株式取引の基本は、株価が低い時に買い、株価が高い時に売ること。
そうすることで、その差額が利益となります。
しかしその反面には、もちろんその対価と同等程度のリスクがあることは、正しく認識しましょう!
株アカデミー講師の小野寺です。本日は株の運用におけるリスクを説明します。
■■■ 目次 ■■■
株のリスクってなに?
今回は株式取引におけるリスクを解説させていただく。
株式取引によって得れる利益と、そのリスクを正しく理解した上でリスクマネジメントを行いながら、株式取引を行うことをお勧めする。
特に株式取引の初心者の方や、これから株式取引を始めようと考えている方は、利益の出し方に直結する株式取引の手法や、分析手法などのテクニックに目が行きがちだが、株式取引のリスクを最初に把握しておくことで、株を長く続けることが何よりも重要なのである。
株のリスクって何?4つのリスク
では、具体的に株式取引のリスクとは何であろうか。
株式が、価値が変動する金融商品である以上、リスクは様々なところに存在している。
株のリスクを端的な言葉で言い換えるならば「損失」という言葉になるだろう。つまり購入した株の価値(株価)が何らかの理由で、減少する、またはなくなってしまうことで、自分の資産が減ってしまう。
それが株の抱えるリスクなのである。
今回の記事では、
・株価変動のリスク
・ポジションサイジングのリスク
・企業倒産のリスク
・流動生のリスク
について解説させていただくので、
株式取引初心者の方やこれから株式取引を始めようと考えている方々は、ぜひ参考にしていただきたい。
株価変動のリスク
株式取引の利益は、買った株の株価が上昇した際に発生する。
それと同様に、株のリスクも株価の変動と共に生まれるのである。
つまり、例えば自分の購入した株式の価値が、
購入時から下がってしまい保有する株式の価値が下がってしまうというリスクである。
株価変動のリスク(現物取引)
まず株式の代表的な取引には株式を買って値上がりしたら売却するという取引がある。
所謂、株式の現物取引と呼ばれるものだ。
この場合、株を買った場合には、株価が上がれば利益が出て、下がれば損失が出るという仕組みになっているのはご存知であろう。
例えば、
ある企業を1株100円で1000株購入し、数日後に120円になっていれば20円の値上がりとして、20000円(20円×1000株)の利益と なる。
逆に80円になっていたら、20円の値下がりとして20000円(20円×1000株)の損失となってしまう。
株式の現物の買いには、このような値下がりによる損失のリスクがあることを覚えておこう
株価変動のリスク(信用取引)
株式取引で利益を上げる方法として、株価を借りることで先に株式市場で売って後で買い戻して返却をするという取引がある。(信用取引の売り)。
その仕組みは少し説明が難しいので、ここでは省略させてもらうが、この場合には先ほどのケースと逆で株価が下がれば利益が出て、上がれば損が出ると認識しておいてほしい。
〈株式の信用売りについて詳しく知りたい方はコチラ〉
https://kabushosin.net/先物取引とはなにか?基本理解編
ある企業を100円で1000株信用売りをし、数日後に120円になっていれば20円の値上がりとして、20000円(20円×1000株)の損失となり、逆に80円になっていたら、20円の値下がりとして20000円(20円×1000株)の利益となるのである。
株式の信用の売りには、このような値上がりによる損失のリスクがあることを覚えておきましょう
ポジションサイジングのリスク
そもそもポジションサイジングとは、投資対象に対してどの程度の資産(金額)を投資するかを決定することを指す。
例えば、常に総資金の一定割合を投資する、常にリスクを一定にするように投資するなどの手法があるが、もちろん株式取引額が多ければ多いほど、そこから生まれる利益は大きなものとなるが、そのぶん損失のリスクも拡大するのである。
株式投資をする際には自分の資金をどれくらい投じるかによってリスク度合いが異なる。
さらには先ほど信用取引の話をしたが、信用取引では自分が持っている資金や株式などを担保にして自分が持っている資産以上の取引ができるという特徴があるため、
株式取引のリスクを正しく把握しないまま、信用取引で大きな金額を運用してしまうと、投資金額以上に損失額がふくらんでしまうというような、意図しない損失が出ることがある。
これが信用取引によるリスクである。
また信用取引でなくても、株式投資を始めたばかりの人は株を買う量をどれくらいにすれば良いのかという点で迷う人が多いと思う。
もちろん資金は少なく、1銘柄あたり100株しか買えないというのであればポジションサイズ上の問題はほとんどあるわけではないが、例えば資金200万円以上ある場合など、そのポジションサイジングで迷ってしまうのである。
1銘柄に資金を集中させたほうが良いのか、それともたくさんの銘柄に分散させるべきか、そして時間的にも分散さ せたほうが良いのか、投資する量やタイミングにより様々なリスクが生じ流のである。
企業倒産のリスク
世の中で株はこわいものだと思われている大きな一つの要因として、この企業の倒産リスクというものがある。
企業は事業活動を通じて利益を上げていくもので、株式取引はその企業が事業を行う際に執拗な資金調達の一環として株式を発行する。
保有している株式会社の業績が順調に上がっていけば、それに応じて配当金を受け取ることができたり業績が良い企業の株式は、市場で株価が上昇するため保有している株式を売却することで利益を上げることができる。
時に利益が全く出せない状態になってしまったり、会計を不正に操作するなどといったことを行ってしまい上場が廃止になってしまうことがあります。
この上場廃止になることを、広い意味で倒産と言っているのである。そのようなタイミングで株を保有していた場合には、保有している株の価値が二束三文になってしまうし可能性は低いが全くの無価値となってしまう可能性も0ではないのである。
もちろん倒産による上場廃止というのは頻繁にはあるわけではないが、株式投資をする上でこのようなリスクも考慮して行う必要があ流のである。
スカイマークの例
近年の上場廃止の例として、2015年のスカイマークの例を取り上げておこうと思う。
2015年1月当時国内第3位の航空会社スカイマークが破たんしてしまったのだが、2014年の決算短信によると、他社との競争激化・燃料費用の負担などで赤字がかさみ、そこに追い打ちをかけるように取引先とのトラブルが起こったことが原因で上場廃止となったと言われております。
ちなみに下記のチャートは上場廃止決定後のスカイマークの株価の動きである。
株式取引初心者の方に向けて一応ご説明しておきますと、株価チャートとは株のグラフのことで中で動いているグラフが下に動くと株価が下がったことを指し示しております。
赤枠の中では株価は一気に値下がり、グラフ側面の数字0の近くまで株価が落ちていることが分かりだろうが、いったん破綻するということが決定すると、株価は0に近づきなおかつ売りが殺到するために、すぐには売却することができなくってしまうのである。
破綻直前に最低取引単位である1000株を保有していたとしても、残念ながら数十万円の損失が出てしまい、企業倒産のリスクは、株式取引のリスクの中で最も恐れるべきリスクと言えるだろう。
流動生のリスク
流動性とは、簡単にいうと株式の売買しやすさのことを指す。
株式取引は株を買う人と売る人の双方の需要と供給にバランスによって売買が成り立っているため、
ある銘柄を売りたい人が多くて、買いたい人がほとんどいない状態では株の売買は成りたたないのである。
この状態を「流動性が低い」というのだが。
銘柄の中では、流動性が高く売買したい時にいつでも自分の希望に近い値段で売れる銘柄もあれば
流動性が低いために保有している株を自分の希望価格で売りたくても売れないような銘柄もあるので株式の流動生は、取引を始める前に確認・検討しておくことをお勧めいたします。
流動生が低い例:不人気銘柄
人気がなくて流動性が低い銘柄も存在しています。
そのような銘柄は購入した後、売却を検討した際にその株を欲しいという他の投資家が安い値段を提示し買いの意思を示している時が多く、希望の価格で売ることはまず難しい。
急落の可能性がある、株価が現状以上に上る要因がないなどの場合など、どうしても売らなければならなくなった時には、その投資家の買い値段で売る必要があり(所謂、買い手市場)これも流動性が低い状態、つまり流動性リスクが高い状態だと言えるのである。
例えば、1000円で購入した銘柄があったとして、何らかの理由で、すぐに手放したくなった場合に、買った価格より1円安い999円で売却できる銘柄もあれば20円下の980円でしか売却できないような銘柄もあるのである。
流動生が低い例:一時的な停滞
ある銘柄に業績が大きく悪化したというニュースが出たとします。
その次の日にその銘柄に投資家の売りが殺到した場合、売買が成立しないのに株価だけが下がっていく現象が生じる、所謂、売り気配と言うものではあるが、これも売るに売れなくなるという一種の流動性のリスクである。
さきほどのスカイマークのチャートでも株式を売りたくても売れないという状態になっていたということをご紹介させていただいておりましたが、例えば業績の大幅な悪化、事業の先行き不透明の露出などでは
「ストップ安」と呼ばれる現象が起き、一時的に売りが殺到して株が売れない状態に陥ることがあるのである。株式取引において流動性はとても大切なものなのである。
株での大損等に関する事例はこちらに記載しているため、是非チェックしてほしい。
株のリスク回避手法
株価の変動による資産の損失が、株式取引におけるリスクであることは、ご理解いただけたことと思う。
では、次にリスクヘッジ、つまり株式取引によって想定されるリスクへの対応・対処方法を簡単にご紹介する。
株価変動のリスク
株価変動の際のリスクヘッジとは、例えば現物の株式(株価が上昇したら利益の上がるもの)の買い付けを行う際に、同時に先物取引(株価が下落した際に利益の上がるもの)の売り注文を出すことによって、株価が急騰・急落した際にどちらかの株で、損失(=リスク)を、補うことができる。
というものである。
察しの良い人はもうお分かりだと思うが、株式取引とは買っている株式と売っている株式のバランスをうまくコントロールすることによって(自分の資産の範囲内で)、それによって発生するリスクに対して対処することができるのである。
ポジションサイジングのリスク
株価変動のリスクにも共通しているが、一度に買う(または売る)株の量を意味するポジションサイジングで損失を回避するには以下の一言に尽きる。
「自分の経験に沿わない量の株式を一気に買ったり売ったりしないこと」
株式投資をする際にはどうしてもメンタル面が強く影響してしまうものである。含み損を出してしまっている状態では、その夫妻を取り戻すために大きく株式の取引を行ってしまうなど、少しでも株式取引を行った経験がある方であれば、誰しもが一度は経験することである。
しかし、そういう時こそ冷静になって、小さな利益を積み重ねる必要があるのである。株式取引は一括千金を狙うものではない。
あくまでも、資産運用であり、対等や売買差額を少しづつ積み重ねていくものである。
よく一度の取引で何億円もの金額を稼ぐという話は、夢があって一眼を大いに惹くのであろうが、ああいった話は、個人トレーダーにとっては、小さな積み重ねを続けている中で、いくつかの偶然や、事件が重なり起こるものである。
そのため、自分の経験に沿わないポジションサイズで投資を行うとどうしてもテクニックや知識だけではカバーできない損失が発生してしまうものなので、株式取引を行う際は自分自身で明確にルールを設定することが大事なのである。
経験を積むうちに、その自分のルールがより繊細で緻密なものとなっていき、いつの間にか自分の取引スタイルとして確立していくのである。
余談ではあるが、もし最初のルールの作り方がわからない、と感じた方は一度、株のセミナーなどに参加することをお勧めする。実際に市場で活躍している現役のトレーダーが、その取引手法(=ルール)を解説している講座は山のようにあるので参加してみるよい。
株のセミナーといっても、上級者向きのものから初心者向けのものまで多種多様に存在するが、初心者〜中級者の方にオススメなのは、〈株アカデミー主催のセミナーである〉
詳しいことは、セミナーに参加すれば初心者の方にもわかりやすく解説していただけるが、
簡単にその取引手法のルールをまとめると
・ポジションは5つまで
・運用資金を5分割して取引を行う。
など、シンプルながらも戦略的に練り上げられたものである。
株式取引に関わらず全ての物事に共通して言えることだが、技術の習得は全て模倣から始まるのである。つまり上手くいっている人の真似をすること、そのために、上手くいっている人の手法をより深く学ぶことが初心者〜中級者の方には求められていると私は思う。
話を戻すと、具体的には初心者の内は、少量のポジションサイズを心掛け、中級者以上になったら信用取引などを併用して本格的な売買に移る方ことが一般的には推奨する。
様々な知識や、自分に見合った手法が固まったら、徐々に取引金額をあがえていくなが良い。株式取引の世界で、背伸びは禁物なのである。
企業倒産のリスク
企業の倒産件数は年間ベースでみると非常に少ない、だが実際に保有している株式が倒産するリスクはゼロではないのである。そのため倒産の可能性の高い企業を前もって確認しておくことが重要なのである。
具体的には株を表面的な値動きだけで見るのではなく、財務状態や事業展開の好不調などを把握してすることで倒産前に保有している株を売却できることもある。例えば大手取引先とのトラブルや業務提携の解消、業績の長期的な低迷などがそれに当たる。
流動生のリスク
流動性リスクに関しては、常日頃から銘柄の出来高が少なすぎないかのチェックと注文板のチェック(株価の値段が大きく飛んでいないか)をして流動性が高いかどうかを把握するようにすること。
意識的に流動性が高いかどうかをチェックしていれば一番容易に避けることのできるリスクですので、初心者の方はそれに留意して実際のチャートや注文表を見ながら勉強することをお勧めいたします。
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