■■■ 目次 ■■■
はじめに
預金通帳の利息、あるいはATMの手数料に落胆していませんか? 将来のためにお金を預けているはずなのに……、誰もが一度は思うのではないでしょうか。
では、なぜ銀行にお金を預けているのでしょう。その魅力のひとつに元本保証があります。一方で『資産運用』や『投資』となるとリスクを思い浮かべる人が多いと思います。もちろん世の中にお金を減らしたいと考える人はいません。それでは『資産運用』や『投資』には、どのようなリスクがあるのでしょうか? 言葉の影響もあり調べるのが面倒ですよね。
そこで今回は『資産運用』のメリットやデメリットを挙げながら、初心者にわかりやすく解説したいと思います。リスクの内容を理解したうえで将来のための資産運用のあり方を考えてみましょう。
お金の運用とは
テレビCM等で近年よく聞く「資産運用」という単語。これに関しましては、読んで字のごとく自分のお金を運用することを指します。ここでいう運用とは「自分の持っているお金を増やすための施策」を指します。それが株式投資という手段であれ、信託投資という形であれ、銀行の利回りに期待して預金をするという手段であれ、お金を増やすための手段であればそれは運用であるといえるのです。
ここではそういったお金の運用に関しての説明を進めていきたいと思います。
資産運用とは
前述しましたが、資産運用とは『自らの資産全体をつかって効率的に運用する』ことです。なんだか漠然としているように感じるかもしれません。簡単に言うと1円が10円になればこれも立派な資産運用です。運用を難しく考える必要はありません。お金の配分を決める(≒ポートフォリオを組む)と思えばよいのです。銀行に預けたり、株や債券を買ったり、土地を購入するなどの意思選択です。資産は分散して持つのがよいといわれています。たとえば土地だけの資産運用をして、地価が大暴落したら被害は大きいです。一方で土地だけでなく株も持っていた場合、リスクは分散されます。
資産の配分に迷うこともあります。そういった際には金融の専門家であるファイナンシャルプランナーに相談することもよいでしょう。くわえて日本経済新聞や経済雑誌などからも情報を得ることで多角的な情報を得ることで運用の判断がしやすくなります。ただし、運用の最終判断は人任せにはせず、自分自身ですることが大切です。
投資との違い
そもそも投資と資産運用の違いはなんでしょうか。考え方としては、資産運用の一環として『投資』が存在します。つまり『投資』は手段です。文字通り『資産』を『投じる』わけですから大なり小なりリスクはあります。投資とギャンブルを混同される人もいます。しかし『投資』は日本銀行でさえおこなっています。また税制優遇といった投資家への恩恵もあり、ギャンブルとは明らかに一線を画します。投資の代表例としては『株』などが挙げられます。
運用の種類・投資の種類
次に運用や投資の種類はどれほどあるのでしょうか? 代表例を五つまとめてみます。
- 預金(普通預金や定期預金)
もっとも一般的な運用方法です。普通預金は銀行にお金を預けているだけなので運用している感覚は少ないと思います。しかし実際は、銀行がみなさんの預金を企業や個人に貸し出して運用しています。預金者のリスクが少ないためリターン(利息)も小さくなります。定期預金も同様です。ただし、定期預金は預けてから満期日まで原則として引出せません。お金が制限される一方で普通預金と比べると若干金利は高くなっています。
- 外貨預金
外国通貨で預金をする運用方法です。日本円を指定した国の通貨(ドルやユーロなど)に変換して預金します。外貨預金のメリットとしては金利に加えて『為替差益』があります。『為替差益』とは、いわば為替相場(円安や円高など)で生じるお金の増減です。世界ではお金の価値が日々変動しています。
海外旅行の両替を例にすればわかりやすいかと思いますが、お金の価値が変われば外貨預金の金額も増えたり減ったりします。外貨預金のリスクとしては為替の変動による損失や為替手数料があります。元本割れの可能性もあるのが、定期預金とは大きく異なる点です。
- 投資信託
ファンド(投資の専門家集団)に委託して運用する方法です。投資の専門家が効率よく資金を運用してくれるため普通預金よりも高いリターンが見込めます。日本の投資信託は約6000本あります。投資信託の運用成績の結果や配当金がリターンとして受け取れます。
これはファンドによって運用の仕方は異なりますが、日本株を中心に投資するファンドや外国株に投資するファンドなど千差万別です。配当金ひとつとっても毎月型や年1回分配型、配当金なし(運用利益のみ)とあります。
では、どのファンドを選べばいいのでしょうか。これに関しては、証券会社のホームページで簡単にファンドの比較ができますので、手数料や運用成績を見比べて判断するのがよいでしょう。また複数の投資信託を購入することも可能ですので、リスクを分散することも可能です。
それでは投資信託は普通預金となにが違うのでしょうか? 一番の相違点は元本保証がありません。運用成績次第では1万円が5000円になってしまう可能性も少なからずあります。またプロに運用や管理をお願いするため、手数料や信託報酬を支払わなければなりません(間接的に運用成績から差し引かれる場合がほとんどです)。もちろん運用成績に納得いかない場合は解約できます。新たなファンドに乗り換えることも可能です。したがって、ご自身の方針に合ったファンド選びがなにより重要です。
- 確定拠出年金
確定拠出年金には個人型(iDeCo)と企業型があります。銀行や証券会社が扱う金融商品(元本保証型や変動型の投資信託など)を自身で選択して資産運用します。毎月一定額を積み立てる場合や複数の金融商品に分散投資するなど幅広い資産運用が選択できます。また税金面でも所得控除といった優遇もあり、長期にわたる資産運用に向いています。
一方で原則60歳まで運用に投じた資金の引き出しができないといった制約もあります。例えば通算で100万円預けていても50歳で100万円は引き出せません。したがって継続的に収入のある方、あるいは預金に余裕のある方は検討してみてもよいかもしれません。
- 株式投資
証券会社の口座で株を購入して運用する方法です。リターンの中身としては株式売買による運用収益や配当金あるいは株主優待があげられます。運用収益の例としては100円で買った株を200円で売ったとすれば100円得したことになります。厳密には100円から手数料が引かれた金額が実質の売却益となります。
配当金は企業によって異なります。業績に連動した配当金や配当金の無い(無配)企業もあります。株主優待は近年よく耳にするワードです。株式投資の入口としてはじめる方も多いです。優待の中身は企業によって異なります。証券会社のホームページで金券や食事券など的を絞って検索できます。よくコンビニに行く方はクオカードに絞るなど、ご自身の生活とリンクさせれば実質、運用利益につながります。
そのほかにも仮想通貨、不動産、金、プラチナなど投資の種類は多岐にわたります。投資をする目的は人によって異なりますので、どれを選択しても間違いということはありません。そのなかでも今回『株』をとりあげた理由は、最も日常生活に密接しているためです。百貨店やコンビニ、ドラックストアなど誰もが一度は買い物をしたことあるでしょう。身近な企業の株を調べるだけでも経済の勉強になるとおもいます。
運用に伴う利点とリスク
実際にお金を運用するにあたって、手段は多いということはご理解いただけたかと思います。しかし、お金を運用するということは、つまりお金が減るリスクを把握したうえで臨む必要があるということもご理解いただけたかと思います。
それにあたり、ここでは実際に存在するメリットデメリットを詳しくご紹介していきたいと思います。
資産運用のメリット・デメリット
・資産運用のメリット
では実際、お金の運用に関してどのようなメリットがあるのでしょうか。やはり長期的な資産運用は、将来の資金形成をしやすい点です。同じ金額でもポートフォリオ(資産配分)を組みなおすだけで価値が変動します。また早いうちから資産運用をはじめることも大切です。運用する時間が長いほど、税制優遇の恩恵も大きくなります。資産運用の結果によっては将来のライフプランを変更することも可能となります。働く時間を減らして趣味の時間を増やすのもよいでしょう。そのためには目標金額を定めることが大切です。
・資産運用のデメリット
メリットが存在する以上デメリットも存在しており、それについてもしっかりと知る必要があります。なにより低リスクな資産運用である銀行預金でも損をする可能性はあります。普通預金だけなら、損を気にするのは口座振替やATMの手数料ぐらいです。しかし分散した資産運用の場合は、管理用や手数料が複数になり見落としがちです。資産を貯める行動が、無駄な諸経費に消えていくのはもったいない限りです。運用をプロに任せたとしても、ご自身で運用状況を日ごろからチェックする習慣をつけましょう。
投資のメリットデメリット
・投資のメリット
投資スタイルは人それぞれ異なりますが、メリットとしてはなにより、お金の配分を変えるだけで利益を得られる点です。短期投資でいえば売却益。長期投資でいえば売却益にくわえて、配当金や株主優待があり、通常の預金では考えられないリターンを得られる可能性もございます。
また、投資で増えた資金を再投資することもできます。これを複利効果とよびます。資金の膨らむイメージとしては雪だるま方式が近いです。生活に密着した投資スタイルをご自身で確立することができれば、恩恵を最大限に享受できます。
・投資のデメリット
先述した通り、メリットが存在する以上デメリットもあります。もちろんリスクは避けて通れません。投資をした結果、元本が割れてしまうケースも考えられます。投資をしたことがない人でもリーマンショックという言葉を一度は耳にしたことでしょう。外部の経済要因によって株や不動産の下落など、投資環境は変動します。まじめに働いていても資産は減ってしまいます。資産運用が普通預金だけなら生じなかった損失の可能性は否定できません。
まとめ
ここまで運用に関してのメリットやデメリットをまとめてみました。もちろん記事を読んだからといってリスクがゼロになるわけではありません。しかし、リスクの中身を知らずに毛嫌いするのは非常にもったいないです。お金を増やすこと自体、いやしいと思う人が多いのは事実です。ましてや楽して儲かる話などありません。
しかし、お金をいらないという人は周囲にいるでしょうか? 将来、年金だけで生活できるならまだしも、北朝鮮の暴走など先のみえない世界情勢は言うまでもありません。情報を知ることは、どのように運用すべきかの選択肢をひろげます。もちろん正解はありません。将来を豊かなものにするために、ご自身の納得する資産運用をしましょう。
この記事へのコメントはありません。