestor Relationsの頭文字を利用した略称です。日本語にするとすれば、投資家向け広報となります。日本でも一般的にIRと呼ばれていることが多いです。これは株式を発行している企業が投資家の方々へ向けて企業の経営状況ならびに経済状況、さらには業績動向など株式に影響を与える情報を発信する活動のことです。IRを簡単に理解するのであれば、企業の情報報告と考えるべきです。

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企業がIRを行う理由

企業がIRを行うのには理由があります。それは、投資家の方々との良好な関係を築き上げることに他なりません。企業の現状を把握してもらい中長期的な事業計画または事業戦略を公開し理解してもらうことにより、より多くの出資を募りたいという思いがあるためです。IRを提供する場は企業と投資家の方々とのコミュニケーションを取ることの出来る場になります。

 

1950年に初めてIRという言葉が誕生した際には、まだまだ間接金融が主流でしたが1990年後期から間接金融から直接金融へ移行が進んだことにより、IRが盛んに行われるようになっています。つまり投資家からの直接的な出資が企業にとっては大きな割合を占めることになり、企業にとって株式の重要性が高まっていることを意味しています。直接金融に移行したことによって、不特定多数の投資家が存在することになりますので、投資家の方が企業の財政状況を知ることこそが、市場の存立には欠かすことが出来ません。そのため企業は、透明な情報公開としてIRを提供しています。

 

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IRの具体的な内容

IRとは企業が投資家の方々へ向けて企業の経営状況ならびに経済状況、さらには業績傾向など株式に与える情報を発信する活動のことですが、企業とステークホルダーとの関係を良好に保つための情報公開の場だと考えて間違いありません。企業によりどこまで情報開示するかどうか、どのように情報開示するのかどうかは異なる点もありますが、具体的には企業の決定事実、発生事実、決算内容等の情報開示が行われます。また企業ごとに開示規則を設けており、開示規則に則った方法や時期に情報が開示されます。ただしすべての情報が開示されるわけではなく、一般的には決算情報の漏洩を防ぐ目的で沈黙期間が設けられています。この沈黙期間とは、決算発表開始前には情報を公開しないというもので、お問合せには一切回答することの出来ない期間になっています。

 

上場している企業であればIR情報は企業のホームページ上に掲載されているでしょう。IRでは企業の財務状況や経営状況を知ることが出来ると言われていますが、具体的にどのような内容を知ることが出来るのかどうか解説していきます。

 

IRで情報開示されている内容とは具体的に、決算書のことです。決算書とは、貸借対照表、また損益計算書に分類することが出来ます。貸借対照表では、企業の資産や資本、負債について知ることが出来るようになっています。また損益計算書では、過去1年間の利益と損失を把握することが出来ます。

企業の貸借対照表から資産や資本、負債を知ることが出来れば、企業の財政状況を知ることが出来るようになり、企業の安全性について考えることが出来るようになります。資産がどれくらいあり、資本や負債の動きを見ることが出来ますので、企業の体力を把握することが出来るというわけです。

資産と資本、負債を知ることが出来れば自己資本率を計算することも可能です。この自己資本率とは、言葉の通り自社で資本を調達することが出来ているかどうかの数字です。業種により平均値は異なりますので、同業種と比較すると分かりやすいでしょう。

 

企業のIRが提供されているホームページなどをみて、情報量が少ないと感じてしまう方がいるかもしれませんが、このようにIRの内容から様々な情報を計算により調べていくことが出来、企業が公開した情報から自分自身でより細かな企業の動向について理解を深めることが出来るようになっています。

 

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ディスクロージャーとの差異とはどのようなものか

ディスクロージャーとは、企業が投資家や取引先などに対し、経営内容について情報公開することを意味しています。経営情報を外部に公開することが目的とされているディスクロージャーに対し、IRは企業が投資家や取引先に対し経営状況や財務内容など株式に影響のある情報を報告しているものです。分かりやすく説明するのであればディスクロージャーは企業の情報公開であるのに対し、IRは企業の情報報告と言うことが出来るでしょう。

 

また目的から考えるとディスクロージャーとIRの違いが分かりやすくなります。ディスクロージャーは一般に公開されるものですが、IRは投資家の方々ぬ向けて公開されています。ディスクロージャーの目的は、情報を開示し透明化することですが、IRでは情報を開示し透明化することで投資家の方々とコミュニケーションを図ることです。IRでは単に企業情報を公開するだけではなく、今後の業務計画また経営戦略等の報告も行われます。

 

ディスクロージャーも近年では投資家に向けて具体的な数字の説明が行われている場合も多いですが、業務計画または経営戦略等の報告の有無によりIRとは一線が引かれています。

 

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IRから分かることとは

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IRから購入すべきか判断できるのか

IRから購入すべきか判断することができるかそうではないかと問われれば、IRは購入すべきかどうかの判断材料になり得ると答えることが出来るでしょう。IRからは財務状態や経営状況の正確な情報が報告されています。そのためIRを見ることにより企業の財務状態や経営状況が理解出来ます。

 

当然のことですが財務状況や経営状況は株式を購入する際に参考にしなければならない重要な情報です。財務状態が急激に悪化している企業や、低迷から上昇傾向のない企業の株を購入するのを躊躇う方は多いでしょう。売上高が急激に変動してはいないか、営業利益はプラスであるのかマイナスであるのか、プラスである場合あるいはマイナスである場合には、それがいつから続いているのかどうかなどを知ることで企業が安定しているのかどうか把握することが出来ます。

 

また、IRでは営業利益の推移を企業はどのようにとらえているのかどうかを知ることも出来ます。IRでは具体的な数字により企業を客観的に評価しやすくなっています。そのため投資初心者の場合には分かりやすいIRから株を学んでいくことも良い選択でしょう。ただし数字に疑問を持つことは必要で、IR資料やその他報告書、あるいは企業の動向から数字の仕組みを理解していく必要はあります。数字だけではなく、なぜ数字がこのような変化をしたのかどうかを注視してください。

 

見えている数字だけではなく見えている数字同士を計算し、比率を出してみるなどして、より具体的に企業の情報を知ることが必要です。

 

また数字に対する詳細な報告書があります。数字に対する疑問は報告書等により情報がまとめられていますので、今後どのように経営を行うのか、また戦略を立てていくのかが分かります。

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IRから手放さないべきであるか判断できるのか

IRからは保持している株を手放すべきかそうではないのかを判断することも出来ると言えます。例えばIRから判断することの出来る流動比率を考えてみましょう。流動比率とは流動資産と流動負債を計算して出した比率のことです。この比率を計算することで負債がどの程度の割合で発生しているのかどうかわかります。100%以上であることが望ましく、200%あると安心だと言われている一方で、100%以下になると1年以内に支払わなければならない負債の方が多いということが分かりますので、手放すべきかそうではないのか判断しやすい指標になります。

 

また同様に固定資産を計算し、固定比率を知ることで企業が安定しているかどうかを知ることが出来ますので、株を手放さないべきであるか判断しやすくなります。売上が減少したらすぐに株を手放すと考えるのではなく、流動比率や固定比率の計算を行い、より数字として多方面から結果を理解する必要があるでしょう。

 

また企業の取り組みを具体的に報告を受けることが出来るため、数字の変化に対する理由が見えやすいため、数字の変化をどう捉えるべきであるか判断しやしくなっています。そのため手放さないべきであるかどうか、流動比率や固定比率にマイナスな変動があった場合でも、マイナスな変動理由によっては手放さない選択も行えますし、その逆もあり得ます。

 

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その他のIRの重要性

IRは企業と投資家とのコミュニケーションの場になります。ひと昔前の企業と投資家と関係性は、現在の企業と投資家との関係性とは異なることは、具体的な言葉として表現することが出来なくても肌でそれを実感している方が多いのではないでしょうか。ひと昔前の長期的または安定的な大きな投資を行う投資家は少なく、現在では個人投資家を筆頭に短期的な投資を行う投資家が増えています。

 

そのため企業と投資家の理解を深めるためにはIR活動による透明な情報公開により、信頼関係を高めることが重要になっているのです。企業はIR活動を行うことによって外部から客観的で正当な評価を受けることになり、投資家にとっては効率的に企業情報を収集することが出来るようになっています。つまり企業目線でいうならば、IRを行うことは、現在の市場の存立にとって非常に重要な役割を担っていると言うことが出来るでしょう。

 

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まとめ

株式用語であるIRは、株式投資を考えているのであればぜひ理解し活用していくべき情報になっています。IRは株式を購入する際にとって指標となる大切な情報の1つで、新技術や新商品の開発時には株価の変動にも大きく影響を与えるものですので、IR情報はこまめに収集するべきです。

 

現在では企業のホームページ内にIRが掲載されているページが用意されていることがほとんどです。IRをより詳しく理解したい場合には、企業ごとのIRをチェックすると、IRについてより理解を深めることが出来るでしょう。IRは情報報告であることを理解し、株式投資に役立ててください。

 

 

この記事の著者・監修

株ビギナードットネット編集部

生徒数5000名を超える、株式投資のスクール『株アカデミー』にて講師として普段は株トレードのやり方を教えています。その講師陣が編集部としてこの「株ビギナードットネット」運営しており、特に株の初心者・入門者に向けて、株の基礎知識や用語などをわかりやすく解説しています。
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