ゴーイング・コンサーンとは「継続企業の前提」の意味でわかりやすく説明すると、「会社は永久に死なないという前提条件が狂いそうだ。破錠するかもしれない」という意味になる。
注記は、倒産の可能性を投資家や市場に対して注意喚起する文言となる。
監査人が1年以内に破錠するリスクが高いと判断した場合、破錠リスクや対応策を記載するように会社に求めることになる。監査人が監査先の会社に対して、経営の先行きに「黄色信号」を言い渡すこととなるため、投資判断としては、売り材料となる。
法人というのは法律上のヒトという扱いのなので、死ぬことはない。これは、法人の一種で、営業活動する民間企業も全く同じことだ。基本的には、あらゆる事業が半永久的に続くことを前提として会社にかかわるあらゆる法律が作られている。
しかし、何かしらの影響で会社の存続に疑問が出てきた場合、不確実性を投資家や利害関係者に知らせる必要がある。それが、「継続企業の前提に関する疑義」となる。
注記がつくのは、一般的に、債務超過になった場合や、最終赤字が何年も続いている場合などだ。いつ破錠してもおかしくない状況が存在する場合となる。それと、キャッシュフローの支出超過が続いた時や、借入金の返済期限を守れなかったケースでも注記がつけられる。
しかし、多少の赤字でもメーンバンクのバックアップが期待される場合などは注記がつかない場合がある。
ただ、ゴーイング・コンサーンは、あくまでも投資家に注意をうながすことが目的で破錠を意味しているわけではないのでそちらは理解しておこう。もし資金繰りにメドがついたり、業績が回復したりすると注記は外れることになる。
ただ、ゴーイング・コンサーンはどんなケースでも必ずつくとは限らず、突然資金繰りに息詰まって、「倒産」というケースももちろんあるので、その場合は、投資家側が、財務諸表などを自力で読み解きリスクを判断する必要がある。
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