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はじめに
株をやっているという人が増えてきました。しかし、実際に株式投資って本当に儲かるの?と思っている人も少なくありません。株主優待が欲しくて特定の企業の株だけ持っているという人もいます。
実際のところ、株式投資で稼いでいる人は投資をしている人の一部です。株式投資はリスクを伴うもので、投資資金の元本を保証するものではないので損失を抱えている人もいます。
とはいえ、株式投資でお金を稼いでいる人がいるのも事実です。ではお金を稼いでいる人はどのように利益を生み出しているのでしょうか。株式投資で得られる利益について触れながら、株の儲け方についてご紹介します。
売却益(キャピタルゲイン)を得る方法
まず株の利益をいえば、売却益(キャピタルゲイン)が挙げられます。株を購入してその株が値上がった後に売って利益を確定する方法です。もっともオーソドックスな利益を得る方法となっています。
中長期的に株式を保有し、大きく株価が上がった時に株を売却する人もいれば、デイトレードにこまめに売買を繰り返して儲ける人もいます。
1-1 値上がりしそうな株を購入する
売却益(キャピタルゲイン)を得るためには、値上がりしそうな株を購入するのが鉄則です。株が値上がるタイミングは様々ですが、例えば食品系の企業では、新商品が発売されて好調に売り上げていると株価が上昇していきます。
若年層はテレビを見なくなっているといいますが、CMの効果で知名度が上げるためCMが出始めて多くの人の知るところになると株価にその影響が反映されることもあります。
最近では、個人投資家のために株主優待を新設したり、1単元分の株式を買いやすくするために株式分割を行ったりもします。こうした株式相場における変化も株価の上昇に寄与しています。
さすがに株主優待の新設を予想するのは難しいものですが、株価がどういったことで動くのかを知っているだけでも違います。
また、値上がった時になかなか売れないという人がいますが、最低単元株の100株ではなく、できれば200株購入するのをおすすめします。そうすれば、株価が上昇した後に売りたくなったら半分だけ売るという方法があります。
100株だけ残しておけば、その分の配当金や株主優待といった運用益(インカムゲイン)を得ることもできます。
1-2 指定替を狙っている株を購入する
株価が上がる時として、企業が東証一部に上場する時に上がるというのがあります。必ずではありませんが、東証一部になる=信用度の高い会社ということにもなるので、投資資金が流れ込み株価が上がるということが多いです。
新しい企業として企業はいずれかの市場に上場するのですが、最初から東証一部に上場することはあまりありません。その前段階として、東証マザーズや東証二部といった東証一部の下部市場に上場します。
東証マザーズや東証二部から東証一部に市場を変更することを指定替と呼びます。この指定替ですが、企業が東証一部に上場したいと意欲も持っていることが大前提です。
それ以外にも株主数などの条件を満たした時に承認申請を受けることができます。株主数は2000人以上が必要なため、個人投資家の注目を高めるために株主優待などを導入する企業も増えています。
企業が東証一部を考えているかどうかは、企業のホームページなどに表記されていることもあります。業績が上昇傾向で、より大きく成長しようとする企業は指定替を狙っていることがあるので、チェックしておくと良いでしょう。
1-3 IPO投資に参加する
そして、株価が上がりやすい時=市場へ上場する時でもあります。近年は様々なベンチャー企業が上場を果たしており、今後も複数の企業が新規に上昇する予定です。新規に公開される株のことをIPOと呼びますが、こちらは申し込みを必要とする投資法です。
既存店舗があるような証券会社では法人や大口の顧客に優先的にIPOを割り当てますが、最近は、ネット証券で申し込み多数の場合平等に抽選してIPOに当選した人が購入できるという流れになっています。
ただし、IPO投資の認知度が高まってきたので、参加人数が増えていて当選は難しいのが現状です。それでも複数の証券会社に口座を開設して申し込みをしたり、家族の名義で申し込みをするなど工夫することで当選確率を上げることができます。
IPOそのものに当選して購入できなくても、IPOが上場した後に購入して値上がりを待つという方法もあります。IPOセカンダリー投資などと呼ばれていて、株の注目度に着目しながらIPOを買っていく投資家が多いです。
運用益(インカムゲイン)を得る方法
また、株式投資で見逃せないのが、株を保有することで得られる運用益(インカムゲイン)です。こちらは売却益と異なり、株式を売買しなくても得られる利益なので、初心者にとっても手軽に儲けられる方法といえるかもしれません。
運用益(インカムゲイン)にも様々な種類があり、最近は個人投資家向けに積極的な株主還元がみられます。全体的な利益の中で配当を多く出したり、株主優待を充実させている企業も多く、株主でいると特典が得られる環境になりつつあります。
2-1 配当金を受け取る
インカムゲインの代表例の1つが、配当金です。これは企業の利益を株主に配分するというもので、中間や期末決算まで株式を保有していると、保有株数に応じて利益が株主に配分されます。
配当金は株主還元の一種であり、いわゆる投資をしたことに対するリターンといえます。企業は投資家から得られた資金を元に事業を行い、利益をあげているわけです。要するにお金を出してもらったお礼と考えるといいかもしれませんね。
注意すべきなのは、決算が終わった後に配当金の金額が確定します。(期末決算の場合は、株主総会の後に確定することも多いです。)実際の配当金が振り込まれるのは、決算日からおよそ3ヶ月かかるため、すぐに手元に入って来ないと心得ておきましょう。
また、権利が確定する日に保有していなければ配当金は入りません。権利が確定する日よりも前に株を売却してしまうと配当金は受け取れないので注意が必要です。
それと、配当金には所得税と住民税がかかります。現在2つの税金を合わせて20.315%かかるので、手元に届くのは税引後の金額であることを心得ておきましょう。
それと、気をつけなければいけないこととして、最近は配当金や株主優待狙いで権利が確定する日までに株を買い占めて、その後売却してしまう人も多くいます。それゆえ、株価の値動きが激しくなりやすいです。そうした動きがあるということを意識しておくことも重要です。
2-2 株主優待をもらう
株式投資の認知度が進み、株式投資は株主優待をもらうためにやるという人も少なくありません。配当金同様に権利確定日と呼ばれる日に株式を保有している人に対して送られてきます。お中元やお歳暮のようなもので、このような制度があるのは日本だけです。ちなみに、株主優待は日本に住所がある人のみ受け取れるため、外国人投資家などはもらえない仕組みになっています。
株主優待の種類は様々で、自社製品や自社サービスを受けられる優待券などが一般的です。ギフトカードやクオカードといった金券を出している企業もあります。今や上場企業のおよそ三分の一が導入している制度です。
ただし株主優待も配当金と同様で、手元に届くには時間がかかります。しかも株主優待はカタログギフトなどの選択制だったりと種類も豊富な分、配当金以上に到着が遅くなるケースがほとんどです。忘れた頃にもらえるものぐらいに思っていた方がストレスも少なくて良いかもしれません。
さらに言えば、株主優待は企業にとってあくまでお礼のようなもの。株主還元の一種ではありますが、義務ではないので突然内容が変わったり、企業業績が悪いと廃止されるといったこともあり得ます。それゆえ、必ず儲かる訳ではないと思っていた方が良いでしょう。
2-3 貸株サービスを利用する
株式を保有しているだけで儲かる方法としては、貸株サービスを利用する手もあります。その名の通り、自分が保有する株を貸し出すことでその間の金利を受け取るものです。
貸し出し自体は証券会社を通じて簡単に行えますし、貸している間はずっと金利がつきます。以前は配当金や株主優待をもらうための権利日に貸している状態では本人の株ではなく証券会社名義の株になってしまうため、うっかりすると配当金や株主優待がもらえないということもありましたが、現在は権利日になると一時的に口座に戻るような仕組みになっており、安心して貸し出せるようになりました。
配当金や株主優待に比べると微々たる額ではありますが、まさに不労所得といえるでしょう。貸している間も特別な手続きをせず売却が可能なため、売却益(キャピタルゲイン)を狙うこともできます。中長期で株を保有する予定で、すぐに売却を検討するわけでない時に活用できるといえます。
まとめ
株式投資って本当に儲かるの?という人がいるかもしれません。メディア媒体では莫大な利益を出した人もしくは大きな損失を出した人といった両極端な投資家ばかりが取りざたされるので、よくわからない印象を持つことも多いでしょう。
しかし、株式投資での稼ぎ方は様々です。大きな売却益(キャピタルゲイン)を狙って売買を繰り返す人もいれば、運用益(インカムゲイン)で細々とお小遣いをもらうような形で資産を増やす人もいます。
投資自体にも向き不向きがありますが、投資のスタイルにも向き不向きがあります。初心者は、投資を始めるとすぐに損失が出てしまいやめてしまう人も多いですが、それはやり方が間違っていただけかもしれません。
あまり焦って適性を決めるのではなく、自分にあった儲け方や稼ぎ方を見つけるために時間をかけて投資をしてみると良いのではないでしょうか。
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