非上場なのに大企業?上場しない理由とは?

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はじめに

突然ですが、日本には数多くの会社があります。この記事をお読みになっている方も、会社勤めの方が多いと思います。ご自分の会社が上場しているかどうかご存じの方も多いですよね。一般的に、「上場企業」と聞くと大企業をイメージされる方もいらっしゃると思いますが、実は、上場していることが必ずしも大企業の条件であるわけではありません。皆さんが名前をよく知っているサントリーやロッテなど、上場していなくても大企業として有名な会社も一定数存在しています。この上場と非上場の違いはどこにあるのでしょうか?今回の記事では、上場する条件と、非上場企業が上場しないワケについてご説明します。

 

1章:上場する条件とは?

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さて、よく耳にする「上場」という言葉ですが、その意味をきちんと説明できる人は少ないのではないでしょうか。本章では、まず上場する意味について説明し、上場する条件についてご説明します。

 

上場とは?

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東証一部、東証二部、JASDAQ、マザーズ…ニュースでよく耳にする言葉ですが、これらは東証、東京証券取引所が扱っている株式市場の名称です。これらの株式市場に上場すると、一般の人々がその会社の株を買うことができるようになります。株式を一般の人々向けに公開し、より多くの出資者を募ることができるようになるわけですね。これらの株式市場はすべて東京証券取引所が運営している市場ですが、各市場にそれぞれ上場できる条件があります。その中で最も上場のハードルが高いのが「東証一部」であり、トヨタ自動車やNTTドコモなど、誰でも知っている企業が名を連ねています。多くの企業はまず東証二部への上場を目指し、そこから東証一部への上場を目指すことになります。JASDAQおよびマザーズは、成長中の企業が上場することのできる市場であり、多少経営が安定していなくても、将来性のある企業であれば上場を果たすことができます。とはいえ、日本には現在約380万の企業があると言われていますが、そのうち日本の証券市場に上場しているのは約3500社。つまり、上場している企業は企業全体の0.1%にも満たないのです。この数字を見ただけでも、上場するには厳しい条件をクリアする必要があることが分かります。

 

上場の条件とは?

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では、実際に企業が上場するためには、どのような条件が必要なのでしょうか。まず最高クラスである「東証一部」に上場するためには、「株主数2,200人以上」「2万単位以上の株式の流通」「企業の時価総額が250億円以上」「純資産額10億円以上」といった条件を満たす必要があります。ざっと並べてみても、かなり厳しそうな条件であることが分かります。これよりも審査基準の緩い東証二部の条件をみてみますと、「株主数800人以上」「4,000単位以上の株式の流通」「企業の時価総額が20億円以上」「純資産額10億円以上」というものであり、東証一部の半分以下の基準設定であることが分かります。もちろん、これらに加え、安定した黒字経営を行っていることも上場の重要な条件になります。ベンチャー企業・新興企業向けの東証マザーズに関しては、もう少し優しい基準が設定されています。これらの条件は「形式要件」と呼ばれており、数字の面でクリアする必要のある条件ですが、上場するためには「実質審査基準」というものもクリアする必要があります。こちらは、上場を申請した企業が上場に適しているか審査するものであり、審査書類に基づいて証券所による質問、実地調査が行われます。どんなに数字面で良い経営をしていても、企業としての在り方に問題がある場合は上場ができないというわけですね。実際の上場規定には「企業の継続性及び収益性」「企業経営の健全性」「企業のコーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の有効性」「企業内容等の開示の適正性」「その他公益または投資者保護の観点から東証が必要と認める事項」の5つが挙げられています。これらの項目は東証一部、二部における条件であり、東証マザーズ、JASDAQに関しては別の条件が設けられています。これらの厳しい条件をクリアした企業だけが、上場企業を名乗れるのです。

 

上場のメリット

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厳しい基準をクリアしないと行うことのできない、上場。それでも多くの企業が上場を目指す理由はいったい何なのでしょうか?一番のメリットは「社会的の信用を得られること」ではないでしょうか。「上場する」という行為自体が「一定の基準をクリアした」という証明になるわけなので、社会的な信頼度は高くなります。また金融機関に対しても上場企業であるというお墨付きを得られるので、信用力が上がるといえます。これにより融資を受けやすくなり、資金の調達が格段にしやすくなると考えられます。内的には、社員のモチベーションアップや、知名度の上昇による新入社員の採用しやすさの上昇もメリットとして挙げることができるでしょう。また、上場を目指す過程で企業内の法令順守や内部統制への意識が高まり、不正の防ぐ仕組みを作ることもできます。上場により株価が上昇することで得られる創業者利益も、上場による大きな魅力です。

 

2章:企業が上場しない理由

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ここまで、企業が上場する条件や、上場のメリットについてご説明してきました。しかし、冒頭にもお伝えしたとおり、世の中には上場できる条件が整っているにも関わらず上場しない選択をしている大企業が存在します。その理由はいったいどこにあるのでしょうか?

 

 

上場のデメリット

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先ほどは上場のメリットについてお伝えしましたが、実は上場にはデメリットもあります。まずは、かかる費用の多さです。上場すれば多くの利益を得ることができますが、上場するためには莫大な費用が必要となります。上場審査手数料のみならず、引受手数料、監査報酬などその資金内容は多岐にわたり、資金面で上場を断念する企業も少なくありません。比較的条件の優しい、新興企業向けの東証マザーズであっても、4~5,000万円が必要と言われています。そして上場できて安心できるのもつかの間、上場を継続するためにも資金が必要です。こちらは年間5,000万~1億円程度といわれていますから、上場にかかるコストは相当なものだといえそうです。さらに、上場企業には情報開示の義務が課せられるため、自社の業績や経営にかかわる情報を、都度株主や投資家に開示する必要があります。より多くの人々が株主になれるということは、より多くの意見が集まることになるため、経営者の意見で経営できる部分が減り、株主の意向に沿った経営をしなくてはいけなくなる場合もあります。上場することで社会的信用を得ることができる半面、ある程度経営が株主や投資家に左右される側面も持っていると言えます。上場した以上は安定した経営を行わなければいけないため、チャレンジングな取り組みができにくくなるようです。どうしても短期的な業績が求められ、中長期的な取り組みを行うことが難しくなるのが上場のデメリットということになりますね。大企業であるのに上場しない理由は、このあたりにありそうです。

 

新聞社の場合

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非上場の大企業として、5大新聞社(朝日新聞、読売新聞、日経新聞、毎日新聞、産経新聞)が挙げられます。これらの新聞社以外でも、新聞社で上場しているところはありません。新聞社が上場しない理由は、「経営の自由度が低くなること」に在ると考えられます。上場した場合株主の意向を取り入れる必要が出てきますので、株主が「○○についての記事を書くな」などと主張した場合、報道の公平性を守ることができません。このような報道の偏りを起こさないためにも、新聞社は上場しないと考えられます。また、各新聞社の知名度の高さは明白であり、資金調達についても困ることはありません。どんどん新しい技術や機械を導入して設備投資するような企業体質ではなく、コストがかかるのは印刷に関わるものがほとんどだからです。これらを踏まえると、新聞社にとって上場のメリットは皆無ともいえるのかもしれません。同様の理由で、出版社も上場していない企業が多いです。しかし、同じマスコミでも、テレビ局は上場しています。これは、新聞は刷ろうと思えばいくらでも刷ることができますが、電波は有限であり、放送法で公平な放送が義務付けられていることや、テレビにはもともとスポンサー(投資家)の意向を気にしないNHKという存在があることが原因と言えます。同じマスメディアでも、上場する、しないの違いがあるのですね。

 

会社の意向

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非上場の大企業として、最初にサントリーやロッテを挙げましたが、これらの大企業は、企業の方針・意向として上場していないようです。サントリーについては、子会社は上場していますが、親会社のサントリーHDが上場していないという珍しいケースです。これは、有名な「やってみなはれ精神」によるものだと考えられます。今では多くの人に愛されているビールも、黒字に転ずるまでには長期間を要しました(実に45年間!)。もし上場していれば、黒字経営になる前にビール業界から撤退させられていたかもしれません。「やってみなはれ精神」を大切にし、総合飲料・食品メーカーとして大きな成功をおさめている秘密は、株主の意向に左右されない経営にあるのかもしれません。また、さまざまなCMでおなじみのDMM.comも非上場企業です。DMM.comの特徴はとにかく事業の幅の広さと言えます。思いつくだけでもデジタルコンテンツの配信やオンライン英会話、最近では仮想通貨業界への参入も話題になっています。こちらの会社も、上場すると事業の幅を狭めかねないということから、上場を避けているようですね。また、旅行会社も上場している企業は少なく、大手であるJTBも非上場企業です。旅行事業は手数料が利益の大部分を占めており、利益率が低いことが原因のようですね。他にも近畿日本ツーリスト、日本旅行なども上場していません。このように、会社の意向によりあえて上場を選らばない企業も数多く存在しているのです。

 

まとめ

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今回の記事では、上場・非上場にスポットを当て、上場の条件や大企業なのに上場していない企業についてご説明しました。上場のカギは「社会的信用・知名度の向上」「資産調達」にあるようですね。大企業が必ずしも上場しているわけではなく、上場により得るもの・失うものがあるということがわかりました。


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