先物取引とはなにか?[基本理解編]

9先物取り引きとは何か

こんにちは!株アカデミー講師の小野寺です。

朝の経済番組や夜のニュースでも流れる「先物」といった言葉。なんとなく知っている気にして聞き流していませんか?今日は先物取引についての基本理解についてお話を勧めて行きたいと思います。

 

そもそも先物取引って何?

9-1そもそも先物取り引きとは何か

株式取引の勉強を始めて、先物取引の仕組みを理解するタイミングでつまずいた経験のある方は少なくないのではないだろうか?

先物取引は、現物取引とは違い、現在の価格で将来に商品を売買すると言う取引のことである。
あらかじめ売買の価格を設定できる分、価格変動する商品の価格変動の関するリスクを回避することができるのである。
商品価格の全額を取引の時点で支払う現物取引に対して、先物取引は将来の売買を担保する証拠金が必要とされるのである。

一般的に先物取引については上記のように、語られているが、この説明文を読んだだけで先物取引について完璧に理解できる人はおそらくいないと思う。

今回は、少し理解のしにくい先物取引について、よりわかりやすい形でご説明させていただきたいと思う。
株式取引初心者の方や、先物取引という取引手段を増やしたいというかたは、ぜひ参考にしてほしい。

先物取引とは

先物取引は、イメージが湧きにくが文字の通り、先つまり将来の物の値段を予想して取引するということである。

要するに、

普段私たちは、スーパーやコンビニに行って必要な物を買う時、

その場でその商品に対する対価を支払い品物を手にすると思うのだが、

先物取引の場合、両者間で商品そのものは行き来しないのである。
その場でその商品の対価を支払うのではなく、上がると思えば、その商品を買う契約をし、ある一定の期間後に売って利益を得たり、その商品の価値が下がると思えば、売る契約をして、ある一定の期間後に買い戻して利益を得たりすることができるのである。
よく間違えられる先物取引と信用取引の違いや、具体的な株式取引の違いは、後述するとして、まずは先物取引の概要を正しく理解しておいてほしい。

先物取引とは、
1.将来の予め定められた期日に
2.特定の商品(原資産)を
3.現時点で取り決めた価格
で売買する事を約束する取引です。

先物取引は、相場が上昇すると予想したときには株取引と同様に「買い」から、

そして反対に相場が下落すると予想したときには「売り」から取引を始めることができるという点が最大の特徴である。

先物取引、すなわち現物の売買ではなく、将来的に買うまたは売る取引を行うという契約だからこそ、「売り」からスタートし、予想通り相場が下落すれば「買戻す」ことで利益を得ることができるのである。ただし、その反面、予想に反して相場が変動した場合には、損失が発生するで、注意が必要である。

詳しくは後述させてもらうが、「買い付け(または売り付け)を約束した時点の先物価格」と「決済時点での先物価格」の差額のみの受渡を行う決済方法を差金決済といい、株取引のように、売買の都度、株券や代金を受渡するのではなく、売買により生じた損益(差額)のみの受渡を行うことで、購入スタートの場合と同様、売却スタートの場合でも利益を出すことができるのだ。

先物取引の注意点

先物取引の注意するべき点としては、「証拠金」という仕組みがよく上げられる。
株取引では、10万円の株式を買う場合、原則10万円の資金が必要となる。

これに対して、先物取引は証拠金と呼ばれる担保を差し入れて取引を行うという違いもある。

株取引における信用取引と似た制度で、先物取引は証拠金に対して数十倍の取引を行うことができる仕組みとなっているいわゆる「レバレッジ効果」というものがある。

10万円の証拠金で100万円の取引ができる場合、レバレッジは10倍ということになるのだ、ただ、この「レバレッジ効果」は損失の面でも同様に働くもので、相場の見通しがはずれた場合には、損失が拡大してしまうため注意が必要である。
商品や時期によってレバレッジの倍率は異なるため、先物取引を行う際には、現物取引以上に注意が必要なのである

先物取引は、初心者はやらないほうがいい、先物取引はリスクが高いと思われがちな理由は、まさにこのレバレッジ効果とその取引の難解さにある。

だが、株式を買うことで利益を上げる方法(株価の上昇)の他に、株式を売って利益を上げるっ方法(株価の下落)を持ち合わせる先物取引は、その仕組みとリスクを正しく把握した上で用いれば、むしろリスクマネジメントの一環として併用することができる非常に、便利な取引なのでぜひ覚えておいて欲しい。

先物取引の決済方法

9-2先物取引の決済方法

先物取引の決済方法は、現物取引とは違い少々理解が難しいものなので、改めて、解説しておく。

先物取り引きの決済方法(1)受け渡し決済

先物取引は、

普段我々が何らかの物を購入する際に賞金代金(数量×単価)を支払いそれと引き換えに商品を受け取る現物取引とは違う。

商品代金(数量×単価)のみを前もって決めて置いた上で、

その商品の受け渡し自体は、1ヶ月〜1年後に行う取引である。
先物取引では、上記のように、最終的に商品とその代金を交換して取引を終了することを受け渡し決済と言うのである。

先物取り引きの決済方法(2)差金決済

先物取引の最大の魅力であり代名詞と呼んでも過言ではない差金決済。
差金決済とは、受渡し期限前に反対売買を行い、契約時の価格と現在の価格との差額の受け払いによって取引を終了させることを言う。

そしてその際の商品の受け渡しは行わない。
例えば、商品先物取引で金を買っていた場合、受け渡しが行われる前に、その金を売ってしまい(これを反対売買といいいます)取引を終了させる。その際に、売値と買値の差額の受け払いを行います。このような決済方法が差金決済なのである。

 

株式取引と先物取引の違い

9-3株式取引と先物取引の違い

先物取引は、購入する時期と値段の約束をするもの、というのはご理解いただけたと思う。
では、現在主要の取引となっている株式取引とは、具体的にどのような違いがあるのか、そして株式取引と先物取引はどのような関係性があるのかを解説していこうと思う。

株式取引とはそもそも何か?

まずは、株式取引とは何か、簡単におさらいしておこう。株式取引はその名の通り、株式会社が資金調達のために発行した株を購入または売却を行う取引のことを指します。
株式会社にとっては、銀行からの借り入れや、社債を発行して得た資本金とは異なり、返済をしなくてもいいという利点があります。
そして、株式を購入し出資する投資家にとっては、出資した企業が利益を出せば、利益の還元(配当金)を受け取ることができ、さらには株式を購入した時の株価より高い株価の時に売却することによってその差額分の利益を上げることができ流というものがあります。

先物取引と株式取引は何が違うのか

株式取引を、先物取引との異なる点に注目して解説させていただくと、
現物の取引を行わない先物取引に比べ、株式取引は各取引所において、株式の現物をその現在値で購入する。
たとえば、現在一株が1万円で、単元単位が1株の株式を購入しようとした場合、必要な最低投資金額は、手数料を除いて1万円が必要になるが、1円上がるごとに1円の利益が出て、1円下がるごとに1円の損失が出るというのが株式取引である。

企業に投資を行う株式取引に比べて、先物取引は各取引所において「金」や「ガソリン」「とうもろこし」などの商品に出資するのが商品先物取引である。
そして、株式取引とは違い、先物取引は、商品を将来の値段で売り買いを行うのである。
さらに、先物取引では、実際に商品や、資金がない状態でも取引をすることが可能と言う特徴があり、

証拠金(プライス・スキャンレンジ)を支払うことで取引を行うことが可能となっているという点が株式取引との最大の違いということを覚えておくと良いだろう。

先物取り引きの事例

例えば、東京金の証拠金(プライス・スキャンレンジ)が1枚(最低取引単位を「枚」という)90,000円(2016年5月現在)とした場合、

この90,000円で現在の金1kgを取引できるのである。

現在値を1g=4,300円と仮定すると、

430万円の取引を行うことになり、90,000円で430万円の取引をすることができる。

先物取引のハイリスクハイリターンという、イメージはこの証拠金(プライス・スキャンレンジ)の仕組みのためであろう。
上記の場合、4,300円から60円値上がりすれば6万円の利益、値下がりすれば6万円の損失ということになるのだ。

先物取引と信用取引と空売り

9-4先物取引と信用取引と空売り

先物取引と信用取引

先物取引を、株式取引との違いで解説してきたおかげで、比較的理解できたと思う。
ただ、株式取引や様々な資産運用方法を調べた経験のある方は、先物取引と信用取引は似ているのではないだろうか、と感じているのではないだろうか?

しかし、先物取引と信用取引は、証拠金制度、値洗い制度など類似している部分もあるものの、両者の本質は全く異なっていることを認識しておいて欲しい。

つまり信用取引では、

買い手は証券会社等(金融商品取引業者)や証券金融会社から買付代金の融資を受け、

売り手は売却する株券を借りそれによって売買が行われるが、
一方、先物取引は買い手、売り手のどちらにも信用取引のような貸借関係は存在しないのである。

また、信用取引では、

融資された資金あるいは貸与された株式によって、

一般の現物取引と何ら変わりなく売買がされるため、信用取引と現物取引の価格は同じになる。

一方先物取引は、

現物市場と独立して取引が行われるため、先物と現物は異なった価格になるのである。しかも、先物では限月別に独立して取引が行われることから、同種の先物でも限月ごとに別の価格となる。

先物と空売り

先物取引や信用取引にとって空売りは、なくてはならないもの。

「空売り」を正しく理解し利用することで、リスクマネジメントを行いながら、取引を行うことが可能となりますので、しっかりと覚えておこう。

空売りとは、「現物を持っていないのに、対象物を売ること」をいう。

そもそも先物取引では、

「将来のある日に、前もって契約して決めておいた価格で、取引する」ことが行われてることはご理解いただけていると思いますが、つまりそれは、現時点で「現物」を持っていなくても売ることが可能であり、契約で決めた「将来のある日」までに用意することができれば問題はないのである。

例えば、あなたが「半年後の○月△日に、オレンジ200個を1個150円で売る」という約束を誰かと交わしたとする。
実際にオレンジを引き渡すのは半年後なので、契約の時点で現物(オレンジ)がなくても成立するのである。
そしてオレンジを1個あたり100円で調達することができた場合、1個あたりの差額は50円で、200個の取引なので10000円の利益になる。
このように「空売り」の特徴は、価格が下がるほど利益がでる、ということで、これらは実際の商品の売買を近い未来で行う、先物取引や信用取引だからこそできる方法なのである。

しかし先物取引や信用取引で行う、空売りは本来、保険をかけるために行うもの、ということを覚えておいて欲しい。

 

投機目的での先物取引はギャンブル?

最近、先物取引を投機目的で行う人が多くなったせいか、ギャンブル扱いする声も頻繁に耳にするが、先物取引の本質は「ギャンブル」ではなく、「保険」なのであり、空売りはその象徴といえるのである。
先物取引での「空売り」という手法を正しく理解し、現物取引と合わせて使うことによって、比較的安全に株式を基本とした資産運用を行うことができる。空売りのリスクとメリットを正しく理解した上で、活用していくことをお勧めいたします。

先物取引についてまとめ

先物取引とは、現在の価格で将来に商品を売買するという取引のこと。あらかじめ売買の価格を設定できるから、
価格変動する商品の「価格変動リスク」を回避できるという利点があり、現物取引とは違い「売り」から取引を始めることができるというのが最大の特徴と言える。

そして商品価格の全額を取引の時点で支払う現物取引に対して、先物取引は将来の売買を担保する証拠金が必要とされる。
という特徴があり、自分の使用した(購入に使用した)資金以上の損失が出ない現物取引とは異なり、支払った証拠金以上の損失が出てしまう可能性があるというリスクはあるが、その反面、少ない資金から取引ができるというメリットでもあるので、しっかりとした知識を持った上で、先物取引のメリットとデメリットを把握して、取引を行なっていただきたいと思う。

これまで、先物取引について解説して来た中で、いかにして利益を出すのかについても簡単に触れて来た。
しかし、もちろん投資で利益を上げる方法は先物取引を使用した方法以外にも様々な方法がございます。

先物取引にはリスクがつきもの

先物取引は、低い資産から開始することができ、株価が思ったように動けば、利益を出すことができるのであるが、
繰り返し言わせていただくとその分、比較的リスクが高いということは胸に刻んでおいてください。

そういった理由から、投資や株式取引の基本的な知識を持ち合わせている自信のない方に先物取引をお勧めすることはできない。

(もちろん、先物取引には現物取引にはない魅力的なポイントも多くあるのでしっかりと勉強した上であれば、取引のバリエーションとして非常に有意義なものである)

投資経験の浅い方や、ご自分の知識に自信のない方は、まずは現物取引をご自分の資産の中で決めた額で行い、経験を積みながら勉強を積み重ねることが重要なのである。

しかし、それだけだと株価が下がってしまった時のリスクマネジメントができないのでは?
と感じる方もいるだろう。

先物取引のリスクマネジメントを学ぼう

そういう方にお勧めなのが、株アカデミーが主催している「波乗り投資方セミナー」である。
このセミナーでは、初心者の方にもわかりやすいセミナーを行なっている上に、

予想をしないというスタイル」を教えてくれるため、小難しい予想や、それに伴うファンダメンタル分析やテクニカル分析などの分析予想の手法を勉強をする必要がない。

それらの分析手法は、経験を積んで大きな額の取引ができるようになった上で、行う方がリスクマネジメントもできるし、初心者の方がその全貌を正確に理解するのは、いささか難しい。
無理をしてしまうと、勉強期間中や経験を積むために行なった取引で、大きな損失を出してしまい、いざという時に投資できる資産が手元からなくなってしまう、ということも多いのだ。

投資、特に株式取引で安定した利益を上げる、一番簡単な方法は、成功している投資家のやり方を勉強し模倣すること。

この株アカデミー「波乗り投資セミナー」は、小難しい分析などを用いて、一攫千金を狙うことよりも、いかに仕手株を長く続けるか、つまり、安定した利益を継続的に上げることに適した取引手法を教えてくれるセミナーである。

その一環として、「空売り」を用いたリスクマネジメントの方法も教えてもらうことができるし、実際にセミナーの中でその取引手法を体験することができるため、初心者の方にとってこれほど有用なセミナーはないと思う。

ぜひ、ご検討してみてはいかがだろうか?

この記事の著者・監修

株ビギナードットネット編集部

生徒数5000名を超える、株式投資のスクール『株アカデミー』にて講師として普段は株トレードのやり方を教えています。その講師陣が編集部としてこの「株ビギナードットネット」運営しており、特に株の初心者・入門者に向けて、株の基礎知識や用語などをわかりやすく解説しています。
https://kabu-ac.com


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