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はじめに
株式投資を行うならば、やはり株で利益を出したいというのが本音でしょう。大きなリターンを期待するならば、話題の株を保有して大きく値上がった後に売るのが定石です。
そんな中で、常々注目を浴びている一つがゲーム業界です。ゲーム業界は、ヒット商品が出ると一気に株価が上がるので、業績や新商品などの動向をチェックし売り時を探している投資家は多い分野ともいえます。
その中でも、投資家たちの熱視線を浴びているのがコロプラです。どうしてコロプラが注目を集めるのか、その理由をコロプラの業績や株価分析を通じてまとめてみました。
投資家たちが注目するのは、何よりも業績です。ゲーム業界は浮き沈みが激しく、大きな利益が期待できる一方、倒産のリスクなども高いのでリスクも大きいのが特徴です。
それゆえ、企業の業績は他の業界よりも注目されているといえます。コロプラの例外ではありません。
そもそも、コロプラとは、どういう企業なのでしょうか。まずコロプラは、スマホに特化したモバイルネットワークゲームを提供している企業です。2003年に「コロニーな生活」と呼ばれるモバイルゲームを提供開始し、今に至っています。2008年に法人化し、恵比寿にオフィスを構えています。
社名は、個人サイトと出発した「コロニーな生活」を法人化する際に、さらにプラスな生活をという意味を込めてつけられたものです。
「エンターテイメントで日常をより楽しく、より素晴らしく」を経営理念としており、多くのユーザーに指示される新しいエンターテイメントづくりを目指している企業です。このビジョンを徹底するために、「結果とデータと人に素直になろう」と言った行動指針を立てています。エンターテイメントで、ネットとリアルの垣根をつないで世界中の日常を楽しくするために新たなサービスを提供している企業です。
最近はモバイルゲームだけでなく、VR(仮想現実)デバイスのサービス提供やスマートフォン特化型のリサーチ業務などを展開しています。今後も新しいサービスが提供されるたびに、投資環境にも大きく影響することでしょう。
コロプラの主な事業は設立当初から変わらず、スマートフォンアプリのオンラインゲームの提供です。コロニーな生活以降、アクションやスポーツ、パズルなど様々なジャンルのゲームアプリを開発しています。
スポーツ系であれば白猫テニス、パズル系であればディズニーツムツムなど、CMでも有名なアプリが揃っています。各種限定コラボやキャンペーンが目白押しで、既存ユーザーの拡大を図っています。最近では、白猫テニスが江崎グリコとコラボして、コラボ記念の新キャラクターと江崎グリコからコラボ限定のパッケージのお菓子が販売されたりと、リアルの世界でも注目されています。
また、GoogleのVRプラットフォーム向けに、VR謎解きゲームも1月31日にローンチされたばかりです。360度の映像でゲームが楽しめるとあって人気も上々。コロプラのVRゲームは主にアクション系が多く、一人称体感型で臨場感のあるゲームが提供されています。
最近では、リアル店舗との提携も進んでいます。コロプラと提携する企業で買い物をするとコロカと呼ばれるカードが手に入り、アプリ内でシリアルナンバーを入れるとアイテムをゲットできるなどゲーミフィケーションの先駆けとなるような試みも行われていました。今後も、オンラインゲームアプリに限らず、様々な企業とのコラボや企画が生まれてくる期待が持てる企業でもあります。
コロプラと関連する企業状況
コロプラは、基本的にゲームをローンチする企業ですので、同業他社の影響を受けやすい企業です。コロプラに関連する企業としては、同じオンラインゲームアプリを提供するガンホーやグリーなどが挙げられます。ガンホーは、スマホゲームアプリ「パズル&ドラゴンズ」が主力の企業で、家庭用ゲームなども手がけています。グリーは、携帯向けゲームの「GREE」を手がけています。
ゲーム関係であれば、白猫プロジェクトを提訴した任天堂もライバルと言えるでしょう。任天堂が白猫プロジェクトに活用されている技術が任天堂の保有する特許に抵触するものだとして提訴したもので、現在もこの点については係争中です。この結果次第ではコロプラの株価にも影響が出ることでしょう。現状、主力である白猫プロジェクトのサービスは継続されており、訴訟が解決すればさらなる飛躍に繋がることが期待されます。
コロプラの事業内容からして、コロプラの株価はかなり景気や流行に左右されやすい側面があります。ゲームアプリユーザーは少子化の影響もあり、今後国内で爆発的な人気を誇るのは厳しい現状です。
そのため、株価もその時々に状況に左右されやすく、コロプラの評判や株価の変動率は高いのが特徴です。特に上場前と上場後では株価の変動が大きく異なっています。
実際、上場前のコロプラは、他の企業に比べて期待感がかなり高かったのが現状です。IPO(=新規公開株)として売出が決定した後、公募価格は3000円でしたがIPO実施後初値は2650円高い5650円をつけました。それだけコロプラに対する期待値が高かったといえるでしょう。
コロプラが上場した月は、上場ラッシュで1ヶ月に15社も上場し、一社に資金が集中しなかった中でも高騰だったので、GPSを活用した新しいゲームアプリなどへの投資が一気に加速し、さらなる飛躍が株価的には期待されていました。
上場した直後は、順調に株価も伸び、上場の翌年にリリースされたパズルゲームアプリ「魔法使いと黒猫のウィズ」の大ヒットを受けて、株価は急上昇しました。すぐには株価の上昇がなかったコロプラにとって待望の高騰で、一ヶ月で最大7倍まで株価は膨れ上がりました。
その後も2014年5月には、上場した時より株価は12倍にまで大きくなり、分割を繰り返しながら今に至っています。しかし、堅調な推移も2016年あたりまでで、それ以降株価は下降ラインをたどっています。白猫プロジェクトなどの強力なコンテンツの提供が一巡し、大ヒット作が出にくい状況に至っているためと考えられます。
今後のコロプラ
ゲーム業界ではヒット作の有無が株価にも大きな影響を与えます。さらに任天堂の訴訟が2018年1月から続いており、解決の方向性も見えないままです。加えて、世界的な株安も加わり、株価は横ばいを続けています。
今後、主軸のゲームアプリで新たなヒット作に恵まれるか、訴訟が解決の方向に向かえば株価の上昇が期待できるでしょう。言い換えれば、そうした状況にならない場合、株価の下落が起こりうると言えます。
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まとめ
コロプラは、桜井日奈子さんを中心に人気お笑い芸人をCMに起用するなど、常に楽しいエンターテイメントを提供しようという志を感じられる企業です。
人気ゲームアプリ、白猫プロジェクトは、国内にとどまらず、韓国を皮切りとして2015年7月からは英語版もローンチされています。世界中で楽しまれており、今後も利用ユーザーの増加が期待できます。
日本のゲーム関連技術は世界トップクラスです。世界中に広く認知されて利用されるようになれば、今後さらにコロプラの株価上昇も期待できる余地があるといえます。しかし、ゲーム開発には多額の費用もかかり、ヒット作に恵まれなければ利益が生まれないため、株価の下落も起こりやすい面もあります。企業の将来性を見極めつつ、投資していく姿勢が必要な企業といえるでしょう。
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