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はじめに
生きる上ではどうしても欠かせないものとしてお金がありますが、経済的価値を備えた現金以外のものである資産を運用することで、より効率的にお金を増やすことができます。そんな資産の一種として株も当然含まれますが、株そのものに怖いイメージを抱き手を出しにくい方も多いのではないでしょうか。確かに株の基礎知識もないままに安易に運用してしまうと失敗する可能性は極めて高いですが、運用の仕方さえ間違えなければ株は怖いものではありません。
そこで今回の記事では、株で資産を運用するための方法や、そのメリットについて解説します。株への抵抗が強い方ほどまずはこの記事を一読し、株への認識を改める手助けになれば幸いです。
そもそも資産とは?
この章では資産の言葉としての定義について解説します。お金のことを考えるにあたり多用する言葉として「資産」がありますが、皆さんはそもそも資産の意味を本当に理解しているでしょうか。株を資産として運用する具体的な方法を紹介する前に、まずはそれに関連する言葉の意味について理解するところから始めていきましょう。
資産の定義
そもそも資産の定義とは「経済主体(家計、企業、政府)に帰属する金銭・土地・家屋・証券などの経済価値の総称のこと」を言います。一般的にはこちらの意味で使われる資産という言葉も、細分化してみるといくつかの種類に分けることができます。その具体的な種類については、以下の通りです。
・流動資産
現金化しやすい形状の資産のことを指します。これには預金口座や受取手形などが含まれ、決算日より1年以内に現金化できることがその特徴となります。その中でも高確率で現金化しやすい特性を持つ資産については、当座資産として別途分類することもあります。
・繰延資産
商法によって特例的に分類された5種類の資産のことを指し、これには株式交通費、社債発行費、開業費、開発費、創立費が該当します。数年間にわたり分割・償却していく類の費用であるため、そもそも通常の資産のように換金することができません。
・固定資産
1年以上にわたり保有する資産でかつ、営業取引で生じたものではないもののことを指します。固定資産はそれに加えて有形固定資産と無形固定資産、投資その他の資産の3種類に分類されており、前者二つについては年数が経つにつれ価値が減少していく可能性があります。そのため減価償却という処理をする場合も多くなります。投資その他の資産については、長期的に保有するのであろう金融商品がこれに該当します。
今回の記事で取り扱う株もまた、この投資その他の資産として分類されています。ただしこれらの分類については会計学的な意味合いが強く、あまり一般的に使われるものではありません。経済的価値のある保有物くらいの意味合いで理解しておけばいいでしょう。
資産と資金と純資産
資産の大まかな定義について紹介したところで、これと類似する言葉である「資金」と「純資金」とについても解説しておきますと、以下のようになります。
・資金
特定の事業や経営のために使用されるお金のことを指します。株を売買するためのお金もまた資金に含まれるため、資産運用する際の活動費そのものを資金として理解しておくといいかもしれません。
・純資産
資産にもプラスとマイナスの資産があり、自分が保有する資産総額からマイナス分だけを差し引いたものが純資産となります。これは株の基礎知識を勉強する際に度々出てくる、「自己資本」や「株主資本」とほぼ同義と考えて差し支えありません。
これらの言葉の意味も大まかに理解したところで、資産運用という言葉のそもそもの意味合いについても以下で詳しく紹介しておきます。
資産運用とは?
今回のテーマでもある資産運用には、言葉としてどのような意味があるのでしょうか。
資産運用の言葉としての意味とは、自分のお金を増やす目的から貯蓄したり投資したりすることを指します。ただ現在の銀行の金利では、1年間預けたところで微々たるお金しか増えないことから、お金を増やす目的で貯蓄するのはあまり合理的とは言えません。将来的な資産や、さらなる資産運用のための資金を作り出すための資産運用である訳ですが、資産運用の方法も実に様々です。
ただし以下で紹介する方法で株を使えば、安定的な収入を見込みやすく、選ぶ株の銘柄によってはお金以外でも得られるメリットがあります。その点も踏まえつつ、以下で株を使った具体的な資産運用の方法について解説します。
株で資産を運用するならば
それではこの記事の本題である、株で資産を運用する方法について詳しく見ていきましょう。株で資産運用をする上での注意点やメリットについて解説しますので、以下の内容を一読してから株を運用するかどうかを検討してみることをおすすめします。
株式投資で借金?
株式投資を行う上で、本業を別に持つ兼業投資家であれば、株を運用するための資金が少額である可能性ももちろんあります。生活に支障がない程度にお金を切り崩すことは大事ですが、株式投資でお金を増やそうとする人の中には借金することを選ぶ場合も少なくありません。
株式投資で利益を上げて借金分まで稼げばいいと考えているのかもしれませんが、ちょっと待ってください。お金を稼ぐために借金をするという考え方は、考えようによっては一種のギャンブルする際の感覚と大差ありません。
株式投資をすることによって億単位で資産を築いた人も確かにいますが、それはあくまで一握りの話です。株を利用して資産運用をしていくためには相応の努力と知識が必要であり、基礎を覚えてからの応用ともなると、想像する以上に時間を費やします。また一度応用を効かせて稼げたからといって常に稼げるものでもなく、同じ方法を継続した場合であってもそれは同様です。今でこそ株式投資で成功を収める方であっても、株式投資を始めてすぐの頃はマイナスも大きく抱えることもあったでしょうし、その道のりは決して楽なものではありません。
借金をしても返せるだけのアテがあると確信できるだけの根拠があれば、多少は借金を作ったところで特に問題ないかもしれません。しかし株式投資に手を出して間もない初心者が安易に借金をしたところで、返せるアテは当然ありませんし、強いて言えば株式投資が成功することを根拠もなくアテにしているとも言えるでしょう。
無計画に借金を作ってしまうと、日々発生する金利で余計にお金を浪費することにもなりかねません。また一度借金をしてしまうと後戻りができなくなり、資金が枯渇する度にさらなる借金を重ねなければならなくなるリスクもあります。
株式投資をする際にはあくまで余剰の範囲内でのお金を充てるようにし、借金を作ってでも荒稼ぎすればいいと何の根拠もなく考えることはやめましょう。
長期投資のメリット
株式投資をするための資金が少ない兼業投資家に、特におすすめしたい投資方法が長期投資となります。一般的に長期投資とは5年以上から数十年に及ぶ範囲での株式投資のことを指しており、デイトレードやスイングトレードといった種類がある短期投資とはまた異なるメリットが存在します。その具体的なメリットについては、以下の通りです。
・株価を頻繁にチェックせずに済む
株式投資を行う上で特に大事なのが、テクニカル分析とも言われる株価そのものの値動きのチェックです。株式投資では基本的にリアルタイムで動いていく株価チャートを追いながら値動きを予想し、安く買って高く売る順張りか、高く売って安く買う逆張りによって利益を上げていきます。ただしこの方法は主に短期投資での方法となるため、長期投資ではそれほど頻繁に株価をチェックする必要がありません。
そのため株価チャートの値動きを逐一チェックできない兼業投資家でもできる投資方法となり、コツさえ掴めば比較的簡単に実践しやすいこともメリットとして挙げられます。
・安定的に収入を得やすい
また長期投資を実践する上で重要なのが、銘柄選びのポイントです。
短期投資とはそもそも投資期間が異なるため、狙っていきたいのは株主への配当金が高い、もしくは株主優待が充実している銘柄となります。両方の条件を満たす銘柄があれば、長期投資をすることでそれぞれの特典を継続的に貰うことができます。短期投資のように不定期な収入とは訳が違いますし、お金を貯めるための資産運用を優先するならば長期投資に重点を置いた方がいいでしょう。
ただし長期投資していると資金の流動性が失われるため、余剰資金で補えるだけの金額で株式投資するか、もしくは短期投資を利用して資金を増額する必要があることは念頭に置く必要があります。
長期投資は短期投資に比べると、一発の稼ぎが少額になりやすいことは言うまでもありません。ただしお金と時間がない兼業投資家であればこそ、長期投資のメリットがより強く反映されることでしょう。
株は怖くない!
以上のことからも分かる通り一見するとデメリットの多そうな株式投資であっても、株式投資をする人間がきちんと自制心を持って挑戦すれば、株自体はそれほど怖いものでもありません。ただし株で資産運用するために借金までするとか、銘柄選びの際に何の勉強もせず適当に選んでしまうような方には、株で資産運用することは向いていない可能性があります。お金を本気で稼ぎたいならば相応の努力はもちろん必要ですし、何の苦労もせずにお金を稼ぐことは到底不可能です。
そうした甘い考え方に走るくらいならば、最初から株で資産運用しようとは考えない方が賢明であるかもしれません。
まとめ
株そのものは怖いものではありませんが、それを運用する人の性格によっては損失ばかりが一方的に大きくなり、逆にマイナスの資産を作ることにもなりかねません。自分の性格をよく考慮した上で本当に株で資産運用できるのかどうかをまずは考え、挑戦すると決めた限りは一度本気で取り組んでみることをおすすめします。
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