株を始める方の中でもスイングトレードについて徹底解説していきます。
デイトレードを知られている方にとって、なんとなく耳にしたことのあるスイングトレード。一体どんな手法なのでしょうか。
スウィングトレードってなんだ
これからスウィングトレードを始めたい方に向けて、その概要と利益を出すためのポイントについてお伝えします。
スウィングトレードってなんだ①:スウィングトレード概要
スウィングトレードは数日で利益を取りたい人におすすめの方法です。
株価の上がり下がりをスウィングと表現し、それを利用する取引ということから「スウィングトレード」と呼ばれています。
具体的には買った株を4~5日後、もしくは6~7日後に売って利益を取っていきます。通常の株取引だけでなく、信用取引で売った株を同じように数日置いて買い戻すこともスウィングトレードに含まれます。
なぜスウィングトレードでは保有期間を数時間としているかというと、株価はずっと1つの方向に動き続けるわけではないからです。
日足チャートで株価の値動きをみても、株価の上昇が何日間か続いたあとには下落があり、下落が何日間か続いたあとには上昇があります。
この何日間かの上昇や下落に合わせるような売買をするので保有日数も、株式を買ったときはあくまで大まかな予定にすぎません。
最初から日数が決まっているのではなく、実際の株価の動きをみながらいつ売却するか決断することになります。
スウィングトレードってなんだ②:他の短期取引との違い
デイトレードとの決定的な違いは、買った当日に売却することはないという点です。
買った翌日に売却することはあっても、当日中で決済まですることはありません。
また長ければ12~13日保有し続けますが、値上がりが続いていたとしても長く持つのではなく12~13日を目安に売却してしまいます。
翌日に売却してしまうのも非常に稀です。
このような取引をするのはたとえば、大きく株価が下がったタイミングで買っておいたところ、翌日に一気に5%も株価が上昇した、というようなときくらいです。
1日で5%の利益が出てしまうのは、月利2%~5%程度を目指す投資において十分な成果だからです。
スウィングトレードってなんだ③:株式の売買タイミング
スウィングトレードは、買った株を数日後に馬脚して利益を取る手法のため、
保有期間が短いので、大きな損失となるリスクを小さくすることができます。
また同様に、利益を取る回数が多くなるというメリットにもつながります。
ただ、数時間という短期の保有で着実に利益を取っていくためには、予測した買いポイントで待ち受けて買い、
売るべき値に到達したら「まだ上がるかも」という期待で売りどきを逃すことなく売却することが重要です。
売買タイミングを逃さないために、日々の値動きはしっかりと見ておく必要がありますが、取引時間中にずっとパソコンやスマホで確認しなければならないわけでもありません。
最低限、その日の株価や取引時間中にどう動いたのかについて翌朝の取引開始までにはしっかりとチェックしておきます。
また時には突然のニュースによって、株価の位置が大きく変わることがあります。これまでの値動きの連続が断たれて、朝の寄り付きから非常に離れたところに移ってしまうパターンです。
このときの売買タイミングについても紹介します。
まず、株価が10%以上離れた位置から始まっていたときは、その日を1日目として数えて3日目か4日目に買って、数日待ちます。
このときの理想の動きは、
2日目は1日目よりももっと下がり、
3日目は2日目よりもさらに下がっているようなときです。
そうしたときは3日目が底値となることが多く、もし3日目の下がりがそれほど大きくなければ、4日目が底値になることが多いです。
こういうときは買い時です。
一方で、2日目、3日目と株価が上がっていく動きをすることもあります。こうときは買い時ではありません。それは、一時的に上がったとしても大きな下落が起きる可能性があるからです。
ここでもし上がり続けたとしたら、そのときは、「縁がなかった」とすっぱりと忘れることが大切です。
そして底値で買えたときも元の高かった時まで株価が戻ることを期待してはいけません。数日間保有して、ある程度利益が取れるところまであがったら、もう売り時です。大きすぎる期待は、損失を拡大させてしまうことにもなります。
コツコツと取れるタイミングで利益を取っていくようにしましょう。
スウィングトレードってなんだ④:スウィングに必要な基礎知識
スウィングトレードでは、1時間足のような短時間での細かい値動きの上下は気にせず、
トレンドが上昇トレンド・下降トレンド・横ばいのどこにあるのか、今後どのトレンドが発生するのかを読める知識が、「基礎知識」として必要です。
これがなければ、スウィングトレードで勝つことはまぐれであって、実力ではないと考えるべきです。
そのため、トレンドがわかりやすいようにトレンドラインを引けることは絶対です。チャートをみても、最初からトレンドラインは引かれていませんし、トレンドに対する知識がなくただ漠然とチャートを眺めていては、トレンドを見失って、今がどの状態にあるのかわからなくなってしまいます。
またトレンドを予測するうえでテクニカル分析をするための知識と、市場を把握するための情報についても基礎知識として持っておくことが求められます。
基礎知識についてはここで説明するとテーマのスウィングトレードから外れてしまうので、おすすめの書籍やサイトを紹介します。
【おすすめ情報源】
・ヤフー・ファイナンス https://finance.yahoo.co.jp
・日本経済新聞 http://www.nikkei.com/
これらのサイトや新聞では、投資するうえで必要な基本的情報を手に入れることができます。専門用語も出てくるのであとから紹介する書籍を参考にしながらみていくと、
スウィングトレードに必要な基礎知識は身に付けることができるでしょう。
【おすすめ書籍】
株式投資に関して必要となる知識を広く浅く、要点のみをまとめてくれています。これから株式投資を始めたいと思っている方はもちろん、なんとなく独学で株式投資を始めた方にも知識の整理・確認という点でおすすめの1冊です。
長期投資、短期投資、スウィングトレード、デイトレードと4つの投資手法についての概要と詳細について解説されています。
それぞれの投資手法において注意すべきポイントなども解説してくれているので、どの手法でトレードしようか迷っている方にもおすすめです。
またスウィングトレードについてもかなりのページを割いて解説してくれているので、改めてスウィングトレードとは何か、どういう手法なのかということを把握する上で役立ちます。
テクニカル分析についてはこれ1冊で十分と言えるくらい充実した内容です。
本書は、先物市場で勝つためのテクニカル分析のための指標が一通りまとめられています。
先物市場とタイトルにはなっていますが、要はテクニカル分析のまとめなので当然、株式市場での取引にも活用できます。
具体的には、ダウ理論やエリオット波動などのテクニカル分析をするために必要な理論と、トレンドの分析、パターン分析、出来高、移動平均線など一般的に普及しているテクニカル指標のすべてを学べます。
始めたばかりの方にとっては難しい内容かもしれないですが、これを読みこなすことができれば実用に耐えるテクニカル分析知識が身についたと自信を持っていただいて大丈夫です。
マーケットの魔術師でも紹介された、アメリカの投資家ウィリアム・J・オニールが開設した大化け銘柄の発掘法です。
この投資法は比較的小さな会社のうちから成長の速そうな銘柄を探し出して、短期間のうちに利益を上げていく方法で、スウィングトレードにも活用できる知識を身に付けることができます。
チャートが100枚近く掲載されているので、始めたばかりのかたでもイメージしやすいような工夫がされています。
その他の入門書籍についてはこちらを参照
スウィングトレードで利益を上げるために必要なこと
ここまでスウィングトレードについての概要と取引を行うために必要な基礎知識について紹介してきました。これからはより具体的にスウィングトレードで利益を上げるために必要なことを紹介していきます。
スウィングトレードで利益を上げるために①:メリットとデメリットを知る
スウィングトレードの最大のメリットは、取引時間中に板に張り付いている必要がないということです。
デイトレードとは違って、その日の終値などを基に売買する銘柄を決めるので、仕事終わり、取引時間外に落ち着いた気持ちで銘柄を選ぶことができます。
そして、新規購入銘柄の予約注文や保有銘柄の逆差し注文を出しておけば、会社員をしながらでも実践することができる投資手法です。
またデイトレードのようにロスカットラインの幅を狭くする必要がないので、小さな相場の動きに左右されることもありません。
株価は長期的にみて上昇トレンドだとしても数日間という比較的短い金でみれば、その中で株価は上下しています。
その値動きに合わせて売買することでたとえ少ない資金であったとしても売買の繰り返しにより利益を大きくできるということもメリットと言えます。
そしてデメリットは、保有株式の持ち越しリスクです。
これはデイトレード以外、どの投資手法を選んだとしても負ってしまうリスクですが、
実際に取引時間外では様々なことが起きる可能性があります。
たとえば、企業の倒産や決算発表で下方修正、ニューヨークやヨーロッパ市場の動きです。特に企業にとって重要な発表は夕方以降に行われることが多いです。
企業の倒産についてはその前からある程度噂されたり予想されたりしますが、業績予想の下方修正については、ほとんど予想できません。
これが逆に上方修正だった場合は持ち越しにより想定外の利益を得ることもできますが、どちらかといてばリスクの方が大きいと思っていたほうがいいです。また、取引時間外終了後に天災などが起きる可能性もゼロではありません。
数日間株式を保有するということは、こうした予想外の変動が起きるということをリスクとして持っていることを理解しておくことが大切です。
スウィングトレードで利益を上げるために②:毎日の市場調査を徹底
スウィングトレードで利益をあげるためには、毎日欠かさず市場環境や相場環境の情報を把握しておくことが重要です。
まずよく活用されるのが「ヤフー・ファイナンス」です。
ここのランキング情報から値上がり率ランキングを活用することで、どんな銘柄が上昇しているかをすぐに見つけることができ、トレンドを見極めることに役立ちます。
また、日経新聞でもNY株式市場やマクロ指標に関する情報を取得するようにしましょう。
株式市場が今どんな環境にあるのかを調査する上で信頼性のある情報としておすすめです。
スウィングトレードで利益を上げるために③:テクニカル分析を駆使
スウィングトレードで売買ポイントを見つけて利益を上げるためにはテクニカル分析を駆使することが大切です。
テクニカル分析は様々な種類がありますが、ここでは必ず押さえてほしいテクニカル指標を紹介します。
まずは移動平均線です。
移動平均線の基本的な見方はローソク足との位置関係と傾きです。
この二点を確認することがポイントになります。ローソク足が移動平均線より上にあるときは上昇トレンド、下にあるときは下降トレンド、重なっているときは横ばいということが判断できます。
これだけでもスウィングトレードで重要なトレンドの把握をすることができます。
また傾きによってそのトレンドの強さを判断できます。移動平均線の傾きが急なほどそのトレンドは強いことが把握できます。
次がトレンドラインです。
トレンドラインは株価の流れの変化をつかむために役立ちます。スウィングトレードでは株価の変化の瞬間を捉えることが、
利益を出す上で重要になってくるので、トレンドラインを活用していくことは必須と言えます。
難しいことはせずに、単純にトレンドの上昇・下降を示すラインで大丈夫です。そのラインを割る瞬間を見つけたときが株式の売買タイミングになります。
そして最後がチャートパターンの活用です。パターンはあくまで一つの型でしかないので、いつもその通りに動くわけではありません。ですが、そのパターンがどうして出てくるのかまで知っておくと、その前後で株式の売買を行えます。
チャートパターンは、短期投資での買い方と売り方のせめぎあいから生まれてくる形です。つまりこれは、投資家たちの感情や心理が強く影響しています。
パターン化されているということは、今も昔も同じような心理状況だったと推察できます。
人は似たような状況になると時代にかかわらず同じような行動を取るということを理解しておけば、
スウィングトレードでも売り時か買い時か、待機か、判断をしやすくなるでしょう。
スウィングトレードで利益を上げるために④:適した銘柄を選ぶ
どのトレード手法をするにしても、適した銘柄、適さない銘柄というものがあります。
スウィングトレードでは数日間保有して株式の売買を行うので、取引に適した銘柄は、「値動きの予測しやすい銘柄」となります。
これはつまり、値動きに一定の規則性がある銘柄のことです。
日足チャートをみたときに、その銘柄の株価の動きについて「こういう動き方をしている」と感覚ではなく言葉で人に説明できる銘柄と言い換えることもできます。
たとえば「短い期間での上がり下がりを繰り返しながら、少しずつ上昇している」というざっくりしたものや、具体的に上昇するときの日数や値幅、下落するときの日数や値幅まで踏み込んで説明できるものでもいいです。
なぜ株価の変動を予測できたほうがいいかというと、株価を予測できれば、その銘柄をそのタイミングで買ってもいいかどうか、判断ができるからです。
あなたがトレード手法としてスウィングトレードを選ぶのであれば、たくさんの銘柄の日足チャートを確認して、値動きの予測がしやすい銘柄を選び出すことが大切です。
スイングトレードについてのまとめ
スウィングトレードについてここまで概要、メリット・デメリット、
利益を上げるためのポイントと様々なことについてお伝えしてきました。
スウィングトレードは、上手に取引を行えば7日~10日程度のスパンで利益を獲得することができます。それを生活費として使いながら、それ以上の利益については運用資金へと回して、さらに資金を増やすことができます。
投資は複利ですから、ずっと同じ資金で運用するのではなく時間をかけて増やしていくことによってやがては大きな差となって現れます。
10日に1回、利益を確定させるといっても1ヶ月に3回も利益確定のタイミングがあります。
会社員として働いていれば通常、給与の支払いは月に1回ですから、利益を得られるまでの間隔が長すぎて待てないということはないでしょう。
また、取引時間中にずっとチャートを見なくてもいいので、会社員として取り組みやすいのもメリットです。
会社員の方は、専業の方と渡り合うことが難しいデイトレードよりも、スウィングトレードの方が向いています。
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