「株を制するものは証券口座を制する」とまでは言いませんが笑、やはり重要な戦略の要の一つとして証券口座の選びはあります。
たとえばネット証券口座によって見れるチャート等や手数料などかなり細かく差別化がはかられており、証券口座にも様々な個性があることがわかります。
今日は”作るべき証券口座について説明していきます。
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株をやりたいあなたが、開設すべき口座
これから株式投資を始めたいあなたに、初心者だからこそ開設した方がいい口座について紹介します。ただその前に、株式投資について基本を理解しておくことが大切です。
ただなんとなく口座を開設しても、あなたの取り扱いたい銘柄がなかったり、
手法によっては手数料が大きく変わったりするからです。
そこで第一章では、株の口座を開設する前に、というテーマで基本的な株の知識から、口座の選び方についてお伝えします。
株の口座を開設する前に①:株の基本的な知識を押さえておこう
正確には株ではなく、株式です。
これは株式会社が投資家から資金を集めた時に、その資金と引き換えに発行する証書のことです。インターネットが普及するまでは紙で発行されていましたが今ではほとんどネットで完結するので、実際に「株式」を手に持つことはないでしょう。
そして投資家は、資金を提供することによって、会社があげた利益の一部を配当などで受け取ることが本来の投資です。
また会社が発行する株式を購入した投資家を特に株主と言って、会社のオーナーとなります。これはたとえ1株でも持っていれば、あなたはその会社の「オーナー」です。トヨタの株を持っていればあなたもトヨタのオーナーということになります。
響きがいいですよね。ただトヨタのような大きな会社の株は最低取引単元というのが決められていて1株で買えなくて、100株とか1000株単位で買うことが求められます。そのため株式投資には数十万円から100万円近い初期資金が必要と言われるのです。
これからあなたが株式投資を行うにあたって取引をする場所が証券取引所です。ここは、株を買いたい人・株を売りたい人が集まって1つの市場を形成しています。
この証券取引所で取引できる株を発行している会社のことを「上場企業」といって、個人投資家の方も取引できるものとなります。
株式投資での利益の上げ方は大きく2つあります。
1つが買った株が値上がりした時に売って、その値上がり分を儲けとする「キャピタルゲイン(値上がり益)」と、会社が得た利益の一部を株主に還元する「インカム・ゲイン(配当)」の2つに分かれます。
値上がり益は、株価が上がればその分だけ利益を出せます。
銘柄によっては10%、50%も十分にありえます。ですが配当は、どれだけその会社の株価があがっても2~3%程度で安定しています。
ただキャピタルゲインは当然ですが、買った株が値上がりしなえければ得られませんし、逆に株価が下落したら損することもあります。
その一方で配当は、会社の利益が大きくなればなるほど、配当も大きくなり、業績が悪くなれば配当は減ります。
ですが、追加でお金を取られることはないですし、大きく損失を出さない限りはあまり配当には影響がないので、キャピタルゲインよりもインカム・ゲインの方が着実に利益を得られます。
すべての株式に配当があるわけではないので、もし配当からの利益も狙うのであれば、しっかりと配当がでるかどうか、何がでるのかをチェックしておきましょう。
株の口座を開設する前に②:株の口座の種類を理解しよう
口座の種類には3つあります。これは実際に開設する口座を決めて、口座開設手続きの申込み画面で選択します。
ただ画面上に説明はほとんどないので、きっとどれを選んだいいか迷うことになります。
そこで開設すべき口座をお伝えする前に、口座の種類について紹介します。
口座には特定口座と一般口座の大きく2つに分かれていて、特殊口座はさらに、源泉徴収あり、なしで2種類に分かれます。
源泉徴収ありの特殊口座は確定申告が不要です。
そして源泉徴収なしの特殊口座では確定申告が必要ですが、そのために必要な「年間取引報告書」という書類を証券会社があなたに代わって株式投資の利益・損益を計算して作成してくれます。
一般口座は確定申告が必要で、さらに、年間取引報告書も自分で作る必要があります。
これは非常に面倒で、わざわざ選ぶメリットはありません。
そのため、確定申告が不要で源泉徴収ありの特定口座が楽で人気です。
難しいことを考えず、取引にだけ集中できます。また、証券会社と「上場株式配当等受領委任契約」という契約を結べば、利益と損失を相殺して税金を軽減する損益通算も自動でできます。
本来であれば、この損益通算をするなら、源泉徴収ありの特定口座であっても、確定申告が必要になります。
ですが、この委任契約を結ぶことで、損益通算も確定申告なしで損益通算ができるので非常に楽になります。
ただ、デメリットとして、払う必要がない税金まで払ってしまう可能性があるということです。会社員の方が株式投資で得た利益が20万円以下の場合、税金を納めなくてもいいというルールがあります。ですが、源泉徴収ありの特定口座では、その譲渡益の金額に関係なく、税金が天引きされます。そして納めた税金は取り返すことができません。
ですのでもしあなたが、株式投資を少額で行ったり、キャピタルゲインではなくインカム・ゲインが目的だったりすれば、源泉徴収なしの特定口座がおすすめです。
また最近ではNISA口座というものもあります。これは、2014年から導入された「少額投資非課税制度(NISA)」用の口座です。
NISAは「貯蓄から投資へ」をスローガンに、長期で株を保有してくれる個人投資家を増やす目的で始められました。
この制度を利用した場合、株式や投資信託の売約駅・配当が非課税になります。もちろん無制限というわけではなく、少額という名前がついているように年間120万円が投資額の上限となっています。
そして非課税になるのは上場株式と投資信託だけという制限があり、外国債や国債はこの制度の適用外となります。さらに先ほど説明した損益通算もNISA口座ではできないので注意が必要です。
このようにあなたが取引したい銘柄や長期投資を前提としているのであればお得なこともあるので、検討してみるのもおすすめです。
株の口座を開設する前に③:口座の選び方の基礎知識
口座の種類を決めたとして、次に口座開設しようと思っても、証券会社がありすぎてどこにすればいいのか迷ってしまうと思います。
そこで、口座の選び方についてもお伝えします。
あなたがどんな投資をするのか、方向性を決めた上で比較することが大切です。
・投資銘柄は国内株なのか、外国株なのか、投資信託なのか。
・取引額は1回でいくらぐらいを予定しているのか、1日で何円くらい約定予定なのか。
・NISA口座での運用なのか、一般や特定口座での運用なのか。
あなたの投資スタイルに適した口座を開設しなければ手数料が高くなったり、
買いたい銘柄を取り扱ってなかったりして後悔することになります。
これから株式投資を始める方が口座を開設するときには手数料と取扱商品をメインの比較軸として、その証券会社がどれくらい投資情報を提供してくれているかもチェックしましょう。
手数料は取引額によって差があります。
1回の約定代金が10万円以下ならほかと比べて安いところでも、50万円~100万円以下の手数料ではほかと比べて高くなることもあります。
そのため、投資資金をいくらくらいにするかも事前に決めたうえで証券会社選びをすることが大切です。
また、1回約定するたびに手数料がかかることもあれば、1日定額で手数料が決まっているサービスを提供している証券会社もあります。
1日の取引回数が多くなるデイトレードをする方は1回ごとの手数料よりも1日定額で決まっている手数料の方が気にせずに取引できるでしょう。
証券会社を選ぶときもネット証券なのか店舗型の証券会社なのか迷うかもしれないですが、インターネットが使えないとか、どうしても担当者がついてほしいとか、特別な理由がない限りは手数料が圧倒的に安いネット証券の方で問題ありません。手数料が10倍違うこともあるからです。
株の口座を開設する前に④:複数口座を使う理由
先ほどお伝えしたように、証券会社によって手数料や取扱銘柄が異なります。そのため、投資スタイルによって最適なものを選ぶのがおすすめなのですが、
実は証券会社の口座は複数持つことが可能です。
そして口座を開設して取引をしなければ、口座維持手数料もかからないのでデメリットはありません。投資情報を豊富に提供してくれる証券会社の口座を開設して、大切な情報源として活用しながら、手数料が安い証券会社の口座で実際の取引を行うということができます。
最初は少額で株式投資を始めたけれどうまく運用ができるようになって資金を増やした運用がしたいとなったときも、その運用額で最も手数料が安いところを選ぶことができます。また、トレード手法を中長期での保有からデイトレードもしたいとなれば、手数料が1日定額制のところを選ぶことだってできます。
またIPOのときには抽選となるのですが、口座を持っている数だけ抽選を受けられるので、全体として当選確率を上げることもできます。
このように、複数口座を開設することによって様々な恩恵を受けられるので口座開設については、数を絞らず、良さそうなところを開設してもいいでしょう。
株の口座を開設する前に⑤:初心者に複数口座は必要?
口座を複数開設して、用途によって使い分けるのは初心者には難しいのでは?と思ってためらわれるかもしれませんが、
複数講座の使い分けは思ったよりも簡単なので、初心者・上級者に関わらず必要だと考えています。
特にIPOは大きな利益を出せる可能性が高く、複数の口座を持っていれば当選確率を上げられるので、それだけでも複数口座を開設しておく理由になります。
また株式投資は生き物ですから、そのときそのときで適切な決断をして取引しなければなりません。
あなたが株式投資に関する情報を取っていて、「これは上がる!」と思った銘柄があったとします。
もし1口座しか開設していないのであれば、あなたはその中から銘柄を選ぶしかなく、
たとえ上がると思ったものでも取り扱いがなければ取引できません。
証券会社によって取扱銘柄は変わるので、複数口座を持っていればあなたが保有したい銘柄を取り扱っている会社を探し、すぐに取引することができます。
買ったほうがいいと思ったタイミングですぐに買えるように、やはり複数口座は必要です。
株をやりたいあなたが、開設すべき口座7選
ここまで口座を開設するための基礎知識や選ぶときのポイントについて紹介しました。それでは実際にこれから株式投資を始めたいあなたが開設すべき口座をお伝えします。
株をやりたいあなたが、開設すべき口座7選①SBI証券
まず1つ目は、SBI証券です。SBI証券はオリコンが発表しているネット証券の顧客満足度ランキングで何度も1位を獲得しており、国内での口座開設数もトップの証券会社です。
取引手数料も他と比べても安いグループに入ります。そしてIPOの取扱実績は、ネット証券の中でも断トツです。
また外国株式は、米国、中国、韓国、ロシア、ベトナム、インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシアと9カ国もあります。外国株の情報も豊富で、これから外国株式投資を始めたい方にはおすすめの証券会社です。
総合的にみても、手数料の安さ、取扱銘柄数、情報量の豊富さ、ツール活用のしやすさとすべて上位に入ります。SBI証券は迷わず開設しておきたい口座です。
株をやりたいあなたが、開設すべき口座7選②楽天証券
楽天証券は、投資情報が豊富な証券会社です。また「マーケットスピード」というツールは個人投資家の中でも非常に人気で、
「マーケットスピードがあるから楽天証券を選んだ。」という方が大勢いるほどです。
マーケットスピードがあれば、四季報や日経速報ニュース、日本経済新聞などを閲覧できる日経テレコン21も無料で閲覧できます。
リアルタイムな投資情報が必要な投資家にとって、これは非常に嬉しいです。
しかも日経テレコン21は通常であれば月額8000円の基本料金がかかりますから、それを無料で利用できるというのは大きなメリットです。
マーケットスピードは3ヶ月で2500円という利用料がかかりますが、実は楽天証券のほとんどの利用者が無料で利用しています。
それはある条件を満たせば無料で使えるからなのですが、その条件が非常にハードルが低く、
はじめて利用した場合は3ヶ月無料、過去3ヶ月に取引実績があれば次月無料、資産残高が30万円以上あれば次月無料、信用取引口座を開設した場合はずっと無料となっています。
信用取引口座を開設するだけで、取引実績がなくてもずっと無料で利用できるのですから、そのためだけに口座を開設する価値があります。
また取引ごとに楽天スーパーポイントがたまったり、NISAは手数料が無料だったり様々な特典も用意されているので、情報だけでなく、サービスも魅力的です。
楽天証券も開設しておきたい口座です。
株をやりたいあなたが、開設すべき口座7選③カブドットコム証券
カブドットコム証券は取引額が10万円~50万円くらいまでの少額投資の方におすすめの証券会社です。
1回の約定代金が50万円での手数料は250円(税抜)となっていて、これは他のネット証券会社と比べても最安クラスになります。
また様々な特殊注文ができるカブドットコム証券のツールは、会社員をやりながら投資もやられている方に人気です。
特殊注文には詳細な条件設定が可能で、使いこなすことができれば、会社に行く前に条件を設定して注文しておくだけで、業務時間中に自動で取引が行われ、退社時には利益が上がっているということも不可能ではありません。
もちろんツールを使いこなすためには、それだけの投資スキルが必要になりますから
最初はカブドットコム証券から提供される投資情報で勉強しながら少額で取り組んでいくのがいいでしょう。
株をやりたいあなたが、開設すべき口座7選④松井証券
松井証券の1番の魅力は、10万円までの取引手数料が0円ということです。
松井証券は1日の約定代金によって手数料が決まるようになっていて、1日の約定代金の合計が10万円以下の場合、手数料は無料となります。
細かい手数料の計算が不要なので、これから少額で株式投資を始めたいのであればおすすめの証券会社です。
ですが10万円を超えると他の証券会社と比べて割高な手数料となるので、少額投資のとき専用の口座として持っておいて、金額をあげて運用したい場合は他の証券会社を使うほうがいいです。
株をやりたいあなたが、開設すべき口座7選⑤マネックス証券
マネックス証券はIPO抽選の公平さが評判です。
人気の高いIPOは、申込みが集中して抽選で購入できるかどうかが決まるのですが、中には預けている資産の多い投資家の方が当たりやすくなるように、当選確率を変えているケースもあるのです。
マネックス証券なら、すべての投資家の方に平等で抽選が行われます。取り扱いIPO銘柄もトップ5に入る実績があり、様々なIPOに申し込めるチャンスがあるのでそれだけ当選する可能性も高くなります。
IPO狙いで口座を開設しておいてもいいでしょう。
株をやりたいあなたが、開設すべき口座7選⑥GMOクリック証券
GMOクリック証券は、手数料が安く、初心者でも直感的に操作しやすい取引ツールが魅力です。特にスマホ向けのツールが充実していて、逆指値注文もできます。
またニュースが出た銘柄についてはマークで通知してくれるなど、スキマ時間をぬって取引するような会社員の方にとって嬉しい機能が充実しています。
またファンダメンタルズ分析に便利な分析ツールも用意されていて、企業の財務分析を視覚的にわかりやすくできます。この機能を使うためだけに口座開設してもいいくらいの充実したツールです。
株をやりたいあなたが、開設すべき口座7選⑦ライブスター証券
ライブスター証券
ライブスターの魅力は現物取引での手数料がどの代金帯でも最安水準だということです。少額投資のときには手数料が安くても、
約定代金が上がっていくごとに手数料が跳ね上がる証券会社も多いですが、ライブスター証券は違います。
1回の約定代金が150万円~300万円以下と高額な運用だったときでも
手数料は600円(税抜)です。これは手数料が安いSBI証券・楽天証券の921円(税抜)
GMOクリック証券の900円(税抜)と比べても安く設定されています。
ライブスター証券で取り扱いされている銘柄であれば、ライブスター証券で買うようにすると手数料を抑えて取引できるので、開設しておいて損がない口座です。
株をやりたい初心者が開設すべき口座ランキング
ここまで7つの証券会社の口座を紹介しました。
どれも開設して損がない口座ですが、最初から7つ使いこなすのは大変だと思います。そこで、7つの中でも初心者の方におすすめの口座ランキングベスト3をお伝えします。
1位.SBI証券
2位.楽天証券
3位.カブドットコム証券
です。
取扱銘柄数が多く、少額取引での手数料も格安なSBI証券、投資情報が豊富な楽天証券、手数料が安くツールも充実しているカブドットコム証券です。
口座の複数管理もしたくないという方はSBI証券を開設しておくことが無難です。
その後、取引に慣れてきてより求めているツールや銘柄が取り扱われていたり、取引手法にあった手数料設定されていたりする口座を追加で開設してもいいでしょう。
ただできれば、このランキングで紹介した3つの口座は同時に持っておくと情報収集もできて、特殊注文にも対応できて便利なのでおすすめします。
まとめ
数多くある証券会社の中でもこれから株式投資を始めたい方が開設すべき口座の選び方や具体的な口座について紹介しました。
どの証券会社にもそれぞれ特徴があるので、今後の投資手法や取り扱い銘柄、投資の方向性に合わせて最適なものを選びましょう。
口座選びは大切ですが、そこに時間をかけても投資で勝てるようにはなりません。
なかなか決められないのであれば、まずはネット証券の中で国内シェア1位のSBI証券の口座を開設して取引の経験を積みながら、よりあなたに合った証券会社を選ぶようにしましょう。
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