投資には興味がある!でも、株式投資ってまとまった資産がないと始められないのでは・・・?
そういった疑問をお持ちの方、少なくないのではないでしょうか。
その疑問、単刀直入にお答えするならNOです。
株式は思っているよりも少ない金額から始めることが出来ます。
今回は資金を10万円と仮定したときに、どのようなアプローチで株式投資を始めればよいのか、そういった角度からの説明をしたいと思います。
■■■ 目次 ■■■
1章:10万円で投資は始められるのか
重複しますが、10万円を元手にした株式投資は可能です。
むしろもっと少ない金額から株式投資をしている投資家の方も存在します。
ではこの10万円をどのようにして運用していくのか
株の基礎的な知識を織り交ぜながらご説明します。
1-1株の基礎知識
株式投資の経験がない方は
「株って難しそう……」
「失敗すると借金背負うのでは……?」
「〇〇だけど、自分にもできるのかな……」
等の心配があるかと思います。
ですが大丈夫です。
この章では、そういった初心者への説明を行っていきたいと思います。
“株って難しそう”
確かに株には専門的な知識が必要になる場面が多々あります。
しかし、そういった知識さえつけることが出来れば、株は全く怖いものではありません。
今はインターネットが普及して、株の専門知識も調べれば出てきます。
さらに本屋などに行けば株の専門書も多く出版されており、割と容易に知識を得ることはできます。
それでも不安だという方は、日本全国で株のセミナーや塾などが開かれていますので、そういったものに参加するのも、知識を得るために非常に有用と思われます。
本やネットで調べるよりも、実際に知識を持った人に聞く事で、さらなる知識を得られるとも考えられますね。
“失敗をすると借金をするのでは?”
これは多くの人が勘違いしているのですが、株に失敗をしても借金を背負うことはありません。
勿論、借金をして買った株で失敗した場合、その分の損失は借金として背負うことになります。
しかし、自分の所持している資金で通常の株式投資をした場合、投じた資産以上の損害を被ることは、あり得ません。
株は、常にその価値が上下し続けています。10000円で買った株が9000円になることや、11000円になることもあります。
しかし、もし万が一投資をしていた会社が倒産しても、投じた資金以上の損失はまずないのです。
こういったところからも株式投資が非常にハードルの高いものと考えられてしまうのでしょう。
“〇〇だけど自分にもできるのかな?”
株式投資は株を安く買って高く売ることで利益を出す運用法です。
これが理解できる方であれば職業や年齢、性別も関係なく可能です。なんと、親の同意さえあれば未成年でも株式投資を行えるのです。
有名な話ですと、村上ファンドの代表も小学生から投資を始めてお小遣いを稼いでいたというものもあります。
小学生にできるのだから誰でもできる!
というわけではありませんが、あまり怖がるようなものではありません。
勿論それなりの基礎的な知識を付ける必要はありますし、ある程度の資金は必要です。
しかし、世間で思われているようなハードルは、あまりにも実際の高さよりはるかに高く映っている。ということは間違いないです。
これらのことからも、株式投資は怖がるようなものではないということがご理解いただけたと思います。
では、ここからはもう少し踏み込んだ株の説明に移りたいと思います。
1-2株は資金が多いほど有利?
株式投資をするにあたって、資金は多い方が有利という説があります。
これは一体どういうことでしょうか。
例えば、1株1,000円で買った株式が1,100円まで値上がったとします。
ここで10万円分の100株を購入していた場合、単純な利益は1万円になります。
しかし、1,000万円分の10,000株を持っている株主だった場合、この際に出る利益は100万円にもなります。
こういったように、大きな資金で投資をした場合、値上がりの影響を大きく受けることが出来、少額投資家より容易に大きな収益を出すことが出来ます。
他にも、資金が大きければいろいろな銘柄に投資をする分散投資を行うことが出来ます。
分散した銘柄に投資をすることで、リスクマネジメントが可能になるという手法です。
このようなことから資金が多いほど有利といわれることがあります。
しかし、メリットがあればデメリットも存在するということです。
次は資金が大きい事のデメリットを、少額の資金で株式投資を始める利点と並行してご説明させていただきます。
1-3 10万円で始める際の利点
先程お話しした通り、大きい資金での投資は大きな利益を出すことが出来ます。
つまり逆を返せば、大きい損失を出す可能性も同じように存在するのです。
1,000円で買った株を100株持っている人はその株が900円になった際の損失は10,000円です。
しかし、この株を10,000株持っていた投資家の場合だと、単純に損失は100万円です。
このように大きい資金で投資を行った場合、どうしてもハイリスクハイリターンな投資という形になってしまうのです。
しかし、ある程度少額での投資であればリスクはその分資金の差額分、はるかに小さくなります。
これらの事から分かるように、少額投資最大のメリットは、リスクが少ないという所にあるのです。
そして、10万円というのは株を始めるにあたって必要十分な金額であるとも言えます。
それは一体どういった理由からなのでしょうか。
1-4 10万円で投資できる銘柄
株式を購入する際、一定数以上の株数をまとめての購入が必要になることが大半です。
これを「単元数」といい、企業が定めた株数をまとめての取引を求められます。
基本的には100株がメインとなっていますが、1.000株を単元数にしている企業もあります。
そしてこの単元100株として、10万円で購入できる株式は果たして存在するのでしょうか?
答えから先に言いますと、存在します、しかもかなり多数。
日本を代表する企業で例を挙げるのであれば
例えば「YAHOO」の株であれば2017年夏から前の約半年間、単元数の100株であっても4万円から6万円前後での購入が可能です。
他にも日本屈指のメガバンクを経営している「三菱UFJフィナンシャル・グループ」であっても2017年夏から前の半年間は単元数の100株であっても6万円から8万円で購入が可能です。
こういった誰もが知っているような大企業であっても、10万円あれば株主になることが可能です。
ただ、勿論すべての株が10万円で購入できるわけではありません。
例えば東京ディズニーランドを経営している「オリエンタルランド株は1単元100株からの購入が可能です。
しかし、1株あたりの株価が約8000円前後で値動きしているため、購入しようと思うと80万円前後の資金が必要になってしまいます。
であっても、10万円あれば十分購入できる銘柄は存在しますので、決して尻込みする心配はありません。
初心者であれば、こういった手の届く有名会社の株で長期的に見た資産運用をすることもまた一つの正解であると考えられますね。
2章:10万円で投資を始める方法
10万円は投資を始めるのに十分な金額であるということが理解いただけたかと思います。
ではここからは実際に10万円を持って株を始めよう!となった時にどうしたらいいのか
という一歩踏み込んだ説明を進めていきたいと思います。
2-1証券会社選び
株式を買うためには証券会社にて証券口座を作る必要があります。
これは基本的に申し込みをするだけになるので、そこまで難しいことではありません。
しかし、証券会社は非常に多くの種類が存在します。
その中から10万円という少額取引に向いている証券口座を初心者が最初からピンポイントで選ぶのは少し難しいかもしれません。
そこで、今回は証券会社とともに、少額取引に向いた制度等をご説明させていただきます。
“証券会社”
10万円という少額の投資であれば、ネットの証券口座を開設するのがお勧めです。
窓口で担当者を介して取引を行う総合証券会社と比較すると非常に手数料が安いのがこのネットの証券口座だからです。
証券口座での株取引は、基本的に手数料がかかります。その金額は証券会社によって上下しますが、基本的に少額の取引であれば、手数料0の証券会社もあります。
デイトレードのように一日で何度も取引を繰り返す場合はまた別の話になってきますが、少額の取引であればそういったところは気にする必要はありません。
そして、近年、少額の取引をする投資家向けの制度が始まりました。
“NISA”
株式も収益を上げた場合、国に税金を取られてしまいます。そしてその税率は基本的に20%と高いものになっています。
少額の取引となると、一度に大きな金額が動かせるわけではありません。
そのような状態から税金として引かれてしまうと、更に収益が少なくなってしまいます。
そのような少額の投資を行う投資家向けの制度、それが“NISA”です。
NISAは、年間120万円までの取引であれば非課税枠として、投資で得た収益にかかるはずの20%が免除される制度です。
他にも、その分の収益は確定申告が不要になる等、少額投資を行う投資家には非常にメリットの強い制度になっています。
そしてSBI証券でNISA口座を開設した場合、その口座内での取引が120万円まで手数料が無料になります。
このような制度を知っているのと知らないのとではせっかく上げた収益を大幅に削る要因になりかねません。
株式は情報が命です。
単純に利益を大きくするだけではなく、損をしないための方法も情報として知っておくことが大事という一例です。
2-2投資が少ないデメリットを理解
少額投資にはメリットが非常に多いということは先述しましたが、では一体それと表裏一体に存在するデメリットは一体何なのでしょうか。
投資をするということは資金を増やしたいという気持ちがあるはずです。
そして少額投資でそれを望む場合、非常に長い目で見る必要があります。
例えば、ユニクロを経営している「ファーストリテイング」は、一気に236倍になったという事例があります。
この場合、1000円で100株買っていたとすれば10万円の元手から23.600.000円になったという計算になります。
このように超大当たりの株を買っていた場合、投資金額が10万円であろうと非常に大きな収益を出すことが出来ます。
しかしこういった事例は非常に稀です。
基本的にこのような10万円前後の少額投資は、短期間での収益を見込むのは非常に難しいです。
株式は資産には間違いありませんが、当然のことながら株式を使っての買い物等はできません。
そういったことも踏まえて10万円という金額、余裕のある資金で行う必要があると考えられます。
更に先程紹介したNISAという制度。
これも120万円を超えた取引は非課税での取引ということが出来ない、といったこともあります。
このあたりのメリットの裏にあるデメリットを把握することも少額とはいえ投資である以上、必要といえるでしょう。
2-3ミニ株を用いた投資
先程はメリットの裏にあるデメリットをご説明しましたが、今回は明るい話題です。
株式は購入する際、単元数というものが存在しており、その単位ずつでの購入が基本である。という説明は先述させていただきました。
しかし、最近ですとその単元数以下での株の取引というものも可能になりました。
それがこの「単元未満株」通称「ミニ株」です。
これは単元数が100株の企業であっても、それより少ない株数での購入が可能になるというものです。これを利用することで、先程紹介した「オリエンタルランド」のように一株辺りの金額が高くなっている企業の株であっても10万円という金額の中で購入ができるようになるというものです。
この単元未満株、いくつかの証券会社さんが行っている取組で、その呼称は企業ごとに異なっています。
たとえばマネックス証券ですと「ワン株」
カブドットコム証券ですと「プチ株」
SBI証券ですと「S株」
となっています。
証券会社を選ぶ際、先程の説明であった「NISA」の件や、手数料等を見比べたうえで、10万円という金額で投資を始める場合、これらから決定するのも良いかと思われます。
そしてこれらの単元未満株を買うことで株価の上限以外で利益を発生させることができる方法があります。
2-4株主優待を目的とする方法
株式とは企業への投資が主目的なのは間違いありません。
そして企業側は株主に対してそれに対するお礼を出している場合があります。
それがこの「株主優待制度」です。
基本的に配当金とは別で出しているいわばオマケのようなものですが、これを狙って株式銘柄を選ぶのも一つの選択肢です。
10万円以下で買える株式銘柄で株主優待を行っている会社は多数存在します。
一例をあげるならばカラオケ店を展開している「シダックス」ですと、株はおおよそ4万円前後で購入することが可能な銘柄です。
この銘柄の株主になることでもらえる株主優待は「カラオケ利用時に使える540円分の優待券5枚」です。
他にもインテリアメーカー「トーソー」の株主優待は「ギフトカタログ」で、カタログが贈られてきて、その中から好きな商品を選んでもらうことが出来る。といった優待を行っています。
さらに目を引くのは新築マンションの分譲を行っている「エストラスト」の場合、なんと全国様々な店舗で使えるQUOカード2.000円分を株主優待としてもらうことができます。
ただし、これらの株主優待は最低単元数の100株の所持が条件です。
基本的に株主優待は100株以上の株式を所持している株主に向けたものがほとんどです。
更に100株は最低条件で、500株以上でさらに良いもの、1000株以上でさらに良いもの。
といった形でランクアップしていく株主優待も存在します。
これは株主優待が株主に対するお礼という側面が強いので、株を持っていれば持っているほど優待は手厚いものになっていくということです。
しかし、単元未満株を持っている株主に対して株主優待を行っている企業も、多くはありませんが確かに存在します。
例えば大手引越し業者の「サカイ引越センター」ですと、株数に関わらず全株主に引っ越し代金割引優待券を贈っています。
他にも大手磁器メーカーの「京セラ」でも全株主に、自社製品およびグループ会社の製品・サービスの優待価格による販売。という株主優待も行っております。
ミニ株という少額投資でも、株主優待をお得に受けることは可能です。
こういった情報、実はすでに株主で少額取引をメインでやっている人でも知らない人が居るくらい、知る人ぞ知る情報だったりするのです。
さらにミニ株をもちいる事で100株の単元株数が必要で尚且つ1株の値段が高い銘柄の株主優待も、少しずつ購入することで最終的に株主優待を受けることのできる株数まで届く。といった買い方もできるので、この制度の持つ可能性は非常に大きいものになっています。
3章:実際の株式運用方法考察
ここまで、少額投資で出てくるであろう問題や疑問等の解説を進めてきました。
ここからは、実際に10万円から始める投資のあり方の説明になります。
実際に10万円で投資が始められるという裏打ちになればと思います。
3-1 10万円で本当に利益が出せるのか
10万円を元手に株式投資をスタートさせて、果たして本当に利益を出せるのか、という疑問は恐らく実際に自分で利益を出すまでついて回ると思われます。
理論上、10万円を元手に増やせる限界はありません。
これは実際にあった話ですが、以前480円の株価がたった半年で3.705円まで急騰した事例が存在します。
この株を200株発注していれば96.000円で購入が出来ます。
さらにその株を半年で上がりきったタイミングで売ることが出来たなら645.000円もの利益を出すことが可能です。
もちろんこれは非常に稀有な例ですが、実際そういった事例が存在する以上、あり得ない話ではないのです。
しかし、これは本当に稀有な話で、10万円から始めるとなると、実際はもっと中長期の期間を見た堅実な運用が求められます。
では、中長期的な投資方法とはどのようなものになるのでしょうか。
3-2 具体的な投資方法
株式投資の主な取引手法には3種類あります。
それは「長期投資」「スイングトレード」「デイトレード」に分類することが可能です。
これらの主な違いは、一つの株式を保有している期間です。
そして、10万円の少額投資であれば、おのずと長期投資を選ぶことになるかと思います。
その説明を進めていきたいと思います。
“長期投資”
買った株は最低でも数週間から年単位で所持するのがこの長期投資法です。
この取引方法で利益を生む方法ですが、これも株式取引のセオリーに乗っ取って、株式を安く買って高く売ることで利益を得る売却益、または年に1~2回所持銘柄の企業から配布される配当金を受け取ることで出る配当益で利益を出す方法です。
また、中長期の投資であれば、年1~2回の株主優待も狙うことが出来ます。
10万円の投資で売却益を狙う場合は、必然的に長期での取引が適しています。
なぜならば、10万円で変える株は多数ありますが、株式には値幅制限というものが存在しており、1日のうちに株価が数倍になることはあり得ないのです。
こういったことから、短期的な取引で売却益を狙うより、腰を据えて長期的に売却益と配当金、それに株主優待を受ける方が賢明な取引手法であると考えられます。
“デイトレード”
中長期的に見る株式投資と真逆の取引方法がこのデイトレードです。
デイトレードは「基本的にすべての株式売買をその日一日で完結させる」という、超短期的な投資方法です。
これの利点は、非常に早く利益を確定できるということです。
一日に何度も売買を繰り返すことで利益を生むこの取引方法は、一度に大量の株を購入することで、値動きの幅が小さい株式であっても、最大限利益を出す投資方法がこのデイトレードです。
この取引方法は10万円という資金ではとてもできるような代物ではありません。
株式には「差金取引決済」という制度が存在しています。
この制度は、たとえば10万円の投資金で5万円分の株を買い、同日内に同銘柄を5万5背円で売ったとします。
その売買で発生する利益は55.000円-50.000円で、手数料等を加味しなければ5.000円の利益が出ています。
となると証券口座内には105.000円になるはずです。
しかし、この差金取引決済制度が働くと、株を売ったことで入るはずの55.000円は取引日を含めて4営業日目に株券は引き渡され、その時に初めて決済がなされます。
なので、この日使える証券口座内の金額は50.000円にとどまるのです。
こういったことから、デイトレードは10万円という資金で始めるべきでない投資法であるということがご理解いただけたかと思います。
ちなみにスイングトレードも同じように短期型の取引方法です。
しかし、デイトレードと違う点は、株式の所持期間です。
スイングトレードは通常1週間前後株式を保持して売るタイミングを見計らいます。
このことからも差金取引決済の制度があるため、10万円という資金で始めるのは非常に難しいと思われます。
また、短期型の投資方法は、一分一秒を争うこともある投資法であり、尚且つ専門的な知識や潤沢な資産がないと成立しない投資法であるがゆえに、普通の方がやるには決して適していると言えず、ましてや10万円で始める投資法では絶対にないため、そういった投資法もある。くらいに覚えておいていただければ幸いです。
まとめ
ここまでご説明したことからご理解いただけたかと思いますが、10万円からの投資は可能です。
可能どころか、しっかりと運用の楽しさや手堅い利益なども見える金額であると言えます。
長期的な投資であれば、銀行以上の利回りで配当金は返ってきますし、株主優待などの魅力的なサービスを受けることも可能です。
そういったことからも分かる通り、株式取引は世間一般でいわれているほど難しいものでも怖いものでもないのです。
もちろんある程度のリスクは存在しますが、長期的な目で見た株式取引は、同じ株式を扱う投資方法の中でもかなりリスクは小さく、安定したものになっています。
もし、それでもまだ怖いという方がいるならば。
今は日本全国で様々な株式の塾やセミナーが開催されています。
そういったところで、実際に話を聞いてみるのも良いかと思います。
さらに、インターネットでも通信教育のようなセミナーが数多く開催されています。
株をやっていて情報は命です。
そのような知識を得るための方法はいくつか存在します。
それらから自分に合ったものを探し、身に着けていくことが重要であると断言できます。
せっかく株に興味を持ったのであれば、是非始めていただきたいと思います。
皆様の投資がより良いものになることをお祈り申し上げます。
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