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はじめに
株式取引を行ううえで、損失が出ることは投資家である以上免れないことです。
しかし、その一回の損失を安易に失敗と呼ぶかどうかはまた別の話になります。
一週間単位でみた損失を失敗と呼ぶのか?
1か月単位で見たときの損失を失敗と呼ぶのか?
1年単位で見たときの損失を失敗と呼ぶのか?
はたまた一生単位の損失を失敗と呼ぶのか?
株に失敗はつきもの
株取引は「利益が損失を上回る」ことで初めて利益になります。
ですから、利益の前の損失を恐れていては、株取引は不可能です。
なぜならば、株価は常に変動し続けるため、というのはお分かりかと思います。
そして、株価が上がり続ける銘柄というものは存在せず、同じように上がり続ける株のみを見抜くというのも間違いなく不可能だからです。
もちろん、必要以上の損失を受けないことで利益を上げるという方法はとるべきですし、それが出来なくては株で利益を出すことはできません。
失敗の原因はほとんど勉強不足
株で失敗する人の多くが勉強不足、知識不足である。
といえるのではないでしょうか。
株に対する知識があるのとないのとでは、知っている人との差が如実に出てくるのです。
こと株式投資では、そういったタイミングは非常に多くあります。
例えば、2017年春、特定外来生物である「ヒアリ」が日本で確認されたとき、害虫駆除系の企業の株価は大きく動きました。
このニュースをいち早く聞きつけ、すぐに害虫駆除系の商品を扱う企業の株を買った人は、その後の値動きである程度の利益を得たことかと思います。
しかし、このことを知らずにただ上がっていく株価を眺め、上がりきったところでその株を成長株と勘違いし買ってしまった場合、ヒアリの騒動が収まるにつれ値下がりしていく株価を見て損切のように売ってしまう。といったことも想像に容易いのです。
他にも、株価チャートが株価だけでなく、移動平均線を加えることで売買の指標になりえる。ということもあります。
もし、この文章を見て何を言っているのかわからないとすれば、それは勿論勉強不足であり、そこから知れるはずだった株価の値動きも分からず仕舞いとなり、結果株で失敗する一つの要因となってしまうのです。
こういった株価やそれに付随する利益を生むもの、損失を出しかねないものに対する勉強というのは、これから先、株式投資をしている間は継続して続けていく必要があるといえるのではないでしょうか。
投資にはリスクを背負う必要がある
株式投資はギャンブルではありません。
しかし、株式という土壌で取引を行う以上、ある程度のリスクは付随します。
それは勿論、自分の資産を減らす可能性というリスクです。
100万円で買った株が120万円まで値上がりしたなら、20万円の利益を出すことが出来ます。逆に、100万円で買った株が80万円まで値下がりした場合、これは20万円の損失となってしまうのです。
こういったことを繰り返していく事で、結果的に利益が損失を上回れば成功。損失の方が大きければ失敗、となるわけです。
そして投資にはほかにも種類がありますが、株には株にしかないメリットがあります。ではそれはいったいどういうものになるのでしょうか。
株式投資のメリット・デメリット再確認
株式投資は、他の投資と比べ明確にメリットとデメリットを見て取ることができます。
そして、それらの両方を理解することは、株式投資での失敗を減らすための手助けをしてくれる、と考えられます。
では一体、そこにある差はどういったものになるのでしょうか。
☆メリット☆
株式は、株を売って買ってということを繰り返して利益を出すシステムだと思っている人が多いと思われます。しかし、それは株式の利益の生み方の半分でしかありません。
では、もう半分は何でしょうか。
それは、配当による利益です。
例えば、銀行に1.000.000万円を預けて金利を受け取ろうとしても、せいぜい数百円程度の利率にとどまってしまいます。しかし、株式であれば、配当益が3~4%という場合もあります。この株を1.000.000円分所持していた場合、年間にもらえる配当はなんと数万円になってしまうのです。
配当金を狙った株取引は、株価が下落した場合、配当金をもらってもなお損をしてしまう可能性もありますが、それでも銀行の利率と比べれば破格です。
これも資金が減る可能性というリスクがあってこそ、生まれる利益の可能性です。
ここに知識を加えて、値動きが小さくて安定した株価を保ち続ける株を見つけることが出来れば、この方法はかなり失敗を少なくすることのできる方法といえるのではないでしょうか。
勿論株式には同じように分かりやすいデメリットも存在します。
☆デメリット☆
株式投資を行ううえで最大のデメリットは、「資産が減ってしまう可能性がある」ということにつきます。
それは、もちろん世界情勢や自然災害等、予期せぬ外的要因によるところもありますが、自分の判断ミス等、自己責任の失敗ということも往々にして考えられます。
さらに、なかなかない話ではありますが、株で投資をした企業が万が一倒産してしまった場合、株式は無価値になってしまうのです。
株の失敗で借金を背負うことになってしまわないか、という不安は初心者の方はあるかと思います。
ですが、この株式取引であれば、借金をして株を購入しない限り、株の失敗で借金を背負うということはあり得ないのです。
また、株式投資は企業への支援であると共に経済活動の一端を担うという側面もあります。
当然社会情勢が株式に与える影響は非常に大きいので、そういったことにも敏感になるでしょうし、投資している企業の情勢に対しても敏感になることと思います。
それでも失敗はするもの
とはいうものの、どれだけ情報を得ても、どれだけ勉強をしても、どれだけセオリーに沿った正解系の投資をしたとしても、
失敗するときは失敗します。
株式投資をするにあたって、それは仕方のないリスクなのです。
全くリスクを背負わず、ただただお金を増やす方法は、世界中どこを探しても存在しません。
株式で資産を運用し資産を増やす、と決めたのであれば、小さなリスクや失敗に負けず、それ以上の大きな利益を生むということまで考える必要があるのです。
小さな失敗を恐れていては株式で利益を出すことはできません。
その失敗を糧にして、その先にある成功をつかむのが非常に大事なのです。
株式投資失敗事例
失敗事例① 『損切りができない・・・』
教えてgooの方にこんな質問がありました。
私は最近、ネットで株をはじめたばかりの初心者です!
色々なところで自分なりに株の勉強をしていますが、本やネットでも失敗しない方法や儲かる方法など当たり前ですがプラスの話が多いので今回は是非、大損体験した方にお聞きしたいです!
「もう2度と株には手を出さない!」「こんなに大損した~」「家族がこんな大失敗をして大変な事になった…」などなど実際に株で大損した体験談をお話して頂けませんか?
リアルである事、ある事、ありのままに出来れば詳しく教えて下さい。今回はとにかく大失敗を体験した方のお話が聞きたいです。思い出したくないとは思いますがどうぞよろしくお願いします。
引用元:教えてgoo
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/1660537.html
質問 聞かせてください株で大損した(>_<)大失敗話(~_~;)
こんにちは。
株歴は長くて15年です。
それほど頻繁に売買してないのですが、利益が出るときもあれば、損する事もあるので、全体で損益がわからなくなってしまいがちでした。
損の合計、利益の合計を出したところ、結局損でした。利益の出た取引が36件160万の対し、損を出した取引は、10件230万。
つまり、損きりが下手なのですね。
件数は少なくても金額が大きい。
その上、少し上がると売ってしまう。件数多くても金額が少ない。
株向きの性格じゃなかったのかな~。
今は株をお休みして、国債を買ってしまいました。
また、他にも、
911テロの時です。
もちろん日本でも株価は軒並み下がりましたが、損切りというか、損を覚悟で勢いにまかせて売ってしまいました。
でも、落ち着けば株価なんて戻ってくるもの、売りよりも、むしろ買うべきでした。
とあります。
911テロといえば、アメリカだけでなく全世界に影響を与えたほどの大事件です。
これほどの大事件になると、アメリカだけではなく、全世界の株価にも影響を与えます。この事件のせいで株価が下落した株を持っていたこの回答者さまは、売るべきではなく買うべきだったと言っています。
このように他の方の失敗からも学べる点は数多くあるのです。
失敗事例② 『もっと買ってれば・・・』と後悔
Yahoo知恵袋に投稿された、『ご自身が体験された株の失敗を教えてください』という質問に、こんな回答がありました。
本来1000株買うつもりのところを
リスク回避で100株にして他と分散投資したんだけど
分散した方はまるっきり横ばいで
当初集中させて買おうと思った方は株価がピークで12倍になったよ、まだ持ってるけど現在でも10倍超えになってる
リーマンショックの直後だからリスク回避は妥当なんだけど
ちょっとくやしいね
引用元:Yahoo知恵袋
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11152421041?__ysp=5qCqIOWkseaVlw%3D%3D
こちらの回答者様は、100株買った株が10倍の値になった、にもかかわらず失敗といっています。これも本来であれば1.000株買うはずだった銘柄であるが故です。
例えば、この株が1株10000円だった場合、100株買ったときの10倍の値段と1000株買ったときの10倍の値段ではあまりに違いすぎるからです。
もし、このケースで100株買っていたら100万円が1,000万円になりますが、1000株買っていれば1,000万円が一億にまで跳ね上がったのです。
失敗事例③ 『損する意識がとても低いパターン』
『株で大損した。もう絶望したなどと頻繁に見かけますが、なんで?』
株は全くの素人です。
株で「一晩で何十万円も溶かした」という話を良くネットで見かけますが何故でしょうか?例えば1000円の株を100枚持っていたとしてその株が500円と50%下がったとしても損失は5万円です。1000枚単位だとしたらそりゃあ50万円は損しますがその場合は買うのにまず100万円必要ですよね?
100万円を投入して50万円損して「絶望」という感情が出るとしたら100万円と50万円はその人にとってとても大事なお金なんですよね、多分。
じゃあ、何で大事な100万円を全力投球するのか?
私はそこが気になっています(あくまでも稚拙な例で申し訳ないですが)私は競馬をしています。
しかし、堅いと思ったレースでも1レースで全力投球をしたことがありません。
競馬に絶対はないですし、もし敗けたとしてアツくなって敗けを取り戻そうとしてもうまくいくことはほとんどないからです。株で大きく損失する人はたくさんいると思いますが、絶望、欝、破産などの言葉を発している人たちは結局リスクの管理を甘く見ていたことが原因ではないでしょうか?
「この馬は3着以内には絶対来るから複勝1.2倍でも100万円つぎ込める」敗けることを微塵も考えていない。負けたらどう取り戻すのか・・・リスクを考えて行動して。
全力投入をせずに分散させてても株とは簡単に大損してしまうものなのでしょうか?
引用元:Yahoo知恵袋
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12141008987?__ysp=5qCqIOWkseaVlw%3D%3D
という質問がありました。
“株で大きく損失する人はたくさんいると思いますが、絶望、欝、破産などの言葉を発している人たちは結局リスクの管理を甘く見ていたことが原因ではないでしょうか?”
この文面通り、おっしゃる通りです。
あなたのように競馬などで資産の遊び方を知っていればいいのですが
リスク管理ができないまま投資家になり、いわゆるビギナーズラックのようなものが発生し、天狗となったときに一気にリスクを取り、失敗をし大損をするというケースはよくあります。私もデビューした頃、そうした経験をしましたのでよくわかります。“全力投入をせずに分散させていても、株とは簡単に大損してしまうものなのでしょうか?”
時に大損することはあります。
例えばリーマンショックをMAXにして、東日本大震災でも暴落しましたし
2013年5月にも大きな調整という形で、わずか3時間という時間の中、日経平均が1000円を超える暴落ということもありました。非常にマレではありますが、分散させていても大損することはあります。
とはいえ、大損という定義がどのくらいのマイナスを言うのかはよくわかりません。
株式は資産の遊びではなく、リスク管理の必要な運用です。
これを理解しないと、何がどうあれ最終的に失敗します。
それは、ただ損失を被るというところだけではなく、例えば「熱くなりすぎて借金してでも株を買い、結果首が回らなくなる」といった事例であったり、「運用がうまくいかず、悩みこんでしまった結果心を病んでしまう」といった失敗も存在します。
もちろん、これらは稀な例ではあります。
しかし、実際に存在する例でもあるのです。
これらの資産以外のリスクとそれに伴う失敗がある事、重々承知ください。
失敗事例④ 『株誤発注事件』
最後にご紹介するのは、投資家の失敗ではないのですが、株式における失敗としては最大級の事件ですので、ここで紹介したいと思います。
『みずほ証券のジェイコム株誤発注事件』
去年12月、新規上場のジェイコム株は、67万2千円で初値が決定された。
8日午前9時27分、みずほ証券が61万円で1株の売注文を1円で61万株として発注した。1円の売値にかかわらず、呼値の制限値幅の下限である57万2千円の売注文として登録され、買注文との約定が成立していく。みずほから売注文の取消が数分後に発注されたが、東京証券取引所のシステム不具合により取消しができず、その後も順次取引が成立することとなった。その結果、400億円もの利益がみずほ証券の損失においてばらまかれることとなる。取消を発しても受け付けない東証のシステムによって、その後約14万株の買注文が成立する。ネット投資家も買いを浴びせる。UBS グループは120億の利益を得る。400億の損失のほぼ全ては1回目の取消注文を出した後成立した売買が原因だった。
引用元:http://www.kojimalaw.jp/treatises/treatises_019.html
これはいわゆる「ジェイコム株誤発注事件」といわれている事件で、証券会社側のミスにより、株価が通常あり得ない動きを起こしたという、あまり前例のない事案です
これほど大きな失敗はないというほど大きな事件ですが、実際にヒューマンエラーで起きている事件です。
しかし、これも投資家にしっかりと教訓を残してくれています。
それは、人の操作ミスでも株は動いてしまうということです。
間違って買うはずでない株をクリックして買ってしまった。
間違って売るはずでない株をクリックして売ってしまった。
どちらも十分あり得る話なのです。
こういったところからの失敗を避けるためにも、株を扱う際には十分気を付けなければならないことがよくわかる事例でした。
これらの事例から分かること
人は誰しも失敗を繰り返します。
しかし、それは学び、勉強し、理解することで減らすことのできるものです。
そういったことを過去の失敗をもとに勉強する、といったことは、株以外でも重要な事柄だと言えるのではないでしょうか。
まとめ
株式投資で失敗しない。というところにおいて、0にするのは不可能です。
ですが、それを減らすことは可能です。
その損失を減らすことは、利益を大きくするうえで非常に大きな役割を果たします。
ですので、しっかりと覚えなくてはならないのは、株は失敗するものと大前提に考えて投資を続けていく事ではないでしょうか。
お金は言うまでもなく非常に大切なものです。
大切であるからこそ、お金に対する考えはいくつかあります。
その中でも株式投資を始める人が一番陥る考え方、それは、
「今ある資金が減る可能性に目をつむって資金を増やすチャンスが欲しい」
という考え方です。
そうでなければ今ある資産を銀行口座に入れて、年々発生する小さな金利を受け取るだけで満足しているはずなのです。
そして、その資金を増やす方法は、自分で判断し、自分で選び、自分で買い、自分で売る。全て自己責任でできています。
「資金を減らしたくない」という考えと「資金を増やしたい」という考えは非常に似て非なるものです。
そして、資金を増やす方法を選んだのであれば、失敗する可能性やリスクを背負って立ち向かわなければなりません。
株で失敗しない方法は存在しません。
しかし、株での失敗を減らす手段は、多く存在します。
これらの手段をフル活用することで初めて安定した利益を生み、成功することが出来るのだと思います。
それでも、もし分からないことが出てきたら自分だけで考えるとドツボにはまる可能性すらあります。
そういったときは、日本全国探せば株のセミナーなどをやっている場所も多々あります。
近所にそういったものが無くても、今はネット上で通信講座のような形式で行われているセミナーもあります。
そのような場所でまたしっかり勉強し直すのも一つの手だと思います。
皆様の株式投資が失敗で終わらないよう、心からお祈り申し上げます。
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