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はじめに
近年では日本国内の慢性的な財政難から資産運用に取り組む人の割合が高くなりましたが、資産運用の方法として根強い人気を誇るものの一つに株式投資があります。
特に最近では少額から始められる信用取引を提供する証券会社も増えており、資金源が限られる個人投資家でも株式に手を出しやすい環境になりつつあります。
ただ株式投資に手を出して間もない株初心者はその9割が損をしているとも言われ、株式投資で利益を上げられない人たちにはいくつかの共通項が見られます。
そこで今回の記事では株初心者にありがちな株式投資のミスと、それに関する対策について解説します。株式投資とは奥が深く初心者には難しい側面もありますが、
知識を身につけ初心者によくあるミスを回避できれば損失を抑えながら効率良く投資することも可能です。
株式投資で思うように利益が上げられない人は、これを機にまずは当てはまるミスがないか確認するところから始めてみましょう。
1章:株初心者にありがちなミスとは
この章では株初心者にありがちなミスについて解説していきます。
株式投資を始めたはいいもののインターネットや書籍で仕入れた知識だけで投資している人も割と多く、初心者だからこそ犯しがちなミスが実際にあるものです。
自分が初心者によくあるミスを犯していないかどうか、以下で確認しておきましょう。
1ー1 ロスカットしない
株初心者に最もありがちなミスの一つとして、ロスカットをなかなかしないというものがあります。
株初心者とはいえども自分なりの戦略で決めた銘柄を手放したくないと思い、含み損がある銘柄と分かりつつも惰性で保有し続けてしまうことが初心者にはよくあります。
株式投資で損失を最小限に留める上ではチャートの動向次第では、損失額の少ないうちにロスカットできるかどうかが重要となります。
1ー2 予想と違う結果による利益を過信する
たとえプロの投資家であろうとも、毎回のように自分の予想通りに株価チャートが変動するとは限りません。
予想とは食い違う結果になり損失を被ることもあるでしょうし、その一方で利益を大きく出すこともないとは言い切れません。
ただ初心者ほど予想とは違う株価チャートの動きによって得られた利益を「勝ち」ととらえてしまいがちですが、それは実際には「ビギナーズラック」のようなものでしかありません。
例えば低位株が暴騰したことにより利益を得た人であれば、それ以降も暴騰することを過信して低位株ばかりに投資してしまうことも往々にしてあるでしょう。
株式投資での「勝ち」は利益が出ることではなく、自分の予想通りに株価チャートが変動することだと捉え直した方がいいかもしれません。
1ー3 常にポジションを持とうとする
株初心者が自分の予想通りに多少なりと利益を得られるようになると、利益を現金化して手元に置いておくよりも、継続的に何らかの銘柄に投資しておいた方がいいように錯覚してしまいがちです。
しかし株式投資では現状の相場が物を言うため、相場の流れが悪い時に無理してポジションを持ってしまうとその銘柄の株価が下落し続け、結果的に塩漬け株を買ってしまうことにもなりかねません。
そうなればその銘柄に投資している資金は流動性をなくして資金のやりくりに困り、別の銘柄が絶好の買いチャンスになった瞬間でさえ投資できないという事態も十分考えられます。
相場の流れを読まずにポジションを持つことは非常に危険な行為であることを忘れてはなりません。
1ー4 複数銘柄で分散投資する
株初心者の投資方法をレクチャーする記事において、複数銘柄での分散投資を推奨するものが散見されます。
潤沢な資金がありいくつかの銘柄の資金が凍結してもいい投資家であれば問題ありませんが、資金額が限られる個人投資家では以下のようなリスクをはらむことがあります。
・複数銘柄を同時に分析できない
・一部の銘柄での損失を他でカバーしきれない
・資金が凍結する可能性がある
・分散することでそれぞれの利益が小さくなる
分散投資も方法次第では不要なリスクを抱え込むことになり、少額での株式投資を希望している投資家には複数銘柄を利用しての分散投資は向いていない可能性があります。
1ー5 低位株ばかりに投資してしまう
最近では少額でも株式を保有できる低位株に注目が集まっていますが、初心者がよく勘違いする内容として低位株はイコール割安株であるというものがあります。
低位株とは少額で投資できる反面、業績不振の企業が多く混じっていることが特徴的です。
企業の業績は芳しいにもかかわらず市場としての注目度が低い場合には割安株であると判断できますが、企業としての業績が芳しくない低位株の場合であれば必ずしも株価が高騰するとは限りません。
値上がりする見込みの薄い低位株に投資して塩漬け株を作ってしまわないためにも、投資予定の銘柄が本当に割安であるかどうかは適宜確認する必要があるでしょう。
1ー6 投資している企業の情報に疎い
株初心者ほど流行の銘柄につい飛びついてしまいがちですが、何の根拠もなく投資するのは賢くありません。
投資している企業の事業内容や業績の推移、最新のニュースも分からない状態で投資していては大きな損失を被ることにもなりかねません。
1ー7 チャートの指標を多用しすぎる
株価チャートを参照しながら投資していくテクニカル分析では、チャート専用に用いられる指標というものがいくつも存在します。
チャートの指標の意味を理解して活用する分にはいいですが、あまりに複数の指標を多用しすぎるとかえって株価の動向を見にくくしてしまうというミスにもつながります。
また全ての指標が買いサインを示す瞬間というのもほぼないので、指標を使うにしても数や種類を限定した方がいいでしょう。
ここまでの内容以外にも株初心者にありがちなミスは数え上げればキリがありません。
ただ総じて言えることとして、株初心者ほど自分のミスを認めず一つの方法にのみ固執しがちということです。
自分に該当するミスが見つかったのであればそれをきちんと受け止め、次章で紹介する対策で持って克服しなければなりません。
2章:株式投資にありがちなミスを克服するには
この章では前章で紹介した、株初心者にありがちなミスを克服するための対策について解説していきます。
株式投資では少なからず自分の資金を動かすため、損失額が大きくならないうちにミスを改める必要があります。
その具体的な対策としては以下のようなものが当てはまります。
2ー1 時には休むことも戦略の一つ
株式投資に手を出して間もない初心者であれば、株を保有しなければ利益を出すチャンスが得られないと勘違いしてしまうことも無理からぬ話ではあります。
しかし株式投資で利益を安定的に出す上では相場の流れを読むことが非常に重要であり、相場の流れが良くない時期に特定の銘柄を保有することで、かえって含み損が出たり塩漬け株を作ってしまうことさえあるほどです。
株式投資における格言の一つとして「相場は明日もある」というものがあります。
今日中にポジションを持たなければ今後一切、株式投資ができないという訳ではありません。
前兆のない株価の下落や高騰に飛びつきがちな人ほどいったん深呼吸し、冷静に対処する癖をつけるよう心がけるといいでしょう。
2ー2 売買の判断基準を決めてしまう
株式投資を始めてから長く続けている個人投資家や何らかの企業に所属している機関投資家であれば、長年やってきたなりの確固たる判断基準があるものです。
しかしその一方で株式投資のルールを学びながら実践している最中の初心者では、株の売買に関する判断基準がブレてしまうことがしばしばあります。
この判断基準がブレてしまうことで利益確定のタイミングがずれて利益が出にくくなるだけでなく、ロスカットするタイミングを間違えて損失額が大きくなりやすいことは言うまでもありません。
脱初心者を掲げるのであれば自分なりの判断基準を一度決めてしまい、適宜調整しながら投資していく冷静さが必要です。
2ー3 分散投資するなら1銘柄だけに絞る
前章では複数銘柄での分散投資は、少額で株式投資をしている初心者には向かないという話をしました。
ただし複数銘柄ではなく1銘柄に絞って分散投資するのであればこの限りではありません。
1銘柄での分散投資と聞くと理解しにくいかもしれませんが、投資するタイミングや金額を分散させることでより確実にリスクコントロールしやすくなります。
これまでの企業の業績や相場の流れから見て優良企業の1銘柄に絞ったとしても、大手企業だからといって必ずしも株価が暴落しないとは限りません。
東電や東芝などのような大企業でさえ株価が暴落する時代だからこそ、1銘柄に投資する際にも一挙に大枚をはたく事態は回避しなければなりません。
1銘柄での分散投資を実践したいのであれば、まずは毎月何日にいくら投資するかを決めてみるところから始めるといいかもしれません。
2ー4 投資する企業の情報に敏感になる
インターネット上でも株式投資に関するさまざまな情報が飛び交い、狙い目と言われる特定の銘柄はと言えば流行のように移り変わっていきます。
そうした流行に便乗して投資するのは構いませんが、その企業に投資するからには企業そのものの情報に敏感になる必要があります。
特に何の根拠もなく投資していると企業の動向に疎くなり、どのタイミングで利益確定やロスカットすべきか判断を誤ってしまうことも実際にはよくあります。
投資すると決めたからにはその企業に関する情報については、徹底的に精査するだけの努力が必要であることは言うまでもありません。
まとめ
株式投資で利益を安定的に出すためには十分な知識と冷静な判断力が必要とされますが、初心者のうちから全てを持ち合わせることはかなり厳しいものがあります。
しかし株初心者である現状を打破するだけでも投資に対する考え方が変わり、それに伴うように結果が変わります。
株初心者を脱却するためにも現在の自分を振り返り、そのミスを認めて改善することが損小利大の第一歩であると言えるでしょう。
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