「投資は儲かりますよ」そんな甘い言葉には必ずカラクリがあります。
今回は投資セミナーを行っている株アカデミーの視点から、投資セミナー詐欺に合わないための方法をお教えします。
前回記載した「投資詐欺」についての記事(下記)続編として
投資セミナーの詐欺にあわないための方法をご紹介します。
■■■ 目次 ■■■
- 0.1 投資セミナー詐欺に合わないために
- 0.2 投資セミナー詐欺に合わないために①:なぜセミナー詐欺が流行るのか?
- 0.3 投資セミナー詐欺に合わないために②:被害者例
- 0.4 投資セミナー詐欺に合わないために②:被害者(1)いつも不安を抱えている
- 0.5 投資セミナー詐欺に合わないために②:被害者(2)一発逆転願望が強い
- 0.6 投資セミナー詐欺に合わないために②:被害者(3)「自分は騙されない」と思い込んでいる
- 0.7 投資セミナー詐欺に合わないために③:事例から学ぼう⑴
- 0.8 投資セミナー詐欺に合わないために④:事例から学ぼう⑵
- 0.9 投資セミナー詐欺に合わないために⑤:事例から学ぼう⑶
- 1 投資セミナー詐欺の見分け方
- 2 投資詐欺についてのまとめ
投資セミナー詐欺に合わないために
株式投資をはじめとした投資に取り組もうとすると、避けては通れないのが投資詐欺の話です。
投資セミナー詐欺はいまだになくなりません。
特にこれから始めようと思っている方でセミナーに参加して学ぼうとしている方や一度自力で株式投資に挑戦してみたもののうまくいかず、学び直そうとした方が詐欺に合っています。
詐欺師は言葉巧みにあなたに語りかけ、さも信じれば絶対にうまくいくかのように振る舞います。
ときにはあなたの「情」に訴えかけてお金を振り込ませる。
夢を見せて詐欺師はお金を振り込ませようとします。投資詐欺となれば金額は数万円ではすみません。
数千万円もの大金の詐欺に合った方もいます。
この記事ではそんな投資セミナー詐欺にあわないためのポイントと。投資セミナー詐欺の見分け方について紹介します。
投資セミナー詐欺に合わないために①:なぜセミナー詐欺が流行るのか?
そもそもこれだけ投資詐欺の話が多いのに、いまだにセミナー詐欺がなくならないのは不思議ですよね。どうしてセミナー詐欺が流行るのか。
それはやはりセミナー詐欺で騙される人がいるからです。
セミナー詐欺で騙される人がいなくなれば、必然的にセミナー詐欺がなくなるはずです。
ここには個人投資家たちのある考えが関係しています。
「世の中には自分の知らない儲け話が存在する。」
「稼ぐためには何か裏技があるはず。」という幻想です。
はっきりとお伝えすれば、「絶対に儲かる」「先行者利益」「稼ぐための裏技」のようなキーワードを使っているセミナーは過大広告か詐欺だと思ったほうがいいです。
たしかに私たちの知らないところで儲け話が存在するのは事実です。
事業で成功していたり、投資で成功していたりする方たちのコミュニティの中ではそうした話が頻繁に話題となり、実際に利益を手にしていることも多いでしょう。
ですが、そんな限られた世界で行われている話が誰でも参加できるセミナーで伝えられるわけがありません。詐欺師の方たちは本当に話がうまいです。
「二度とない機会です。」「これを逃すと次はありません。」「本当はだめなのですが、あなたには特別にお伝えします。」魅力的な言葉を並べます。
目先の利益にとらわれて、騙されてはいけません。
投資セミナー詐欺に合わないために②:被害者例
被害者となった方には特徴があります。
投資セミナー詐欺に合わないために②:被害者(1)いつも不安を抱えている
「老後のお金が心配。」「あと月5万円でもあれば安心。」「いつ働けなくなるかわからない。」詐欺師はこの不安にうまく入り込んできます。
不安があると、冷静に考えたらありえない。
と思えることでも信じて疑わなくなってしまいます。
「老後足りないだろう月々5万円をどうするか。」考え始めた時に、毎月わずかでも貯金を始め、それを比較的リスクの小さい国債や投資信託で運用する。
非常に地道ですが、確実性の高い方法です
。ですが、多くの人はそんなに長く待てません。
「1年後には毎月5万円の収入が約束されます。」早くたどりつける話に興味がわいて、どうしても近道を行こうとします。
不安があるから急ぎ、急ぐから詐欺の被害にあってしまいます。
投資セミナー詐欺に合わないために②:被害者(2)一発逆転願望が強い
このタイプの人は投資詐欺に騙される回数が1回や2回ではありません。
自分に資金があるかぎり、何度でも騙されるでしょう。最悪の場合、借金してでも投資して、どうにも首が回らなくなるというケースもあります。
一発逆転を狙っていると、一度詐欺に合ったとしても
「今回はたまたま詐欺だっただけだ。きっとどこかに、他の確実に一発逆転できるものがあるはず」と考えます。
そして、また交流会やイベントで知り合った方たちから「絶対稼げる投資情報があるんだけど興味ない?」と誘われます。
以前だまされたことがあるので警戒心は強いですが、詐欺師はその一枚も二枚も上手です。だまされた過去に共感し、自分のところはそんなことないと信じ込ませることができます。
こうして一発逆転願望が強いと、「もうだまされない。」と誓っているはずなのに何度も詐欺被害に合ってしまいます。
投資セミナー詐欺に合わないために②:被害者(3)「自分は騙されない」と思い込んでいる
過去に何かの分野で成功した経験のある人、
学生時代の成績が良かった人に多いパターンです。
こうした方たちは、自分の成功パターンが投資にも当てはまると考えて、自分の経験から判断してしまいます。
投資セミナーで「根拠っぽいこと」を話されると、それを真実だと信じてしまいます。「自分が選んできた投資セミナーで嘘が話されるわけがない。」と思っているからです。
最近は暗号通貨に関する投資詐欺が蔓延しています。「○○国も認める暗号通貨」として投資家を集めたあるセミナーでは、その国の要人とセミナー講師が会食している写真も掲載されていたそうです。
そんな光景を見せられると、信じてしまうかもしれません。本当かどうか、わざわざその国の大使館に問い合わせる人もほとんどいないでしょう。ただ実際は、その後の交渉で決裂していて、「国が認めた暗号通貨」と言うのは嘘だったことが明らかになりました。
「自分は騙されない。」という油断は大敵です。
投資セミナー詐欺に合わないために③:事例から学ぼう⑴
2017年4月27日、日本ハムの元投手が架空の投資話で逮捕されました。
事件の概要は、2014年~2015年、宇都宮市の足利ホールディングスの株を代理購入すると持ちかけて、兵庫や岡山などに住む6人から手数料名目で現金計6898万円を騙しとったとされます。
手口は、証券会社社長などを名乗って信頼を得て、足利ホールディングスの株が「値上がり確実」だと持ちかけ、名義を貸すように電話で勧誘するというものです。
これは投資セミナーの事例ではないですが、一般的な詐欺の構造の代表例とも言えるので紹介します。
まず、「値上がり確実」という言葉です。
おそらく電話ではそれを裏付ける話をされたと思いますが、こうした甘い言葉に惑わされてはいけません。そして「証券会社社長」という一般的には偉い立場の人が電話をかけてきたのか疑わなければなりません。
信頼を得るために「社長」という肩書は使いやすいのかもしれませんが、
普通に考えて証券会社社長から突然電話がかかってきて、儲け話があるなんて疑わうべきです。
また考え込まれると詐欺だとばれてしまう可能性が高まりますから、「時間がありません。」「今がチャンスです。」と投資を煽ったはずです。これはセミナーでも行われます。「今、このセミナーで決断してくれた方だけに特別な提案です。」といって冷静に考えさせる暇を与えません。
肩書が偉くても、本人のプロフィールを確かめる。プロフィールが真実か確かめる。甘い言葉には乗らない。焦らされても慌てない。流されない。
この事例だけでも投資詐欺セミナーに合わないためのポイントをいくつも学べますね。
投資セミナー詐欺に合わないために④:事例から学ぼう⑵
続いては、投資セミナー会社が詐欺罪で逮捕された事例です。
概要は、架空の外国為替証拠金取引への投資を持ちかけ集めた117億円のうち、162人から集めた約19億4000万円を搾取し、香港の銀行口座に移していました。
運用実績がないのにあるように勘違いするような伝え方をして集め、この20億近い資金は返金できない状態でした。
さらにこのセミナーを通して集めた残りの資金についても運用された実績はなく、振り込ませた口座に留めておいたり、知人や親戚名義の口座に流れたりしていただけでした。
そのため、マネーロンダリングの疑いも合わせて持たれています。
この事件は休憩15年、追徴金15億5300万円の求刑に対し、
懲役14年追徴金14億7700万円の判決が言い渡されました。
この会社は香港の銀行にFX運用会社とするペーパーカンパニー名義の複数の口座を開設し、投資家から集めた資金をその口座に移していました。
送金元の銀行は不審に感じて会員に確認し、送金を止めたこともあったようですが、その後も別の銀行に変更して継続的に送金されていたそうです。
この事件について裁判長は、「専門的知識のない被害者が詐欺の疑念を抱くのは容易ではなく、組織性、計画性、勧誘方法の巧妙さは高度。」と話しました。
この投資セミナー会社では、マルチレベルマーケティングと似たような形で、
会員投資のネットワークで新規会員を募っていたといいます。紹介していたのは知り合いでしょうから、本人にその気がなくても詐欺の片棒を担いだ形になります。
このFX投資の話では月利3%程度の運用実績があると嘘を言っていたそうですが、
FXで月利3%は真実味がある数字です。優秀なトレーダーが運用すればもっと高利回りになるでしょうから、この話を聞いた時にほとんどの方が「嘘」と見抜けなかったと思います。
特に知識がなければお金の流れや運用について突っ込んだ話を聞けません。言われたことを「そうなんだ」と聞き流してしまいます。
資金を預けて運用してもらうというのは確かに楽ですが、こうした詐欺被害にあうようなリスクは多くなります。委託するのであれば、その会社は信頼できるところなのかどうか確認しましょう。そしてあなた自身も、投資についてお金の流れや手順を知っておくことが詐欺に合わないためには大切です。
投資セミナー詐欺に合わないために⑤:事例から学ぼう⑶
次の事例は、海外の不動産投資詐欺に関する事例です。海外の話となると自分で調べてみても英語の文章ばかりで心が折れ、セミナー講師の話を鵜呑みにしてしまうことがよくあります。
特に最近ではカンボジアへの不動産投資詐欺が増えています。
2016年の10月には不動産会社社長がカンボジア投資詐欺で逮捕されるニュースもありました。
概要としては、「カンボジアの当地を購入したら、その土地を数倍の値段で買い取る。」という転売するような話です。電話をかける販売代理店と土地を買い取るための現金を受け取る不動産会社という2つの組織を立ち上げて犯行を行っていたようです。
稼ぐつもりでつぎ込んだ資金が、ある日、すべて騙し取られてしまうことにもなります。そして詐欺に合うと、お金はほとんど戻ってきません。
不動産投資の場合、普通であれば運用する物件を自分の目で確かめ、周りの状況はどうか、どれくらいの収益率が見込めるか判断して投資を検討しますよね。
海外への不動産投資でも同じです。
普段通りの投資のプロセスと異なるものであれば疑うようにします。
そして、その「普通」がわかるためにも取り組む分野の投資について書籍や、
証券会社が提供している初心者向けセミナーで勉強するようにしましょう。
ただ詐欺の手口は頻繁に変わりません。
より巧妙に、気づきにくくなっているので、「儲かる」系の投資話があれば疑うことを前提としましょう。
投資セミナー詐欺の見分け方
投資セミナー詐欺についてここまで概要や事例についてお伝えしましたが、
実際に投資セミナー詐欺の見分け方についてお伝えします。
この4つのポイントを全て満たしていれば「絶対に大丈夫」というわけではないですが、投資家のプロでも騙されるような詐欺以外、被害に合うことはなくなるでしょう。
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投資セミナー詐欺の見分け方①:それでも投資は魅力的、騙されないためには!
資産運用は、労働収入とは違ってお金がお金を生み出してくれます。
あなたが寝ていたとしても、正しい銘柄に投資していれば自然と資産価値は上がっていきます。「楽して儲かる」という話は怪しさ満点ですが、投資なら実現できてしまうというのもまた事実です。
睡眠時間を削って働かなくてもいいのです。
それが投資の魅力でもあります。そしてその魅力につけこんでくるのが投資セミナー詐欺です。甘い話には裏があると思って話を聞くことが大切です。
投資セミナー詐欺の見分け方②:プロフィールをチェック
投資セミナーに参加するときにやっていただきたいのは、
セミナー講師のプロフィールをチェックすることです。
まずプロフィールがない場合、ほぼ100%詐欺だと思ってください。
プロフィールを載せられないセミナー講師には怪しさしかありません。また同様に、プロフィールに10年くらい空白期間がある場合も疑ったほうがいいでしょう。
セミナー講師をやるほど経験を積まれてきた方であれば、しっかりと地続きのプロフィールができるはずです。空白期間は突っ込まれたくないか、何か言えないことをやっていたと考えられます。
そしてプロフィールに違和感がなかったとしてもまだ安心できません。
詐欺をはたらくつもりですが、最初からプロフィールも完璧なものを作り上げている可能性もあるからです。
ですが最近は便利になりました。Facebookです。
セミナー講師をされている方は特にですが、Facebookに登録されている確率が高いです。つながり自体がセミナー講師にとっては商売の種につながることもあるからです。
そんなセミナー講師とまずはFacebookで友だちになりましょう。そして、その人の友だちをチェックします。Facebookアカウントは1人1アカウントが原則です。その人の情報が正しいのであれば、過去の学生時代の友だちが1人はいるはずです。
昔の友だちがゼロで、最近の友だちばかりであれば、急遽作ったアカウントだと疑えます。絶対に詐欺だとは言えませんが、セミナーに参加するときは「詐欺かもしれない」と疑いながら話を聞くようにしましょう。
その心の準備ができているだけで詐欺にあう確率は大きく減らすことができます。
投資セミナー詐欺の見分け方③:投資の知識は最低限勉強すること
投資セミナーに参加するからといって、何も知らなくていいわけではありません。
セミナーで話されている情報が「投資としてありえる話なのかどうか」判断するためにも、投資の知識は最低限勉強しておく必要があります。
そうすれば、ありえないほどの利回りが出る話を提案されたときに、一瞬魅力的に感じたとしても「ありえない。」と考え直すことができます。セミナー講師が話す魅力的な内容に、学んだ知識を活かして本当か疑わしいかを判断できます。
投資セミナー詐欺の被害に合われる方の多くが、投資の知識が乏しい方たちです。
逆を言えば、投資の知識があればまず騙されることはないとも言えます。
投資セミナーが詐欺かどうか見分けるためにも、事前に投資については「一般的な書籍」で学ぶようにしましょう。
その投資セミナー講師が書いているブログや本、Youtubeで学ぶのは、その人にとって有利になる話しかしないので注意が必要です。
投資セミナー詐欺の見分け方④:周囲の人に相談は必須
投資セミナーに参加して、話を聞き、提案された案件に投資しようと思っても少し待ってください。セミナーを聞いて興奮していて、冷静な判断を下せていないかもしれません。
自分では怪しいと思わない。きっと大丈夫。これなら稼げる。
そう思ったときこそ、その話を信頼できる投資の知見がある人に相談しましょう。投資の知識がない友人や家族に相談しても「やめた方がいい」と言われるでしょうし、それではあなたが納得できないと思います。
投資に詳しい人に相談できる環境を作っておくことは、これから投資に取り組む上でもおすすめです。そういった環境づくりにも取り組んでみましょう。
投資詐欺についてのまとめ
投資セミナー詐欺のよくある事例と詐欺に合わないための見分け方についてお伝えしました。他人から聞いた甘い話には裏がある。
楽して儲かる投資は怪しい。絶対に利益が出る投資はない。
これからあなたも様々な投資セミナーに参加して、より具体的に学んでいくと思います。その中には、セミナー詐欺も紛れている可能性があります。
詐欺被害に合わないよう、
上記でお伝えしたような意識は常に持ってセミナーに参加して、学んでいくようにしましょう。
詐欺かな?と思ったら。
https://kabushosin.net/sodan/
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