はじめに
余剰金の範囲内で株式投資に取り組むにしても、初心者のうちから時価総額の高い銘柄に手を出しては大損するリスクがあります。
また世間的に優良株として周知されている銘柄では値上がりするのに時間がかかり、利益を上げるために数年を要することもあるかもしれません。
そこで今回の記事では、株初心者でも手を出しやすいボロ株のメリットや注意点について解説します。
ボロ株は銘柄の選び方さえ間違えなければ利益率が上がりやすく、少額投資でも取り組みやすいことが特徴的です。
ただボロ株では注意点も多く存在しています。ボロ株で注意点を守りながら利益を上手に上げていくには、具体的にどのようにすればいいのでしょうか。
1章:ボロ株のメリットとは
この章ではまずボロ株のメリットについて解説していきます。初心者だけでなく一般の投資家たちも参入しやすい特徴を持つボロ株ですが、その具体的なメリットとしては以下のようなものがあります。
1ー1 株価が安い
ボロ株の定義は基本的に株価が安い銘柄であることなのですが、ここで言うところの「株価が安い」銘柄に割安株は含まれていません。
割安株とは企業としての業績や事業内容に問題がない状態にもかかわらず市場価値が低いと評価された銘柄のことを指しますが、それに対してボロ株は何らかの悪材料を企業が抱えているために株価が安いという場合がほとんどです。
しかし1株あたり500円程度までのボロ株であれば最低単元株価そのものが安いため、多くの投資家たちがその銘柄を購入した場合には株価が顕著に上昇しやすいという土台があります。
1ー2 株価が跳ね上がりやすい
特にボロ株はストップ高になる場合を除き、株価が短期間で跳ね上がりやすいというメリットがあります。
時価総額の高い銘柄であれば20%値上がりするだけでもかなりの時間を要しますが、そもそもの時価総額が低いボロ株であれば好材料が出た時点から株価が爆発的に値上がりすることも少なくありません。
そうした急激な値上がりに乗じて売りに出せれば、ボロ株での少額投資と言えども馬鹿にできない利益を上げることができます。
1ー3 分散投資で損失額を抑えやすい
ボロ株をメインに据えて株式投資を行う場合、1銘柄のみに集中投資してしまうと大損するリスクがあるため、ボロ株の投資方法では分散投資で損失額を抑える方法が一般的に推奨されています。そのため1銘柄で損失が出たところで時価総額の高い銘柄よりは損失額は少なく抑えることができます。
1ー4 株式投資の場数を踏みやすい
特に株初心者のうちであれば株式投資の場数を踏んでその感覚に慣れることが重要なため、そういった意味でもボロ株は初心者にとってメリットがあると言えるでしょう。
同じ投資額でも最低単元株価が高い銘柄であれば良くて数銘柄分の場数しか踏めませんが、ボロ株であれば銘柄選びによってはそれなりの場数を踏めることが想定されます。
2章:ボロ株のデメリットとは
前章ではボロ株のメリットを簡単に紹介しましたが、この章ではボロ株のデメリットについて解説していきます。
インターネット上の株初心者向けのサイトの中にも初心者にボロ株は不向きだとする記事がありますが、ボロ株は初心者にとってのメリットも多い一方で注意点を疎かにすると損失が簡単に出てしまうというデメリットもあります。具体的にはどのような点に注意するべきなのでしょうか。
2ー1 悪材料を持つ銘柄が多い
前述した割安株であれば優良企業であるにもかかわらず現時点での株価が安いことが特徴的ですが、1株あたり500円未満とされるボロ株では企業そのものが悪材料を抱えていることも多くなります。
例えば業績不振のような倒産リスクをはらんだ企業もボロ株には多数混じっているため、企業そのものの情報を調べ上げずにボロ株に手を出してしまうと株を購入して間もなく損失を出すことさえあるほどです。
そのボロ株に株価の上昇余地が残されているのかどうかは適宜確認していく必要があり、その作業を面倒に感じる人にはボロ株投資は確かに不向きだと言えるでしょう。
2ー2 流動性が低い
ボロ株はそもそも時価総額が低い銘柄であるために、一般的な優良銘柄よりもその流動性が低い傾向にあります。
流動性が低いということは出来高も自動的に少ない状況になるため、自分の望むタイミングで売却できないリスクがあります。
仮に株価の安さを見込んで購入したはずのボロ株が購入時点よりもさらに株価が下落し、自分の想定以上の損失が出ることも実際には起こり得るということです。
2ー3 仕手株の可能性がある
ボロ株は株価が短期間で跳ね上がりやすいことは前述しましたが、その爆発的な株価の上昇が実は偽りの上昇であることもボロ株の場合では多々あります。
ある投資家がその銘柄の株価を上げるために買い注文を多数入れれば一時的には株価の急激な値上がりが見られますが、それに無条件で食いついた途端に株価が急落するリスクがあるのは、他の時価総額が高い銘柄同様です。
いくら時価総額の低いボロ株と言えども好材料が飛び出さない限りは、株価が何の根拠もなく突発的に値上がりすることはまずありません。
その辺りの冷静な判断が下せるかどうかが、ボロ株で利益を上げられるかどうかに直結していると言っても過言ではありません。
2ー4 株価チャートや相場の流れによっては大損することも
ボロ株はあくまでも短期間での投資方法に適した銘柄と言えるため、ボロ株に投資するのであれば可能な範囲で株価チャートや相場の流れを観察しておく必要があります。
そのため日中は定時で拘束されるサラリーマンとして働いている投資家であれば、目を離している隙に損失を被っているという事態をも想定して動かなければなりません。
その点では逐一株価チャートを確認できない初心者には、ボロ株で利益を上げることは多少ハードルが高いと言えるかもしれません。
3章:ボロ株で利益を上げるためには
ボロ株のメリット・デメリットの双方を確認したところで、この章では具体的にボロ株で利益を上げるための対策について解説していきます。
ボロ株の特徴をある程度掴んだまではいいですが、何の対策もなしにボロ株に投資してしまうと損失額を無意味に大きくすることにもなりかねません。
ボロ株で利益を上げるためには具体的に、以下のようなポイントに則って対策を打つ必要があります。
3ー1 二桁代の銘柄には手を出さない
ボロ株は安い銘柄であれば1株あたり二桁代で購入できるものもありますが、こうした銘柄は特にリスクが高い傾向にあります。
少額投資を考える初心者であれば手を出しやすい銘柄とも言えそうですが、ボロ株を購入する際にはこうした二桁代の銘柄は手を出さない方が無難でしょう。
3ー2 スクリーニングを利用して銘柄選びをする
ボロ株そのものは通常の場合だと値動きがあまり見られませんが、好条件が飛び出したり業績が上方修正された場合には大幅な値上がりを示すことがあります。
そうしたボロ株の値上がりを見つけ出す方法として最適なのが、スクリーニングを利用しての銘柄選びです。
検索条件によっても引っかかるボロ株の銘柄が左右されますが、例えば最低でも10%以上の値上がり率が確認できるボロ株に絞れば、後はその中から出来高を伴う大幅値上げが確認できたボロ株のみを選別するだけです。
大幅値上げしているだけでは特定の投資家の操作による仕手株という可能性も否めないので、出来高を同時に確認して市場での取引が活発化しているかどうかを確認する必要があります。
3ー3 利益確定は短期で行う
ボロ株は大幅な値上がりが起こりやすい反面、その値動きが下落してしまうのもほんの一瞬です。
そのためボロ株の長期保有は損失額が大きくなるリスクがあり、大幅な値上がりが確認できた時点でなるべく迅速に利益確定してしまうべきです。長期保有しておいて高値圏で売却したいという気持ちは湧きますが、高値圏からの株価の下落までに売却が追いつかないこともあるため、利益確定は短期で行うよう心がけましょう。
3ー4 損切りは迅速に行う
ボロ株の株価は乱高下しやすいという特徴があり、その特徴を活かして値上がり時点での利益確定を目指すのがボロ株の最も有効な投資方法となります。
しかしプロの投資家でさえ100%自身の予想通りに取引が進められないように、初心者のうちからボロ株へ投資していると予想に反して購入時点より値下がりしてしまい、含み損が出ることも度々あるでしょう。
ボロ株の特需は特に予想が難しいため、利益確定のタイミング同様に損切りが重要になります。
含み損が確認できた時点で損切りを迅速に行えなければ、損失額を不必要に大きくすることにもなりかねません。値動きの激しいボロ株だからこそ、一瞬で売買タイミングの判断を下さなければならないことも多いです。
3ー5 分散投資をしてリスクヘッジする
いくら最低単元株価が安いボロ株と言えども、特定の銘柄に集中投資してしまうと損失ばかりが大きくなりいずれはカバーしきれなくなってきます。
それを未然に防ぐ意味でも複数の銘柄に分散投資しておくことで、損失額をなるべく少額に抑えることができます。
そもそもボロ株では悪材料が出た時点で株価が急落することが予想されるため、分散投資をしてリスクヘッジしておく必要があります。
各銘柄にどれだけ投資金額を割くか決めにくい場合であれば、銘柄の数で割って資金を等分割しておくといいでしょう。
まとめ
ボロ株は金額的に初心者でも投資しやすい反面、値動きが激しいためにリスクヘッジが難しい投資方法ではあります。ただ好材料が出れば即座に大幅値上がりしやすい特徴もあるため、機を逃さずに売買できれば株価の安いボロ株とは言えども利益を上げることは十分可能です。ふとした拍子に株価の値上がりが起こるのがボロ株の醍醐味ではありますが、あまり高望みしすぎない程度の気持ちで一度挑戦してみるのもいいでしょう。
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