フィンテック関連銘柄や人工知能関連銘柄で注目される新興株を10万円前後で買いたいという人も多いはず。そこで、新興株とは何か?という解説から、注目の新興株でなおかつ10万円前後で買える株をまとめたので株購入の参考にしてもらいたい。
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新興株とは
新興株について見ていく前にまずは新興市場について見て行きたい。新興市場とは、取引上の上場基準を緩和し、成長性はあるものの、赤字であるなど経営基盤が弱くまだ実績が十分ではないベンチャー企業に資金調達の場を提供するために作られた株式市場である。
そのため、審査の際には赤字であってもその赤字理由が合理的で長期的には利益を計上できる計画になっていれば上場が可能で、その計画が合理的かどうかを審査し、株主数や時価総額が基準に達していれば、主に成長性が重視される傾向がある。市場としては、東証のマザーズ、名証のセントレックス、そしてジャスダックがある。
そのことから、新興株とは、設立間もない企業の株を指しており、歴史のまだ浅い新興企業やベンチャー企業がほとんどになっている。また、上場してからまだ十年が立っていない企業を指すことが多い。上場十年経つと、東証一部か二部市場へ市場変更打診をされる決まりのためである。つまり社歴が長くなると卒業となる。
また、時価総額が三十億円〜二百億円の銘柄が多く、二十億円程度の銘柄もある。この規模は、言わば零細企業のようなものでボロ株と呼ばれている銘柄はこれくらいの規模だ。だが、ボロ株といっても店が百店以上ある小売りや飲食チェーンだったりするので何かをきっかけにして大化けする可能性はある。とはいっても一般的には新興市場では時価総額百億円を少し下回るくらいが将来性を期待できるとされている。
ではなぜ、百億円が目安なのかというと、安定的に百億円を超えるとマザーズ指数やジャスラック指数に組み込まれる可能性が上がるためである。指数の算出に加えられると機関投資家によって裁定取引という手法で売買されるようになる。ちなみに裁定取引というのは、同一の価値を持つ商品の一時的な価格差が出た時に割高な方を売り、割安な方を買い、その後両者の価格差が縮小した時に先ほどとは反対売買を行うことで利益を獲得しようとする取引である。機関投資家などに使われている。また、価総額が百億円を超えてくると、新興株を扱っている投資ファンドに組み込まれやすくなり、こうなることで機関投資家や投資ファンドによる売買が行われ安定した売買高が保証されることになる。さらに業績が向上すれば、東証一部に上場したりして、さらに多くの機関投資家によって売買されるようになる。そのため、百億円を下回るくらいがある程度の安定性があり、ハイリターンが期待できるラインなのかもしれない。
新興株の特徴
新興市場はベンチャーが多いため、まだ未熟な企業が多く、それゆえに大化けする可能性があることが最大の特徴と言えるだろう。
新興市場の銘柄は、発行済株式数が少なく、流動性も低いため良くも悪くも値動きが大きく、大口の売りや買い、景気の浮き沈みを受け価格が大きく変動することも特徴である。
うまく上昇相場に乗ることができれば短期間で三倍、五倍と大きな利益が期待できるが、高値の銘柄をそのままにしてしまうとあっという間に株価が下がり、買値の二分の一、三分の一に下がってしまうこともある。さらに、買うタイミングによっては、買値の十分の一から百分の一まで大暴落し、そのまま上昇することがないこともある。実際に2006年に起きたいわゆる「ライブドアショック」によって完全に下降期に入り、2008年の後半を境に方向性の定まらない市場になった。「ライブドアショック」以前に新興株を買っていた人は相当な損失を受けただろう。だが、2012以降の「アベノミクス」によって市場は徐々に「ライブドアショック」以前の状態に戻ってきた。さらに新興市場銘柄は、企業規模が小さく発行済株式の多くをオーナーやその関係者が所有していることが多いため、流動性が低く売買高が少ない銘柄が多くある。株価が上昇局面にあり売買が活発に行われている時は、普段は少ない売買高が膨れ上がっていることが多いため、特に注意が必要になる。新興市場銘柄は、値動きが非常に大きく流動性が低いため、例えば持ち株を一度に売りきりたい時に売れないといったことが起こり得る。売りきりたい時に売れないことは自分の損失を増やすことになるのでそこには注意しなければならない。
新興株のメリット
新興株のメリットは、成長率が高く三倍、五倍と株価が大化けすることだ。売買高が少ない中で大量の買い注文や売り注文が出ることで株価変動の方向性が一方的になりやすい。そのため、自分の読み通りに値が動けば少ない資産で一攫千金も夢ではない。例えば、上場時は高い株価を記録していたもののその後の赤字決済発表や業績低迷などを理由に株が売りたたかれ株価が一気に下がった銘柄も株価が下がった状態で買い、保有しておき、その後業績改善とともに一気に株価が上昇しそのタイミングで売ることができれば大きく儲けることができる。実際にこのようなやり方で大きな儲けを出した人もいるため、ありえない話ではない。
また、歴史の浅い企業が多く、持ち合い株式を処分しようとする金融法人が少ないため大型株と比較すると株主構成上売り圧力は小さい。また、ハイリスクは避け、少ない資産で始めて、そこそこの利益が出たら早く売る、一回の投入金額を抑える、損切りするときはすぐに行うなどいくつかの点に気をつければ、大きな損失にはならないだろう。これらを踏まえて考えてみるとあまり資産をかけずに、損切りをするときはすぐするように気をつければ、新興株はハイリターンが見込める分、オススメできる。また、投資家保護のために定期的な説明会を開催するなど、情報開示義務が強化されているため必要な情報を得ることができる。
新興株のデメリット
新興株のデメリットは、値動きが激しく、ハイリターンが見込めるもののその分大きなリスクがあることだ。短期間で利益を上げることもできるが、上がっていた株が急に下落し一気に損失が膨らむといったことがおきうる。例えば、上場したばかりの話題になっており、株価も一気に上がっていた株を買ったが、その企業の業績が悪化、長期的に赤字となり株価が一気に大暴落したこともある。最近話題になっており、日を追うごとに上昇している株にはこのような危険性もあることを考慮しておかなければならない。
十万でやる理由
いくらから株取引はすべきなのか
株初心者は、いくらあれば、株取引を始めることができるのか疑問に持つだろう。銘柄によっては、百万円からでないと買えないものもあったり、一万円程度で買うことのできる銘柄もある。では、初心者が株取引をいくらから始めるべきかというとそれは十万円からである。では、なぜ十万円なのか理由を見ていこう。
ただ株を買うということであれば、一万円からでもできる。だが、月に五万の利益を出したいのならば、一万では足りない。例えば、1000円の株を10株買った時、1000円が1300円になっても利益は3000円にしかならない。株は損失を出すことも当然ある。そう考えると二万では五万円の利益を出すことが難しいとわかる。そう考えると月のお小遣いで出せる資金は大体十万円だろう。しかし、十万円では買えない株もあるため、十万円が最低ラインだろう。
株には単元株数(売買単位)が設定されている。単元株数(売買単位)とは、わかりやすくいうと最低限買わなければいけない株数のことである。ほとんどの場合、株数は百に設定されているので、1000円の株を購入するためには最低10万円なければいけない。
各証券会社の銘柄ページに行けば、これは必ず書いてあるので必ず確認しておく必要がある。株式投資を始めるにはまず証券会社に証券口座を用意する必要がある。証券会社には、野村證券や大和証券など全国各地に支店、営業店を持っている「総合証券」と支店、営業店を持たずインターネット取引に特化した「ネット証券」の二種類があるが新たに口座を開設するのであれば、ネット証券をオススメしたいと思う。
なぜなら、総合商社で口座を開設した場合、各支店の営業マンや株式アドバイザーに投資についてアドバイスをもらうことができるが、取引のたびに手数料がかかり、取引回数が増えるたびに手数料も多くかかることになる。最大で手数料に十倍の差が出ることもある。そのため、十万円で株取引を始める場合はネット証券で手数料はなるべく安く済ませた方がいい。
リスクの少ない資金の増やし方
では、次に実際に資金を増やしていくオススメのやり方を確認していこうと思う。十万円あれば、優良株や投資家に人気の株も買うことができる。短期で資金を増やしたいのならば、値動きの大きい中、小株の株を買うといった方法もあるが、リスクが大きく投資した資産が一気になくなる可能性があるためあまりオススメはできない。
あっという間に大切な資金をなくさないためにも今回は配当利回りの高い銘柄への投資で長期的にコツコツと貯めていくことをオススメする。例えば、あおぞら銀行(8304)の配当利回りは4.46%、みずほファイナンシャルグループ(8411)の配当利回りは3,71%でこうした銘柄に投資をして配当金収入でじっくり増やしていけば、ストレスなく楽しみながら投資できるだろう。ただし、配当利回りが高い銘柄であればなんでも良いというわけではなく、銘柄によっては業績が悪化し株価が下落したため配当利回りを高くしている場合もあるため、投資する前にはそこを確認し、注意しなければならない。
株で借金はするのか
家族や親と株の話をしている時、よく株は危ないし借金をするからやらない方がいいと言われたことはないだろうか。日本では株取引はギャンブルといったイメージが強く株式投資が敬遠されがちだが、果たして株取引によって借金をしてしまうことはあるのだろうか。株取引には、自分の資金と株式で取引する「現物取引」と、証券会社から資金と株式を借りて、自分の手持ち資金以上の金額で取引する「信用取引」がある。現物取引では、最悪の場合資金がなくなることはあるものの借金をすることはない。一方で、信用取引は自分の手持ち以上の資金で取引することによって大きな利益を上げる可能性があるが、最悪の場合借金となる場合がある。そのため初心者は、自分の資金のみを株取引に使う現物取引から始めた方が得策と言えるだろう。
それではここからは実際に10万円で買える新興株について説明していこうと思う。
おすすめの新興株
UBIC<東M/2158>
国際訴訟時の証拠保全などの支援サービスが主な事業の銘柄で、訴訟支援で培ったビックデータの解析技術を応用して独自の人工知能を開発している。人工知能関連銘柄、ロボット関連銘柄としても注目できる銘柄と言える。
新興株の購入価格:約9万円
アトラ<東M/6029>
ほねつぎチェーンの全国展開や鍼灸の接骨院にITを活用したサポートを展開している銘柄で高齢化が進む中成長性に期待できる。ROEはなんと39%もあり、経営力もかなり高い。鍼灸などでは株式市場唯一の存在である。
新興株の購入価格:約11万円
ロゼッタ<東M/6182>
ロゼッタは、Webを人工知能として代用する自動翻訳サービスを展開している銘柄。オリンピックに向けて翻訳分野で期待が持てる。インバウンド関連銘柄としても注目できる銘柄だ。
新興株の購入価格:約13万円
ヘリオス<東M/4593>
iPS細胞を用いて難治性の眼病治療薬を開発している銘柄。理化学研究所の認定ベンチャーである。2020年の条件承認を目標にしています。
新興株の購入価格:約11万円
まとめ
新興株で注目できる銘柄はこんなところだ。ほんの数週間前にエイジアがこの10万円株に載せられる銘柄だったが、株価が大幅に上昇して、20万を超えてしまったので、外した。
ロボットやインバウンドなどがやはり注目できる銘柄である。新興株は、株価の騰落ぐあいが大きいが、その分大きな利益を狙える可能性がある。
ぜひ、思い切って購入してみてほしい。
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