■■■ 目次 ■■■
- 1 株基礎知識: ETFとは
- 2 株基礎知識:ETFの種類
株基礎知識: ETFとは
短期売買ツールとして人気の高いETFとして、レバレッジ型・インバース型ETFがある。ポイントは、売買代金との乖離率だ。主に、日経平均株価、JPX日経400、TOPIXの3つの指数に連動しているETFについてまとめたので参考にしてほしい。
とはいえ株初心者であればETFが何か分からないという人もいるであろう。
であるため、今回は具体例を挙げる前に、ETFが何かという基礎的なところから紹介していこうと思う。
ETF概要
そもそもETFとは何か。
簡潔に述べるならば、ETFとは「Exchange Traded Fund」の略で、意味としては「上場投資信託」の事を指す。
投資信託が上場しているため、通常の株式投資同様、証券取引所が開いている時間であればいつでもリアルタイムで売買することが可能になっている。
ここでいう投資信託との違いについては後述するとして、ETFの説明を進めようと思う。
ETFには多くの種類があるが、基本的にそれぞれが同様に株価指数と連動するように設計されている。ここでいう株価指数とは凡そ日経平均株価を指すと考えて頂いて相違ないだろう。
そのため、1本のETFを買うだけで、日経平均株価を構成する銘柄に分散投資しているのとほぼ同義の投資が可能になるのである。
リスクヘッジに分散投資を考える方は多いだろうが、このETFはその銘柄選び等の面倒な工数を差し引いて投資してくれる非常に便利な金融商品であると言えるだろう。
では同様に幾つかの銘柄にまとめて投資することが可能になる投資信託とは何が違うのだろうか、次項にて説明させて頂く。
ETFと投資信託の違い
投資信託とETFの違いだが、一番大きいところは上場しているかどうかという所にあるだろう。
投資信託は、テーマに沿った幾つかの銘柄を組み合わせて投資をする金融商品で、販売会社が投資家から資金を集め、運用会社が投資家から運用を代行し、得た利息や利益・配当金などを投資家に還元する仕組みである。
そしてETFはこの投資信託を上場させたものであり、それに伴って、ETFは投資信託ではできない、リアルタイムの取引が可能になっているのである。
例えば取引時間であれば、投資信託は各販売会社が設定している時間にしか取引が出来ないのに対して、ETFは上場していることから証券時間が開いている時間であればいつでもリアルタイムで取引が可能なのである。
その他にも多くの差異はあるのだが、それらは次項のメリット・デメリットの方にて解説していこうと思う。
ETFのメリット
ETFのメリットは投資信託と比較したときに多く見受けられることが出来るので、これらを比較したうえで紹介していこうと思う。
まず大きなメリットとして信用取引が可能である点を挙げようと思う。
非上場の投資信託であれば、信用取引が出来ないことも詮無い事であるが、ETFは上場しているため、信用取引が可能である。
信用取引については本サイト別記事にて解説しているため、そちらを参照していただきたいが、投資をするうえで信用取引が可能であるというのは非常に強い利点なのである。
他にも投資信託と比較した際に顕著にメリットとして見られるものが、前述した通り、リアルタイムでの取引が可能であるという点にあるだろう。
投資信託は基本的に前日の価格を参考に当日の価格が変わるが、ETFであれば常にリアルタイムの金額で売買することが可能なのである。
そのため、当日国内外で大きな事件が起き、株価に大きな変動が起きたとしても、すぐに対応することが可能なのである。
しかし、メリットとデメリットは常に表裏一体である。もちろんETFも金融商品であるため幾つかのデメリットが存在している。
次項ではこのETFのデメリットについて解説しようと思う。
ETFのデメリット
ETFのデメリットに、上場廃止や繰り上げ償還が存在している。
例えば企業の不祥事が露呈するなどして業績が悪化し、銘柄が上場廃止するといったニュースを見た覚えはないだろうか?
上場廃止とは証券会社が定める上場廃止基準に抵触すると判断された場合、その企業の株は上場を取り消され、一般投資家が取引できない状況になってしまうのだ。
先ほどから述べている通り、ETFは上場しているため、この上場廃止のリスクを負う必要があるのだ。
とはいえすぐにそのETFが無価値になるかと言われればそうではない。
ETFは上場廃止が決定されると、まずは整理銘柄に指定される。整理銘柄とは、上場が完全に廃止される前の猶予期間である。そしてこの期間は1ヵ月。この一か月が該当銘柄を取引できる最後の1ヵ月なのである。
もちろんこの整理銘柄に指定された銘柄は上場廃止を待つだけの銘柄なので、投資家が早く手放そうと売り注文を出し続ける為、どんどん株価は下落を続ける。これはデメリットというよりは投資信託にはないリスクであるというほうが間違いないであろう。
他にも繰り上げ償還という制度もある。
繰り上げ償還とは、投資信託の信託期間が終了することを指す。信託期間が設定されていない銘柄であっても急遽運用が終了される場合もあるが、これも同様に繰り上げ償還と呼ばれる。
元となっている投資信託が繰り上げ償還されなくなってしまうと、自ずとETFもなくなってしまうのである。
繰り上げ償還が発生する理由としては、その銘柄の売買が少なく純資産額が増えなかったため、申込者が減少するなどが挙げられる。
このことからも、ETFを選ぶ際は、リスクを加味して売買が盛んでできるだけ出来高の高いものを選ぶべきであると言えるだろう。
なおこの繰り上げ償還は、ETFだけでなく投資信託にも存在するリスクであるため、ETF限定のリスクであるとは言えないだろうが、これは投資信託と共通のリスク・デメリットとして覚えておくべき事項である。
ではこの後の章では本記事の本題、レバレッジ型ETFとインバース型ETFの解説を進めようと思う。
株基礎知識:ETFの種類
ETFには大きく分けて2種類ある。それがレバレッジ型ETFとインバース型ETFである。
種類と大きく二分するからには勿論それなりに大きな差異が存在しているが、実際どのような差異があるのだろうか、本章にて解説をしていこうと思う。
レバレッジ型ETFとは
レバレッジ型ETFとは別名ブル型のETFとも呼ばれています。
株を買った際に、思ったよりも値上がりしてもう少し買っておけばよかったという事例、株式投資をするうえで多く直面する場面かと思われる。
そのような際に大きな働きをするのがこのレバレッジ型ETFなのである。
このETFの特徴は、株価の変動に合わせて2倍の値動きをするところにあるのだ。
これがどういうことかというと、例えば日経平均レバレッジ2倍ETFであれば、日経平均が1%上がった場合、日経レバレッジ指数に則ったETFであれば2倍の2%の株価上昇変動を起こすのだ。
そのため、このETFは短期間で想定以上の利益を出すことが可能なETFである。
レバレッジ型ETFのメリット・デメリット
レバレッジ型ETFにもメリットとデメリットが明確に存在している。
メリットは先述した日経レバレッジ指数に則したETFであれば、上昇幅が二倍になるという旨であるが、これもまた表裏一体のデメリットが存在している。
それは値下がりが起きたときも同様に2倍の値下がりを起こすということに他ならない。
その為、値下がりが続けば通常の投資よりも2倍の速度で値下がりが発生するということになる。
これらの事からもわかる通り、このETFは長期投資には向いておらず、短期で決着をつける必要のあるETFなのである。
その他、レバレッジ型に限った話ではないが、この投資方法にも信託報酬が発生するのだ。
信託報酬とは、投資信託に必要な費用で保有している間は毎日信託財産から差し引かれるものである。
そのため、尚更長期保有してしまうとこの費用がどんどん差し引かれてしまうため、尚更短期決着を狙う投資という考え方で間違いないだろう。
インバース型ETFとは
レバレッジ型ETFがどのようなものか理解いただけたかと思うが、次はこのインバース型ETFを解説していこうと思う。
インバースとは「逆の」「反対の」といった意味を持つ単語である。そしてこの文字通り、インバース型ETFとは日々の騰落率を原指数の-1倍として計算されたインバースインデックスという指数に連動するETFの事である。
この為、インバース型ETFは日経平均基準であれば、日経平均が下がれば下がるほどインバースETFは上がり、また、日経平均が上がれば上がるほどインバースETFは下がるというものである。
インバース型ETFには日経平均を基準にするもの以外にも様々な指数に連動するETFの種類がある。
それらの銘柄のまとめは後述しているので是非記事を最後まで読んでいただきたいと思う。
インバース型ETFのメリット・デメリット
このインバース型ETFにも勿論メリット・デメリットは存在している。
まずメリットだが、全体的に下げ相場に居る状況にあっても、インバース型であるがためにこのETFであれば利益を出すことが出来るのである。
これは非常に強いメリットであり、他の投資方法と並行して行う事で、上げ相場にある時は通常の取引方法にて利益を出し、下げ相場にある時はインバース型で利益を出すことも可能ではある。
もちろんデメリットはこの逆説的なところにあり、上げ相場に居る時にインバース型では利益を出せないどころか、損失を出してしまうのである。
勿論先述した通り、上げ相場と下げ相場にて投資方法を使い分ければ話は別だが、これを正確に見切り、完璧に運用しきるのは、初心者であれば不可能と言って差し支えないだろう。
そのため、初心者が軽い気持ちで手を出すべき投資法ではないと言えるだろう。
では、ここからは実際にETFの紹介に移っていこうと思う。
日経平均株価連動・レバレッジ型(指数変化率の2倍)
楽天ETF-日経レバレッジ指数連動型<1458>
運用会社 | 楽天投信投資顧問 |
最低投資金額 | 6340円(1株単位) |
信託報酬(税別) | 0.35% |
乖離率 | 0.07% |
純資産額 | 78億2200万円 |
出来高 | 258,231株 |
日経平均ブル2倍上場投信<1579>
運用会社 | シンプレクス・アセット・マネジメント |
最低投資金額 | 118,200円(10株単位) |
信託報酬(税別) | 0.75% |
乖離率 | 0.14% |
純資産額 | 516億2100万円 |
出来高 | 1,648,900株 |
ダイワ上場投信-日経平均レバレッジ・インデックス<1365>
運用会社 | 大和証券投資信託委託 |
最低投資金額 | 8,610円(1株単位) |
信託報酬(税別) | 0.75% |
乖離率 | 0.20% |
純資産額 | 418億9400万円 |
出来高 | 294,500株 |
上場インデックスファンド日経レバレッジ指数<1358>
運用会社 | 日興アセットマネジメント |
最低投資金額 | 10,700円(1株単位) |
信託報酬(税別) | 0.7075% |
乖離率 | 0.25% |
純資産額 | 41億2100万円 |
出来高 | 17,155株 |
NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>
運用会社 | 野村アセットマネジメント |
最低投資金額 | 11,270円(1株単位) |
信託報酬(税別) | 0.8% |
乖離率 | 0.56% |
純資産額 | 7338億1300万円 |
出来高 | 21,580,075株 |
日経平均株価連動・インバース型(マイナス1倍)
日経平均ベア上場投信<1580>
運用会社 | シンプレクス・アセット・マネジメント |
最低投資金額 | 67,900円(10株単位) |
信託報酬(税別) | 0.75% |
乖離率 | -0.03% |
純資産額 | 321億6300万円 |
出来高 | 20,470株 |
NEXT FUNDS 日経平均インバース・インデックス連動型上場投信<1571>
運用会社 | 野村アセットマネジメント |
最低投資金額 | 2,526円(1株単位) |
信託報酬(税別) | 0.8% |
乖離率 | 0.15% |
純資産額 | 385億5400万円 |
出来高 | 243,733株 |
日経平均株価連動・ダブルインバース型(マイナス2倍)
楽天ETF-日経ダブルインバース指数連動型<1459>
運用会社 | 楽天投信投資顧問 |
最低投資金額 | 11,900円(1株単位) |
信託報酬(税別) | 0.35% |
乖離率 | -0.03% |
純資産額 | 40億8100万円 |
出来高 | 150,678株 |
日経平均ベア2倍上場投信<1360>
運用会社 | シンプレクス・アセット・マネジメント |
最低投資金額 | 75,200円(10株単位) |
信託報酬(税別) | 0.75% |
乖離率 | 0.10% |
純資産額 | 142億900万円 |
出来高 | 735,990株 |
ダイワ上場投信-日経平均ダブルインバース・インデックス<1366>
運用会社 | 大和証券投資信託委託 |
最低投資金額 | 8,190円(1株単位) |
信託報酬(税別) | 0.75% |
乖離率 | -0.19% |
純資産額 | 43億8600万円 |
出来高 | 151,993株 |
NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信<1357>
運用会社 | 野村アセットマネジメント |
最低投資金額 | 3,135円(1株単位) |
信託報酬(税別) | 0.8% |
乖離率 | 1.47% |
純資産額 | 400億1200万円 |
出来高 | 7,033,134株 |
JPX日経400・レバレッジ型(指数変化率の2倍)
ダイワ上場投信-JPX日経400レバレッジ・インデックス<1464>
運用会社 | 大和証券投資信託委託 |
最低投資金額 | 6,940円(1株単位) |
信託報酬(税別) | 0.75% |
乖離率 | 0.16% |
純資産額 | 16億3100万円 |
出来高 | 2,744株 |
JPX日経400ブル2倍上場投信(レバレッジ)<1467>
運用会社 | シンプレクス・アセット・マネジメント |
最低投資金額 | 69,500円(1株単位) |
信託報酬(税別) | 0.75% |
乖離率 | 0.41% |
純資産額 | 16億3400万円 |
出来高 | 5,960株 |
NEXT FUNDS JPX日経400レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1470>
運用会社 | 野村アセットマネジメント |
最低投資金額 | 13,950円(1株単位) |
信託報酬(税別) | 0.8% |
乖離率 | 0.03% |
純資産額 | 34億2900万円 |
出来高 | 7,651株 |
JPX日経400・ダブルインバース型(マイナス2倍)
ダイワ上場投信-JPX日経400ダブルインバース・インデックス<1466>
運用会社 | 大和証券投資信託委託 |
最低投資金額 | 13,950円(1株単位) |
信託報酬(税別) | 0.75% |
乖離率 | -0.10% |
純資産額 | 8億4200万円 |
出来高 | 3,590株 |
TOPIX・レバレッジ型(指数変化率の2倍)
ダイワ上場投信-TOPIXレバレッジ(2倍)指数<1367>
運用会社 | 大和証券投資信託委託 |
最低投資金額 | 8650円(1株単位) |
信託報酬(税別) | 0.75% |
乖離率 | 0.04% |
純資産額 | 36億2600万円 |
出来高 | 29,704株 |
TOPIXブル2倍上場投信<1568>
運用会社 | シンプレクス・アセット・マネジメント |
最低投資金額 | 111,300円(10株単位) |
信託報酬(税別) | 0.75% |
乖離率 | 0.20% |
純資産額 | 325億6000万円 |
出来高 | 507,500株 |
TOPIX・ダブルインバース型(マイナス2倍)
TOPIXベア2倍上場投信<1356>
運用会社 | シンプレクス・アセット・マネジメント |
最低投資金額 | 56,800円(10株単位) |
信託報酬(税別) | 0.75% |
乖離率 | 0.06% |
純資産額 | 54億5500万円 |
出来高 | 129,970株 |
ダイワ上場投信-TOPIXダブルインバース(−2倍)指数<1368>
運用会社 | ダイワ証券投資信託委託 |
最低投資金額 | 8,270円(10株単位) |
信託報酬(税別) | 0.75% |
乖離率 | -0.19% |
純資産額 | 14億5600万円 |
出来高 | 17,719株 |
まとめ
これらが、主要3指数に連動するレバレッジ型とインバース型である。ETFの短期売買をしようと思っている人は、ぜひ参考にしてほしい。
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