多くの人にとって株式投資は、短期か長期かに関わらず、儲けを出すために行うものです。しかしながら、株で儲けを出す方法は多岐にわたります。おまけに、大多数は儲けを出すまでいかず、損失を抱えたまま、株式相場から退場していきます。
まずは、株式投資ではどのように利益を出していくのかを知り、利益を大きくするために損失を抑える方法を学びましょう。全て思い通りにいく訳ではありませんが、基本を押さえておけば、大きな損失を抱える確率は引き下げることができます。
■■■ 目次 ■■■
株で儲けを出す方法「利益を出す」
まずは、株式で利益を出す方法を整理しておきます。
利益を上げる方法としては、主に株式の値上がり益を確定するキャピタルゲインがあります。それ以外には、配当金や株主優待と言ったインカムゲインが挙げられます。
それぞれの利益の特徴とメリット・デメリットをご紹介します。
売却益で儲けを出す
まず、株式投資では株式の値上がりした後に利益を確定して得る売却益があります。株を買ったときの値段と売ったときの値段の差が利益となります。
それゆえ、売却益を得るためには、値上がりしそうな株を見つけて、しばらく保有し、値上がりを見極めて売却することが求められます。
また、売却の指示を出しても、自分の希望する金額で売却できるとは限りません。売りたいと思っても買い手がつかなければ売却はできないのです。
購入時と同じように、売却についても、売却価格を指定しない成行注文と売却を指定する指値注文があります。
指値注文より成行注文が優先されますし、指値注文の中でも早くに出された注文から決まっていきます。それゆえ、希望の価格で売れないことも多いので、売却には素早い判断も必要となってきます。
株主優待などもあり、全て売りたくないというなら200株を買って、値上がりをしたところで半分の100株を売るという方法もあります。
ちなみに、売却益として得た利益については、所得税と住民税合わせて20%強の税金がかかります。証券会社で源泉徴収ありにしておけば確定申告を行う必要などはありませんが、差額が全て自分の利益にはならないので注意が必要です。
今は、NISA口座内であれば売却益に対して非課税なので、国の制度もうまく活用します。(ただし、2018年1月からスタートしたつみたてNISAだと、金融商品が投資信託など限定的なので、株式の購入時には使えません。)
配当金で儲けを出す
ただし、配当金の場合は売却益と異なり、決算日が過ぎたらすぐにもらえるわけではありません。
たいてい、決算日から3ヶ月した頃に証券口座に振り込まれるので、忘れていた頃に自分の手元に来ると思っていた方が良いです。
また、配当金は企業によって配分比率が異なります。
高いところでおよそ株価の4%なので、株価に対して支払われる配当は少ないと感じる人もいるかもしれません。
企業によっては配られない場合もあります。(=これを無配と言います。)
とはいえ、株式を保有していれば平等に配分されるものなので、気長に株式投資ができる人にはうってつけの利益のあげ方といえるでしょう。
日本の企業は配当にあてる金額が少ないと言われてきましたが、最近はこの配当に当てる金額の比率(=配当性向)を上げてきている企業も多いです。
ただ、配当金は基本的に企業業績と連動しています。
業績が良ければ配当金も高く、業績が悪化すれば配当金も下がることが多いです。必ずしも大きな利益になるとは限らない点は注意が必要です。
株主優待で儲けを出す
最近は、企業が株主優待を出すことが多く、一種のインカムゲインとして注目されています。
株主優待には、様々な種類があり、自社製品などが多いので食品系企業の人気は高いです。証券会社のHPなどで株主優待の検索は簡単にできるので、よく利用する企業のものは欲しいと思う人も多く、株価の下支えにもなっています。
最近は世間的に認知が進んだため、決算が近づくと優待欲しさに株を購入する人も出てきました。
優待はもらえても株価が高いところで買ってしまうこともあるので気を付ける必要があります。
株主優待目当ての場合は、決算日から逆算して、余裕を持って購入しておくと思わぬ高値づかみをしないですみます。
また、デパートの商品券やクオカードなどの金券を株主優待として提供する企業も増えています。
意外と知られていませんが、株主優待は日本だけの風習で、日本に居住する株主にしか配布されません。企業にとっても義務ではないので突然廃止になったり、内容が変更したりするので注意が必要です。
株で儲けを出す方法「損失を出さない」
株で大きな利益を上げても、その分大きな損失を出していたらいつまでたっても資産を増やすことはできません。
損失を出さないためには、心がけておきたいことがいくつかあります。初心者でも簡単にできることなので、意識しておくと良いでしょう。
購入するときに吟味する
まず、投資に慣れていない初心者や、通常は仕事に出ているサラリーマンの方々は、株価を売るタイミングが来たとしても、精神的なバイアスがかかって売れなかったり、取引する時間がなかったりします。
それゆえ、チャンスを逃すことも多いのですが、ある意味では仕方のないことでもあります。
保有期間が長くなることを前提として、株の購入時に本当にその株を買っていいのか?を吟味することが重要です。
頻繁に売買できない分、多少高く買っても良いか、売るタイミングを逃しても精神的な負担にならないかを考えましょう。
安く買って高く売るのが理想ではありますが、実際それは不可能に近いです。ほどほどなところで買って売れればそれでいいと、おおらかな気持ちでやることも重要と言えるでしょう。
株式投資のルールを決めておく
そして、株式投資では自己資金の増減が激しくなるため、正常な感覚が保てなかったり、冷静に判断できないこともあります。
損失を出さないことが何よりも重要ではありますが、株価は常に動いていますし多少の損失は出てしまうと思っていた方が良いでしょう。
ただし、損失を大きくしないためにも売買のルールは徹底して守ることが重要です。
実際にやってみると分かりますが、最初にルールを決めていてもそれを遵守するのはとても難しいものです。
これは人間の心理的に仕方ないことなのですが、株価が上がっているともっと上がるのではないか?と思ってしまうものです。逆に株価が下がると、もっと下がるのでは?と慌ててしまいます。
しかし、ルールを踏み外すと、それだけで自己嫌悪に陥ってしまいますし、株価の動きに翻弄されるだけで終わってしまい、損失も食い止められません。
損失は潔く認めた方が大きな損失を減らし、利益を大きくしてくれます。
臆せず損失は早く確定した方が傷も浅くて済むと心得ておくと良いでしょう。
人の話に振り回されない
何より重要なのは、投資は全て自己責任ということです。
世の中には、経済に精通した人々が日々情報発信してくれていますが、彼らはあなたの投資に対して責任を追ってくれるわけではありません。
それゆえ、人の話をそのまま鵜呑みにしていては、いつまでたっても利益が出せず損失を出してしまう人、いわゆるカモになってしまいます。
プロとはいえ、必ずしも株式投資で連戦連勝というわけにはいきません。また、今はネット上で様々な人が情報発信をしていますが、その内容も多岐にわたっています。多くの人は他の人にも有益になると思われる情報を発信しています。しかし、中には自分の保有株の株価を上げるために意図的に情報発信をする人もいます。
そして、株価を釣り上げた後で、自分は株を売却して利益を得るのです。
もちろん、その裏には沢山損失を出した人々が多数いるということです。
こうした意図的な株価の変動に巻き込まれないためには、人の話に振り回されないことが重要です。
人の推奨する株銘柄は、確かに値上がりするかもしれませんが、その後に暴落することもありうると考えておきましょう。
まとめ
株式投資は、大きな利益が期待できる分、大きな損失も生まれやすい特徴があります。
儲けるためには、利益をなるべく最大化し、損失を最小限に抑えることが重要となってきます。
利益を出すことと損失を食い止めることを両方行うことで、結果として大きな利益を得ることにつながります。
利益を出して損失を出さないことは、慣れていないと難しく感じるかもしれませんが、精神的なハードルを超えて慣れてくれば誰でもできることです。
基本的なことを心がけていれば、株式投資でしっかり儲けを出すことも夢ではありません。
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