株の初心者はいきなり高額の資金で株を買うのに抵抗がある人も多いだろう。そこで今回は、5万円以下で買えるような非常に安い株価の銘柄をご紹介する。安く買えるからと言って、危険な銘柄というわけではない。初投資の方などは参考にしてもらいたい。
低位株というと、すべてがわるいように感じるひともいるかもしれないが、そんなことはない。テンバガー(10倍)になるようなお宝銘柄も存在する。その銘柄が将来性があるのかどうかも合わせてみてもらえたらと思う。
■■■ 目次 ■■■
株初心者向け少額購入ができる銘柄一覧
三井住友建設<東1/1821>
杭打ちデータ流用事件で急落した銘柄だ。信用力を大幅に落とし、いまだに株価は落ち込んでいる。ここ半年のチャートだ。再度信用回復して上昇できるかがポイントとなる。
株価:102円
売買単位:100
購入額:10200円
2017年11月追記
横浜にて起こった杭工事不具合の一件により株価が大きく下落した三井住友建設は、2016年度3月期の連結決算によりその対応のためとして約21.5億円の特別損失を発表した。その前後の時点では1株あたり500円前後で変動幅も少なく推移したものの、出来高自体は乏しい傾向が依然として続いた。しかし同年11月に入ると出来高こそ盛り上がりに欠けるものの、1株あたり600円を安定的に超えるところまで値上がりを果たす。一時期は635円をマークした。また2017年度10月期には700円付近まで値上がりしたものの、現在は640円まで下落している。
海外事業を中心に注力したことが業績に貢献したため、営業利益および純利益の面では2年連続で増益を達成している。建設問題が大きく取り沙汰されることとなったあの一件の傷が、徐々にではあるが回復の兆しを見せつつある。
ブロードメディア<東J/4347>
Google PlayやApp Storeにて配信中のスマートフォン・タブレット向けクラウドゲームアプリ『信長の野望・創造』などを手掛けている銘柄だ。ほかには、J:COMゲームとしてクラウド上でゲームやり放題で500円というサービスも提供している。しかし、業績苦戦中ということで、株価は低迷中である。
株価:101円
売買単位:100
購入額:10100円
2017年11月追記
2016年度1月期に120円の高値をマークして以降も株価の値下がりは止まらず、同年7月期には85円の安値をマークする日も出た。株価の低迷とともに出来高も低い状態が慢性化し、これは2017年度5月期まで継続した。
しかし2017年度6月より上昇トレンドの波が生じたことにより、7月期には151円を一時的にマークした。その瞬間の出来高も連動しており、最高潮の盛り上がりが見られた。その後も若干値下がりしており、現在では100円付近をほぼ変動幅なく推移している。
同企業は2015年に営業利益こそようやく黒字化を果たしたものの、「親会社株主に帰属する当期純利益」や「1株あたり当期純利益」の面では、現在進行形で赤字の圧縮に励まざるをえない局面に立たされている。それに伴い「自己資本比率」も顕著に下落していることが数値として示されている。ただブロードメディアの子会社であるブロードメディアGCを主体にして、今なおクラウドゲーム事業に注力している最中である。今年の10月に発表した4-9月期の連結経常利益では、前年比14倍にもなる5,400万円まで急激に拡大するという結果を打ち立てた。こうした上期実績も加味した下期の連結経常利益の試算では、前年比12.3%増となる1.46億円まで業績が伸びるという解が得られた。この数値が現実のものとなれば、出来高も大きくなり株価の上昇につながる可能性がある。
日本駐車場開発<東1/2353>
駐車場全般のプロフェッショナルとして業務展開をしている。株主にトヨタ自動車が入っている。駐車場運営は順調だが今は下げている状況。今日現在は、市場全体が下げ相場であるから、チャートを見るとここ半年の底値に近付いているのがわかる。
株価:126円
売買単位:100
購入額:12600円
2017年11月追記
2016年度1月期の時点で下降トレンドを示し、1株あたり140円から114円まで値下がりした後はトレンドが反転し、緩やかな傾斜を描いて上昇の一途を辿っていく。
120円代から始まった株価は翌年度の1月期には1株あたり165円まで持ち返すに至った。その後の5月期には140円代まで値下がりしたがすぐに上昇し、現在は170円付近を維持するようにほぼ横ばいで推移している。
2017年度の9月期に発表された決算では、連結経常利益として32.1億円を報告し前期比43.4%の結果となった。次年度にあたる2018年についても現段階で増益を見込めるとし、引き続き過去最高益を更新できるとしている。
このまま増益を継続できれば20期連続での増益が確定し、これを受けて日本駐車場開発は株主への年間配当を4円まで引き上げる意向を示している。業績好調による増配も予定されており、企業として今後の成長が期待されるところである。
オリエントコーポレーション<東1/8585>
オリコカードで有名な企業だ。知っており人も多いだろう。利息返還請求の引き当てが減少している。
株価:226円
売買単位:100
購入額:22600円
2017年11月追記
2016年度1月期に差し掛かり255円付近から始まった株価は、即座に230円付近まで急落した。そしてその後も緩慢にだが株価が下落していき、翌年の2017年度には210円代まで値下がりしてしまう。その後もさらなる株価の下落が続き、現在では170円代をマークするに至った。
クレジット業界においてクレディセゾンに次ぐ企業でもあるオリエントコーポレーションは、2016年度からの業績に関して言及すれば、営業利益および経常利益ともに2年連続で増益している。総資産額においても順調な増益を果たしていることで、2017年度3月期には配当性向13.7%という高い数値設定により、株主への利益還元を行なっている。オートローンとしては最大手である以上、企業としての安定性は十分信頼に足るものではあるが、後述のみずほFG同様に昨今の情勢不安がよからぬ影響を及ぼしている。
オリコン<東J/4800>
昔、CDなどで「オリコンランキング」というのが発表されていたと思うが、そのオリコンランキングを発表している会社の銘柄である。広告事業は好調だが、株価はもみ合いの状況が続いている。
株価:235円
売買単位:100
購入額:23500円
2017年11月追記
2016年度までに1株あたり240円代まで一気に値下がりした株価はその後、1-10月期にかけて220円前後でほぼ横ばい状態になり、一時期は210円を下回るまでに株価が下落した。その間の出来高についてもほぼ無いに等しかったが、株価が一気に値上がりする予兆を見せた10月11日の時点では、出来高が急激に大きくなり突発的な盛り上がりが見られた。
その後も上昇トレンドで徐々に値上がりしていた株価は、2017年度5月期直前になり上昇途中での一時的な株価の下落が見られたことにより、押し目買い目的による出来高の動意が若干だけ確認された。その後も株価は段階的に値上がりしていき、370円を超えた瞬間もあったものの、現在は330円を切るところまで値下がりしている。
オリコンと言えばランキング形式の「オリコンランキング」を配信する企業だが、近年では音楽やCDだけでなく書籍やエンタメ関連、シリーズ作品のランキングまで幅広く取り扱う。2017年度においては営業利益こそ黒字化を達成できたものの、売上高についての赤字は大幅な圧縮までに留まった。
みずほFG<東1/8411>
経常利益は過去最高だが、金利収入が低迷している。国内のみならず海外でもマイナスになっている。連結で3%減だ。しかし、非金利ビジネスの投信は好調で、金利に依存しない事業展開など収益の多様化を図っている。制作保有株を2018年までに3割削減する意向をしめしている。
ここ半年の底値にもうすぐ届く勢いで売りがついている。市場全体が売りの状態であるため、かなり安く買えることは事実だ。
株価:223円
売買単位:100
購入額:22300円
2017年11月追記
2016年度に入る時点から1株あたり240円に到達していた株価は、その後下落の一途を辿り、7月期には底値である144円まで急速に落ち込んでしまう。
しかし約半年かけて215円まで持ち上がった株価は、2017年度1月期時点で回復の兆しを見せたものの、以降はほぼ横ばい状態となる。9月期まで緩慢な値下がりを見せた株価は再度反転することとなり、現在は1株あたり200円付近まで値上がりするに至った。
過去にはメガバンク2位に位置づけていたみずほFGも、現在では3位へとその順位を下げている。北朝鮮を巡る情勢不安により株価が左右されてしまうのもひとえに、直近の世界情勢や経済状況の打撃を受けやすい傾向にある金融業界ならではと言えるかもしれない。その売上高こそ2年連続で増益を果たしたものの、2016年度に一度は黒字化した純利益についても、北朝鮮の核問題や米国における債務上限に関する問題の影響を受け、2017年度には前年比10%減という結果に終わってしまう。これにより、純利益に関しては2015年度をさらに下回る数値となってしまった。
イントランス<東M/3237>
イントランスは、不動産投資・再生、コンサルティング・売買仲介、PM(プロパティマネジメント)、子会社事業の4事業を推進している銘柄だ。コンサル手数料収入が増加している。
株価:272円
売買単位:100
購入額:27200円
2017年11月追記
2016年度初頭から260円を超えていた株価はその後、緩慢な下降トレンドになり8月期までに170円を下回るほどに下落した。その後は反転し緩慢なペースで再度上昇していき、2017年度の2月期には253円をマークし、一見すると回復したかのようにも見えた。しかしその後すぐに下落してしまい、現在は200円代で横ばいのまま推移している。
2016年度には売上高、営業利益ともに大幅な赤字を計上したため、2017年度には販売用不動産の確保やアジア地域への事業展開を視野に入れたことで、赤字の大幅圧縮に努めた末に黒字化へとこぎつけている。以前に増配見込みありとの声も上がったが、現在は配当金2円を依然としてキープしたままである。
アルバイトタイムス<東J/2341>
フリーペーパーとインターネットを連動させた「DOMO!&DOMO!NET」というサービスを提供している。販促支援事業が好調に推移している。
株価:260円
売買単位:100
購入額:26000円
2017年11月追記
2016年度から下落トレンドに一転した株価は、260円代から200円まで段階的に値下がりした。10月期に下落の波が落ち着いた後はしばらく横ばい状態が続いたものの、翌年にあたる2017年度10月期からは上昇する動きを見せている。
求人広告件数については軒並み前年比を下回る結果であり、フリーペーパーの比率が年々チラシに押される傾向が見られた。また本社を据える静岡県では、有効求人倍率が1.42倍まで上昇し、雇用環境としては堅調に推移しているところである。営業利益を上げるべく、人員増加や広告宣伝費の増額をすることで企業自体の増益を狙う。
双日<東1/2768>
双日は、大型株だが安く買うことができる銘柄だ。長い歴史があり、自動車、航空、環境など幅広く事業を展開している。米国の物流会社を買収し、自動車部品などの輸送需要を取り込むなどM&Aに積極的である。連続増配である。
株価:238円
売買単位:100
購入額:23800円
2017年11月追記
2016年度1月期から下落トレンドで始まった株価は、2月期からは変動幅こそあるものの緩慢な上昇トレンドへと転じていく。当初は260円付近であった株価も、2017年度9月期には300円を軽く上回った。その後もさらに上昇していき一時期は330円をマークするまでに至った。
2016年度に発表された業績予想により利益回復の見通しが立ったことで、市場が良い評価をつけたために株価は高騰するとともに株の売買も一際盛んになったと見られる。売上高こそ年々減少傾向にあるものの、営業利益および純利益に関しては2017年度において増額を達成している。東南アジアでの工業団地事業により結果を残した双日は、今月10日にはフィリピンでの工業団地における販売代理契約を締結したと発表する。また同発表ではASEAN内でも有数の高い経済成長力を持つとされるフィリピンの、内需市場開拓の有意性を述べることで国内企業等にフィリピン進出を促し、また進出に際してのサポートを行うことをアピールした。
マネックスグループ<東1/8698>
米国事業の黒字化で中間期は最終黒字になっている。高配当の銘柄としても注目される。
株価:278円
売買単位:100
購入額:27800円
2017年11月追記
2016年度以前から緩慢に下落していた株価は、7月度に入り235円の時点でようやく落ち着いた。そこから上昇トレンドへと転換した株価は、2017年度1月時点で334円まで一気に回復する。1株あたり340円まで到達した際には、売買の盛り上がりも近年では最高潮となった。
ネット証券会社としては大手の部類に入るマネックスグループは、外国証券会社である「JPモルガン」が目標株価を大幅に引き上げたことにより、買い材料として株価の値上がりに貢献した。また今年の11月にはマネックスグループの完全子会社であるトレードステーションにおいて、先物商品取引として新たに仮想通貨を加える旨を表明した。従来のビットコインにはなかったサービスも導入することで安全性と透明性向上を謳い、仮想通貨取引の流れに便乗することでさらなる業績拡大を目指す。
まとめ
安く買える銘柄を10銘柄紹介したが、気づいた通り、ほとんどの銘柄が下げトレンドになっているのがわかると思う。大発会から本日12日まで日経平均は1600円も下落している。銘柄の9割が下落しているのだ。
原油安や中国経済の低迷が原因だが、正直この下落はどこまで続くか先行き不透明だ。唯一お祭り状態なのは、フィンテック関連銘柄だ。この下げ相場にもかかわらず、ストップ高が続いている。
フィンテック関連銘柄の出遅れ銘柄を狙うものありだろう。今は、フィンテック関連銘柄に資金が集めっている状況だ。手堅くいくなら、そちらを選ぶのも良いかもしれない。
ただ、これらの銘柄は、底値圏でつかめれば、かなり割安でかえる銘柄の一覧である。自分の気になる銘柄があれば、参考にして購入してもらいたい。
どれも3万円以下で買える銘柄ばかりなので、少しぐらいリスクをとっても大丈夫だろう。
2017年11月追記
各企業が属する業界の特性や傾向によっても、業績が左右されることは言うまでもない。
株価の値動きについてはチャートをよく観察するとともに、企業に関するニュースを随時確認していく必要がある。
また、推移としても、大きく跳ねる銘柄もなく暴落する株もなかったのはお分かりいただけたかと思う。
手前味噌にはなるが、約2年前に初心者にオススメ!と銘打って紹介した株たちはやはり安定して上昇推移したと言えるだろう。
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