チャート分析をする際にいくつか分析ツールがあるが、それらを大きく2種類に分けることができる。一つは、トレンド系でもう一つがオシレーター系だ。
トレンド系というのは、移動平均線などのように今のトレンドを見るためのツールである。
では、オシレーター系とは何なのか?オシレーター系とはマーケットの温度計と言われていて、相場の盛り上がり状態を数値として表したツールだ。ある決まった期間で、現在の株価が買われすぎているのか売られすぎているのかを示す指標と思ってもらうと良い。
その代表的なものに、RSIとストキャスティクスというツールがある。今回は、この2つに絞ってオシレーター系ツールの特徴について見ていきたいと思う。
ちなみにチャート分析ツールというのは、マイナーなのも合わせると200以上も存在している。しかし、そのすべての知識を得ても実際は使いこなせないので、まずはよく使われているチャート分析ツールだけを覚えるようにしよう。
それでは、1つずつ見ていこう。
■■■ 目次 ■■■
RSIとは
RSIとは一定期間の「値上がり幅」と「値下がり幅」を使って、値動きの強弱を数字でわかりやすく表したものだ。一定期間で、「上昇した日の値幅合計」と、「下落した日の値幅合計」を合わせたもののうち、「上昇した日の値幅合計」で表す。
例えば、
上昇幅:下落幅=7:3
この場合、RSIは70%ということになる。
このように値上がり幅の比率が高いと相場の上昇しようとする力は強いといえる。しかし、その中でも比率が高過ぎると買われ過ぎで逆に低すぎると売られすぎとなる。
ようするに、買われすぎている場合は、売りと考えたほうがよく、逆の場合は、買いを考えればいいということになる。
この強弱をパーセンテージで数値化したものがRSIで、20%より下がると買いサインで、80%より上になると売りサインとなる。
しかし、日経平均株価の指数の場合は、30%より下がると買いサインで、70Tより上がると売りサインとなるので覚えておこう。
ただ、この数値はどんな状況下でも使えるわけではない。時に株価が急上昇したり急降下したりする場合がある。その場合は、RSIが100%になったり、0%になったりする。
この場合は、RSIの数値は機能しなくなる場合があるので注意してほしい。RSIはマーケットが横ばいや緩やかな動きをしている時の状況で力を発揮する。
そのことを頭に入れながら、オシレーター系ツールとして活用してほしい。
ストキャスティクスとは
ストキャスティクスとは、一定期間の高値と安値を使って、買われすぎているのか売られすぎているのかを判断する指標だ。今の価格が、一定期間の高値や安値と比較して、どの位置にあるのかで算出される。
RSIと似ていると思ったかもしれないが、違いがある。RSIは、買いゾーンや売りゾーンで判断するのに対して、ストキャスティクスは、2本の線を使ったピンポイントの売買サインが出る。相対的に判断できるテクニカル分析の指標だ。
2本の線というのは、基本の「%K」と、%Kを平均した線の「%D」のことだ。動きの違う2本の線の位置や交わり方から売買タイミングを判断する。
売買サインは次になる。
「%K」が「%D」を上に抜いた地点→買いどき
「%K」が「%D」を下に抜いた地点→売りどき
%Kが75%以上の時は、買われすぎで%Kが25%以下の時は売られすぎとなる。
これらの数字はあくまでも目安値なので、銘柄によっても違うためそこはリサーチが必要だ。過去の数字を参考にしてみるのもよい。
%Kと%Dとは?
そもそも、%K、%Dとは何なのだろうか?これは、1950年代ころに、多くの投資家が試行錯誤した結果、信用性が高いという評価で生き残った指標である。
%K=(当日終値 − 当日を含むn日間における最安値)÷(当日を含む直近n日間における最安値 − 当日を含むn日間における最安値)×100
「nは分析社が定める任意の期間」
わけがわからないと思うがこのような計算式で算出されている。
これらの数値は、ネット証券ですぐに確認できるので、覚える必要はない。
まとめ
オシレーター系は市場の過熱感を見るツールとおぼえてもらえただろうか。実際は、移動平均線などのトレンド系ツールと、オシレーター系ツールを合わせてチャート分析をしていくことになる。
具体的にいろいろなツールがあるがそれは、他の記事でみてもらいたい。今回はあくまでもオシレーター系とは?ということでまとめてみた。
カテゴリーでテクニカル分析の部分をクリックすると、他の記事で見ることができるので、更に具体的に知りたい方はそちらから見てほしい。
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