有価証券報告書と有報などとも呼ばれ、上場企業の1年間の経営成績を示す通信簿のようなものである。金融庁の電子開示サイト「EDINET」などで検索が可能だ。
有価証券報告書は、決算短信のように収益やお金の出入りだけではなく、人・モノ・金の情報を1冊に盛り込んでいる。これを読みこなされば、会社の全容がわかるので、ファンダメンタルの際の重要な情報源といえる。
これは、投資家だけではなく、就職活動をしている人にもガイドブックとなるものだ。
決算短信との違いは、有報には、決算の数値や情報が正しいことを証明する「監査報告書」が添えられているということである。
それと、経営陣をチェックする仕組みも持っていることも大きな違いで、「コーポレート・ガバナンスの状況等」という項目で、会社のコンプライアンスの窓口や各種委員会などを図解で説明している。
会社の沿革から、連結対象となっているグループ会社、出資関係なども図解でわかりやすく説明されている。
設備なども一つ一つ解説されていて、そこに携わる従業員の数なども記載されている。
ヒトの部分では、役員の経歴や大株主などもわかるし、平均給料や年金資産の状況なども書かれている。役員報酬の個人開示もあり、1億円以上の報酬を得ている役員は明示される。
決算短信では、会社独自の業績予想があるが、有報には業績予想はない。
決算短信は、有報に比べて情報量が少ないが、開示スピードが早い。逆に有報は、情報量は豊富だが、開示に時間がかかる。
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