この記事では株式分割や株式併合や株式の種類、そして、株主の権利について詳しく解説する。株式会社についての基礎知識となる部分なので、知らない人はしっかりと理解しておこう。
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株式分割・併合、無償割当と消却
株式分割・株式併合
1つの株を複数の株式にすることを株式の分割と言う。逆に複数の株式をまとめてそれより少ない数の株式にすることを株式の併合(へいごう/合わせて一つにまとめること)と言う。
株式分割
- 1株を分けて複数の株式にすること。
- 発行済株式が増え、1株あたりの実質的価値は小さくなる。
- 株式の分割は取締役会の決議で決定(取締役会のない会社は株主総会で決議)する。
株式併合
- 複数の株式をまとめてそれよりも少ない数の株式にすることをいう。例えば2株を1株にすることなどである。
- 発行済株式が減り、1株あたりの実質的価値は大きくなる。
- 株式の併合は株主総会の特別決議が必要である。
株式無償割当て
新しい払込みがなしで株主に株式を割り当てることを株式無償割当てという。これは、自己株式(自社が発行した株式を自ら保有する株式)は割当て対象外であるところが、株式の分割と違うところだ。
株式無償割当ては、定款に特に定めがなければ、取締役会の決議(取締役会がない場合は株主総会)で決定する。
株式の消却
発行されている株式をなくしてしまうことを株式の消却という。消却で発行済み株式は減少することになる。消却は会社がいったんすべての株式を取得してから行うことになる。(消却は自己株式の消却のみ)
どの種類の株式を何株消却するかは、取締役会の決議で決めることになり、取締役会がない会社では、取締役が決めることになる。
※端数について
株式の分割・併合、株主割当増資などを行うと比率によっては1株未満の端数が出る。端数が出た時は、会社がまとめて売却するか、会社自身が買い取って代金を株主に分配する。つまり端数が残ることはない。
単元株制度
単元株制度とは、一定株数を1単元として、1単元の株式ごとに1個の議決権の行使を認め、1単元未満の株式(単元未満株式)については議決権の行使などを認めない制度のことをいう。単元株制度を採用することと一定の株式数をいくらにするか(最大1000株)は、定款で定めることになっている。1単元の大きさは単元株式数と呼び株式の種類ごとにその数を決める。
単元未満株主の権利
- 議決権なし(株主総会の招集通知もなし)
- 剰余金分配の請求権や残余財産分配請求権はある
単元未満株主の投資の回収
投資を回収したいときは、単元未満株式を会社に買い取ってもらうか、定款に定めがあれば単元未満株式を会社から売ってもらって、手持ちの分と合わせて1単元にすることもできる。
株式の種類
株式は誰が所有していても権利の内容に変化はない。しかし、定款によって権利に様々な修正を加える事ができる。例えば、会社が発行する全部の株式について修正することも可能だし、一部の株式について異なる権利や内容を決めることもできるのだ。一部の異なる権利の内容を決めた株式は2種類以上の株式が併用することになる。このような会社を「種類株式発行会社」と呼ぶ。
剰余金の分配に関する種類株式
配当優先株
ある種類の株式にまず一定率の配当をして残った余剰金から他の株式に配当する場合、前者の株式を優先株という。
普通株
一般的に最も中心的に発行されている株式のことをいう。
後配株(劣後[れつご]株)
一般の株式配当したり残りの剰余金からしか配当を受けられない株式のことをいう。
残余財産の分配に関する株式の種類
会社が解散した時の残余財産の分配で扱いの違う種類の株式を発行することもできる。
議決権制限株式(ぎけつけんせいげん)
議決権が全く無い株式のほかに、株主総会議決事項の一部についてだけ議決権がある株式を発行することができる。完全な議決権のある株式以外はすべて議決権制限株式となる。
公開会社では、議決権制限株式の合計が発行済み株式総数の2分の1を超えると、2分の1以下にするための措置をとらなくてはならないという決まりがある。
譲渡制限株式(じょうとせいげん)
譲渡に会社の承認が必要な株式のことで、全部の株式について譲渡を制限することもできるし、ある種類の株式だけ譲渡制限することも可能である。
取得請求権付株式(しゅとくせいきゅうけん)
株主が請求すれば会社が買い取ることを発行時に約束している株式のことをいう。お金を対価とするのが普通だが、その他の財産を対価にすることもできる。
取得条項付株式(しゅとくじょうこうつき)
取得の主導権を取るのが株主ではなく会社になっているのがこの取得条項付株式だ。お金を対価にするのが一般的だがその他の財産を対価にすることもできる。
株主の権利
自益権と共益権
株主の権利には自益権と共益権がある。
自益権とは
剰余金や残余財産の分配を受ける権利などのように、その株主個人の利益だけに関係する権利のことをいう。
共益権とは
議決権や各種の訴権(株主代表訴訟など)のように、その行使が株主全体の利害に影響する権利のことをいう。
少数株主権と単独株主権
少数株主権とは
- 一定割合以上の株式を持った株主だけが行使できる権利である。
- 株主の提案件、取締役・会計参与・監査役の解任を求める権利や帳簿閲覧権などがある。
- 少数株主にはいくつかの権利が与えられているが、濫用を防止するために持ち株の要件がある。
単独株主権とは
- 1株しか持たない株主でも行使できる権利のこと。
株主平等の原則
同じ種類の株式には、すべて同じ内容の権利があり、株主は持ち株数に比例して会社に対する権利を持っているという原則。
まとめ
株主にはこれらの権利が決められている。株式を買うことの品質的な意味について理解したうえで、株の売買を行うと、購入した株券がどのような影響力があるのかがわかるので、より面白いだろう。
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