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はじめに
様々な広告手法で一躍有名になったライザップ。
このジムは所謂「結果にコミット」というキャッチコピーで大々的に顧客を集め、圧倒的に結果を出せるジムとして有名になりました。
もちろんその効果は株価にも顕著に表れています。
ここ数年猛烈な勢いで株価を上昇させているライザップについて、
業績や今後どう推移するかの予測を立てましたのでもうすでにライザップ株を持っている方、これから買うか悩んでいる方、
ぜひ参考にしてください。
1章これまでのライザップの業績
ライザップとは
ライザップとは、高単価・短期集中型のトレーニング事業である。
芸能人をCMに積極的に起用し、トレーニング前とトレーニング後の姿をCM視聴者に見せることによって、
「結果にコミット」というキャッチフレーズとともに一躍有名になった。
ライザップでは、カロリーコントロール用健康食品の販売、およびサプリメントなどのその他の健康食品をオールオーダーで展開している。
料金は3ヶ月で50万円と割高に思えるが、ほぼ確実に痩せる・筋肉がつくので人気がある。
通常の事務と大きく違うのは「プライベートジム」であるということを大々的に歌っている点である。
RIZAPのトレーニングでは、お客様が挫折することがないよう、専属のトレーナーが一人ひとりに寄り添い、
最後まで責任をもって指導を行うという点がある。
体内メカニズムを根拠に、約9万人のボディメイク実績によって築き上げられたライザップ独自のトレーニング方法を、
一人ひとりの年齢・体力に合わせてカスタマイズするため、
どんな方でも無理なく取り組むことができるということが非常に大きな強みになっている。
最近のライザップの事業展開
上記のような好調を経て、以前は健康コーポレーションという名前の子会社であったが、事業名を「RIZAPグループ」へと改めた。
そんなライザップは、積極的なM&Aによって買収した企業の経営再建によって子会社の収益性が大幅に向上した。
2017年3月期決算では、連結営業収益は売上高、営業利益など全指標で過去最高を更新するほどのものとなった。
ライザップは、美容・健康関連・アパレル関連・住関連ライフスタイル、エンターテイメントの4つの全セグメントで増収を達成し、
アパレルとエンターテイメントが黒字転換したことで全セグメントの黒字化も実現した。
また、2018年現在、グループ会社の総数は24社にも上っており、
下記が連結子会社となっているグループ会社の一覧である。
健康コーポレーション株式会社 http://www.kenkoucorp.com/
SDエンターテイメント株式会社 http://www.sugai-dinos.jp/company/
株式会社イデアインターナショナル http://idea-in.com/
夢展望株式会社 http://www.dreamv.co.jp/
株式会社ジーンズメイト http://www.jeansmate.co.jp/
株式会社ぱど https://www.pado.co.jp/
株式会社サンケイリビング新聞社 https://www.sankeiliving.co.jp/
堀田丸正株式会社 http://www.pearly-marusho.co.jp/
株式会社ワンダーコーポレーション https://www.wonder.co.jp/corporation/
RIZAP株式会社 https://www.rizap.jp/
株式会社エス・ワイ・エス https://www.sys.ne.jp/
株式会社アンティローザ http://www.auntierosa.com/
北斗印刷株式会社 https://aizu-hokuto.com/
株式会社ジャパンギャルズ(愛媛県四国中央市) http://japangals.jp/
株式会社馬里邑 http://www.marimura.co.jp/
健康コミュニケーションズ株式会社 https://kenkouc.com/
株式会社日本文芸社 https://www.nihonbungeisha.co.jp/
株式会社パスポート http://www.passport.co.jp/
株式会社三鈴 http://misuzugp.co.jp/
マルコ株式会社 https://www.maruko.com/
株式会社エンジェリーベ https://www.angeliebe.co.jp/
RIZAPイノベーションズ株式会社 https://www.rizap-golf.jp/company/
株式会社タツミプランニング http://www.tatsumi-planning.co.jp/
株式会社ビーアンドディー https://www.bnd.co.jp/
今後のライザップの事業展開
それでは、今後のライザップの事業展開はどのようなものとなるのだろうか。
ライザップは、今季にグループ化した赤字企業の黒字転換による収益向上、
また、RIZAPボディメイク事業の成長に加え、RIZAPゴルフの黒字化によって、営業利益は130億円程度を見込んでいるようだ。
また、グループ会社では、例えば、マルコは2017年3月期に黒字転換して1億3500万円の営業利益を出したが、
グループの広告宣伝ノウハウを共有化し、RIZAPとのコラボ商品の投入などの積極的な増収策を取ることで、
今季の営業利益は12億円と大幅増益を見込んでいる。
このように、RIZAPグループ入りすることによって、
営業戦略の転換とコスト管理の徹底がなされ、グループ入りする前は赤字に陥っていた会社が次々に蘇り、高収益企業として成長戦略に転じている。
近年非常に大きな力をつけ事業拡大を行なってきたライザップ。
それでは、そのライザップの株はどのような動きを見せているのだろうか。
2章ライザップの株価
ライザップ株を語るうえで、この銘柄の伸び方は特筆するべき点がある。
それは何よりも2014年以降の株価の伸び方である。
ライザップ株の最安値は2009年の約6円
に対して、最高値は2015年の1004円と約170倍もの大幅な高騰を起こしているのである。
ここまでの伸び方をしている株というのは多くなく、所謂高騰の一つである「テンバガー」をはるかに超えている金額なのだ。
これはもちろん営業成績に比例した結果でもあり、
売上高も2012年から2017年までを見ても非常にきれいな右肩上がりで推移しているのである。
2017年6月30日の東京株式市場では、日経平均株価が一時、273円程安の1万9946.51円と急落した。
それに伴い、任天堂やソフトバンク株が売られ、ハイテク株が軒並み大幅安となった。
そうした中、RIZAPグループの関連銘柄が、全て年初来の高値を更新するという現象が起きた。
RIZAPグループの傘下であるジーンズメイトは676円(100円高)のストップ高。6月27日〜30日と連日高いのだ。
業績と照らし合わせてみると、6月度の既存店売上高は前年同期比9.1%減で、4ヶ月連続のマイナス成長である。
よって、株価だけが一人歩きしているという状態となっている。
もっとも新しくRIZAP銘柄に加わった堀田丸正は、4月13日の年初来安値である107円から5.3倍となった。
丸正が堀田産業を級数合併し、和装や寝具を扱っている。2016年の年間高値が144円、安値が47円。
2008年には26円という超安値をつけている。その銘柄が、なぜ急騰しているのか。「RIZAPグループ入りしたから」という以外の理由が見つからない。
ライザップ株の上がる要因
RIZAP銘柄が揃って高騰しているのには、ちゃんとしたカラクリがある。
この株価暴騰の間に、株式を2分割した銘柄が新興市場に2つある。
株式分割は、かつてライブドアが自社の株価をつり上げるためによく使った。株式の大量分割は、
経営破綻した企業で株価の増量剤として使われた「禁じ手」でもあるのだ。
大型分割は2001年10月の商法改正で実現可能になった。2000年4月にIPO(株式の新機公開)したライブドアは、
株式の分割を繰り出した。2001年5月に3分割、2003年6月に10分割、2003年12月に100分割、2005年6月に10分割した。最初の1株が3万株になったことになる。
ライブドアは、株式分割が株価をつり上げる特効薬であることを知っていたのだ。
ここで注目すべきはRIZAP銘柄が株式分割を連発していることに留意しておく必要がある点である。
それは今後、さらに大きな分割を行う可能性があるからだ。
ライザップグループは企業コンセプトに【「人は変われる。」を証明する】を掲げており、今後も引き続きこの言葉に関連した企業にM&Aを仕掛けていく可能性がある。
『ライザップ』自体の大成功、そしてM&Aを行った各企業の業績回復基調が著しく、その事業再生手腕に注目が集まっている。
この状況からライザップ関連銘柄は今後も株式市場の重要テーマの一つとなってくるかもしれない。
さらに、ライザップ株の今後の変動要因として、注目しておかなければならないこととして、証券市場の変更可能性という事柄をあげている専門家も多い。
ライザップ』で一躍有名となった同社は知名度、時価総額の両面から見ても既に子供から大人まで誰もが知っている有名企業である。
テレビCMの多さなどを見ても、既存の東証1部上場企業以上のメジャー企業と言っても過言ではないだろう。
しかし現在、RIZAPグループは未だ、札幌証券取引所アンビシャスへの単独上場のみという、投資対象としてはやや不便な銘柄となっている。
ライザップは札幌証券取引所単独上場企業の中では当然の時価総額1位。
毎年のように東証への上場(市場指定替え)の噂は持ち上がるものの、2017年5月時点で確定情報は出ていない。
地方証券所での単独上場を続ける有名企業が全くないというわけではないが、
大規模なM&A戦略で事業拡大をしているライザップにとっては、新たな資産獲得に向けて、より知名度・投資家数の多い東証への切り替えを考えても不自然ではない。
多くの専門家が、ライザップの抱える投資のしにくさ、資金調達において不便となる点から遅かれ早かれ、
ほぼ確実に東証への指定替えを行ってくるはずだ。という展望を描いているのである。
東証1部指定となればより一層、個人投資家の資金流入も期待される。
何よりも大きいのは東証のみが投資対象に指定されている大手機関(海外含む)の資金が投入されることだ。そうなった場合のインパクトは間違いなく大きい。
ライザップ関連銘柄にとっても株価を刺激するサプライズ材料となるだろう。
ライザップ株の下がる要因
逆に、ライザップ株が下落するときのことを考えてみよう。
現に、2018年3月期第一四半期の最終利益は18.7%減の下落。
RIZAPグループの売上高自体は44%増と大幅に伸びていて、最終利益の数字ほど決算の内容が悪いわけではない。
減益となった理由は、先行投資が要因のようだ。
また、ライザップ株の高騰が一過性である可能性も捨てきれない。
「株式分割バブル」という言葉がある。これは、もともとの目的であった株価の上昇、資本の増加がいきすぎてしまう状態である。
株式分割を利用し、株価の上昇を大幅につり上げるようなことが何度も繰り返されれば、信頼部分での不安が残ることになる。
株式分割に伴い、業績も上がっていくことが理想だが、「ごまかし」の株式分割には注意を払いたい。また、一時的な高騰により、高値掴みとならないように気をくばる必要がある。
いずれの場合も、株式分割が行われている状況なので、株を売り買いする際にはあらゆる面で情報を集めておくべきだろう。
まとめ
以上のように、ライザップ株の高騰と下落の原因には、
- RIZAPグループの傘下企業の急増
- 株式分割
の2点が主であることがわかる。これからライザップ株を売り買いする方は、ぜひ参考にしてほしい。
ライザップ株を持てば株主優待でサービスも受けられるし、現在程度の下落であれば損は少ないかもしれない。
しかしながら、株式分割を活発に行なっているがための株価高騰という側面も事実であるので、
信用低下に伴う急な下落には細心の注意を払う必要があるだろう。
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